「あんた……ほんっっっとに馬鹿ね」  
 ぐさっ!  
「あんた、やる時はやるやつだし、あたしがついてればどーにかなるかと思ったんだけど…… 
どうしようもないわ、コレ」  
 ぐさぐさっ!!  
「あんたがクラスメート全員に向かって宣言したセリフ、お返ししてあげるね。『あんたはク 
ズだっ!』」  
 ぐさぐさぐさっ!!!  
「あのなぁ、未来。お前だって言ったぞ、そのセリフ」  
「そりゃあ、私は一教科たりとも赤点なんてとってませんから。ねっ? 『全教科赤点クン?』」  
 ぐさっっっっっ!  
 今、俺の胸に刺さっていた矢が、背中まで貫通した音が聞こえた。間違いなく俺には聞こえ 
たぞ!  
「お前なぁ、仮にも俺の彼女だろ? もうちっと言い方ってもんが……」  
「彼女じゃなかったら、とうのとっくに見捨ててる。クラスメートが約一名、補習で修学旅行 
に行けなくなったって、知ったことじゃないわよ」  
 そうなのだ。今度の追試でもダメだったら、俺は修学旅行に行けなくなる。だからこそ、こ 
うやって未来に泣きついてるわけだが……。  
「あんた、なんでそんなに馬鹿なのよっ? 脳みそあるの!?」  
 これである……。  
 
「あのなぁ、未来。俺は、転校生なわけだ」  
「うん、それで?」  
「学期途中で転校してきて、馴染む前に演劇で主役やらされて……勉強する暇があったと思う 
?」  
「言い訳してても、修学旅行は遠ざかっていくだけよ」  
 ぐっ!  
「う、まぁ、たしかにその通りだが……」  
「つべこべ言わず、さっさと教科書開く! 試験範囲は121ページから192ページまでよ!」  
「うげっ。そんなにあるのか」  
「……ってあのね。あんた、試験範囲も知らずに期末試験受けたの?」  
 俺の失言は、やっぱり未来には見逃して貰えなかった。  
「あ、いやぁ、そんなことは……ないぞ」  
「明後日の方向向いて、何言ってんのよ……」  
「あぁその、なんだ? 未来、その……」  
「まぁ、ある意味ではその方が希望が持てるわ。もし勉強したのに全教科赤点だったのなら、 
もう私の手におえないし」  
「……」  
 さらりと、凄いこと言われてないか、俺?  
 
「いい? 関数って言うのは、xの値を決めたら、自動的にYの値も決まっちゃうの。で、 
それをy=f(x)と表すんだけど、この時xのとりうる範囲を定義域、f(x)のとりうる範 
囲を値域っていうのよ……って聞いてる!?」  
「……いきち?」  
「閾値でも生き血でもないわよ! ち・い・き!! ちなみに、閾値ってのは、生物におけ 
る、反応、無反応の境界のことよ!」  
「ふ〜ん、なんかえっちだな、イキ値って」  
 正座してても腰くらいまでしかないちゃぶ台を挟んで、向かい側からムキになってる未来。 
当然、体は前傾姿勢で、両胸が触ってくださいとばかりに突き出されている……いただきます。  
「きゃぁ! な、なななにするのよっ!」  
「未来のイキ値は随分低いんだな。ブラ越しにほんのちょっと触っただけで、感じてるし」  
「ちょ、ま、待ちなさい! こら、揉むなぁ〜!」  
「待たない」  
 キッパリと宣言してから、ちゃぶ台越しに未来を抱きしめた。いつもと同じ、未来の使って 
るシャンプーの香りが鼻をくすぐる。  
「未来の匂い、安心できて好きだよ」  
 耳元で囁いてみたのだが、そう簡単には流されてくれないらしい。  
「あ、ありがと……ってちがーうっ! あたしたち、勉強するんだよ? そういう雰囲気困る 
し!」  
「そういう雰囲気って、どんな雰囲気だよ?」  
 ちゃぶ台越しだと、埒開かね。ってことで、気付かれないよう、さり気なく移動開始。  
「どういう雰囲気って、あの……言わなくても分かってるで……ってダメぇ……」  
 未来たんの背後げと♪ 立ったまま後ろからオパーイとうなじを攻めてやると、もう……  
「あ、いや……あん……ハァハァ」  
 キタ―――――(゚∀゚)―――――!!   
 あとは簡単に未来たん(*´Д`)ハァハァに持ち込めるのでつ……って、なんで新聞部部長の口 
調になってんだ、俺?  
 
 ま、なんにせよ、こうやって未来の両手が俺の後頭部で絡まれば、あとはしめたもの。優し 
く唇を近づけてやれば勝手に目を閉じてくれるし、楽なもんだ。というわけで、まずはキスを 
堪能。  
「……」  
 次いで、背中に左手、太ももに右手を回し、そのまま未来を俺の方に傾けてやれば、お姫様 
抱っこの完成である。ちょっと重いけど、それを口に出してしまってはすべてが台無しなので、 
当然黙ってベッドまで運ぶのがコツだ。  
「え? ちょっと、あの」  
 慌ててる未来を抱きかかえ、そのままベッドに押し倒す。  
「脱がすよ?」  
「……ええっ?」  
 我に返った未来。もう遅いって。  
「ちょっ、ダメだよだめ! 勉強しないと!」  
「だ〜か〜ら、未来たんのイキ値を勉強するんだってば」  
 適当なことを言いつつ、ブラに手を伸ばす。ちなみに、いままで説明してなかったけど未来 
はいつもの制服姿である。  
「あっ」  
 未来とえっちするのも大分馴れた。だから、制服を脱がさなくてもブラなんぞ簡単に抜き取 
れる。そして、双丘の上まで制服をたくし上げて、ショーツに手を伸ばす。これも抵抗される 
まえにさっさと抜き取る……と言っても、片足に引っ掛けとくのはお約束ってことで忘れない。  
 いつも見慣れたグリーンの制服に、これまたいつものエメラルドグリーンなニーソが着崩れ 
ていて、とってもえっちだ。純白のショーツといい、全部脱がしてしまうのは勿体ないと思う 
のは俺だけではないだろ……ないよな!? なっ!?  
 
「……えと」  
 こうなってしまっては、未来も半分は観念しているのであろう。それでも、未来の強気な部 
分が、何か言わせようとしている。  
「制服、汚さないでね……」  
 そう来たかっ!  
「汚さないでってことは、中出ししてもいいの?」  
「……怒るよ」  
 調子に乗りすぎたみたいです、ハイ。  
「ごめん、冗談」  
「今日は危険日だから、子供出来ちゃったら責任取ってもらうからねっ!」  
 ……ゴム着けに逝ってきまつ・(ノД`)・゜・。  
 
 サイフから避妊具を取り出して、装着……完了♪  
「じゃあ、あらためて……」  
 ちょこんとベッドに座ってる未来に、再び唇を合わせてやる。  
 未来は結構乙女ちっくなところがあったりする。だから、基本的にいちゃいちゃするのが好 
きだ。その所為でバカップルという不本意極まりない扱いをされている……ってことを本人に 
言うと、  
「あんたはあたしとキスするの、嫌?」  
 瞳うるうる状態で聞いてくるから性質が悪い。だからといって、昼休みの中庭、放課後の演 
劇部裏はともかく、移動時間中の2−B内でもキスをねだるのは止めて欲しかったりする。  
 でも、えっちする時はとっても便利だ。キスしてしまえば、もうその気になってくれるから。  
「……ちゅるる……ぢゅる……んうんっ!」  
 舌を絡めて、偶に唾液を流し込んでやる。積極的に飲みこむ未来。  
 思えば、2回目のえっちのときから、そんな兆候があった気がする。吸わせっこしてたし。  
 ちなみに、精液も割と平気で嚥下してくれる。曰く、  
「好きな人じゃないと出来ないけど、好きな人のだったら嬉しいの」  
 とのことだ。背伸びしてでも尽くしてくれるタイプらしい。  
「ぷはっ! ……ねぇもっと、して?」  
 リクエストにお応えして、舌を絡ませたまま未来を押し倒す。ふかふかのベッドに押し付け 
られて、ぽすっという音が立った。ふわりと舞ったシーツと太ももの間に手を伸ばす。  
 
「ひゃあんんっ!」  
 未来のあそこは、もうぬるぬるだった。もうすっかり準備OKなのだが、前戯がキスだけと 
いうのもつまらないので、クリも弄ってやることにする。  
「あぁあん! やぁ。そんなとこ……」  
 形だけの抗議は当たり前のようにスルーして、円を描くように人差し指の腹で擦る。  
「くぅぅん……ひぅあっ……ふぁぁぁん!」  
 ぴくぴくっと痙攣する未来の肢体。声も絶え絶えといった感じ。  
「未来、イっただろ、お前?」  
 ぴくん、と反応する。  
「え、ええっ!? そんなわけ……あるかも」  
「気持ちよかっただろ」  
「うん……でも、やっぱりあんたのが」  
「欲しい?」  
 全部言い切る前に、聞いてやる。そして、未来の首がこくりを縦に揺れた。  
「じゃあ、未来が上になってくれるか?」  
 
「あんたの、ぴくぴくしてて、おっきいよ」  
「これが大好きなんだろ?」  
「やぁ。そんなこと……」  
「好きだよな?」  
「……うん」  
「じゃあ、未来が好きなのを、自分の手で挿れるんだ」  
 俺の一物がきゅっと握られた。そしてもうすでに洪水状態のそこに宛がわれる。  
「いくね……」  
 つぶやいてから、一気に根元まで入った! やべっ気持ちよすぎ!  
 でもそれは俺だけじゃなかったらしい。  
「はぁぁぁぁん! な、中まで、奥までぇ!」  
 嬌声というよりも、悲鳴に近い未来の声。だが、俺も余裕はない。ぎゅうぎゅうに締め付け 
てくるので、あまり持ちそうにない。  
「未来っ! 動くぞ!」  
 そう宣言して、下から突き上げる。未来も腰を上下させて、快感を貪っている。  
「もうっもうだめぇ……イっちゃうよぉ! イっていい!?」  
「俺ももうイきそう! い、イくぞっ!」  
「だめぇぇぇぇぇぇ!!」  
 
 
 
「……で、どーすんのよ? あんた、ほんとに修学旅行行けなくなるよ?」  
「うぐっ」  
「あたしもあんたと一緒に回りたかったんだけどなー。修学旅行」  
「あのなぁ、そうは言ったって……」  
「クラスでたった一人だけ行けないんだね。修学旅行」  
「わざわざ語尾で修学旅行修学旅行言うなよ!」  
「……言わせてるのは誰?」  
 三白眼でこちらを睨みつける未来。こりゃダメだ。  
「……ねっ? ちゃんと勉強しよ? どうせなら、同じ……だい……くに行……たいし」  
「どうせなら、なんだよ? ちゃんとはっきり言えよ」  
「なんでもないわよ! この馬鹿ニブチン! もう、いいからあんたは教科書に齧りついてな 
さいっ」  
 辛辣な口調とは裏腹に、未来は俺に向かって微笑んでいた……。  
 

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