アルカナ大陸はずれの小さな村。  
他の大陸へと飛び立つ飛行機に乗る旅人達の拠点として賑わっていたのも昔のこと。  
華やかな町へと旅人達の拠点は移り行き、すっかり寂れてしまっている。  
だが、今日は珍しく3人の旅人が訪れた。  
メモリア大陸を目指す3人組。1人の男と2人の女。  
久々の客人に宿の主人は大歓迎して、店の一番良い部屋を2部屋用意してくれた。  
 
 
「ラッキーでしたね、プリセラさん。」  
「ホントホント。」  
「単にお金が無いから安い宿を探していただけなんて口が裂けても言えないよなぁ」  
「言ってるって、ミカゼ!」  
「しかも、一番安い部屋の代金で一番良い部屋を使わせてもらえるなんて、本当にラッキーですょ」  
「ベッドだってフカフカだぜーっ! すぐに寝れそうだ……ぐぅ…」  
「もう寝てるんですか!! ここあたしとプリセラさんの部屋なのに〜」  
「旅の疲れがでたのかしら?  
 まったくしょうがないねぇ…あっちの部屋は、ベッドが1つしかないんだっけ。  
 じゃあ……あたしがミカゼの部屋で寝るかなぁ。」  
「え? そんな、悪いです!! プリセラさんこそこっちの部屋で寝てください!!」  
「ちょっと、リュシカ、私を獣と同じ部屋で寝させる気?」  
「いや、そういうわけじゃ……。け、け、けもの!?」  
「そうそう、男なんてみんな獣なんだから。」  
「やっぱり………。ミカゼさん、あの顔からして獣だと思ってたんです。  
 男の人の正体はみんなあんな顔なんですね…。  
 分かりました。あたしはミカゼさんの扱いには慣れてますから、任せてください!!」  
「いや、そういうわけじゃ……。あ、まぁ、いいや。  
 あたしも疲れたし、さっさと寝ちゃお……。」  
 
 一人眠るミカゼと、一人意気込むリュシカをよそにプリセラは部屋を後にした。  
 
 
201号室 プリセラの部屋  
 
「あぁ………はぁっ……くはぁ…」  
甘い吐息が部屋に響く。  
くちゅっくちゅっ……。  
粘性のある液体が擦れる音がする。  
「はふっはふっ……」  
女性が一人、ベッドの上で身悶えていた。  
左の手を自らの豊かな乳房に。右の手を自らの秘所にあてがって。  
左手に備わった細く白いその指先は、形を歪めるほど乳房を揉みしだき。  
右手に備わった起用に動くその指先は、膣を貪るように何度も激しく出入りを繰り返していた。  
「はぁ……っ」  
ひときわ艶やかな声が漏れる。  
乳首をキリキリとつまみ上げ、指の挿入を繰り返す。  
「ん…んん……」  
徐々にオルガズムの波が押し寄せてきた。  
乳房にあてがっていた左手を秘所に導き、クリトリスを摘み上げる。  
「んああっ…あぁぁあっ!」  
指は出入りと同時に膣内をかき回すように蠢く。  
「くふぅ……」  
押し寄せる快楽に耐えるように、つま先がピンと伸びる。  
「んんんんんんんっ……くはぁぁっっっっ!!!」  
声が部屋から漏れないように押さえながら、その細い身体は激しく痙攣させていた。  
訪れた絶頂。  
 
「はぁ…はぁ…はぁ…」  
肩で息を切らして酸素を体内に取り入れようとするが、頭がぼんやりとする。  
まだ身体の中には絶頂に達したときの心地よさが残っている。  
「久々に……ひとりエッチなんかしちゃった……。  
 ちょっと溜まってたかな?」  
最近、宿に泊まっても、ずっとリュシカと同室だったことを思い出す。  
限られた旅費では、3人で3部屋を借りる余裕など無かった。  
プリセラなりに自粛していたのだ。  
 
「ふぅっ」  
プリセラは乱れていた衣服を着なおすと、深呼吸を一度して、再びベッドに潜り込んだ。  
「………………………」  
目を瞑って眠りにつこうとするが、身体の芯にしこりのような物を感じてなかなか寝付けなかった。  
(物足りない………?)  
さきほど自慰行為を終えたばかりだというのに、身体の火照りが冷め切らない。  
(久々だったから、まだ満足がいってないんだろうか……?)  
今まで、一度で収まらないほど自分の欲求不満が溜まっていたことなど一度も無かった。  
自分の局部を下着越しに触れてみる。  
しゅん……とまだそこは湿っていた。  
 
もう一度……。  
そう思いブラウスのボタンを全て外し、ブラジャーのホックを外す…。  
パジャマのズボンとパンティをずらそうと手をかけようとした時、  
ギシィ。  
「!!」  
廊下の床が軋む音がした。思わず触れていた手を引っ込める。  
ひた……ひた……。  
素足で廊下を歩く足音。  
スリッパも履いてない……そんな風習の持ち主なのはミカゼしかいないね。  
トイレかな…。  
プリセラは色々と考えながら、ミカゼに行為を悟られまいと息を潜め、通り過ぎるのを待った。  
何しろ、部屋の中は膣から流れ出た愛液の匂いで充満している。  
部屋に入られたら、自慰行為をしていたことなんて、バレバレだ。  
もしかすると、ドアの向こうにまで匂いが漏れているかもしれない。  
だが、プリセラの懸念をよそに、ミカゼは何の疑いも無くプリセラの部屋の前を通り過ごしていく。  
ふぅ……。  
一息つこうとしたとき、  
「ねぇ、ミカゼ!」  
(えっ!?)  
どこからかミカゼを呼ぶ声がした。  
通り過ぎたはずのミカゼの足音が戻ってくる。  
「ちょっと、こっち来てよ!」  
(駄目……来ないで!!)  
「ん? どうかしたのか?」  
ミカゼの足跡が201号室の前まで辿り着くと、ピタリと止まった。  
 
「ねぇ。入ってきてよ。鍵は開いてるから…。」  
「え? そうなの? 無用心だなぁ…。」  
(ちょっと……なんで!? 何で私の部屋に!?)  
「じゃあ入るよ…」  
「うん。いいわ。」  
カチャッとドアが開く。  
そのとき、今までミカゼを呼んでいた声が自分の物だと気づいた。  
溢れ出す欲求が身体を支配し、無意識に男性を呼び込んでいた。  
「んあっ……。何?この匂い」  
ドアを開けるなり、ミカゼの敏感な鼻が愛液の匂いを嗅ぎ取った。  
「あ、こ、これは……。」  
プリセラが言い訳を考えようとしている間に、部屋の照明が灯される。  
「あ…」  
プリセラの頭の中が真っ白になる。  
気づいたときには、呆然としながら、衣服がはだけ、胸が露になった姿をミカゼに晒していた。  
ミカゼは、目を点にしながら、その豊満な乳房やくびれたウエストをマジマジと見つめていたが、やがて正気に返る。  
「ご、ごめん……。」  
ミカゼは慌てて視線を地面に逸らしたが、プリセラの頭は羞恥心でいっぱいになり、衣服を着直すことすら忘れていた。  
武道の達人とは思えないほどの動揺があった。  
少年の目には、一体私はどう移ったのだろう?  
軽い女だと思われただろうか? 変な女だと思われただろうか?  
軽蔑されただろうか? 一緒に旅をする気が失せてしまったのではないか?  
慌ててシーツを頭から羽織り、悩みこんだ。  
頭が混乱していた。  
涙が出そうだった。  
 
ごくっ……。  
シーツの向こうからミカゼの喉が鳴る音が耳に聴こえてきた。  
どうやらまだ部屋にいるらしい。  
「軽蔑した?」  
吐き捨てるように呟いた。  
「プリセラ…気にしないで……」  
優しい言葉。  
自分の人生の2割も生きていないこの少年に慰められるなんて思いもしなかった。  
「変態だと思ったでしょ?」  
「そんなことない……」  
シーツが剥がされる。  
目の前にミカゼの顔があった。  
「そんなことないよ……。だって……俺も……。」  
プリセラはふと気づいた。  
ミカゼの息が少し荒くなっていることに。顔も紅潮している。  
離れているというのに、心臓の音が聴こえてきそうだ。  
「俺も……我慢できなくて……。」  
「えっ?」  
ミカゼの手が伸びたかと思うと、プリセラの豊かな胸を掴み、握り締めていた。  
「ふあぁっ!!」  
いきなり乳房に刺激が加わり、思わず喘ぎ声が漏れる。  
ミカゼの手の中で乳房は次々と形を変えていく。  
「ミ、ミカゼ! そ、そんなに強く……しちゃ…あぁっ…」  
乳房が歪むたびに快感が脳に滑り込んでくる。  
それと同時に先ほどの自慰行為で昂ぶっていた火照りが舞い戻ってきた。  
「お、お願い…もっと優しく……。」  
プリセラの嘆願はかなわず、ミカゼの行為は止まらない。  
激しく乳房を揉みながら、その先端の突起に舌を這わした。  
「ああぁっ!」  
部屋から漏れることも厭わずに喘いだ。  
すぐに固くなった乳首をしゃぶるように嘗め尽くし、また吸盤のように乳房に吸い付く。  
色が赤くなるほど乳房を吸うと、先端を軽く噛む。  
「ちょっと……良すぎ…んあああっ…」  
絶え間ない刺激に身体が、びくっと痙攣する。乳房への刺激だけで軽く達してしまった。  
思わずミカゼの腕を抱きしめる。  
すると、ようやくミカゼの手が乳房から離れた。  
 
「はぁ……はぁ……」  
「ごめん……」  
ミカゼも少し冷静さを取り戻したようで、申し訳なさそうな顔をする。  
「でも……どうしても我慢できなくって…」  
「今ので満足したの?」  
「え?」  
「胸を揉んだだけで充分だったの?」  
「いや……そうじゃあ……」  
ミカゼのズボンに目を向けると、そこははちきれんばかりに膨れ上がっていた。  
プリセラは、それにゆっくりと手を伸ばす。  
「あ…」  
ズボンを下ろすと、固くそそり立ったミカゼの分身が姿を現した。  
プリセラは、おもむろにそれを握り締める。  
「すごく固い……」  
「あぁ……っ」  
今度は、ミカゼが可愛らしい女の子のような恥じらいある声を漏らした。  
「まだ足りないのね……。 私も……なんだ……」  
ミカゼの分身を軽く扱きながら、秘所に手を充てる。  
そこは、自慰行為をしていた時のようにぐっしょりと濡れている。  
もう、欲求に耐えることなどできそうもなかった。  
プリセラは、やがて、ミカゼの分身に顔を近づけると、口で含み込み、味わうように舌を這わした。  
舌を亀頭の先からくびれの裏まで丹念に舐めていく。  
「うわっ……」  
そして、口内でミカゼを喜ばせながらも、火照りを収めようと片手は秘所をまさぐる。  
口からも、秘所からも、くちゅくちゅと音が鳴り響く。  
「そんなにされたら……」  
「んん?」  
ミカゼが突然腰を引いて、プリセラの口から分身を引き抜いた。  
「ああぁ!」  
それと同時にミカゼの分身から白濁液が飛び散る。  
ぴしゅっ!  
二度、三度と分身は震え、その度におびただしい量の精液を撒き散らす。  
大量に飛び散った精液はプリセラの顔を髪を汚していった。  
「あ。ご、ごめん……」  
ミカゼの謝罪に答えることなく、顔についた精液を指で絡め取るとそれを口に含んだ。  
「ん……濃くて……美味しい……」  
久々の男性の味に火照りが更に増していく。  
「お願い……私のも……」  
気づいたときには、ミカゼの顔の前にびっしょりと濡れそぼった秘所を押し付けていた。  
 
 
 
   つづく  
 

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