王土とめだかちゃんがデートに行った日からめだかちゃんとは連絡が取れなくなった。めだかちゃんを知る誰に聞いても答えは得られない。  
街だけじゃなく思い付く限りの場所を探し回ったがめだかちゃんは見つけられなかった。  
そして、夏休みが明けて新学期になってもめだかちゃんは現れなかった。生徒会室にもだ。  
めだかちゃんがいなくても生徒会の仕事はある。俺達はめだかちゃんの代わりに出来る限り生徒会活動に勤しんだ。  
そして夏休みが明けて一週間。  
いつもの様に生徒会室に行くとめだかちゃんの机の上にDVDが置いてあった。一通の手紙と共に。  
それはめだかちゃんの字でみんなで見てほしい、と書いてあった。めだかちゃんの無事が分かって俺たちは喜んだ。  
 
DVDを見るまでは  
 
DVDを見るためには再生機器が必要だが生徒会室にそんなものはない。阿久根先輩や喜界島とどうしようかと考えていた時に生徒会室のドアを開けて不知火が入ってきた。  
「おいすー。日々労働に励んでるかい!?」  
渡りに船とはこの事か。不知火に事情を話し、新聞部…というより不知火の持っているDVDプレイヤーか何かを貸して欲しい、と俺は頼んだ。めだかちゃんの消息を掴むヒントになるかもしれない。  
「頼む!不知火!」  
「おっけおっけー!君はめだかちゃんの事大好きだもんね!なりふり構ってられない感じがいい感じ」  
二つ返事で了承してくれた不知火は部室に置いてあるというポータブルDVDプレイヤーを取りに行く、と生徒会室を出て行った。出て行く時に「この借りはデカいぜ」とものスゴい笑顔で言われて、俺はちょっと頭を抱えた。  
数分後、DVDプレイヤーを抱えた不知火が帰ってきて早速DVDを再生する。勿論不知火も一緒だ。  
 

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