「跪くぞ!」
王土は片膝を付き、めだかを前に自ら跪いた。
その動きは流麗で、誰もが見蕩れるほど優雅な動きだった。
その後も王土の命令は続く。
「殴れ!」
「踏みつけろ!」
「縛れ!」
「鞭で打て!」
めだかの体はめだかの意思を無視して王土の命令通りに動いた。
本来の力ではなく、乱心モードでもない状態だがそれでもめだかが化物であることは変わりない。
殴るだけでコンクリートを破壊し、手加減なく踏みつけられると地割れを起こすような化物。
王土はそのめだかの攻撃を全てその身で受け止め、白い体を真っ赤に腫らせながら愉悦の表情を浮かべている。
「もっとだ! もっと俺を殴れ!!」
めだかも善吉も王土を変態だと完全に認識した。
無視して帰ろうとするが王土の命令には逆らえない。
「手加減は抜きだ! 本気を出せ!!」
めだかはイヤイヤながらも遠慮なく全力で攻撃できる相手の存在に快楽を覚え始める。
善吉はただ見ているだけだったが、妙な興奮を感じた。
その後、二時間ほど王土に命令されためだか。
それをただ眺めていた善吉。
二人は軽い疲れを体に感じながら王土の最後の命令を実行する。
「放置しろ!!」
二人は王土を軽蔑するような白い眼で見て、放置し、帰っていった。
王土はめだか以外誰も解けないくらい強く縛られており、下校中の生徒に白い眼で見られる。
王土は十三組の筆頭だ。
異常(アブノーマル)だということはほぼ全校生徒が知っている。
が、異常だということと性癖は別物。
十三組というのは優秀な人間の集まりだということは事実であって、この学校の生徒ならば誰でも知っていること。
しかし王土が本当にアブノーマルだということは誰も知らなかった。
縛られ放置された王土は次の日、めだかに会うまで縛られた状態で放置された。
翌日、珍しく疲労を隠せないめだかに自由を許された王土の表情は幸せで満たされていた。
* * * * *
王土が放置されていた夜。
めだかは善吉に頼み込み、自分が王土にしたことを身を持って経験することにした。
自分のしたことがどんなことなのか興味があるという。
善吉がめだかを傷つけることは出来ない、という理由から殴ることはなかったが、
善吉はめだかの頭を踏みつけ、染み一つないきめ細かな綺麗な肌をした体を縛り、
鞭を打ち真っ赤に腫れさせ、紅い蝋を垂らした。
始めたばかり頃、二人にはこのプレイの良さを理解できるとは到底思えなかった。
だが続けている内に妙な興奮を覚え、行為は次第に激しくなっていく。
少し緩く、しかし動けば動くほど絞まるように器用にめだかを縛った善吉は、
至福の表情を浮かべ、めだかを見下ろした。
なんとも言えない満たされた気持ちで胸がいっぱいになる。
みんなのめだかが今だけは善吉だけのめだかになったからだろうか。
めだかからしても、今まで何者からも自由を奪われたことはない。
だというのに、一番身近で信頼している人間に縛られる。
それだけではなく、自分を縛った善吉を眺めるとその表情は悦んでいた。
その様子を見ただけでめだかの体は疼き、これから自分の身に起こる事を無意識に期待している。
そのことに気付くと、余計に興奮し、その気持ちを抑えられなくなっていった。
「……善吉、…焦らさないでくれ……」
懇願するように呟く。
めだかの大きな瞳が上目遣いで善吉を射抜く。
眼力はないが善吉を動かすのには十分な力があった。
めだかは全裸で縛られている。
腕は後ろに固定され、脚は自分の意思では閉じられないように縛ってあった。
その姿はプロジェクターで投影され、大画面でめだか自身もあられもない自分の今の姿を確認できる。
室内は防音処理が施されている。
めだかの首の付け根には高性能なマイクが張られ、めだかが出したどんな小さな声も拾い、部屋の中に響き渡った。
自分の艶かしい声を聴く度にめだかの膣からはドロドロと愛液が滴り、シーツを汚していく。
それは留まることはなかった。
善吉は裸にひん剥いた皆のめだかを眺め、モジモジと動く姿に狂喜し、ふつふつと湧いてくる欲望に従って行動を始めた。
自身も全裸になった善吉は欲望のままにめだかに突き入れる。
「ひゃっ」
とめだかの可憐な唇から小さな声が発せられた。
それはマイクを通して部屋の中に響き渡り、何度も反響し、二人を興奮の渦へと巻き込んでいく。
「ぜ、善吉……」
とか細い声で鳴くめだかの声は善吉の心を弾ませ、より高揚した気分へとシフトさせていった。
平常心などどこかへ捨ててしまった善吉は高ぶった感情のまま腰を突き入れる。
「あっ、んっ、はぁ……、ゃ、……んぅ」
突き入れる度に聞こえてくる声は色を増し、小さな頃からずっと一緒にいた善吉でさえ聴いたことのない可愛らしい美声だった。
耐えるような声に始まり、甘えた猫なで声、頼りない消え入りそうな声、囁くように善吉の名を呼ぶ悲鳴に似た声。
どれもいつものめだかからは絶対に聞くことはないだろう、と確信できるものだった。
それが善吉の興奮をより高ぶらせる。
知らないめだかの一面をもっと引き出したい。
そんな欲望に駆られる。
善吉はめだかにアイマスクをし、ただ感じることに集中させる。
めだかは一切の自由を奪われ、ただ体全体で善吉を感じることしか出来なくなった。
「あっ、あっ、はっ、あ、んん、ん、は、んんぁっ」
キスをしては唾液を飲ませ、遠慮なく腰を突き入れる。
一突きする度に揺れる胸の先端を指でこねくり回し、這うように撫でまわした。
めだかの反応を見ながら、より強く反応するものを選び執拗に責め立てる。
尋常ではない締め付けを見せるめだかの膣に侵入する善吉の肉棒。
ずっと憧れていためだかを無理矢理陵辱しているようにも感じる。
「ぁぁっ、んっ、あ………ぜ、んきちぃ…ぁっ、んっ」
めだかはじゃれつくような声を出し、キスをねだる。
善吉がそれに応えると妖しい笑顔を浮かべ、また善吉を感じることだけに集中する。
何度も何度も飽きることなく突き入れ、何の配慮もなく、支配欲や征服欲、所有欲に駆られた善吉。
むき出しの欲望を隠すことなくぶつけ、壊れることのない美しい体を蹂躙した。
今までのめだかへの思いが屈折して表現され、性に飢えたケモノのように善吉を突き動かす。
めだかもその肉欲を全て受け入れ、色欲に駆られた自身を許容し、善吉の振る舞いを迎え入れる。
めだかも今まで感じたことのない欲求で心を満たされ、その感情に従った。
善吉の動きに合わせ、めだかは腰を動かす。
一振りするごとに締め付けはキツクなり、善吉は精を出しそうになった。
思わず腰の動きを止めると、めだかはねだる様な虚ろな声を出しながら腰を動した。
「……う、ごいて……くれ……」
焦らされると思っているのか、めだかは待ちきれないと言うように体全体でねだっている。
善吉はキスを繰り返しながら、めだかの桃色の乳首を弄んだ。
「はぁんっ、ぁっ、や、ぁ……も…っと、んんっ」
キスするのをやめ、状態を起こし、指で陰核を触ってみる。
一際大きく反応を示しためだかは小さく痙攣をした。
息を整える間を与えることなく、同じ場所を優しく触り続けると、
面白いようにめだかの体はは跳ね上がり、弾み、そして痙攣する。
そして動いていないにもかかわらず、肉棒を締め付ける強さはより強大になっていった。
再び腰を突き出すと、めだかは「はぁあ……」と深く息を吸い、甘い息を吐く。
妖艶な体は刺激を与える度に痙攣するほど敏感になり、善吉が腰を動かすたびに締め付ける。
めだかの意識は快楽で繋がれ、他のことはもう考えていられない。
「……はぁ、…んっ……んっ…ぁっ……ふぁぁ…っん」
もうずっとイっているような状態のめだかを眺めながら善吉の腰の動きは速くなっていった。
突き入れるたびに揺れる大きな胸を見ながら、
突き入れるたびに強く締め付ける膣を感じながら、
我慢の限界を超え、善吉の白濁した欲望はめだかの中へと吐き出されていった。
ドクドクとお腹の中に熱い液体を感じながら、胸を上下させ、肩で息をしているめだかは幸せそうな笑顔を善吉へと向ける。
体は完全に拘束されたまま、部屋の中のプロジェクターにはめだかの痴態が映っていた。
他の事を考えられなくなっためだかは入ったままの肉棒を刺激するように小さく腰を動かす。
善吉もそれに応え、再び腰を動かし始めた。
二人の気分は時間経過と共に比例して高揚し、増していく。
その夜二人は眠ることはなく、共にお互いを感じ、初めての行為を楽しんでいた。
* * * * *
翌日、めだかと善吉はその存在を忘れていた王土を解放し、別々の教室で授業を受ける。
休み時間は必ず生徒会室へと赴き、でお互いの欲望をぶつけ合った。
二人の結びつきはより強固となり、その後もお互いを高めあっていく関係は継続される。