リュシカは夢を見ていた。夢の中でリュシカは箱の中にいて、その箱の前で  
メイド服を着た女が、黒いスーツを着た男と半裸で体を絡み合わせている。  
リュシカが高まる動悸のなか二人に気づかれないように箱の中から  
様子を見ていると、背後の暗闇から二つの腕が伸びてきて彼女の体を抱きしめる。  
箱の外では男が女の下腹部へ手を伸ばす。それと同じタイミングで、  
箱の中では背後の腕がリュシカの陰核へと迫って来る。  
箱の内と外で二人が同時に叫び声を上げる。  
しかし、その後の二人の反応は違った。  
メイド服の女はわずかに余裕の笑みを浮かべ男を見下したのにたいし、  
リュシカは陰核を数秒間なで上げられた後、  
絶叫を上げ痙攣して背後へ倒れこむ。  
(夢の中の時間で)数十分間たった後、忘我のふちから帰ってきた  
リュシカの目に、箱の外で激しく腰を打ちつけられる女の姿が映った。  
さっきまでの余裕の笑みなど消え、獣のような叫び声を上げる女の痴態が。  
快感で崩れるように倒れこむ女を見ながら、リュシカは自分の性器に  
熱くて太くて固い棒状の物体が押し付けられるのを感じた。  
 
リュシカは絶頂を迎えた後のはっきりとしない意識でぽんやりと考えた。  
(箱の外のあの人はあの部分を触られても大丈夫だったけど、  
男の人の物で突き上げられたら滅茶苦茶になっってしまった…)  
棒状の物体の先端が、位置を探るかのようにリュシカの秘裂へと近づく。  
そこで、彼女の心に何か得体の知れない感情が湧き上がる。  
(もし、あの部分を触られただけで目の前が真っ白になった私が  
このまま突き上げられたら…本当に壊れるんじゃ…)  
とたんに、心に湧き上がってきたものがあふれ出し、彼女の体をも支配する。  
がくがくと全身が震え、皮膚と言う皮膚から汗が流れ、  
その汗が沸騰するのではと思うほど体温は上昇する。  
そんなリュシカをよそに、秘裂をこじ開けようとする棒状の先端は  
ゆっくりと螺旋を描きながら大陰唇の上をなぞり、女性器の最奥と向かう。  
(ああ、だめぇぇ…………)  
肉体の門の入り口まで進んだ肉棒に、  
ゆっくりと今までとは違うベクトルへ力が込められる。  
「だめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」  
リュシカは絶叫とともに目を覚ました。  
 
はぁはぁと荒い呼吸をしながら天井をぼーっと眺めるリュシカ。  
(すごい…夢を見たなぁ…)  
とても夢とは思えないようなリアリティだった。  
(なんで…あんな夢見たんだろう…)  
体は暑いし、全身は汗をかき、わなわなと震えている。  
(実際にまだ触られてるみた)  
「何が「駄目」なんだい」  
横になっている自分の下腹部からの声にはっとして目を向けると、  
何も身に着けず両足を大きく開かされた白く光る自分の裸体と、  
その足の間へ入り込み大陰唇を指先で揉み解しているティトォの  
姿が目に入った。  
その光景でようやくリュシカは真に覚醒し、全てを思い出した。  
たんすの中に隠れ、不本意ながら他人の性行為を覗き見たことを。  
ティトォが自分に対して、特別な感情を寄せていてくれたことを。  
ティトォの前戯だけで、目の前が真っ白になって気絶したことを。  
自分の見た夢のほとんどが、さっきまで実際起こっていたことを。  
…そして今までの行為は始まりに過ぎず、  
もっと激しい快楽が自分を責め苛むであろうことを…。  
 
「リュシカは自分でこおいう場所をいじったことある?」  
大陰唇を摩り、摘まみ、揉み解す指先の動きを止めぬままティトォが  
リュシカに尋ねる。  
リュシカが恥ずかしがって答えられないと分かっていながら。  
押し黙りただ快楽に耐えようとするリュシカ。  
「駄目だよ、リュシカ。性交というものは、触覚だけじゃなく、  
視覚、聴覚、味覚、嗅覚の五感全てを使ってするものなんだ。  
ちゃんと君の声を聞かせてくれないと…」  
そこまでいってティトォは大陰唇を微妙な力加減で軽くつねる。  
「ひぃやぁぁぁぁぃいいいっぃいい」  
それまでの優しい刺激とは違う強い刺激に、リュシカの体が釣り上げられた  
魚のようにベッドの上で跳ねる。  
ティトォがそんなリュシカのほうを上目遣いで見ながら言い放つ。  
「リュシカの答えを聞かせてくれないと、もっとひどいことをするよ」  
恥辱のあまり、目に涙をため、リュシカが尋ね返す。  
「こぉい、う場所って、どこのことぉですふうぇぇぇぇぇえええいぃああ!」  
リュシカが質問を最後まで言い切る前に、  
ティトォが細心の注意を払って彼女の恥丘を甘噛みする。  
そして痙攣するリュシカに向かって黙ったまま加虐的な笑みを浮かべる。  
夢の中と同じように心と体を何かに支配されたリュシカは、  
体のわななきがおさまらないまま、真っ赤な顔で視線をそらせ、  
聞き取ることができないぐらい小さな震える声で、  
「そんな場所…触ったこと……ないですぅ…」  
と答えた。  
 
すると、ティトォは右手の手のひら全体で、上半身を愛撫しつつ、  
左手の指先で時計回りに円を描くように濡れそぼった  
大陰唇をなぞりながら、大げさに首をふった。  
「するとリュシカはこういった行為は初めてなのかい?信じられないなぁ…」  
円を描く指先の動きに反応してリュシカの体がびくつく。  
ティトォから見ると、まるで指先で人の姿をした大きなおもちゃの  
ぜんまいをまわしているかのような光景にも見える。  
「なぁ…ぁぁああ…何でぇぇぇ」  
ぜんまいの回転でおもちゃの中に運動エネルギーが蓄えられるように、  
リュシカの中にも円運動で快感というエネルギーが蓄えられていた。  
「何でだって?それはリュシカが、とても初めての女の子がするような  
反応じゃなくて、何年も自分で自分を慰めているような、  
いやらしい女の子の反応をするからさ」  
円の動きが、少しずつ狭まってゆく。  
両足を開かれ、同じく開かれた性器の上を伝う指は、  
ふくよかな肉のふくらみのエリアから紅色の肉ひだのエリアへと進入する。  
「だぁって、そ、それはぁぁぁぁああぃ、ティトさんがァァああっ」  
ぜんまいには、巻き上げられる限界がある。  
限界以上に無理に巻こうとすれば、ぜんまいは千切れおもちゃは壊れる。  
今、リュシカの中にある何かは、限界以上に引き伸ばされ、  
千切れようとしていた。  
螺旋を描くティトォの指は、ついに彼女の中心へと到達した。  
そこにある薄桃色の肉穴は、まるで飢えた獣のように涎をたらし、  
指を飲み込むかのようにひくついていた。  
 
膣内の状態を確かめるように左手の指先で入り口を触った後、  
ティトォは静かに左手を離す。  
そして、指と声で嬲られ荒い呼吸のまま小刻みに震えるリュシカの体の上に  
自分の体を持っていき抱きしめ、真正面から彼女の顔を見つめながらつぶやいた。  
「リュシカも知っていると思うけど、この体は不老不死の体なんだ。  
年を取ることのない代わりに…生命をつなぐことができない。  
細胞に時間が流れていないからね。  
つまり…僕の精子で君が妊娠することはないんだ」  
わずかに語気が荒い。ティトォも、いよいよ興奮が抑えきれなくなってきたようだ。  
「だから今から君とするときも…全て中に出す。君の子宮がパンクするまでね。  
それでもいいかい…?」  
うつろな視線と、途切れ途切れの呼吸でリュシカはわずかに  
「ぃぃですぅ…」  
と答えた。その顔は、どこか晴れ晴れしくもあった。  
それはもちろん、ようやく好きな男性と一つに結ばれる、ということもある。  
しかし、それと同じ位リュシカを喜ばせたのは、ようやく自分を責め苛んでいた  
ものから解放される、という安堵感をであった。  
 
『何でだって?それはリュシカが、とても初めての女の子がするような  
反応じゃなくて、何年も自分で自分を慰めているような、  
いやらしい女の子の反応をするからさ』  
さっきのティトォの言葉を、リュシカはわずかに残った理性で一度思い出す。  
(そぅだ…私…初めふぇなんだった…)  
初めての女性ならば、性交時決して避けて通れないものがある。破瓜だ。  
いくら知識の少ないリュシカでもそれぐらいは知っていた。  
(これでぇ…よぉやくぅ…おかしくならずに……すむよぉ)  
最初にティトォの自分に対する性欲の話を聞いたときは、  
純真な少年や少女が抱く、性的な行為に対する嫌悪感…  
なんとなくではあらが、そんなものだと思っていた。だから、  
『むしろ…めちゃくちゃにしてもらいたぃです…』  
といって承諾した。  
しかし、それは甘かった。快感で壊れる、壊されてしまう。  
だから今のリュシカは、破瓜の痛みを恐れず、むしろ欲してさえいたのだ。  
肉が裂けるほどの痛みなら、この狂気のような快楽を鎮めてくれる。  
そんなことを考えていたリュシカの下半身の粘膜に、  
何か棒状のものが触れた。  
ついにその時が来た。  
「いくよ…リュシカ…」  
 
何かが肉を無理に引き伸ばし、体に穴をあけてゆく。  
そんな奇妙な感覚を感じた。  
やがて引っ張られるような押し広げられる感覚は、鈍く、深い痛みに変わる。  
「うぅ…」  
思わずうなるような声を上げるリュシカ。  
(やっぱり…痛い!)  
次の瞬間、メリメリ、という音が聞こえた気がした。  
「ふぅ…全部、入ったよ…やっぱり、きついね…」  
ティトォも陰茎に締め付けられる痛みを感じるのだろうか、  
わずかに顔を歪ませながらつぶやいた。  
「動かすよ…」  
少しうなずくリュシカ。痛みのあまり、言葉さえ出ない。  
(やっぱり、初めてはぁ、きも…ちぃよふなぃ、あ、あぁれぇ?)  
突然、リュシカの体に異変が起こる。破瓜の痛みがあっという間に  
消えていったのだ。そして、痛みが消えると同時に、彼女が  
最も恐れていた快感が、彼女を襲い始める。  
痛みがひいたため、さっきまでの締め付けが弱くなり、  
今までたっぷり分泌された愛液の効果も手伝って、  
とたんに肉棒のピストン運動は加速する。  
「そんなぁ…なんで、ぁああ、こんあ、はじめぇなのにぃぃいい!」  
 
腰の動きを止めぬまま、ティトォがつぶやく。  
「ホワイト、ホワイトフレア、の回復の力さ…」  
(そぅぃぇば、さっき、わあしの体が、白く光って…)  
「君が、気絶したとき、細胞の一、つ一つにまで、染み込ませたのさ、  
一晩は効果が続、くぐらいにね」  
肉棒の挿入する速度、角度、深度はたくみに変わる。  
「ひぃひっ…ぃぃっぃあぅあああああぃいいあぁぁぁいおおおおぉっぉぉ」  
リュシカは、ブリッジをするように背をそらし獣のように叫び始めた。、  
「それにね、この魔法は、神経や、感覚器、官もある程、度操れるんだ」  
動きながらしゃべり続け、性器だけでなく鼓膜すら同時に嬲ろうとするティトォ。  
しかし腰を動かしながらしゃべるため、途切れ途切れのセリフになっている。  
その言葉はリュシカの脳を融かすためではなく  
自分を高めるために言っているのかもしれない。  
「ふぃひぃ、はぁあぁああぁぁぃいいぃぃっぃぃいいいい」  
極限まで体内に蓄えられる快感のエネルギーでこわれないように、  
絶叫し、体を振り回し、ティトォを強く抱きしめることで  
体内のエネルギーを排出しようとするリュシカ。しかしそれももはや無駄な抵抗だ。  
 
「痛覚を弱めて、触覚、を何倍にもすれば、どうなると思う?」  
そうしゃべった後、いつの間にか左手で握ったライターの火打石をはじく。  
リュシカの体の光が燃え上がるような白い炎になったと思ったとたん、  
彼女の全身が性感帯になり、性器の感度が数倍に跳ね上がる。  
「ああああああああぁっぁぁぁっぁっぃあっぁぁいぁぁいあぁいあ」  
もはや自我を完全に失ったリュシカにティトォが  
負けじと大きな叫び声を上げながら最後の一刺しを入れる。  
「千切れろおおおおぉぉぉぉ」  
ティトォの体がびくびくと震える。  
「ひぃぁあああああぁぁぁぁあああぁぁあぁっぁあぁぁっあぁ  
ぁあぁあああああぁぁぁぁぁあぁあぁぁ…っあぁ…っぁぁっぁ  
ぁぁっぁ…ぁっぁ…ぁっぁ…ぁっぁ…っぁっぁっぁ…ぁ…ぁ…ぁ…」  
リュシカは体が何かに取り憑かれたようにびくびくと痙攣して、  
これ異常ないというほどの高く長い悲鳴をあげた。  
その悲鳴が終わりに近づくにつれ、彼女の体の痙攣は弱くなり、  
悲鳴も小さくなっていき、彼女の悲鳴がやむと同時に、  
抱き合ったままの二人の体はベッドの中へ深く沈みこんだ。  
 

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