「ほら、立てるか?」  
男の子から初めて手を差し伸べられた……。  
果たして私にこんなことが起きていいのだろうか。  
 
女ばっかりの女学院生活。  
体質のせいで常に距離を保って接せられる毎日。  
ずっと、友達は出来かった。  
 
でも、ずっと夢に見てたのだ。  
少女漫画でよくあるこのシチュエーション!  
素敵な男の子がいつか私を救ってくれるはず!  
 
私も彼に手を差し出した――彼がそうするように。  
でも忘れていた。私の体質。触れたら腐食してしまうこの手のひら。  
 
「ぎゃああああああああああああああああああ」  
「あっ」  
 
彼の手が腐っていた。  
 
「いってぇ……。くそっなにがどうなってんだよ!」  
「どうしようどうしよう」  
 
どうしようどうしようどうしようどうしよう。なんとかしなきゃ、手が手が手が――。  
 
――そうだ!  
 
「保健室、行こう!」  
「へ?」  
 
そして彼の手をぎゅっと握り締めて、私は保健室へと駈け出した。  
 
「ぎゃあああああああああああああああああ」  
 
 
続きは保健室で!  
 

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