放課後の生徒会室。黄金色の夕日が沈み始め、静かに、静かに、トーンを落とす。  
 明度の死んで行くこの場所には二人きりで、俺は帰り支度を終えて幼馴染みを待ちぼうける。  
 左手に鞄を持ち、壁に寄り掛かって、立ったまま正面の生徒会長を眺めていた。部屋の中央、俺と同じく立ったままで居る黒神めだかを。  
 腕を組んで、目を閉じて、小さく唸って、既に五分経過。何かを考えてるってのはわかるんだが、流石に促すか?  
「ほらっ、そろそろ帰るぞっ」  
 一つ溜め息を吐いて歩み寄り、目の前で手を取ろうとしてようやく……  
「ふむっ、そうだな」  
 頷いて瞳を開いた。  
 だが、その行動は伴わない。差し伸べた手を振りほどき、俺の鞄を奪い取って机に置く。  
「はっ? おいっ!?」  
 意味がわからん。コイツは何がしたいんだ?  
 真紅色の光を背中に浴びて、唯々薄く微笑むだけ。  
 そしてゴクリと喉を鳴らすと、  
 
「なぁ善吉? お前の逞しいおちん……ペニスを、私に見せておくれ?」  
 
 一言で俺の全身を影縫った。  
 直立不動で金縛られて、単純なセリフすら紡ぐ事ができない。  
「ふふっ、せっかく生徒会に入ってくれたのだ。ご褒美を、やらんとな……んっ」  
 めだかは自らの口元に両手を添え、舌を垂らし、その上からヨダレを伝い落としてる。  
 夕日に照らされて輝き、トロトロと粘着質な唾液を。指の隙間から零れるまで手酌に流し込む。  
 何度も開閉させて全体に馴染ませ、卑猥な水音を生徒会室に響かせる。  
 ぐぢゅぅぅぅっ、ぐちゅ、グチュ、グチュ、グチュリ……  
「ほーら善吉ぃっ、今からグチュグチュの手で、お前のペニスに悲鳴をあげさせてやるぞ♪」  
 楽しそうに、楽しそうに。目を細めて、口元を吊り上げて。  
 ここまで来てやっと、俺は現状を理解した。これは……夢。だってそうだ!! 身体はどこも動かなくて、単語の一つも吐き出せくて、頭は何も考えれない。  
 はっ、だったらっ!!  
「すごいな、こんなに大きくなって……これが将来、私の膣内に入るのかと思うと……すこし、ふふっ、怖くはあるな」  
 だったら、 夢だと割り切るさ。現実には存在しない展開を、目一杯楽しませて貰おう。  
 いつの間にかズボンが脱がされてて、テーブルに畳まれて置かれてて、チンコは痛いくらいに勃起してる。  
「はぁぁっ……それではヌイてやろう。イク時はきちんと言うんだぞ善吉?」  
 潤んだ瞳は上目遣いで俺を見つめ、肩で呼吸をする程に息は荒い。  
 そんな黒神めだかは眼前で膝立ちになり、息が掛かるまでに近いチンコの先で、軽く右手を握って隙間を作る。  
 
 頬を赤く染めて、楽しそうな笑顔のまま……  
「そらっ♪」  
 ぢゅくっ、ぢゅぶぢゅっ!!  
 作られた隙間、ヌルヌルな唾液で覆われた手の中で、一気に根元までスライドさせ、俺のチンコを柔らかな掌で包み込んだ。  
 左手は睾丸を優しくマッサージしながら、右手は握力とスピードを自在に変化させて上下に扱き始める。  
「知ってるか善吉? ココ……玉の後ろを触られるとな、精液の通りが良くなるらしいのだ」  
 にゅち、にゅち、にゅち、ずぢゅるっ!! ぐちゅぐちゅ、ずちゅずちゅずちゅ……  
 
 ふぅっ!? なんとまぁ、ははっ、すげぇ気持ちいいな。  
 話しをしてても動きは止まらず、ペニスのあつかいに慣れた手つきで、感じるポイントを的確に刺激して攻め立ててくる。  
 唾液を垂らしてヌメりを補充しながら、急速に俺を限界へと追い詰めて行く。  
「んんっ……我慢などするものでは無い。裏スジを擦られて、カリ首を引っ掛けられて、先端を圧迫されて……ふふっ、たまらんのだろう?」  
 裏スジは指を押し当てて擦り上げ、カリ首は親指と人差し指の輪っかで通過する度に引っ掛け、先端は力を強めてキツく締め付ける。  
 こんなもん、堪えるなんて無理だっ!! アソコは一足先にギブアップして、真ん中の管は次々と精液を出口へと輸送してしまう。  
「そうか、このおちん……ペニスが、私の膣内をえぐるのだな? 興奮、してきたぞっ♪♪ ほらっ、イケ善吉っ!! イッてしまえっ!!!」  
 久々に聞いた感情的な声は、手のスピードを一層に煽る起爆剤。  
 尿道の目の前で口を大きく開き、俺を視覚的にも挑発して、最後のトドメを刺そうとしてる。  
 そうは理解していても、競り昇って来る射精感には勝てやしない。  
 どうせ夢なんだからと諦めて、与えられる快楽のまま、俺はめだかちゃんに……  
 
「ぐぎっ!? めだかぁぁぁぁぁっ!!!」  
 
 思いっきり射精した。  
 
 
 あー。  
 ああー。  
 あぁ、やっぱりな。すっきりしたけどよぉ、最悪だ……いい歳して、夢精かよ?  
 うっすら目覚めれば白い天井が見えて、窓から差し込む光がまだ昼間だと教えてくれてる。  
 ただ、寝ていた場所は自宅じゃなかった。窓以外はカーテンで仕切られてて、独特な医薬品の匂い。  
 つまり俺がベットで寝てる所は……  
「保健室、だよ、な?」  
 ここまで辿れば連鎖的に思い出す。  
 昨日は生徒会に入って、家に帰って、疲れたから風呂で寝ちまったんだ。  
 そんで体調を崩して、学校でボーッとして、そんで倒れた……か? 全部、繋がったな。  
 しかしまぁ、なんであんな夢を見たんだ? 学校じゃパンツ洗えんし、このまま我慢するしか無いのかよ?  
「はああっ……勘弁してくれ」  
 それでも一応、被害状況を調べようと掛けられていた布団をめくったら、  
「んぐ、んぐぐっ……ちゅぷちゅっ、ぢゅっ、むぐはあっ!! けほっ、けほっ、してる最中に他の女の名前を叫ぶなんて、ふぅぅっ……マナー違反だぜ人吉?」  
 苦し気に咳込む不知火が居た。俺の足に跨がり、口元を手の甲で拭って。  
 こんな光景を視野に入れて、まともな思考回路は判断を放棄する。  
 えーっと。  
「何してんだよオメェはっ!?」  
 取り敢えず怒っとくか。  
 
「ちぇっ、なんだよ? 怒る事ないだろぉっ……布団を盛り上げて大変そうだったから、仕方なくヌキヌキしてやったってのにさぁっ。普通はフェラなんかしないんだからなっ!?」  
 しかし悪びれた様子も無く、ゆっくりとベットから下りると、更にゆっくりとカーテンを引く。  
 すると現れる。腕組みをして、不機嫌そうに俺を見下す良く知った幼馴染みが。  
「そうだぞ善吉? 不知火はお前の為におちん……ペニスを咥えたのだ。よっと」  
 不知火は、「ごゆっくり〜」と手をヒラヒラさせてカーテンの向こう側に消え、めだかはそれに代わって俺の足へと跨がる。  
 嫌な予感しかしない……  
「めだか、ちゃん? 男は一回イッたら、しばらくは出来ないんだぜ?」  
 なんとなーく読めた。不知火が面白がってけしかけたんだな。  
 でも、どーせ身体もまともに動かないし、夢の続きだと思って……  
「心配するな善吉っ!! 私の『鬼のシゴキ』を持ってすれば、一度の射精などハンデにならん。  
例え、ペニスの早ヌキ対決と言えど、不知火との試合には負けぬのだ」  
 
 好きにしてくれ。  
 
 
 
 
 おしまい  
 
 

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