ある日の放課後、出くわした江迎に追われていた善吉は真黒に呼び出された  
何やら大事な話らしく、急を要するらしい  
江迎を振り切り、軍艦塔に入るや否や何故か真黒とくじらに外に出るよう要求され、善吉はやむを得ずこれに従った  
「さて、善吉くん。 君の経歴は今更言うまでもないね?」  
「は……、はぁ?」  
「くじらちゃん」  
「はいよ。 人吉善吉。 童貞を失ったのは満5歳のとき」  
「……、ブッ!」  
「欲情した母親に襲われる。 偶然人吉家に遊びにきためだかちゃんを交えて3P」  
「えーっと……、真黒さん?」  
「続けて」  
「その後、不定期にめだかちゃんと性的関係を持つ  
時は流れ中学時代。 破壊臣を奪われ怒りに震えた球磨川禊に掘られる  
処女を捨てたのはこの時。 もっともそれ以降はそういった経験は無いが、球磨川禊にトラウマを持つようになる  
更に時は流れて高校時代。 親友の不知火半袖に無理矢理遊び半分で性交渉をさせられる  
柔道部鍋島猫美に夜這いを仕掛けられる  
生徒会会計の喜界島もがなとハードSM  
−十三組の江迎怒江に強姦される……、これで全部だよな?」  
「あぁ、お疲れ様くじらちゃん」  
「ちょっ、ま、真黒さん……。、突然何ですか! 大事な話と聞いて来てみれば」  
「まぁ落ち着いてくれたまえ。 ここからが大事なとこだ。 この経歴を見ても分かるように君は『異常』あるいは『過負荷』なプレイしかしてないだろう? そんな君にだけ頼めることなんだ」  
「……、何スか?」  
「うん、実はね。 この軍艦塔で治療中の古賀さんはわかるね?」  
古賀さん、とはかつて地下で阿久根が戦った敵である  
その最奥に居た都城王土という男により心臓に強い負担を負い、現在この軍艦塔で治療を受けている最中である  
「そりゃあまぁ」  
「彼女はくじらちゃんに改造を受けた改造人間だ」  
古賀は産まれた時から何もかもが普通だったらしい  
そんな彼女が唯一遭遇した異常が他でもなくくじらだった  
くじらに懇願して改造人間となった彼女は『十三組の十三人』最強の女として活動をしていた  
「……、で? その古賀先輩が何ですか?」  
「うん、彼女はくじらちゃんに改造されたときに身体機能が大幅に増加した。 それと同時に……、性欲もね」  
「性欲……?」  
「あぁ、性欲だ。 性欲まで『異常』になってしまっててね。 普通の性欲処理……、いわばマスターベーションでは満足出来ないらしい」  
「あー、何となく話は読めて来ましたけどそれなら真黒さんが相手した方が良いんじゃないですか?」  
「何故か僕は彼女に嫌われていてね。 それにほら、僕は妹専門だよ? さて、それじゃあよろしく頼むね。 僕はくじらちゃんと新しい薬を買いにしばらく出るからどうぞご自由なプレイを」  
 
真黒に促されるままに入ると古賀はベッドに横たわったままだった  
小柄で、柔らかみのありそうな身体のライン、甘味を含んだその顔  
美しく気高いめだか、優しく愛に溢れた瞳、アグレッシブで気丈な鍋島、小悪魔な不知火、とりあえず自分を煽る喜界島、怨念のような愛を向ける江迎、思い出したく無い人若干一名……、今まで善吉が肌を重ねて来た女性達とはまた違った魅力を漂わせている  
「ねぇ、人吉くん?」  
「は、はい! 何でしょう?」  
古賀の顔がそれから見る見る赤みを帯びていく  
それは紅潮を越えて上気とも言える赤であった  
「私もう我慢出来ないんだよね。 人吉くん、早く私とセックスして欲しいなー」  
古賀はそう告げるとおもむろに身体を起こした  
目がキラリと鈍い輝きを放つ  
刹那、善吉の視界には自分に覆い被った古賀で埋め尽くされた  
にこやかで、輝かしい笑顔が善吉に向けられる  
「な、な、なぁ!? こ、古賀先輩!?」  
「人吉くん、いただきまーすっ!」  
丁寧に、高らかに宣言すると古賀は自分の唇を善吉の唇に重ねた……、否、唇を貪った  
貪欲に、深く口を合わせる  
ぬめりとした舌が甘く、熱い吐息とともに善吉の咥内に入り込む  
ぬるぬるとした卑猥な舌触りは善吉の脳そのものを溶かしていく  
これもまた善吉が今まで感じたことのない甘美な風味であった  
甘い唾液が舌に触れ、柔らかい舌が善吉の興奮をくすぐる  
最初、突然の襲撃で強張っていた善吉の身体は完全にほぐれ、古賀のなすまま……、むしろ逆に古賀を責めるほどにまでなっていた  
ようやく古賀が唇を離すと2人の間に数珠のようなきめ細やかに銀色の橋がかかり、善吉の口の中へと落ちていく  
「へへへー、噂には聞いてたけど可愛いね人吉くん」  
可愛い、と言われるとどうにも不服である  
善吉的にはカッコイイの方が断然嬉しいが、なされるがままだった善吉ではしかたないだろう  
だが、その言葉で今にも燃え上がりそうだった善吉の炎は業火と化した  
「良いんですか古賀先輩? 俺を怒らせると知りませんよ? 泣いても止めませんから」  
「……、うん! 楽しみだなー、人吉くんに襲われるの。 すごいテクニックなんでしょ? さ、早く早く。 私を満足させて?」  
その言葉を皮切りに善吉はぐるりと身体を反転させ、古賀を地面に伏させた  
元より善吉との性交を望む古賀は抵抗の意思さえ見せない  
「さぁーて、どうしてやろうか? まずはめだかちゃんにも負けず劣らずなその胸か? 可愛いらしい顔から想像できるその大事なとこか?」  
「人吉くんエッローい!!」  
古賀がキャハッと笑う  
それにつられるように小さく笑うと善吉はその胸に手を這わせた  
 
「きゃっ!?」  
胸を圧迫するような善吉の手に古賀は思わず声をあげる  
気持ち良さ、というよりは驚きの方が大きい  
しかしそれも最初のうちだけでやがて古賀は「あぁ……」と悩ましい矯正を上げていった  
快楽に堪えるように目をつむり、ひたすらに善吉の愛撫を受ける  
キュッと善吉がその先端を摘むようにこねれば古賀の身体はビクンとのけ反った  
その反応が一々可愛くて善吉はただひたすらにその手で古賀を踊らせた  
「ひ、人吉くんうまー……、ひゃう!? はっ、はぁぁん……」  
善吉のテクニックに酔いしれる古賀  
噂と違わぬその指芸は古賀の腰を触れる度に砕いていった  
「古賀先輩……、性欲すごいってホントだったんスね……。 コレ、前戯いらなかったんじゃ……」  
「……!?」  
善吉の巧みな指使いに気取られて、古賀は自分の秘所が晒されていることに気が回らなかった  
「やっぱり可愛らしいっスね」  
「ちょ、恥ずかしいよ人吉くんっ!! 何言って……、ひゃあ!?」  
善吉に対し顔を真っ赤に染め上げて反論する古賀は、秘所からほとばしった湿った、ざらっとした感覚に嬌声を上げる  
善吉の唇が、古賀の秘所に宛てられていた  
 
ぬめっと善吉の舌が古賀の秘所を這う  
その途端、古賀はびくんと身体を跳ね上げた  
舌は最初は緩やかに、浅く古賀の秘所を行き来するだけだが、やがてその舌は内部に埋もれていく  
「ふぁ……、あぁん……」  
古賀は身体の内側に感じる湿っぽく、熱く、ぬめりを帯びた感覚の虜となりつつあった  
きゅうっと舌を締め付け、やがてその締め付けは強い力を持ち、断続的に起きる  
「あっ……、あぁ……、ふぁああああああああん!!」  
身体をのけ反らせ、大きく跳ねる  
口の端から唾液を垂らしたその顔からはいかに善吉の舌が古賀を魅了したかが伝わってくる  
「あっ……、あぁ……、ふぅ……。 ……、ひ、人吉くんスゴイ!! 私を舌でイかせるなんて……、スゴイよ人吉くん」  
褒められているのだが、その背景には何とも奇妙な過去があるだけに善吉は複雑な気分に陥る  
「コレで満足ですか?」  
「まっさかー! 私が元から欲しいのは人吉くんのそのものだよ?」  
やはりそうなるのか、と善吉は頭を悩ませる  
しかし、こうも古賀の可愛らし反応を見ると善吉も我慢が出来ない  
チャカチャカとベルトを外し、それを取り出す  
「……、人吉くん大っきー……」  
その雄々しき形状に古賀は見とれ、声を漏らす  
やがて思い立ったように寝転がると腰をくねり善吉を誘った  
誘われるがままに善吉は自身を宛てがうと善吉の中に埋めていった  
熱く、巨大な感覚が古賀の内部を支配していく  
やがて最深部に達したとき、古賀は久しぶりに絶大な快感に浸った  
「あぁぁ!? あっ、あぁ……、ふぁぁん……」  
歓喜の涙と口の端から零れる唾液で古賀の顔は濡れている  
そんな古賀の顔にある柔らかな唇に深く唇を重ねながら善吉は内部を突いた  
善吉の動きに合わせ、古賀もまた腰を動かしていく  
互いに突き突かれ、絶頂へと昇りつめていく  
古賀に及んでは半ば意識は無く、本能に任せて腰を揺らしていた  
「あっ……、人吉くん……。 わ、私は今日安全な日だから出しても良いよ。 くっ、ふぁああん!!」  
「……ッ!!」  
暖かい感覚を感じながら、古賀はその意識を手放した  
 
改造人間は疲れやすい  
この性交で疲れ切った古賀は体力を使い果たし、眠ってしまったようだ  
「……、さて、帰るとするか」  
古賀の身辺整理を済ませ、彼女を再びベッドに横たわらせると身体を伸ばし、善吉はドアへと向かった  
「あはっ、善吉くん見ぃ付けた。 恋人同士のかくれんぼなんてロマンチックだよね」  
どうやら今日はもう一踏ん張りさせられそうである  
 

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