三峯道場の朝。  
「んーーっ・・・よく寝たな・・・あいたたた・・・」  
巴が布団から体を起こそうとすると、昨日飲んだ酒が少し残っていて、頭が痛い。  
 
「・・・いやだー、それは違うですのー」  
「・・・あはは雛ちゃん面白ーい」  
巴が頭を抱えていると、隣の部屋から子供たちの声が聞こえてくる。  
 
「ん?雛菊の部屋が騒がしいな・・・」巴が何事かと体を起こし、雛菊の部屋の障子を開けると、見慣れない男の子が雛菊と楽しそうに遊んでいた。  
 
「あ、巴おねーちゃま、おはよう!どうしたの?」  
「お、おはよう。いや、何か騒がしいから様子を見に来ただけだ」  
「ふーん。ひな、遊んでるからまた後でね、ですのー」  
「あ、ああ、ごゆっくり・・・」  
 
巴は雛菊と一緒に遊んでいた男の子が気になったが、邪魔しては悪いと思い障子を閉めた。  
 
「あの男の子は誰だろう・・・?新子さんに聞いてみるか」  
 
「新子さん、雛菊のところにいた男の子って・・・誰だ?」  
「あらーん巴ちゃん知らないの?あの子は三峯家と縁の深い手雲財閥の跡取り息子で、雛ちゃんの許婚なのよ」  
「い、許婚!?」  
「そうよー。何年後かには雛ちゃんも手雲家に嫁いで、若奥様として優雅な日々を過ごすの。羨ましいわあ」  
「そ、そうなのか・・・」  
 
巴は茉莉花だけでなく、雛菊にも許婚がいることに驚いたが、このとき自分のことについて不安を感じた。  
 
「茉莉花も雛菊もゆくゆくは嫁いで、子を産み、幸せを得るのか・・・しかし・・・私には何も・・・ない」  
 
そうなのだ。茉莉花には鷹司財閥の禎明、雛菊には手雲財閥の跡取り息子、しかし巴には慕っている殿方すらいない。  
巴はその男勝りな性格が災いして、寄り添う男もいないのが現実だ。  
 
「くっ・・・、私はこれから女として・・・何に幸せを求めれば・・・かーっ!考えても思いつかない!もういい!今日はヤケ酒だ!」  
 
巴はいまさら考えても仕方ないと思い、気晴らしにいつもの飲み屋に出かけた。  
 
 
飲み屋に着くと、店の主人が開店の準備に勤しんでいた。  
「おう旦那、もう開いてるか」  
「おや桐矢殿早いお越しで。今日もですかい」  
「ああ、何だか今日も飲まないと気分が晴れなくてな」  
「昨日も大分飲まれたみたいなので、あまり無理しすぎては・・・」  
「う、うるさい!早く酒をもってこい!」  
「へいへい、分かりましたよ。倒れても面倒見切れませんよ」  
「ふん、分かってるさ!」  
 
巴は今日のこともあってか、酒をがんがん飲みはじめた。  
 
「ヒック・・・何が許婚だ・・・雛菊までなんて・・・くそっ・・・おい!旦那!次もってこい、次!」  
「き、桐矢殿、もう顔が真っ赤じゃないですか!もうそろそろこの辺で・・・」  
「うるさい!私は客だぞ!客に言われたらさっさと持って来い!」  
 
「おやおや、だらしねえな、女」  
「だ、誰だっ?」  
 
そこに現れたのは鷹司撃剣隊の一人、牧雄一郎であった。  
 
「お前は・・・何だ、牧の旦那じゃねえか・・・」  
「女がそんな飲んだくれじゃ、怖くて誰も近寄らねえな・・・声を掛けてもらっただけでも、ありがたいと思いな」  
「う、うるさい!お前には関係ない!あっちへ行け!」  
「はいはい、言われなくとも、あっちで飲むわ。酒が不味くなるのでな」  
「くそっ・・・言いたいこと言いやがって・・・もう堪忍袋の緒が切れた!牧!私と勝負しろ!」  
「はあ?勝負だと?そんな状態じゃ、剣もろくに振れないだろ?」  
「剣じゃない!酒で勝負しろ!」  
 
「剣じゃなく酒だぁ?お前さんもうかなり飲んでいるじゃねえか。勝負は決しているようなものだ」  
「こんなの飲んだうちに入らないよ!いいから、私と勝負しろ!」  
 
「無理しやがって・・・まあ、いいだろう・・・では店主、徳利を2つ用意してくれ」  
 
二人の呑み比べ対決が開始された。  
開始の合図と共に、巴が今にもこぼれそうな乳を縦に揺らしながら徳利を一気飲みし始めた。  
「んんっ・・んんっ・・・」  
牧も合わせて徳利の一気飲みを始める。  
「んぐっ・・・んぐっ・・・」  
 
 
どんっ!  
 
 
二人が同時に酒を飲み干し、徳利を置いた瞬間・・・  
 
 
ばたっ・・・  
 
 
天から雷が落ちたかのごとく、その場に倒れたのは・・・巴だった。  
 
 
「だから言ったのだ・・・初めから勝負は決していたって・・・」牧は呆れ顔で巴を見下した。  
「うー・・・」巴は倒れて気を失っていた。  
 
そこに店主が現れ  
「牧殿、桐矢殿には面倒みませんと申したのですが、さすがにこの状態では桐矢殿の御身も心配で・・・」  
「仕方ねえ女だな・・・店にも迷惑掛けやがって・・・。しかし放っておくわけにもいかないから連れて行くしか・・・」  
 
牧は巴を介抱するため、しぶしぶ自分の家まで巴を運んだ。  
 
 
数時間後・・・巴が目を覚ますと、布団に横になっていた。  
 
「いたたた・・・頭痛い・・・ん?こ、ここはどこだ・・・?」  
「目が覚めたか女」  
「お、お前は・・・牧の旦那・・・じゃねえか。ということは・・・ここは」  
「そうだ、ここは俺様の家だ。ったく・・・飲めねえのなら無理するな」  
「お、お前がここに・・・私を運んでくれたのか・・・?」  
「ああ。図体のでかいお前さんが倒れていては、店に迷惑だからな」  
「う、うるさい・・・ほ、放っておいても・・・よかったのだぞ・・・」  
「無理言うな。介抱してもらっただけでも、有難いと思え」  
 
 
 
「きゅん・・・」牧の一言が、巴の心の中に音を立てた。  
 
 
 
「(な、なんだこの感じ・・・私・・・どうしたんだ・・・?)」  
「ん?目が覚めたのなら早く帰れ」  
「(牧の旦那が私を助けてくれた・・・何だろう・・・この沸き立つ想い・・・?)」  
「まだ酔いが冷めねえのか・・・?」  
「ま、牧の旦那・・・」  
「ん?何だ女?早く帰れと・・・」  
「お、お礼を・・・したいのだが・・・」  
「お礼なんていらねえ。早く出て行かないと、天明寺の奴がうるさいから、さっさと・・・」  
「牧の旦那・・・お礼といっては何だが・・・私を・・・だ、抱いてくれないか?」  
 
巴は牧の優しさに心をときめかせ、無意識に牧に抱きついた。  
「!!!ちょ、ちょっと待て女!何故俺に・・・」  
「わ、分からない・・・私・・・お前に惚れてしまった」  
「な、何を馬鹿なことを!目を覚ませ!」  
「牧の旦那が、こんなに優しい男だったとは、思ってもなかった」  
「お、俺は別に優しくした覚えは・・・」  
「いいや・・・牧の旦那、いや牧殿は私をここまで運んでくれて、しかも介抱してくれたではないか」  
「し、仕方ないではないか、あの状態では・・・」  
「私・・・これまで男とは非情な奴としか思っていなかったが、今日はその優しさが嬉しくて・・・だからお願いだ・・・」  
「お、おい・・・女・・・」  
「女じゃなく、い、今だけは・・・『巴』って・・・呼んでくれないか」  
「わ、分かった。と、巴・・・本当にいいのか、こんな俺で」  
「ああ・・・牧殿・・・頼む・・・」  
 
 
そういうと牧は巴の入っていた布団を上げ、もぐり込んできた。  
「ふっ・・・女の体温というのは高いものだな。もう布団がここまで温くなってるわ」  
「牧殿・・・寒かったろうて・・・私が・・・温めて・・・あげるぞ・・・」  
 
巴は布団に入ってきた牧に笑顔で語る。  
「牧殿・・・着物を・・・脱がしてくれ・・・」  
「で、では参るぞ・・・」  
 
牧は巴の羽織っていた着物の上をずらし、豊満な二つの乳をさらし出した。  
「巴・・・目の前で見るとやはり大きいな・・・いつも気にはなっていたが・・・」  
「わ、私のここばかり見ていたのか・・・い、いやらしい奴だな・・・」  
「こんな着物で、あれだけ揺れていては、町中の男共は皆注目するぞ」  
「わ、私は別に・・・見せていたわけでは・・・ない・・・」  
「そうなのか・・・?実は男共に・・・近づいて欲しいからわざとあんなに胸元を・・・?」  
「くっ・・・そ、それは・・・違う」  
「まあいいわ。それではその乳を・・・味わせてもらおうか」  
「ああっ・・・牧殿・・・」  
 
牧は二つの乳を大きな両手で揉み、その感触を楽しんだ。  
「おおっ・・・なんという柔らかさ・・・巴、どうだ?気持ちいいか?」  
「(先日鷹司殿にも同じように揉まれたが・・・牧殿のほうがさらに力強くて・・・感じてしまう・・・)」  
「いいぞ牧殿・・・もっと強く・・・揉んで・・・」  
「ああ、どんどんいくぞ」  
「(凄い・・・!揉む強さがこの前の禎明殿より遥かに違う・・・だ、駄目・・・感じる・・・)」  
 
「こちらはどうかな・・・おやっ・・・?濡れているではないか・・・」  
「い、いやっそこは・・・」  
牧は巴の下半身に手をやり、秘部をまさぐると少し湿っていた。  
 
「もうこんなに感じているのだな・・・乳だけでここまで濡れるとは・・・いやらしい女だ」  
「そ、そんなことは・・・ない・・・」  
「欲しいんだろ?俺のこれが」  
「・・・!ま、牧殿の・・・大きい・・・」  
 
牧は着物をまくり、自分自身を取り出していた。堅く勃起した男は大きく反り返り、巴への突入を今か今かと待っていた。  
 
「牧殿・・・入れたいのであれば・・・早く・・・」  
「ああ・・・言われなくとも行くさ・・・それっ!」  
「あ、ああーーーーーん!来るーーーーっ!」  
 
牧の男が巴の秘部を貫くと、ぐちゅっと音を立てて一気に根元まで入っていった。  
 
「ま、牧殿・・・凄い・・・」  
「おおっ久々の女の感触・・・巴の中も・・・乳のように柔らかくいい感じだな」  
「い、いやん・・・う、動いて・・・早く・・・」  
「よし行くぞ!そらっ!そらっ!」  
「ああ、あん、あん!!」  
 
巴の喘ぎ声が部屋中に響き、床はギシギシと軋む音を立てている。  
 
「あん!あん!いいっ!いいのっ!もっと・・・激しく・・・!」  
「はぁ、はぁ、ったく淫乱な女だ。もっと良くしてやるよっ!そらっ!」  
「あああーーーん、いいーっ!もっとーーーー!」  
 
 
二人の行為はしばらく続いたが、牧もそろそろ限界が近づく。  
「よ、よしっ、そろそろ行くぞ!」  
「えっもう行くのかっ!だめっ!まだ私・・・!」  
「もう我慢の限界だっ!で、でるっ!」  
「あはあーーーーーん!」  
 
ドクドクッ・・・ドクッ・・・ドクッ・・・牧の男から巴の中に、大量の精が注ぎ込まれていく。  
牧が男を抜くと、だらだらっと巴の秘部から精が床に垂れていった。  
 
「はぁ、はぁ・・・良かった・・・良かったぜ・・・巴」  
「ぐすっ・・・ま、まだ・・・果てて・・・ない・・・」  
「へっ?」  
「ま、牧殿・・・すまないが・・・もう一回・・・頼むっ・・・」  
「え、ええっ!?」  
 
巴は牧に馬乗りになり、精を出し終わった直後の男を再度自分の秘部にあてがい、挿入を試みた。  
 
「ば、馬鹿!もう無理だ!」  
「駄目っ!まだ私、果ててないのっ!」  
「そ、そんなこと言ったって、もう俺のコレは・・・」  
「大丈夫っ、いくわよっ!」  
 
巴は強引に牧の男を挿入し、自分から腰を動かしてきた。  
 
「や、やめろっ巴!も、もう出ないっ!」  
「だめえん、わ、私・・・これ・・・もっと欲しいのおっ!」  
「う、うわあーーーっ!」  
 
巴の性欲はとどまるところを知らない。その行為は2回3回と続き、牧は巴の性欲に完全に圧倒された。  
 
「それーっ!牧殿ーっ!まだまだーっ!」  
「ひ、ひいいーーーっ!お助けーーーーっ!」  
:  
:  
:  
そして朝。二人は裸のままひとつの布団で肌をくっつけ合って眠っていたが、先に目を覚ましたのは巴だった。  
 
「ん・・・朝か・・・そうか・・・私牧殿と・・・うふっ・・・ぐっすりと寝てる・・・」  
「起こすのは悪いか・・・このまま・・・帰るぞ。また今度・・・相手してあげる・・・」  
巴はちゅっと牧の頬に軽く口付けをし、着物を羽織りそのまま道場へと向かった。  
 
空はもう明るくなり小鳥のさえずりが聞こえる中、三峯道場へ戻ってきたら、すぐさま新子さんがやってきた。  
 
「あっ巴ちゃん!昨日はどうしたの?帰ってこないから、心配したじゃない・・・!」  
「悪い悪い、ちょっと野暮用でな」  
「野暮用で朝帰りって・・・あら・・・?巴ちゃん、何だか肌がつるつるしてない?何だかいつもより艶っぽい・・・」  
「そ、そうか?気のせいだろ?」  
「おっかしいわねー、あー!分かった!どこかで素敵な殿方と・・・いいことでもしてきたんじゃないのぉ?」  
「(ドキッ)ち、違うっ!違うぞ新子さん!ほんとただの野暮用だってば」  
「怪しいわー、まあ無事に帰ってきたからいいけど・・・おデートならちゃんと言ってくれなきゃ困るわー」  
「はいはい、反省してますよっ・・と。うふふっ・・・キリッ」  
 
巴は牧という殿方を得たことで、これから彼との生活が楽しみで仕方ない様子だった。  
 
 
一方鷹司の洋館では・・・  
「さあ今日も朝の会議を始め・・・あら・・・?牧はどうしたの藤真君」  
「いえ・・・ボクは何も聞いてませんけど・・・」  
「もおーっ今日は大事な会議だから休んだら駄目と釘を刺していたのに・・・まあいいわ、牧抜きで始めますね鷹司殿」  
 
当の牧は、完全にやつれた状態で、布団の中で悶絶していた。  
「あ、朝か・・・何だか・・・空が・・・黄色く見える・・・く、くそーっあのアマ・・・!い、痛たたた・・・こ、腰が動かねえ・・・お、覚えてやがれっ!」  
 
牧は巴の度重なる性行為に腰を痛めてしまい、数週間は動けず撃剣隊の仕事もままならかったそうな・・・。  
 
 
FIN  
 
 

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