絢子は丹念に明日のお弁当を作っていた。
今日護に怒鳴ってしまった事を反省しつつ、心を込めて作った。
最初こそ半泣きだったけど、またこれを食べてくれるだろう護の笑顔を思い浮かべると、次第にうきうきしてきて、絢子の心は和んで行った。
「出来た…」
三段重ねのお弁当。勿論、アンケートに書いてもらった護の好きなものばかり。
「明日はちゃんと今日の事、謝ろう」
笑顔で蓋を閉めると、お弁当箱を冷蔵庫にしまう。
しかし、後片付けを済ませて部屋に戻る絢子の手には、料理に使わなかった食材の入ったポリ袋があった。
それを持つ手はじっとりと汗ばんでおり、直前の微笑みも、なにやら困惑と期待の入り交じった引きつった笑顔に変わっていた事に本人も気がついていた。
絢子の部屋。
机の上にはポリ袋から出された3つの食材。
ポークビッツ。
ウインナー。
フランクフルト。
ごくり、と喉が鳴る。
無論、お腹がすいている訳でない。
「おちんちん…」
護のおちんちんは、どんなのだろう…。
一応ネットで本物の画像を見た事はあるが、あんなグロいもの二度と見たくないと思った。
だけど護のおちんちんだ、と想像すると、途端に愛おしくなる。
まだ見てもいないおちんちんに。
「大きさはどんなかしら」
先ほどまで、お弁当を作っていた絢子はもういない。
肉欲に支配され、スーパーでこの三袋を手にした時から、ドキドキが止まらなかった。
お弁当を作っていた時も、この今の自分を明らかに誤魔化していた。
「ああ…護の…おちんちん…!」
震える手で三つの袋をバリバリと開く。
加工肉に香りがムンと鼻を突き、まるでそれが雄の臭いであるかのように錯覚した。
ポークビッツ…。
あの身長の護ならこれかしら。
でっ、でもっ、そんな護に失礼だわっ!
それに、こんな小さくちゃ…せっ…せっ…せせせせせせっ…くすッ! 出来ないかもっ!
ううん、でも咥えてあげるくらいの事は…。
護はきっと切ない声を上げるのね。
そして最期には、あたしの口の中に…しゃ…射精…ッ!
「はあっ、はあはあはあっ!」
既に1回分のセックスでもし終わったかの様にがっくりとポークビッツの袋を置き、肩で息をする絢子。
「じゃ…じゃあ、ウインナーっ」
真っ赤に着色されたそれは刺激的で生々しく、初々しい少年のペニスを思わせた。
「ペ…ペニス…」
途端に頭に血が上る。
『おちんちん』ならまだファンタジックで可愛らしいイメージがあるが『ペニス』と呼ぶと、途端に生々しくなる。
もっと言えば、ケダモノ的。
「護の…ペニス…!」
これなら入るかも…。
護のペニスがあたしのあそこに…!
じゅくん、じゅくんと、出たり入ったり。
この真っ赤なペニスで、せっ…せっ、せっくすうぅぅっ!
「はあーっ! はあはあはあはあ! ぜえぜえぜえーっ!」
もう死にそう。
絢子はウインナーを置くと、しばし息を整えた。
しかし、最後の一袋がまだある事を知っている。
フランクフルト。
震える手でその袋を取る。
「こ…んなの…」
入るわけ無い。
でも、でももし護がこれだけのモノを持っていたら。
あり得ない訳じゃない。
個人差とかあるって聞くし、それに男の子って、興奮するとすごくおっきくなるって…。
「に…肉棒…!」
そう、まさにこれは『肉棒』だった。
これで蹂躙されるんだ。
あたしのカラダに興奮した護が、猛々しくたぎった肉棒で、あたしに襲いかかってくるんだ。
抵抗出来ない。
護があたしを求めているのなら、絶対抵抗出来ない…!
滅茶苦茶にされちゃう!
あたし、護の性欲処理に使われちゃう…!
どんなに泣き叫んでも、護はやめてくれない。
この肉棒で、何度も、何度も、何度も…!
「くうっ…あああっ、イッ…ひああああぁぁん…っっっ!!」
絢子は机に突っ伏したまま…イった。
ポークビッツと、ウインナーと、フランクフルトの袋を持っただけで。
「護の…おちんちん…ペニス…にくぼう…」
翌朝、絢子は胸焼けで目が覚めた。
部屋には空の袋が空しく散乱していた。