晶が目を覚ますと、全く知らない場所にいた。
両手は縄で後ろに縛られている。足にも枷がついていた。
服は着ていなかった。下着だけだ。
「起きた? 早いね。流石はくノ一さん」
声をかけたのは、クラスメイトの鴇羽巧海だった。
以前の彼とは明らかに違う倣岸な表情に自分の任務を思い出す。
――黒曜の君の探査と抹殺。
それに失敗した。
黒曜の君である巧海が仮死状態でいる間に切り刻むつもりだったのだが
返り討ちにあったのだ。
とすると、ここは黒曜宮だろうか。
巧海の背後に控えた女二人は“Queen”とかいう連中に違いない。
「黒曜の君ともあろうお方が、何故こんな小娘を気にされるのでございますか?」
「さっさと殺しちゃえばいいニャ」
虫ケラでも見るかのように晶をちらっと見たきり、勝手なことを進言している。
「一応、ボクの命を狙ったことに対するお返しはしておかないとね。それに」
近付いて来る。
「殺すのはいつでも出来るし」
笑いながら、晶の髪を掴んで無理矢理上を向かせた。
「……っ!」
「この程度で痛がってもらってちゃ困るんだけどな」
巧海は髪を離すと、そのまま手を乳房に移した。大きくはないが形の良い白いそれを乱暴に捏ねる。
「な、何して……やめろ、放せ!」
晶は逃げようともがいたが、縛られてるせいで身動きできない。
「だって、放したら逃げちゃうでしょ?」
桜色の乳首をぎゅっと摘み上げた。
「……くっ」
嫌悪感と未経験の感覚に肌が粟立つ。
くノ一として知識は一通り伝授されていたが、まだ歳も若くHiMEということもあり実際に経験はしていない。
「あれ? もしかして、初めて?」
「お前には、関係ない……っ」
「それもそうだね。ボクが痛いんじゃないし」
あっさりと納得して、巧海は片方の手を、広げたままで固定されている脚の間に伸ばした。
下着の上から薄い布地越しに指を押し込む。
「濡れてないなぁ」
「当たり前だ!」
「じゃあ、こんなのはどう? 女の子に無理強いしたくないしね」
すうっと脇を撫でた。
「……っ」
「へぇ、けっこう感度イイんだ」
バカにしている風でもなく、くすっと笑う。
「さっさと、殺せばいいだろう」
殺されなかったのは自分でも意外だったので、訊いてみる。
「やだなぁ「友達」を殺したりしないよ、ボクは」
巧海はもう一度探るように腰骨のあたりを撫でる。
「どうしてこんな、まわりくどい、真似を」
たいしたことは何も知らされていないから、拷問されても問題ないと思っていた。
拘束されているだけで五体満足だし、たとえ僅かでも使命を果たせる可能性があるなら自害は出来ない。
猿轡の類をされていないのは、向こうもそれを知ってるからだろう。
「ボクね、同い年の友達って、晶君が初めてなんだ。昔から体弱くて学校もロクに通ってないし、仕方ないんだけどね。
君ぐらいだよ。毎日病室まで来てくれたのって」
「それが、どう……し、た」
「嬉しかったよ。だから友情に免じて、せめて気持ち良くなって欲しいなって」
喋っている間も手は休まない。晶が少しでも身じろいだり反応する箇所を見つけるために身体中を触っている。
乳房は特に念入りだった。全体を揉んだかと思うと、乳首を爪で弾いたり摘んで引っ張ったり忙しい。
「理……由に、なって、ない……っ」
「もういいかな」
再び下着に戻って来た指が、ゆっくりと秘裂を擦った。
先ほどと違って、水っぽい音がする。
しばらく中心部をなぞった後、指が上部の一点をかすめた。
「あ……っ」
「ここ?」
確認するように、またその場所を往復される。
「ぁ……んっ」
勝手に身体が跳ねて、声が出た。
「可愛い声も出せるんだね?」
「言う、なっ! あふっ……ふわあぁんっ」
一度、声を出してしまったらもう止められなかった。手で押さえようにも後ろに縛られていて動かせない。
水音は無視できない程大きくなってきている。
それが自分の中から溢れてきたものかと思うと、押さえていた羞恥心にどっと襲われた。
「も、もうやめっ……ひっ……ふぁっん……っ」
「そろそろかな」
言って、巧海は自身のモノを取り出すと、一気に貫いた。
「……ぐ……っ……!?」
戦闘や訓練で痛みには耐性があるつもりだったが、全く種類の違う痛みに晶は一瞬気が遠くなる。
「こればっかりは、ゆっくりやってもどうせ痛いからね」
「ぁああ……っ! い、やぁ……」
「大丈夫、すぐ慣れるから」
「やぁっ! もう……許し……っ……痛ぃ」
涙が頬を伝った。痛みのせいか悲しいからなのか、もう自分でも分からなかった。
「……動くね」
それは提案ではなく、宣告だった。
「ひっ……あ……ぅあ……っ!」
容赦なく揺さぶられる。
始めのうち、痛いとしかなかった思考の中に、徐々に違うものが混じりだす。
「……ぅあ……あぁ……んぅっ……ああっんっ!」
知らず知らずのうちに、腰が勝手に動いていた。
何も考えず、自分の快感だけを追いかける。
目の前の相手の正体も、自分の任務も、今だけはもうどうでも良かった。
「出すよ……っ?」
「やぁっ……ぁあっ……も、だめぇっ。あぁぁっっ!」
胎内に熱いものを感じた瞬間、晶は初めての絶頂に達した。
ぐったりと床に崩れ落ちる。
火照った全身に冷たい床は心地良かった。
そのまま、巧海が立ち上がって歩き出すのを晶はぼんやり見ていた。
「「……ぅあ……あぁ……んぅっ……ああっんっ!」
知らず知らずのうちに、腰が勝手に動いていた。
何も考えず、自分の快感だけを追いかける。
目の前の相手の正体も、自分の任務も、今だけはもうどうでも良かった。
「出すよ……っ?」
「やぁっ……ぁあっ……も、だめぇっ。あぁぁっっ!」
胎内に熱いものを感じた瞬間、晶は初めての絶頂に達した。ぐったりと床に崩れ落ちる。
火照った全身に冷たい床は心地良かった。
巧海が立ち上がって歩き出すのを、晶はそのままぼんやりと見ていた。
「あの、性欲処理なら私たちにさせて欲しいのでございますけど」
「あちきだっているニャ〜」
Queenの二人が横から不満そうに言っている。
「そうだね……次は君たちと」
「わーい! 次は絶対あちきとして欲しいニャ!」
「約束でございますわ」
三人が遠ざかってから、一部始終をあの二人に見られていたことに気付く。
恥かしくないと言えば嘘になるが、それよりも体力を回復するのが先だと自分に言い聞かせた。
現状では、任務の達成も脱出も危うい。
巧海がうっかり置き去りにした上着を何とか拾って布団代わりにして、晶はすとんと眠りについた。