箱庭学園生徒会が庶務、人吉善吉は昔を思い出していた。  
昔、とは善吉中学生がデビルかっこよくなる前あたりである。  
中学生の善吉は  
幼なじみの超人・黒神めだかがクラスメートの女子に胸を触られて思わず「ひゃんっ!?」等とガラに合わない声をあげていたのを見て嬉しく思っていた。  
 
それは何故か。  
 
そのころのめだかと言えば、周囲がめだかの異常性に気を取られ、本質には目を向けられ、恐れられ、崇められ、奇異な者として見られていたために、  
普通にクラスメートとじゃれあうこと等なかったのである。  
 
だからこそ善吉はその光景を嬉しく思った。  
 
決してめだかの胸に対する嬉しさではない。  
決してめだかの胸に対する嬉しさではない。  
 
 
「…キチ………善吉!」  
男、人吉は黒神めだかの声で我に帰る。  
 
中学生時代で既に素晴らしかったというのに、更に磨かれ、目を奪われない方が失礼に当たるようなプロポーションを持つ女が言う。  
 
「善吉、何を呆けておる。このような美女を前に他に何を考えると言うのだ。…まぁ良い。ところで善吉、だいぶ良くなってきたぞ、私も気分が高ぶってきた」  
 

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