〜舞ちゃんの玩具・精密検査  
 
独り個室に監禁されているアクア。備え付けの寝台に身をくくり付けられ、  
屈辱的な格好のまま夜を明かす。なによりアクアは服を返してはもらえなかった。  
彼女は全裸で、恥部をさらけ出したまま鎖でつながれているのだ。  
 
再び扉が開く。  
「今日も遊びに来たわよ、アクアちゃん。」  
そう言う舞響の手には何やら入っている大きめの箱が携えられている。  
「無様な格好ね。恥ずかしいでしょ、ここ、丸見えだもんね。」  
「・・・ふん!」  
目を背け、強がるアクア。  
「あらあら、いいの?そんな反抗的な態度をとって。まあいいわ、  
今日もたくさん愉しいことしてあげるから。」  
舞響は箱を脇に置いてアクアの上にのしかかった。  
「それにしてもアクアちゃんは可愛いわね。食べたくなっちゃう。」  
アクアの首元を静かに舐める。周囲を軽く舐めまわし、顔の方も舐め始める。  
そして嫌がるアクアを押さえつけ、強引に唇を奪った。  
「もっとちょうだい、アクアちゃん。」  
舞響はアクアの腕から手の先へと舌を進め、指の一本一本まで丁寧に味わう。  
反対側も終わったら、次は胴体だ。  
胸部、とりわけ乳房を入念に愛し、乳首は吸うようにして愉しむ。  
アクアにしてみればこの上なく不気味な行為である。  
胸を何度も揉みしごき、それでも舞響は満足しない。敏感な腋の部分なんかは  
舞響の大好物のようである。  
どうやら全身をくまなく味わうつもりの舞響だが、アクアの最も大事な所は  
最後にするようだ。続いて脚である。こちらも左右両方、つま先から始まり  
ゆっくりと愉しんだ後、ふとももの方へ移動をする。いよいよ舞響の  
お楽しみが近づいてくる。  
股関節に沿ってアクアの恥辱を少しずつ誘う。アクアは極力頭の中を  
空っぽにし、その運命を受け入れようとする。  
 
初めてではもうないのでなんとか耐えることができる。それでも  
やはり自分の性器を隅々まで舐められるのは恥辱である。  
初日にも増して執拗にアクアの敏感な部分を吸い尽くす舞響。  
ここで舞響を受け入れてしまっては終わりだ・・・  
何もせず、何も考えず、アクアは行為が終わるのをただじっと待った。  
 
アクアは他人との交渉はないにせよ、自分のをもてあそんだことはあった。  
122年も生きていれば至極当然のことではあるが・・・。  
だからアクアはその感覚を知っている。知っているからこそ、今耐えなくては  
いけないのだ。  
 
その部分はとりあえず終わったようだ。しかし、行為が終わったわけではない。  
舞響はもともと露出させられているアクアの秘部を手を使ってさらに開き、  
中の中まで堪能する。  
ともあれアクアは耐えることができた。前みたいに涙を流してしまうことも  
なかった。これで今日も終わりなのだろうか・・・?  
 
「さて。」  
舞響はおもむろに横の箱を開けた。金属の輝きがアクアの目に入った。  
「私、アクアちゃんの中、もっと見たいわぁ。」  
重い金属光を放つ器具を、アクアは初めて見た。しかしその形状からなにに  
使う器具か想像するのは容易だった。  
「あ、そうそうその前に・・・。」  
そう言って舞響が取り出したのはカミソリだった。と、アクアの両手の  
鎖がはずされた。  
「まず、自分でここをきれいにしてちょうだい♪」  
 
アクアは戸惑った。  
「どうしてあたしにやらせるんだよ、自分でやればいいじゃないか。」  
「口ごたえするの?アクアちゃん。」  
逆らうことはできないようだ。仕方なくカミソリを手に取り、言われた  
とおりのことをする。  
ほとんど邪魔になるようなことはない量だが、すべて剃るように要求される。  
いや、舞響はその行為自体を愉しむようだ。アクアに、自分の生えかけの  
陰毛を自らの手で処理させることによって・・・。  
 
「・・・はい、終わったよ。」  
「いい子ね、アクアちゃん。」  
「・・・。」  
再び両手に鎖が付けられる。  
「それじゃ、ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してね♪」  
今度の行為はさすがにアクアも怖かった。なにせ普通は子どもには  
使わない器具なのだから。  
舞響はなにもつけずに膣鏡を挿入するつもりである。鈍く輝く金属が  
恐ろしかった。  
「・・・ふぅ・・・う、・・・!」  
13の少女にはやはり辛いようだ。ましてアクアはなんの用意もできていない。  
だが、冷たい金属の塊は容赦なくアクアの敏感な内部へと突き進む。  
親指の2倍はあろうかという太い膣鏡が、アクアの処女膜を押し広げ、  
粘膜の上を無理やり通過する。  
「あぁ・・・い、痛・・・はぁ、はぁ・・・。」  
ずいぶんと奥まで達したら、さらに膣鏡をひねり、向きを調える。  
アクアの額に汗がにじむ。  
泣いてたまるか・・・  
だれも味方がいない中、アクアは自分にそう言い聞かせ、自分を励ました。  
実際にかかった時間はわずかだが、アクアにとっては何十分もあったように  
思われた。  
「さあ入ったわ。中を見せてね。」  
 
行為に伴う苦痛はもちろん、中をのぞかれる恥辱も計り知れない。  
だが舞響にとってはアクアが苦痛に悶え、恥辱にまみれることそのものが  
愉しみなのだ。  
 
「こっちも見せてもらうわね♪」  
前には挿したままだが、もうひとつ同じものが出てきた。  
アクアの頬を汗がしたたる。  
舞響はアクアの後ろの穴を指で少し揉むようにし、柔らかさを確かめたようだ。  
そして冷酷な凶器がまた挿入される。  
後ろは前にも増して挿入が難しい。にもかかわらず、力を込めて強引に奥へ  
進ませる。力むと余計に痛い。息を大きく吸っては吐いて少しでも  
痛みを和らげようとする。  
こちらも辛かった。気づくと手は自然に固く握られていた。  
「痛くなかった?アクアちゃん。」  
そう言う舞響はアクアが思ったほど苦しまなかったことに  
少し物足りない様子だった。  
 
自分が今どれだけ無様なことになっているか、想像しようとすれば簡単だ。  
だが、そうしても自分を傷つけること以外何ものにもならない。  
耐えるしか、ないのだ。  
 
検査は舞響の思うままに進められる。少しずつ膣鏡の先端が開かれてゆく  
のが分かる。前と後ろを同時に調べられる。  
どうしてこんな場所を他人に見られなくてはいけないのか…  
 
満足したのか舞響は膣鏡を開く手を止め、ゆっくりと引き抜き始めた。  
抜くときはさほど苦しくはない。かわりにアクアの陰部は拡張されたままに  
なり、すべて抜き取った後も内部がのぞける状態になっていた。  
舞響は挿し込んでいた膣鏡の側面を静かに舐めとり、続いてアクアの陰部を  
直にのぞき込み、つるつるにされた恥丘のあたりから内部にいたるまでを  
確かめるように舐めた。  
舞響はアクアの顔を見てふふふと笑った。  
「な、何だよ?」  
「どうだった?アクアちゃん。恥ずかしかった?次はどんなことして  
ほしいかしら?」  
「…どんなことって…。」  
膣鏡を箱にしまいながら、  
「ところでアクアちゃん、おトイレはいいの?昨日から全然行って  
いないでしょ?」  
そう言ってなにやら大きめのガラス容器を取り出した舞響。  
「いいの?我慢しているんじゃないの?いいのよ、今ここでして。」  
舞響が何をしようとしているかはアクアも容易に察した。  
ただ、どうあがこうと舞響の仕打ちから逃れる術もなく、事実アクアは  
昨日から一回も行っていないので多少我慢しているところはあった。  
誰だって自分の排泄する姿なんて見られたくはないのに…。  
 
「遠慮しなくていいのよ。」  
舞響はアクアの該当箇所を指でこねくり回し、アクアを催促した。  
その少し下に先ほどの容器を添え、間近に顔を寄せてアクアを待った。  
すると、遠慮がちにアクアの尿が滴り始め、やがて容器に入ってゆく。  
舞響はその出口に直接口をつけて風味を堪能した。  
すぐ目の前で排泄行為が見物される恥辱…  
ゆっくりするとそれだけ時間が長くかかり、また意識していることも  
相手に伝わってしまう。尿道のわずかな変化、勢いや音に至る細部まで  
じっくり観察される。自分の汚いものを見られるのは自分の大切なものを  
見られるのと同じである。  
最後の一滴まで容器に採り終えると、舞響はたまったものを美味しそうに  
口にした。半分くらい飲んだ。  
「これがアクアちゃんの味なのね♪おいしいわぁ。アクアちゃんも飲みなさいよ。」  
これにはアクアも拒絶した。ただ、観察されるだけだと思ってたのに、  
まさか自分のを飲まされるなんて…  
「さあ飲みなさい。大丈夫よ、自分のなんだから。」  
「いいよ、あたしは…やめてよ、いらないって…!」  
口を無理やり開けさせられ、黄色い液体の入った容器が傾けられる。  
アクアは覚悟した。目をしっかり閉じ、一気に飲み込んでしまおうとした。  
自分の体温が口の中いっぱいに広がる。それに身体が驚いて、感じるつもりの  
なかった味や臭いまでが、わけのわからないほど頭の中に入ってきた。  
必死に流し込むアクア。おびただしい量を飲まされた気がした。  
残さず流し込んだ舞響は小さく笑みを浮かべた。アクアの目はわずかに  
赤みを帯びていた。  
 
「さて、今日はまだ時間があるわ。次はどんなことをして遊ぼうかしら。」  
口の中に残るものをなんとか流してしまおうと必死のアクアを後目に  
舞響はうきうきしながら次の仕打ちを考えていた。  
「私もっとアクアちゃんのことしりたいの。そうだ、アクアちゃんに  
直接教えてもらおうかしら。」  
「!?」  
舞響はアクアの全ての鎖を取り払った。  
「逃げられないことぐらい分かってるわよね。」  
アクアはまだ次に何をされるか見当がつかなかった。ただもうこれ以上  
何事もないことを祈るだけだ。だがそうはいかせてもらえないらしい。  
「アクアちゃん、身体の名前、全部教えてくれるかしら?」  
そう言って舞響はアクアの胸に指を当てた。  
「ここ、なんて言うの?」  
「?…なんてって…胸だよ…。」  
「そうよねぇ、じゃあここは?」  
舞響は胸の先端部を指さした。  
「そこは、乳首…だよ。」  
「この周りの部分は?」  
「それは…し、知らないよ…。」  
「知らないわけないでしょ。アクアちゃんだって何年も生きているんだから。」  
こういう辱めだったのか…舞響はアクアに恥部の名称を全て答えさせる  
つもりなのだ。ただ単に恥ずかしい名前を言えばよいというものじゃない。  
自分がその部分の名前を知っていることも分かってしまうのだ。  
100年以上も生きてきた。不運なことにアクアは身体の名前ぐらいはさすがに  
知ってしまっている。言い逃れはできないらしい。  
「…乳輪だよ…。」  
これはこれで別の恥ずかしさがアクアを襲う。指摘は下腹部の方へ移動する。  
 
「さっき剃っちゃった毛の名前は?」  
「陰毛ってゆーんだよ。」  
「そう、いつから生えてきたの。」  
「そ、そんなこと、どうでもいいじゃんか。」  
「どうでもよくないわ。ちゃんと答えないとどうなるか、わかるわよね。」  
「ちょっと前…不老不死になる半年ぐらい前だよ…。」  
アクアは赤面する。その様子を舞響はなにより愉しむ。  
「ここの、ちょっとふくらんでいるところは何て言うの?」  
「大陰唇だって…。」  
「このあたりはいろいろあって大変だわ。アクアちゃん、自分で指さして  
教えてちょうだい。」  
アクアは自らの手で陰部を広げ、かつその内部の名称を答えさせられる  
はめになった。  
「えーっと、この、なんかなってるのが小陰唇って言って…中にはその、  
し、処女膜ってのがあって、で、ここが膣…。」  
「そこはなにをするところなの?説明して♪」  
言葉に詰まるアクア。  
「どうしたの、アクアちゃん。この穴は何をするためにあるの?」  
「ここは…子どもが生まれるんだよ。」  
「どうやって子どもをつくるの?」  
「精子が、あればできるんじゃないの…。」  
「どうやって中に入れるの?」  
執拗な舞響の問いかけにアクアの顔は紅潮しきってしまった。  
なおも辱めは続く。  
 
「その、セックス…すればいいんだよ…。んで男の人の性器を入れて、  
そうすればいいんだよ。」  
「もっと詳しく教えて。」  
「え、えっと、その、男の人が自分の、あの性器を勃起させて中に入れて、  
で、ちょっとこすれば気持ちが良くなるから、それで、精子が出るんだよ…。」  
「そう、よくわかったわ。アクアちゃんもそうすると気持ちよくなるの?」  
「わかんないよ、そんなの…。」  
「アクアちゃんはしたことないの?セックス。」  
「…ないよ…。」  
「あらそう、残念ね。アクアちゃんが気持ちよくなるってゆうのなら  
私が手伝ってあげたのに。」  
舞響は言葉巧みにアクアに心理的陵辱を与える。  
「まあいいわ、次は後ろ見せて。」  
そうしてアクアは寝台の上で四つんばいの姿勢をとらされ、さらに臀部を  
高く突き出させられた。そしてよく見えるように自分で広げさせられるという  
大変屈辱的な格好を強いられた。  
「ここは?」  
「そこは、お尻だって。」  
「そうじゃなくて、こっちの穴の名前は?どうゆう働きをするの?」  
「こ、肛門だよ…。食べたものをそこから出す…。」  
「そう、わかったわ、さ、もう一度前を見せて。聞き忘れたところがあるの。」  
再び仰向きになり、両足を開いて性器を露出させられる。  
「もうちょっとよく開いて、アクアちゃん。この、少しだけ出っぱっている  
のは何かしら?何をするところなの?」  
 
「え!?えっと、その、そこは、クリトリスっていって…別に何をするところでも  
ないよ。」  
「本当?何もしないのに、どうしてこんなものついているのかしら?」  
舞響はアクアのそこをやや強くつねった。  
「あっ、あ…!」  
突然のことなので無防備なアクアは変な声を出してしまった。  
「あらどうしたの、ここ触っちゃいけなかった?」  
「な、なんでもないよ。」  
そう言ったアクアのその部分を舞響はさらに激しく揉みしごいた。  
心の準備ができていなかったためか、少しアクアは反応してしまった。  
「あら?少し大きくなってるわ。どうしてなの?教えて。」  
このままではいけない…そう思うと余計に息遣いが速くなる。  
「そこは、さっき言った、そのセックスに使うところで、えーっと、  
あまり触っちゃいけないところなんだよ…。」  
どう答えても結局舞響はアクアに辱めを与えるつもりなのだ。それは  
アクアも十分理解していたのだが。  
「つまり、気持ちよくなっちゃったってこと?アクアちゃん。」  
「んーっと、まあ、そうだよ…。」  
「そう、ここ触られると気持ちよくなっちゃうのね。じゃあ気持ちよく  
させてあげるわ。」  
指を使い集中的にそこをしごき始めた舞響。  
嫌だった。そんな姿見せたくなかった。  
「や、やめて。触らないでよ!」  
「だめなの?アクアちゃん。でも私アクアちゃんが気持ち良くなっている  
ところ見たいわぁ。じゃあ私は触らないから自分でやって♪」  
やはり舞響の思うつぼだったようだ。  
 
自分でやってと言われたってそうやすやすとできるものではない。  
自分の自慰行為を他人に見せるなんて変態のすることだ。  
しかし逃げる術はない。手を局部に当ててそれらしいことをやろうとするが、  
やはり思いとどまってしまった。  
ぺたぺた触ってみては恥ずかしさのあまり手を止め、その自分の性器を  
いじっている姿さえ、アクアを精神的に苦しめる。  
他人に犯されることはとても辛いことだが、耐えることができる。自分の  
意志を強く持って抵抗できるからだ。しかし今アクアが強制されているのは  
まさしくアクアに「負け」を認めさせる行為に他ならないのだ。  
負けたくなかった。でも、どうしようもない。いろんな恥辱を受けてきたが  
その最後の砦をも破られようとしている。  
敏感な部分を中指を使って円を描くようにいじる。  
恥辱が後押しして、次第にアクアのそれは性的な興奮を増してゆく。  
生殖器の方にも変化が現れ始めたようだ。  
自分の指にいやらしい液体が絡むのが感じられた。  
偽物の喜び…それはアクアを苦しめるだけの屈辱であった。  
アクアはついに涙をながしてしまった。惨めだった。自分が情けなかった。  
決して自分に負けないと強く誓ったのに…  
そんなアクアを舞響がさらに追い込む。  
「アクアちゃん、濡れてきたわねぇ。気持ちよくなっちゃったの?」  
舞響は熱を帯びてきたアクアの女性器に指をしのばせ、様々な方向に刺激を  
与えた。静かな、しかしアクアを確実に追い込む淫乱な音が部屋に満ちる。  
自分でもほとんど使ったことのない場所を舞響に触られることによって  
アクアの偽物の性欲はもう取り返しがつかない段階にまで達した。  
 
「あらあらアクアちゃん、とっても淫乱なのね。こんなにここ反応  
しちゃってるわ。ねえ、アクアちゃんが今やってること、何て言うの?  
ほら、手を止めないで。」  
「お、オナニーって…。」  
声は涙でかすれてほとんど出ない。自慰とはいうが実際には性的拷問と  
いうのが適当であろう。  
 
「ぅ、くぁぁ!!」  
不意に舞響が刺激を強めるので思わず声が漏れてしまう。呼吸も大分荒く  
なってきた。全身に汗が浮かぶ。そうして濡れた身体が空気に冷やされ、  
熱いのか寒いのか、わけがわからない。ただ、自分ひとり、全裸になって  
この上なくいやらしいことをしているという自覚だけはっきりしていた。  
両足の間がとりわけ濡れているのが分かる。それは汗ではない。紛れもなく  
自分の精液である。今息を荒げて性欲に悶えている自分の表われである。  
舞響は直接口をつけ、局部を刺激した。しびれるような熱さを感じる。  
たまらず下半身が大きくうねる。なにかが破裂しそうな感覚だった。  
その後体中の感覚が途絶えた。  
しばらくして、自分の顔を汗が伝わる感触があった。だが身体は動けそうに  
ない。まだ息も落ち着かない。舞響の姿が目に入った。舞響が自分の  
両足を開けて、そこに顔を近づけている様子が分かった。  
体中が熱い。特にその両足の間はまだしびれているようだ。  
舞響の満足げな声が聞こえた。  
 
「すごいわぁ、アクアちゃん。こんなに出しちゃうんだもの。アクアちゃんって  
とっても感じやすいのね♪」  
まだ意識がはっきりしないアクアに舞響は最後にこう言った。  
「愉しかったわ。そうそう、ブライクたちにアクアちゃんのことまだ紹介  
していなかったわ。今度言っておかなくちゃね。」  
アクアに再び鎖をつけ、手をかざした。  
するとたちまち存在変換が起こり、アクアは元の状態に戻った。  
何事もなかったかのように鎖につながれたままのアクア。剃ったはずの  
陰毛まですっかり元通りだ。  
それを確認すると、舞響はふふっと笑みを浮かべ、早々に部屋を後にした。  
 
アクアは茫然としていた。自分に何が起こったかよく理解できない。  
いや、アクアは心のどこかで現実を拒絶しているのだ。そのことを  
アクアは認識した。現実と戦わなくてはいけない。だがそれは辛い作業だった。  
静かな部屋でアクアは自分を落ち着けようとした。しかし、そうしようと  
すればするほど逆に自分を追い込むことになる。  
どうすればよいのか、アクアは答えを見つけられなかった。アクアはひとり  
暗い個室で、あらためて涙を流した。ただ涙を流した。その姿はまさしく  
13歳の、100年前の少女だった。  
あのとき以来、アクアは死を奪われ、平凡な人生を奪われ、そして最も大切な幸せまで  
も奪われてしまった。だがこの涙だけはアクアに残された本物の感情であることに  
違いはなかった。  
完  
 

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