既に辺りは日が落ち、街頭が所々、在らぬところを照らしていた。  
空には満天の星空と、少し欠けている月が散らばっていた。  
月明かりに照らされ、陰影がはっきりと付いたキキの顔からトンボは目を離すことが出来ないでいた。  
「なに?トンボ」  
不意に、トンボの視線に気付いたキキが振り返り聞いた。  
「いっ、いや、何でも無い。キキも随分成長したな〜と思って」  
キキに見惚れていたトンボは我に返り答えた。頬が少し熱くなっているのが解った。  
「そうね。私がコリコの町に来てから一年だもんね。」  
キキは空に広がる星空を見上げ今までを思い起こす様に言った。  
今度はトンボがうつむいてしまい呟く。  
「来週には家に帰っちゃうんだね・・・」  
「大丈夫。私はすぐに帰ってくるわ。お父さんやお母さんに成長した私を見てもらうだけだし、  
私は、コリコの町が好きだし、おソノさんも好き。ウルスラも好きだし、トンボも好き。  
宅配の仕事も好きだし」  
「そうだね。すぐ帰ってくるよね」  
トンボは安心した顔になりキキと一緒に夜空を見上げた。  
パン屋の前まで来ると、店内は閉店して真っ暗だ。  
おソノさん達も、明日のパンの仕込みに早起きしなければいけないので、早々に就寝の床に付いたようだ。  
トンボはキキを部屋の前まで送ると挨拶をして帰ろうとする。  
「トンボ・・・、ちょっと相談があるんだけど」  
帰りかけたトンボにキキが声をかけた。  
キキがトンボに相談をするのは珍しいことだった。キキは何でも自分の中に閉じこめてしまい、一人で解決しようとする。  
キキはトンボを部屋に入るようにすすめた。  
 
トンボは鼓動が早くなる。女の子の部屋にこんな時間に入るなんて初めてのことだった。  
部屋の中は、最小限の家財道具が置かれ、見た目、女の子の部屋とは想像が付かない様に質素だった。  
中央にダイニングセットがあって、奥にベットがあり、突起に赤いラジオが掛けられていた。  
キッチンに少々の食器類と調理道具。あとはホウキが一つ立てかけられているだけだった。  
女の子の部屋に付き物の可愛らしいぬいぐるみや、甘い恋愛小説、フリルの付いた洋服など一切なかった。  
玄関で部屋を見渡していたトンボの手をキキが柔らかく包み引いて行った。  
トンボはキキの言うまま、ベットに座らされ、キキも隣に腰掛けた。  
「相談って何?」  
トンボが聞いた。キキはシーツの端っこを指先でもてあそびながらなかなか話し出そうとしなかった。  
「キキ。僕が出来ることだったらなんでもするから。言ってごらん」  
トンボがキキに顔を寄せ、優しく言い聞かせると、キキも顔を向け二人の鼻先が触れ合わんばかりの距離になった。  
キキは話し出した。キキが言葉を発するごとにトンボの鼻先にキキの吐息がかかった。  
「トンボ。魔女になるには、知らない町で一年間修行する以外にも条件があるの。」  
「条件?」  
「そう・・・。まだ条件があって・・・経験しなきゃいけないと言うか・・・」  
「経験?キキは、もう、充分経験したじゃないか。  
仕事もしたし、友達も出来た。まだ他にあるの?」  
「そう言う経験じゃなくて・・・、一人前の魔女は家に帰るときに、それは持って帰ってはいけないの」  
キキはまたうつむいてしまった。トンボは覗きこむようになってしまった。  
「持って帰ってはいけない?」  
「そう、経験して捨てていかなければいけない・・・」  
トンボが覗きこんでいるキキの顔はどんどん赤くなっていっていた。  
 
トンボには、まったく想像が付かなかった。  
「捨てる・・・?ジジならおソノさんが預かってくれる・・・」  
「そうじゃなくて、トンボぐらいしか頼める人がいないの・・・」  
「僕がジジを預かるの?そのぐらい良いけど・・・」  
キキは小さく頭を振った。トンボは混乱していた。  
不意にキキは顔を上げ、再び、キキとトンボの鼻先が触れ合わんばかりになった。  
しかし、今度はキキの鼻先は止まることなくどんどん近づいてくる。  
「キキ・・・」  
トンボは反射的にたじろいでいた。  
「トンボ、こんなこと頼めるのはトンボしか居ないの。お願い。私、このままじゃ家に帰れないの」  
そう言ったキキの唇は軽く突き出され、瞳が可愛らしく閉じられた。  
トンボも瞳を閉じると、唇に暖かく柔らかい感触を感じた。  
トンボはいつまでもこのままでいたかったが、キキの唇は離れていく。  
トンボの唇は名残惜しそうに、少しキキの唇にくっ付いて行ったが引き離された。  
トンボが目を開けると、キキの瞳は少し潤んでいた。  
「魔女は13歳で修行の旅に出るの、少女の魔女は、知らない町で一人で修行して  
一人前の女性になって初めて、家に帰ることが許されるの。  
トンボ、この意味解るでしょ。私はまだ、一人前の女性になってないの。  
トンボが私を一人前の女性にしてくれるの。お願い、トンボ」  
再びキキの瞳が閉じられた。トンボの鼻先にキキの鼻先が触れ、次いで唇も重ね合わされた。  
キキの重心がトンボに掛けられ、二人はベットに倒れこんだ。  
ベットとキキの間に挟まれたトンボの胸に心地よい感触が伝わっていた。  
トンボは唇と胸板にキキの柔らかな愛らしい感触を感じ、頭の中が真っ白になっていた。  
 
トンボは友達との会話を思い起こしていた。  
トンボぐらいの年代では当たり前の様に、男同士が集まると女の子の話題になっていた。  
ある悪友が言っていた。  
少し前に、キキとおソノさんが町のデパートの下着売り場で買い物していたと言うことだった。  
キキもブラを付けるぐらい胸が成長してきていると男同士、興奮して話しあっていた。  
トンボもいつもキキを観察する中で、キキの変化には気付いていた。  
今、感じている感触はまさに、成長したキキだった。成長途中と言った方が良いだろうか。  
トンボは、優しくキキの背中に手を回し、軽く抱きしめた。  
トンボは出会った時からキキを抱くことを夢見ていたし、キキも、今、それを望んでいる。  
トンボが決心を仕掛けたとき、頬に暖かい感触が落ちた。キキの涙だった。  
トンボの頬を流れ落ちるキキの涙でトンボは我に返り、自我がかき消され、理性で埋め尽くされていた。  
「キキ。やっぱりいけないよ。ごめん」  
トンボは、キキとベットの間からすり抜け玄関に逃げ出していた。  
「トンボ・・・」  
後ろから聞こえるキキの声にトンボは後ろ髪引かれる想いだったが、ドアを開け外に走り出した。  
後ろを振り返ることはしなかった。振り返ると気持ちの整理がつかないままキキを抱いてしまいそうで怖かった。  
ズボンの中で大きくなり、硬くなった物が邪魔で走りにくかった。  
家に慌ただしく入ってきたトンボに母親は驚いていた。  
「トンボ。ご飯は良いの?」  
「うん。食べてきたから要らない」  
それだけ言うと、早々に自分の部屋に入り、布団の中に潜り込んだ。  
 
トンボは早く寝てしまおうと勤めるが、体が火照ってしまいなかなか寝つけない。  
頭の中を、キキの幻影とキキのあの柔らかな感触が浮かび、更に興奮するばかりだった。  
トンボの手は、無意識の内に、自然と体の大きく硬くなっている一部分を握っていた。  
擦り始めると、体中の神経が騒ぎ出し、擦り合わされるたびに血流が逆流した。  
今まで何回も、妄想の中で、キキを裸にして、キキの体に触れ、キキの中に入ることはあったが、今日は違っていた。  
実際に、キキに触れ、キキの感触の残感があった。ある程度のコントロールは心得ていたトンボだったが、  
今日は欲望を掃き出す先を準備することも出来ずに、シーツの上に垂れ流してしまっていた。  
(あした、ママになんて言い訳しよう・・・)  
そんなことを考えながら、脱力感に苛まれていたトンボは、いつのまにか眠りの中に陥っていた。  
次の日の昼過ぎに、トンボはパン屋におつかいに出された。  
この時間帯はキキが店番をしている時間帯だ。トンボは、キキに合いたい気持ちと、不安感で複雑だった。  
どんなことを話せば良いか、どう言えばキキは傷付かないか。そんなことを考えながら歩いているうちにパン屋の前まで来てしまっていた。  
ウインドウから覗くと、店番をしていたのはおソノさんだった。  
パン屋の扉を開けた。扉に付いた、乾いた鈴の音が誰もいない店内に響き渡り、おソノさんがトンボに気付いた。  
「あ〜、いらっしゃい。ごめんね、キキは具合が悪いらしいのよ」  
おソノさんは、トンボはキキ目当てでこのパン屋に来ていると思っているので、いつもそう言ってトンボを冷やかしていた。  
実際、事実なので、いつもトンボは笑って誤魔化していた。  
「今日は買い物ですよ」  
トンボは、そう言って買い物しようとしたが、キキのことで頭がいっぱいで、何を頼まれたのか忘れてしまっていた。  
取り敢えず適当なパンを買い、おソノさんと少し会話をして店を出た。  
(キキ、やっぱり昨日のことで傷付いてるのかな・・・)  
そんな思いが頭を過ぎった。トンボの足はキキの部屋へと向かっていた。  
 
トンボは憂鬱な気持ちを引きずってキキの部屋へと続く階段を昇っていた。  
どうしてもキキに一言謝りたかった。キキは、体中から勇気を振り絞って告白してくれた。  
その気持ちを裏切ってしまったトンボは、罪悪感に苛まれていた。  
キキの部屋の前まで来ると、ドアを引っ掻く音が聞こえた。向こうでジジの泣き声も聞こえる。  
ドアノブに手をかけると鍵が掛かっていなかったらしく、小さな軋む音を鳴らせ隙間が開いた。  
隙間からジジが飛び出し、塀に飛び乗り走り去って行った。塀の先にはリリーが待っていた。  
(動物は気楽で良いよな)  
そんなことを思いながら、中の様子を伺った。部屋の中は静まり返り、ベットの上にシーツが盛り上がり、先からキキの髪が覗いていた。  
部屋の中に半身を入れ言葉を掛けてみた。  
「キキ、寝てるの?」  
返事は無く、キキの上に掛けられたシーツが僅かに上下するだけだった。  
トンボは、足音を忍ばせて中に入っていき、キキの顔を覗きこんだ。  
キキは眠りの中に居た。キキの寝顔は、昨日のトンボが去った後のことを物語っていた。  
目が少し腫れて、頬には涙が伝った跡が残っていた。  
トンボは、キキが一晩中、泣いていたことを思うとやるせない気持ちになった。  
キキの愛らしい唇が少し開いて、甘い吐息が規則正しく漏れていた。  
トンボの中に、昨日のキキの唇の感触が思い出され、再び、あの感触を味わいたいと言う気持ちが抑えきれなくなっていた。  
トンボは誘惑に負け、口付けしようと顔を近づけ、ベットに手を付くと、ベットが波打ち、キキの体が揺れた。  
不意に体が揺らされたキキは、浅い眠りに終わりを告げて、目蓋がゆっくりと開けられた。  
 
「トンボ・・・」  
キキは驚くこともなく、まだ夢の中にいるような雰囲気で言った。  
トンボの方が、驚愕してしまい、後ずさりして、しりもちを付きそうになっていた。  
「お、おはようキキ。・・・昨日はごめんね・・・」  
それ以上、言葉が出てこなかった。何を言っても、キキを傷付けてしまうような気がして、自分を恥じるだけだった。  
「良いのよ。私が悪いのだもの。トンボだって好きでもない人と出来る訳ないものね」  
キキは、シーツを目深に被り、うつむきながら言った。  
「違うっ。それは違うよキキ」  
トンボは反論した。昨日、キキを抱かなかったのは事実だけど、キキを好きではない訳ではなかった。  
むしろ好きだったし、キキを抱きたくて毎晩の様に、キキを夢想していた。  
「僕はキキが好きだよ。ただ昨日は、キキの涙を見たら、キキは本当に望んでいるのか迷っちゃったんだよ」  
トンボは、キキの肩に手を乗せ、正直な気持ちを話した。  
「僕だって男なんだ。好きな人の体に触れたいって思うし、キキを抱きしめたいって思うし・・・」  
トンボとキキの目線が重なり合う。  
「ありがとう、トンボ。嬉しいよ。私だってトンボじゃなかったら、あんなこと言わなかったわ。  
コリコの町にトンボが居なかったら、私は一生、家に帰ることは出来なかった。  
トンボが居るから、私は家に帰る資格が与えられるの」  
キキの腕が、トンボに背中に回された。しかし、トンボは、キキの手に力が入れられる前にキキの体の上に乗っていた。  
トンボとキキの鼻先が、昨晩の様に触れ合っていた。トンボは、キキの頬にくっ付いていた数本の髪を指で整えた。  
キキの頬に残っていた涙の跡を指先でかき消した。キキの瞳が閉じられていく。  
 
トンボの唇は、キキの唇に磁石の様に惹きつけられて行った。キキの柔らかい上唇をはにかむ様に何回も繰り返した。  
胸に、キキの乳房が当たり心地よかった。トンボの手は誘惑に負け、キキの乳房に掛けられた。  
白い下着の上からだったが、柔らかさは充分に伝わった。手に少し力を入れただけで、指先の間から乳房が漏れだし、手を包みこんだ。  
キキは頬を真っ赤に染め、恥ずかしそうに在らぬ方向を見つめ、トンボに身を任せていた。  
ワンピースの白い下着の裾からトンボは手を忍ばせた。トンボの冷たい手の感触を感じ、キキは少し身をよじった。  
トンボの手に、キキの体温が伝わる。トンボの手とキキの体の体温が相互に受け渡して同化して行く。  
キキの下着の裾は、下腹部辺りまで捲り上げられた。  
キキの手がトンボの手に掛けられた。  
「トンボ。部屋を暗くして」  
キキは、少しトンボと目線を合わせたが、また恥ずかしそうに目線を外しながらそう言った。  
トンボは、このまま続けたい気持ちに襲われたが、自重して、部屋のカーテンを閉めにベットを降りた。  
カーテンを閉めると、部屋はカーテンの隙間から漏れる僅かな光で優しく感じられた。  
振り返ると、ベットの上に膝を折り曲げ、乱れた着衣から少し肩を覗かせ、可愛らしくキキが座っていた。  
トンボは、再び、キキの元に戻り、キキと見詰め合うようにベットの上に座った。  
キキの両手を軽く握って、再び、優しく口付けして、仕切り直した。  
キキの下着の裾を持ち上げ、キキの肌が露わになっていく。  
キキは、軽くお尻を浮かせて、トンボの望むように従った。  
下腹部が見え、可愛らしいおへそが覗いた。小さな乳房が姿を現わし、愛らしい乳首が、ツンとこちらを向いていた。  
下着は、キキの脇を通りぬけ、キキの顔を拭いながら脱がされた。  
キキの肌が白く輝いて見え、真珠のだった。トンボも上着を脱ぎ捨てた。  
かぼちゃパンツで僅かに隠されて居るだけのキキの体は、トンボの体に包まれ、ベットの中に沈んでいった。  
 
トンボの体とキキの体が擦れ合って、キキの早くなっている鼓動が伝わってくる。  
トンボはキキの小さな膨らみかけの乳房を手に包み、乳首を指先で転がして弄びながら、キキの首筋に口付けした。  
キキの髪から石鹸の匂いがし、首筋からはホットケーキの匂いがした。  
キキの乳房を揉み解すたびに、キキの口から吐息が漏れていた。  
乳房の頂点にある乳首を口に含んだ。  
「んっん」  
キキが喘ぎ声を発した。トンボは更に興奮した。  
舌先でキキの乳首を転がし、唇に挟み、引っ張り、再び舐めまわす。  
そのたびに、キキの顔が振られ、首筋が伸ばされる。  
トンボの手は、キキのかぼちゃパンツの中に忍び込んだ。  
キキは、とっさにトンボの手を掴み、両足を絡ませ、トンボの侵入を阻止しようとしたが、トンボの胸の中に顔を埋めると抵抗が和らいだ。  
トンボの指先は、キキの割れ目を見つけなぞった。キキは既に濡れていて、指先に粘液が絡みついた。  
指先がキキの中に侵入する。両壁が押し開かれ、中から愛液が溢れ出す。暖かい、柔らかい感触が指先に伝わる。  
キキは、トンボの胸の中で小刻みに震えながら、トンボに表情を悟られまいと鼻先をすり寄せていた。  
トンボの指がキキの中で動く度にキキの吐息がトンボの胸に当たった。  
「んっ、ハアハア・・うんっ、ん」  
キキの足が無造作に動かされた。トンボは首をすくめ、キキの顔を覗きこむ。  
キキの目は潤んで、薄く開かれた瞳がトンボを見付けていた。  
指先を動かしながら、再び口付けをする。キキの吐息が口伝いにトンボに吸いこまれていく。  
かぼちゃパンツにトンボは手をかけた。キキの美味しそうな股をかぼちゃパンツが滑り落ちていく。キキも、腰を浮かせて手助けした。  
足首まで脱がされると、トンボは体を起こしてキキの太股を撫でるように持ち上げた。  
開かれたキキの下腹部に、淡い桃色をして愛液に濡れた割れ目が輝いていた。  
トンボも、下着を脱いで全裸になった。  
トンボのペニスは、既に硬くなり、反り返って、行き先を求めていた。  
 
「キキ。入れるよ」  
「うん」  
トンボはキキの片足の足首を持ち上げ、股を開かせながら、もう片方の手で自分のペニスを掴んでキキの割れ目にあてがった。  
トンボのペニスが、キキの割れ目をさ迷っていた。  
「キキ・・・ここで良いんだよね?」  
「んっ・・・わかんないよ」  
トンボのペニスは、キキの割れ目を滑っていて、なかなか入れないでいた。  
数回、キキの中に入ろうと突付いていたペニスは、不意に、キキの愛液に誘導され行き先を見出して、割れ目の中に飲みこまれていく。  
「あんっ」  
キキの顔が歪み、体が反り返り、拳が強く握られる。しかしキキは、トンボのペニスをどんどん飲み込んでいった。  
トンボは、ペニスの周りをキキの肉肌で締め付けられ、愛液に包まれ、全身から生気を吸い取られていく様だった。  
付け根まで飲みこまれると、今度はトンボが亀頭付近まで引き抜く。愛液がトンボのペニスとキキの肉肌の隙間から流れ落ちていた。  
キキの中でトンボのペニスが、キキの全てを味わう様に往復していた。  
キキの下腹部を突くたびに、トンボの手によって持ち上げられたキキの足首で、キキのかぼちゃパンツが揺れていた。  
キキは、痙攣して、顔を振り、首筋に血管が浮き出ていた。口から、喘ぎ声が我慢しきれずに漏れ出す。  
トンボの吐息も乱れ出していた。  
「キキ」  
トンボが、下半身の運動を停止せずに、キキの体の上に覆い被さり、抱きしめた。  
キキも、トンボの背中に手を回して抱きしめた。  
肩口でキキの吐息を感じながら、胸にキキの乳首が突付くのを感じながら、両腰でキキの股が揺れている中、  
トンボはキキの下腹部を突き続けた。  
ゆっくりと動いていた腰も、次第に早くなり、キキの体が揺れ、ベットが軋む音がした。  
急に血の気が引いていき、ペニスに殺到する。  
 
「キキっ」  
トンボの腰は、更に早く、更に激しく突きはじめた。  
「んっ、んっ、んっ・・・」  
キキは、突かれるたびに口から吐息が溢れ出す。  
キキの小さな乳房は、引き離されんばかりに上下し、激しく揺れていた。  
キキの愛液が、ワイセツな粘着音をさせていた。キキは、乾いてしまっている唇を、可愛い舌で舐めて潤す。  
トンボは、キキの可愛い舌が欲しくなり、捕まえ様と口付けしたが逃げられてしまった。  
自分の舌でキキの唇を押し開くと、キキの舌が滑りこんでくる。二人の舌が絡み合って唾液を交換している。  
トンボの体に悪寒が走り、ペニスから欲望が吐き出された。トンボの頭の中が空白になる。  
それでもトンボは、あと数回ゆっくりと腰を動かし、キキの肉壁を味わい、体中の生気を搾り出した。  
トンボはキキの体の上に倒れこんだ。  
「ハア、ハア、ハア、ハア」  
静寂の部屋の中にキキとトンボの吐息だけが聞こえた。  
トンボは起き上がろうとすると、萎えてしまったトンボのペニスが、キキの中から<チュルン>と滑り落ちた。  
キキの愛液とトンボの欲望が糸を引いて、キキの太股に線を引いた。  
脱力感で力が入らないトンボは、キキの隣に倒れこんだ。キキは、まだ息を整えられずに荒げて、時折、唾を飲みこんでいた。  
トンボは、隣で虚ろに潤んだ瞳のキキを引き寄せて抱きしめた。  
キキもトンボの胸に擦り寄った。  
「キキ。ごめんね」  
「なぜ謝るの?嬉しかったよ」  
トンボはキキを強く抱きしめた。キキはトンボの胸に頬ズリをした。  
トンボは抱きしめた手でキキの背中を擦った。キキの柔らかく暖かい肌が心地よかった。  
二人は、外が暗くなるまで離れられないで居た。  
 
 
満月が夜空を支配して、世界を柔らかな月明かりで照らしている。  
キキの願いで、帰省は満月の夜にと決められていた。  
突然の出発に、連絡は滞り、見送りはおソノさん夫妻とトンボだけになってしまっていた。  
「キキ。次の満月の夜にしたら。みんなもキキにさよならを言いたいだろうし」  
「でも、次の満月の夜が晴れるとは限らないでしょ。晴れの日に帰りたいのよ」  
ジジが飽きれた顔をした。  
キキは、結構頑固だ。一度言い出したら聞かない人だった。  
キキの帰省は長引きそうだった。  
母親との手紙のやり取りで、飛ぶこと以外の能力を身に付けようと薬の調合を習ってくるようだった。  
一度、飛べなくなったことで懲りたのだろう。  
おソノさん達が、キキの頬に別れのキスをする。  
キキが振り返り、トンボに向き直る。  
「ありがとうトンボ。今日、帰れるのはあなたのおかげよ」  
キキが唇を近寄らせる。  
トンボは頬を差し出すが、キキはトンボの唇に口付けした。  
「いってきます」  
「いってらっしゃい」  
キキの肩にジジが飛び乗る。  
デッキブラシにまたがったキキは、満月の中へと消えていった。  
 
 
              おわり  
 
 

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