百合趣味少女こと宮前かなこは眠れない夜を過ごしていた。
月経が終わった後はどうしても性欲を持て余してしまう。
いつもならば、理性など迷わず捨てて自分を慰めるのだが、今夜はそれが出来ないでいた。
本当はすぐにでも陰核を弄したい。
だが隣にはルームメイトである、女装ドS少年こと祇堂鞠也が眠っているのだ。
もし彼女、基彼が眠っておらず、自分の痴態がばれてしまえばまた新たな弱みを握られることになる。
しかしそんな事情もお構いなしにかなこの下腹部は疼き続ける。
「鞠也…起きてる?」
返事はない。
気づかれなければ構わないのではないか。
かなこの心が揺れる。
絶えられず、寝巻きの上から股間を撫でてみた。
しかしそれが間違いだった。
ピクン、と身体が小さく反応し、熱が篭ったソコは快楽を求め始めた。
こうなってしまえばもう我慢は出来ない。
「鞠也…?」
もう一度だけ、鞠也の名前を呼ぶ。
やはり返事はない。
鞠也は眠っている。
ならば気づかれないだろう。
かなこの身体に一気に火がついた。
ゴソゴソと寝巻きの下だけを脱ぎ、ショーツの上から割れ目をなぞる。
怪しまれないように布団はしっかりと被ったままだ。
少し膣が濡れている様だが、まだまだ愛液が入り口まで溢れてくる気配はない。
息を荒げて中指で何度か割れ目を上下になぞっていると、偶然陰核に指が当たった。
「んぁ……っ」
いきなりの快楽に、覚悟をしていなかったかなこの口から小さく声が漏れた。
ヤバイ、と思い指を止めるが、鞠也が起きた様子は無い。
10秒程耳を澄ませて見たが、物音などが聞こえなかったので、再び作業に戻った。
次はしっかりと声を出さない様にと注意しながら、陰核をショーツの上から弄し始めた。
目をぎゅっと瞑って快楽と声をかみ締める。
ばれないようにしなければならないという状況が、余計にかなこを興奮させていた。
絶えられなくなり、仰向けだった身体を横に丸め、鞠也のベッドから背を向ける体制になった。
「…ッ、んぅ、っ、はぁっ」
頂点へと上っていくたびに、息が上がっていく。
「………ッ!」
強く陰核を押し、その瞬間にかなこは達した。
「はぁ、はぁ」
声を押し殺していたことで息がまともに出来ていなかったのか、かなこは荒い息を整えていた。
身体の疼きも収まり、今度は罪悪感のようなものに襲われていた。
人、しかも男が隣で寝ている部屋で、自慰をしてしまった。
これでは変態と呼ばれても仕方ない。
これからも身体が疼いた時はこうして自分を慰めていくのかと思うとどんどん気持ちが沈んで行く。
ゴソ……
刹那、鞠也の布団から物音が聞こえた。
心臓が締め付けられ、かなこの身体は緊張し硬直する。
寝返りなどではない。
ゴソゴソと起き上がり、足音は確実にこちらへと向かってきていた。
足音が大きくなるたびかなこの鼓動は速度を増していった。