「あ、あっあぁーっ!」  
今日も私はやってしまった。  
ある人を想って  
私から、仮面を剥ぎ、私を本物の領主にしてくれた、  
自分より弱いものにも強いものにも同じ高さで接することのできる、そんな少し変わった、けれども本当に優しく強い人  
その彼と別れたとき彼と私、それぞれのすべき事をするために、男女の関係にはならない  
言葉こそ無かったものの、そう誓ったのに、彼もきっと同じように誓ってくれてたのに。  
私は、やってしまう。  
彼に対する裏切りだとわかって、  
それでも彼のことを想って、毎晩、毎晩・・・  
私がこんなことをしていると知ったら、彼はどう思うのだろう。  
はしたない女と嫌われるだろうか  
そのままではいけないと私に怒るだろうか  
それとも、私を求めてくれるのだろうか・・・  
怖い  
怒ってくれるならうれしい、嫌ってくれるのならまだいい  
怖いのは、そんな私を知った上で、私を私を求めてきてくれることだ  
そうなったら、たぶん私は快楽に溺れてしまうだろう  
そして、その幸せから逃れら無くなってしまうだろう  
そんな幸せが、怖い  
もちろん彼はそんなことはしないだろう  
けど、そんな展開を私は心のどこかで求めてしまっている  
だから私は、もっと強くあらなければならない  
そんな歪んだ望みにしがみつかなくてもいいように  
彼との約束を果たすために  
そして、カロリアとそこに暮らす人々のためにも  
私は領主なのだから  
 
 
 
でも、この地で貴方を思うことだけは許してね・・・ユーリ・・・  
 

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