どこからかブツブツと話し声が聞こえてきた。  
なんだか頭が重い。体まで押さえつけられたように重たく感じる。  
私…何してたんだっけ?  
視界がまぶしく、パチパチと花火のようなものが見える。  
私どうしちゃったんだろう……思い出さなきゃ。  
確か、私は球磨川さんに言われて軍艦塔に来て、……そうだ、中に三人居て攻撃したんだ。  
だけど、それから何があったんだろう。  
 
カチャカチャ…………  
 
あ、そうだ。私捕まっちゃったのか。  
でも、体が動かない。  
手足に手錠がかけられてる………………。  
あれ?何か腕のあたりがチクってした。  
私は………なにかの台に拘束されているのか。  
ふん、こんなもの………私の荒廃した腐花にかかれば…え、手が動かない?  
 
「気がついたね、君にはリドカインを注射させてもらったよ」  
「早い話、馬用の局部麻酔薬だ。手足は動かせなくても意識はハッキリしてるだろ」  
「名瀬ちゃん、気をつけて」  
 
舌を噛んだのか、口の中がしびれる。  
目隠しをされてまわりが見えない。  
部屋の中には三人の足音、私の運命を決める話し声、そしてカチャカチャという金属音が響いた。  
万が一のときはすぐにでも逃げようと思っていたけど、こんなのは想定外だった。  
とにかく冷静に。  
そう思った瞬間、勢いよくお尻を引っ叩かれる。  
 
バシッ!!!  
 
「兄貴、マイナスって言ってもこいつ普通にビビってるぜ」  
「女の子がそんなことしちゃいけないよ」  
「……変態じゃなかったの?」  
 
くやしい、くやしい!!!  
怒りと恥ずかしさでぶるぶると体が震えた。  
死ねと叫びたいのに、声がでない。  
次の瞬間、ハンドルの回る音とともに、自分の両足が勝手に広げられた。  
 
これはまさか、分娩台!?意思とは関係なく、股間を晒された。  
遠くにあったカチャカチャという音が近づいてくる。  
やめて!何をするの!?  
 
「俺や兄貴はともかく、古賀ちゃんを狙うたぁ許せねぇな」  
「名瀬ちゃん、私は大丈夫だよ」  
「いや、マイナスに手加減は無用だよ、続けて」  
 
スカートがグイっと持ち上げられる。  
下着が引っ張られ、チョキチョキと切り抜かれていく。  
さっきとは違う意味で体が振るえだした。  
恥部に冷たい空気が触れて、パシャ、パシャ......写真を取られる音がした。  
一気に体温が下がり、下腹部がずんと重たい。  
 
「さっき利尿剤をサービスしといてやったぜ、そろそろキテんじゃね?」  
 
そう、私が唯一力を加えられるのは股間だけだ。  
こいつらそのつもりで、こんな格好で拘束したのか。  
無残な格好にして、私を脅そういうのか。  
私はそんな簡単に負けない。  
 
「ちょっと失礼するよ」  
 
何かが膣に押し込まれた。  
今まで他人に触られたことがなかったせいで、過剰に反応してしまった。  
 
「今のはね、追加の利尿剤入りカプセルさ」  
「名瀬ちゃんが本気で怒る前に早く吐いた方がいいよ」  
 
しゃべりたくてもろれつが回らない。  
どうしよう、どうしたらいいんだろう。  
そうこうしているうちに、溶け出したカプセルは恐ろしく冷たい。  
とにかく必死で抵抗したが、ついにカプセルが溶けた。  
 
!!!!!!!!!!!!!!!  
 
声にならない悲鳴を上げたが、私は涙をこぼしながらもなんとか我慢した。  
落ち着いて呼吸しなきゃ。絶対に失敗できないんだ。  
どんなに惨めになろうと、過負荷には過負荷のプライドがあるんだ!  
 
「だめだなこりゃ、兄貴!こいつ思ったより我慢強いぞ」  
「仕方ないようだね、そこの机の上のものを取ってくれ」  
 
何をする気だ?何がきても私は耐えてみせる!  
 
キュイィィィィィィィィィィィィィィイィィィン!!!  
 
え?何?何の音?  
 
「この二人を怒らせちゃったのが悪いんだよ」  
「僕も不本意だけどね」  
「ちょっと小便しやすくなるだけだよ。な〜に、ドリルでほじるだけだ」  
 
モーターの回転音、冷たい風、まさか本気で?  
……だ...やだ、やだやだやだやだやだやだやだやだやだ、嫌だ誰か!誰か助けて!!  
冷たい金属が股間に触れ、私のプライドは完全に破壊された。  
惨めったらしく私は抵抗した。  
そう私ができる唯一のことで。  
 
「嫌あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」  
 
腰をくねらせ、あたり一面におしっこを撒き散らした。  
顔をぐしゃぐしゃにして、抵抗したのだ。  
ありったけのおしっこが止まると、モーターの音が止んだ、助かった。  
 
「あっはっはっはっはっはっはっはっははははっははははは」  
 
やつらの笑い声を響く。...もういいよ、何もないんだから。  
 
「いやぁごめんね、これただのドライヤーだよ」  
 
………え?  
 
「麻酔はマジだけど、利尿剤とか嘘だぜ?」  
「僕が入れたのはフリ○クさ」  
「ううう、私は二人が本気でやるんじゃないかと思ってヒヤヒヤしたよ」  
 
何?どういうこと?理解できない。  
 
「全部デタラメ、お前は勝手に小便漏らして泣き叫んだお子ちゃまだよ!!!」  
 
下種な笑い声が続いた。  
でも、不思議に思われるかもしれないけど、私には笑みがこぼれた。  
だって、もう我慢しなくていいんだから。  
しゃっくりのような笑い声をあげて、私はおしっこを垂れ流し続けた。  
 
 
 

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