五代は会社からの帰り道で、すでに今夜のプレイのプランを立てていた。結婚して3年になる響子とのナイトプレイだ。
「今日は燃えそうだな、ふふふっ」
ニヤニヤ顔で呟きながらふいに道端の電柱に頭をぶつける五代。この癖だけはいつになっても直らない。
「お帰りなさい、あなた」
玄関に入ると響子が出迎えにきた。この3年で響子の美しさにはますます磨きがかかっていた。30歳を迎えた響子の
柔らかな身体のラインと優雅な物腰、そしてそれに似合わぬ激しい夜の生活...今はそれらすべてが五代の物だ。
「飯は済んでるから風呂だけ入るよ。今日は...イイんだろ?」
「..ええ。春香も寝付いちゃったし」
恥ずかしげにはにかみながら答える響子。激しくある時は激しく、恥じらう所は恥じらうというのがまた堪らないのだ。
「ところで今日はちょっとアイディアがあるんだけど」
五代は響子にわざわざ耳打ちで聞かせる。聞いている響子の顔が見る見る赤くなった。
「そっ...やだわ、もおっ」
「あの頃の気分でお前を抱きたいんだよ。“響子さん”って呼びながらさ」
そう、五代は浪人時代のシチュエーションを再現した上で、当時の欲望を思い起こし自ら萌えるつもりなのだ。
「あの頃のエプロン、まだあるんだろ。ヒヨコの絵のヤツ」
響子は半ば呆れながら、しかし自分にも興奮があるのを感じると、エプロンを取りに行った。