彼女の『前から正面を向いて入れてほしい』というリクエストに答えるため、  
リュシカを背後から犬のよう貫いていたティトォはリュシカの両太股を掴んで、  
彼女の体内を貫いたまま彼女の華奢な体をゆっくりと半回転させ始める。  
今回は回転の動きだけで彼女が達することのないよう細心の注意を払いながら  
ゆっくりと、ゆっくりとした動きで彼女の体を回転させる。  
しかしリュシカを90度回転させその淫靡な横顔がベッドに埋もれた時、  
彼女の体の痙攣がことさら大きくなるのをティトォは感じ取った。  
(このままではリュシカはイってしまうな)  
そう感じたティトォは彼女の白い太股に爪を立て、  
痛みで無理矢理彼女の性感の高揚を押し止める。  
「駄目だろうリュシカ。せっかく僕が君のリクエストに答えてあげようというのに、  
その前に勝手に果てるなんて許されると思っているのかい?」  
涙が零れ落ちるほど潤んだ片目でリュシカがティトォを見上げるのは、  
ただ爪を立てられた痛みだけではなかった。  
 
その顔にまとわりついた彼女の髪の毛を払いながら、  
ティトォは彼女自身では動かすこともできなくなった右腕の指を掴み、  
彼女の赤い唇の中の白い歯の間へ導く。  
「噛んで、自分の痛みで快楽に耐えるんだ。  
せっかくの百回目の絶頂を、こんな緩い快楽で味わいたくはないだろう?」  
リュシカはわずかにあごへ力をいれ自らの指へかすかな傷みを与える。  
強いもの、弱いもの、幸せなもの、恥ずかしいもの、満たされるもの、焦らされるもの。  
ありとあらゆる絶頂を九十九回も叩き込まれてきたため、  
リュシカはもはや自らの意識の存在すらおぼろげになってきていた。  
しかしそれでも消滅寸前の自我は自分がもう  
わずかな絶頂にも耐えられないことを感じ取っていた。  
もし今の衰弱しきった体で一度でもイけば、確実に意識を飛ばされてしまうだろう。  
百度目の、この夜最後の絶頂を軽いもので終わらせたくはない。  
女としての本能が肉体の限界を上回り、  
リュシカは最後の力を振り絞って己の指を噛みしめ続ける。  
 
「じゃあ、入れられるのはどこの穴がいい?お尻、それとも前の方?」  
リュシカの下の口の壁がきゅっと陰茎を締めあげ、その問いに答える。  
「……ふーん、やっぱり前の方か。なら、このままでいいね」  
そんな風にいやらしい言葉を浴びせかけるティトォの額に汗が流れる。  
 
自らの下でリュシカの体が半回転すれば、彼女の正面が自らの視界に入ってくる。  
女の快楽で融けきった瞳が、  
白い肌が赤く火照り青白い静脈が浮き上がった乳房が、  
まるで膣口のようにぷっくり紅く腫れ上がり震える唇が、  
その中で細い指を噛み締め涎が糸を引く口が見えてくる。  
そんな艶めいた少女を見下ろしながら自らの分身で彼女の肉洞の熱と収縮、  
蠕動を感じ取っているのだ。  
 
限界が近いのは、リュシカだけではない。  
しかし彼も、唇を噛み締めながらせり上がって来る感情に耐える。  
腰の奥に溜まってくる体液の放出したいという欲求を押さえ込む。  
これが、この行為が最後であることは、  
リュシカだけでなくもちろんティトォも理解していた。  
だからこそ、血が出るのではないかというほど唇を噛み締め、  
襲い来る射精感に抗う。  
 
そして、ついにリュシカの体が完全にティトォの正面を向き、  
二人は抱き合うような姿勢でお互いを見つめ合う。  
一人は獣のような荒々しい目で見下ろし、  
一人はしかられた子供のように泣きはらした目で見上げる。  
 
今までのティトォならばすかさず彼女の体の戦慄く腰や鎖骨、  
痛いぐらいに存在を主張する胸の頂を間断なく愛撫しただろうが、  
今の臨界点ギリギリの女体へ刺激を与えればあっという間に果ててしまうのが  
目に見えている。太股に添えられていたティトォの指は、  
名残惜しそうに指を前後させながらリュシカの左右に置かれシーツを掴む。  
 
「じゃあ、どれだけ突いて欲しい?もう疲れてるみたいだし少しだけ?  
それともいっぱいいっぱいして欲しい?」  
もちろん、リュシカの肉体は後者に反応する。  
自分の胎内がより多く突いて欲しいとねだるのを感じ、  
リュシカは恥ずかしさでさらに目を潤ませ僅かに顔を背けようとする。  
しかし体力の尽きた今のリュシカには顔を少し傾けるのが精一杯だった。  
 
そんなリュシカの目を正面から視線で射抜きながら、  
ティトォはその浅ましさをなじる。  
「……ふうん、欲張りだね。俺はもうこんなに疲れてるのにまだいっぱい  
動いて欲しいんだ?なら、たーんと突いてあげるよ。気の済むまで感じればいいさ」  
そして、ティトォはリュシカの中で最後の抽出運動を開始する。  
まず、自らの肉塊をリュシカの入り口近くまで引き抜く。  
それだけで、彼女の口からは湿り気のある甘いため息が漏れるが、  
リュシカは指を噛みながら、体を震わせながら意識が白く塗り潰されるのを何とか防ぐ。  
ティトォは、そんなリュシカを熱のこもった目で見下ろしながら少しずつ腰を突き出してゆく。  
リュシカが、ティトォ自身が絶頂を迎えぬよう細心の注意を払いながら、少しずつ、少しずつ。  
 
彼女の熱く柔らかい壁をぐりぐりと擦り上げながら、  
目を細めるリュシカを見下ろしながらティトォも暖かい湿ったため息を漏らす。  
たとえ彼女自身の体力は限界でも、若い肉壁はまるで精液を搾り出すかのように  
ぎゅうぎゅうにティトォを締め上げ、何度も射精したティトォの先端をたちまち先走らせる。  
しかしここまで来て一気に終わらせてなるものかと、  
ティトォは懸命にこらえながらゆっくりと進入する。  
そして笠が、リュシカの最奥へ到達する。  
と、そこでティトォはまるで腰を回すようにぐるりと円を描く。  
そのため先端がこれまたゆっくりとした動きで腰に連動して円運動を始める。  
 
ふぁ……………………………………………………  
 
またもや今まで感じたことのない新たな愉悦が彼女へ襲い掛かり、  
もはや人に聞き取れる声を発せなくなった喉が、  
蝙蝠にしか聞こえないほどわずかな声量の喘ぎ声を上げさせる。  
 
(これは……………………なに…………………………?)  
 
今までとはさらに異なる種の快感にリュシカは混乱する。  
円運動をかすかな振動に変えながらティトォは満足そうに笑う。  
「今までは、君の体の外側しか攻めてなかったけど、最後だから内側を攻めてみたのさ」  
 
(内なら……………………今まで……………………だって……………………)  
 
「膣の中は口の中や鼻の穴といっしょさ。  
いつも空気に触れていないだけで体の内側とはいえない。  
子宮の入り口を動かすことで、いっしょに君の内臓を掻き回しているんだよ」  
説明しながら、ティトォの腰はさらに上下左右に振りまわす動きに変わる。  
 
ぁ……………………ぁぁ……………………  
 
それとともに、ティトォの顔に余裕が戻る。  
新しい今までにない快楽に、リュシカの膣内は新たな反応を示し、  
最奥を責められ易くなるようにその戒めを緩め始めたのだ。  
それがティトォの肉棒の膣内でのさらなる3次元的な動きを可能にし、  
回転、振動、上下、左右、前後といった動作を巧みに組み合わせ始めるティトォ。  
 
ぁひぃ……………………くはぁ…………………………………………  
 
肉棒が自らの子宮の先端を軸にして内臓をぐらぐらと掻き乱す感覚に、  
リュシカの体全体が粘り気のある汗を流し、その呼吸が濃密な雌の香りを発し始める。  
 
そんなリュシカを楽しそうに観察しながら、ティトォは言葉でさらに彼女を嬲る。  
「すごいよリュシカ。普通は子宮の入り口なんてそうとう開発しないと感じないのに。  
……普通の人なら内側で感じた場合……失神することすらあるんだよ。  
一晩のうちに九十九回も果てた君なら、ただの失神ではすまないかもね」  
 
リュシカの頬を撫でながら、ティトォは呟いた。  
 
「君は本当にいやらしくて、最高に素敵だ」  
 
ゆっくりと噛んでいた指がリュシカの口から離れていく。  
しかしもうティトォはそれを咎めない。  
 
「ぁ…………………………………………ひぁ…………………………………………」  
 
擦れた声がリュシカの口から漏れ始める。  
もう出ないと思っていた喘ぎ声が、想像を超える快楽で再生される。  
 
リュシカの内臓を、精神を揺り動かしながら腰の動きは加速する。  
決してその先端の狙いを内臓の先から外すことなく。  
もはや一握りの力も残されていないと思っていたリュシカの体は  
燃え尽きる前のろうそくのように今また激しく活動を始める。  
いや、始めさせられる。  
 
「ひはぁ……………………ぃゃぁ……………………ゃめて……………………」  
 
はらわたを捏ね繰り回される感覚は、この夜感じたどんな物よりも強く深く重く。  
今までの感覚など、児戯に等しかった。  
そう思わせるほど新たな快楽は容赦なくリュシカを追い詰めていく。  
今までの連続絶頂などただのおふざけにに過ぎなかったといわれても今のリュシカなら納得できるだろう。  
 
そんな比較ができる思考が働いていたら、の話ではあるが。  
 
「あひっ……………………あっ、ああぁーーーーーーーーーーーーっ」  
 
口の端からは涎を流し、指の先から乳房の上まで全身をがたがたと震わせながら  
少女は最後であり最上最大最高の昂ぶりへと引きずられていく。  
その精神はもはや分離し視界は白い靄がかかりその耳は幻覚の音で満たされ発狂状態になる。  
 
「ゃあああああぁぁ……………………しぬっしぬしぬしぬしぬとめてやめて  
ひああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」  
 
それでもまだリュシカの臓腑を混ぜあわせるように陰茎は動き続け  
まだ果ての見えない快楽の上昇に彼女はただただ獣の叫びを響かせ続けるしかなかった。  
 
「ふああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ  
だめだめだめだめだめだめえええええぇえぇぇぇぇっっっっっっっっっっっっ」  
 
そしてティトォの腰の動きが最高速まであっがた後、  
リュシカは全身が融けるような絶頂を感じながらその身を弓なりに曲げ  
肺の中の酸素が破裂するような悲鳴を上げた。  
 
「イくううううううううううううぅぅぅぅぅぅーーーーーーっっっっっ」  
 
ばたりとシーツにその身を沈め、リュシカは煮えたぎるように熱い精液が顔や胸に降りかかるのを  
どこか遠くに感じながらゆっくりと失神した。  
 
頭がボーとしている。  
体がとてもだるい。  
胸やお腹の皮膚で感じるシーツの感覚が、  
何か膜一枚を通して感じるかのように現実感を伴わない。  
(……あれ、なんであたしは裸なんだろう……)  
自らの地肌を触りながらリュシカは昨晩のことを思い出す。  
(ああ……あたしはティトォさんと……  
……!!!!)  
そこでようやく彼女は本当の意味で覚醒する。  
「あまり動かない方がいいよ。急に動くと体によくない」  
声のするほうを見るとそこにはもう服を着込んだティトォが  
ベッドに腰かけながらリュシカを見下ろしていた。  
 
体内時計というのものは毎日規則正しい生活を  
続ければ続けるほど鍛えられていくが、  
パン屋を営んでいたリュシカもかなり正確な体内時計を持っているらしく、  
あれほどの激しい夜の後でも普段と同じ時間に目を覚ました。  
 
思わず顔を真っ赤にし、リュシカは頭からシーツをかぶりその裸体をティトォから隠す。  
「ティ、ティ、ティトォさん!いたんですかっ?!」  
「そりゃ、いるよ。それよりも、大丈夫かい?昨日は少し無茶をさせたから」  
その声にリュシカがそーっと顔を出すと、ティトォがリュシカの顔を覗き込んでいるのが見えた。  
「……少し……だなんて物じゃないです!!ほんとあたし……  
怖かったし……苦しかったし……恥ずかしかったし……」  
「気持ちよかったし?」  
囁きながら、ティトォはシーツを持ち上げる。  
そこには、リュシカが残した大きな染みがいたるところにあった。  
 
「……そ……それは……そうです……けど」  
「……それを認めていいのかい?昨日も言ったけど、  
俺は自分の中にはとんでもない量の欲望が積もっている。  
思春期の少年が抱く欲望が百年分溜まった、怪物のような肉欲がね。  
もし君が拒まなければ、俺はもっともっととんでもないことを君にしていく」  
感情の伴わない声と表情で、ティトォはリュシカに話しかける。  
まるで何かを試すかのように。  
 
試しているのがリュシカの反応なのか、それとも彼自身の心なのかは  
いまだ赤面しているリュシカには窺い知ることもできないが。  
「それが……ティトォさんの望むことなら……いくらでもあたしは受け入れます。  
あ、で、でも、誰かに見せつけるとか、外でそういうことをするとかは絶対に無理ですけど」  
「……そういえば鏡を使った時にそんな事言ってたね……悪いことしたな」  
頭をぽりぽりと掻きながら、ティトォはばつが悪そうに呟いた。  
「ティトォさん?」  
「まあ、過ぎ去ったことは仕方ない……か」  
「え、え、なんのことですか?」  
しかしティトォはその問いに答えず、リュシカに近づきその髪を掻き上げ呟いた。  
「『誰かに見せつけるか、外でするのは嫌だ』ということは、  
それ以外のことならいくらでも受け入れる、ということだね?」  
「え……その、そういうことに……なっちゃいますね……」  
 
リュシカの言葉を受け、ティトォはにっこりと笑った。  
「今度は一晩に200回イけるか試してみようか?」  
その提案を聴いて、リュシカはまたもや失神した。  
 
頭はまだボーとしているし、体のだるさも取れてない。  
ティトォのホワイトホワイトフレアの処置により、痛みは感じなかった。  
が、……とても人には言えないような場所に、異物感を感じる。  
これは仕方がないのだろう。  
 
リュシカは少し内股ぎみにふらふらと廊下を急ぎながら昨晩のことを思い出して赤面していた。  
(早く部屋に帰らないと……メイドさんに朝帰りがばれるかも)  
 
あれからどれだけ気を失っていたかは分らないが、  
2回目に目を覚ました時には  
『かなり体力を失っているみたいだから、君のパンと俺が薬を飲むために持ってきた水を口にしておくといい。  
PS.新しいパンは、とてもおいしかったよ』  
という書置きを残してティトォはもう部屋にいなかった。  
 
廊下で何人か給仕の人間とすれ違い、空がすっかり明るくなっているのを見ると  
2回目の気絶から2、3時間は経っているのは間違いないだろう。  
 
すると、すれ違うメイドの一人が近づいてきてリュシカに声を掛けた。  
「リュシカさん、どうされてたんですか?先ほどベッドメイクでお部屋に伺ったら、  
部屋にはいないし寝た後もなかったので心配してたのですが……」  
それは見知ったメイドのリィだった。  
彼女と顔を合わせたとたん、またもや赤面するリュシカ。  
なにせ、昨晩のティトォとの初体験の後押しをしたのが  
目の前のリィの性行為を偶然覗き見たからだった。  
リュシカは騎上位になりながら艶めかしい喘ぎ声を上げていたメイドの姿を思い出し、  
思わずもじもじしてしまう。  
すると、とたんにリィはリュシカの耳元まで目鼻立ちのすっきりとした整った顔を近づける。  
「あまり、体調が優れないようですが……」  
「ええ、そ、そんな感じです」  
さっきまで彼女の色っぽい半裸姿を思い出していたリュシカは耳まで赤くして息を呑む。  
「リュシカさん……失礼ですが、昨晩は、誰か男性と過ごされましたか?」  
耳元でほとんど聞こえない声で投げかけられた問いに、リュシカは小さな叫び声を上げる。  
「ええっな、なっ、なんで……」  
部屋にいなかったことから推測されたのか?  
それともまだお風呂に入っていないので、匂いで気づかれたのか?  
 
そこでリュシカはさっきのティトォとのやり取りを思い出す。  
 
――――あ、で、でも、誰かに見せつけるとか、外でそういうことをするとかは絶対に無理ですけど――――  
――――……そういえば鏡を使った時にそんな事言ってたね……悪いことしたな――――  
――――ティトォさん?――――  
――――まあ、過ぎ去ったことは仕方ない……か――――  
 
……もしかしたら、自分が彼女を覗き見たように彼女もあの後自分達を覗き見ていたのか……。  
そしてそのことにティトォのテクニックに翻弄され続けていたリュシカだけが気づかなかったのか……。  
あんな、今までの人生の恥ずかしかったことTop100を全て塗り替えるような行為を全て見られていたとしたら……。  
 
顔中に火がついたようになりながらリュシカはしどろもどろにリィに尋ねる。  
「その、あの、も、も、もしかして見…………」  
リィは、にっこりと微笑んで小さな声で答えた。  
「そのような内股の姿勢をされていれば……女なら誰でも気づいてしまいます」  
リュシカはその言葉を聞いたとたん、顔をさらに真っ赤にしながら  
教師に注意された生徒のように姿勢を正す。  
その様子を見てくすくすと笑った後、リィは歩き出しながら振り向いてリュシカに言った。  
「今日は部屋でご本でも読んでゆっくりされるといいと思います。  
今から体調を崩されたパンナケトルさんの部屋へ行かないといけませんので、  
その後お体にいいハーブ茶を見繕ってお部屋に窺わさせてもらいますわ」  
 
そして彼女は額まで紅くなったリュシカを残して廊下の角へと消えていった。  
 
「ようリュシ」  
「きゃあ!」  
相手まではばれはしなかったが、昨晩の秘め事自体がばれ  
動揺していたリュシカは背後からの呼びかけに叫び声を上げた。  
「いきなり悲鳴はないじゃんか、って痛!!」  
ぽかりと王子の頭に拳骨を落しながら、教育係はしかりつける。  
「何女の子にいたずらしてんだこの馬鹿王子が」  
「いや、誤解だって!!俺はただ呼びかけただけだよ。なあリュシカ」  
リュシカが振り向くと、そこにはグリンとハワードがいた。  
「どっちにしろいきなり背後から大声で呼びかけるようなやつが悪いんだよ。  
ちったあ気を使え」  
 
「あ、お、おはようございます」  
「おはよーリュシカ。朝早くから元気だなー」  
生あくびを噛み締めながらあいさつをするグリンの脇を掴み、  
ハワードも手短にあいさつをする。  
「おはようさん。じゃあ、さっさと行くぞ」  
するとすぐさま表情を苦くしてグリンが抗議した。  
「なんだよ、少しぐらい友達と談笑ぐらいさせてくれよ。大体今日は  
朝のトレーニング担当のパンナ休みだからゆっくりしてもいいじゃんかよー」  
「だから代わりに俺が来たんだろーが」  
苦虫を噛み潰したような顔で答えるハワード。  
 
「でさあリュシカ、さっきなんかリィとひそひそ話してたけど、  
あれって恋話かなんか?」  
コイバナ、というのがあながち間違いではない指摘だったため、  
慌てながら誤魔化そうとするリュシカ。  
「いえ、そのあの……ええと、なんかパンナケトルさんの体調が悪いとか何とか」  
「ふーん、やっぱ恋話かーー」  
「いえ、その違いますょ」  
 
「別にコイバナだろうがなんだろうがどうでもいいじゃねーか」  
そういう話に興味はないのか、パンナはそっけなく呟く。  
「いやでもよう、なんかパンナとリィって怪しくねーか?」  
「ぇ……そう……ですか……?」  
パンナとリィの関係を見てしまったリュシカは思わず言葉を詰まらせる。  
「別に怪しかろうがどうでもいーだろうが。体調悪いのは本当だしよ」  
めんどくさそうにパンナがぼやく。  
どうやらパンナの代わりにトレーニングに出ることになったので  
あまり機嫌がよくないようだ。  
「しかしパンナも大変だよなー。ケツが痛いから休むって。  
あの年で痔なんて、将来苦しむぞ」  
「……別にあいつの場合は痔じゃないんだけどな……」  
少し遠い目をしながらリィの消えた角を見つめながらハワードが意味ありげに呟いた。  
 
「でもよー、やっぱあの二人怪しくね?」  
「だーかーらー、お前は女子学生か!!何でそんな恋愛やらコイバナに拘ってんだよ!!  
リュシカさん困ってんじゃねーか」  
「だってよー。俺あんま恋話を同姓の友達とした経験ないから憧れなんだよ。  
『俺の好きな奴の名前言うからお前も言えよ、絶対言えよ』みたいなやり取り」  
「ティトォさんとすりゃいいだろうが」  
「だってよー、ティトォに話したらアクアやプリセラといっしょの体だからばれちまうんだよ。  
あの2人『そういうのはすぐに告白しないと』とか言」  
 
「あーーーーーっ」  
 
――――あ、で、でも、誰かに見せつけるとか、外でそういうことをするとかは絶対に無理ですけど――――  
――――まあ、過ぎ去ったことは仕方ない……か――――  
 
そこで突然リュシカが大声を上げたため、グリンとハワードはぎょっとして彼女の方を見た。  
「グ、グ、グーリンさん!」  
「いやなんか緑色になってるぞ俺の名前?」  
「そ、そ、その、もしかして、ティトォさんって普段見たことや聞いたこと  
アクアさんやプリセラさんに……」  
「まあ大抵伝わってるぞ。ってか知らなかったのか?」  
「わ、わ……忘れてましたーーーー」  
そう叫ぶと顔の血液が蒸発するのではと思うほど真っ赤な顔でリュシカは  
涙目になりながら走り去っていった。  
「……俺、なんか変なこと言った?」  
「いや、別に」  
残された男2人は呆然と彼女を見送った。  
 
 
「こんな、こんな恥ずかしいことってないよーーーーーーー」  
自分の部屋で布団をかぶって恥ずかしさのあまり涙ぐむリュシカはまだ知らない。  
 
自分の体全体の性感帯にかけられたホワイトホワイトフレアの副作用で、  
やがて人前で、太陽の下で性行為に及ぶことに抵抗できなくなるほど  
自らの体が淫らになっていくのを。  
 
ティトォの回復能力と性の知識と欲求、  
アクアの青姦だろうがSMだろうがなんでもさせる攻撃的な性格、  
そしてプリセラの超人的な体力による神速の腰使いといった  
それら全てをそなえたMPティトォにメッタメタに……  
それこそ廃人にならなかったのが不思議なぐらい徹底的に犯しつくされるのを。  
 
昨晩塗り替えられたばかりの人生の恥ずかしかったことTop100の全てが  
あっという間にTop1000以下になるような、  
羞恥と色欲と陵辱にまみれた生活がその身に起こっていくことをリュシカはまだ知る由もなかった。  
 
 
終わり  
 

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル