「なに見てんだよ」
「いや、かわいいなぁと思って」
巧海が見ているのは、夕食の片付けをしている晶の後ろ姿。
ひらひらとエプロンがなびく。
「かわいい、…ねぇ…」
どう反応していい物やらと晶が思案していると巧海がテレビに見入っている様子が見えた。
テレビから流れるニュースは、相も変わらず物騒なニュースが多いが、
それがすべて英語となってしまうと意味が分かるわけもなく、
それはそれで案外慣れるとＢＧＭのようになってしまった。
晶が一人で部屋にいるとき、実際音がないのは辛くＢＧＭ代わりにつけていたし。
もちろん日本の放送、あるいは日本語を流しているＣＳやＣＡＴＶもあるが、
最初からお金は節約に節約！ という生活だから仕方ない。
「あさって、また入院か」
巧海がつぶやくと、片付けを終えた晶が隣に座る。
「あさってまでは、自宅療養できる〜。だろうが、何日入院してたと思ってるんだ？」
「そうだね」
「ま、…お前の気持ちも分かってるつもりではいるが…、ワタシにできるのは食事の後片付けくらいだな」
晶の落ち込んだ顔を見ると、巧海も暗い気持ちになる。
こんな事がいままで何度も繰り返されていた。
「晶」
向かい合うと至近距離で瞳が映る。
そのまま自然と目を閉じ
「んっ…」
唇を重ね、お互いを確かめる。
「そんなこと、言わないで。ね？ それに、晶は感謝できないくらい、いろんな事を助けてくれてる」
「そう、、だったよな。どうも実際の所…考えると情けねーんだよ。あーあ、つらいのは巧海だってのにおれは何してんだか」
「自分のことは、私 じゃなかったっけ？」
ちょっと怒った顔をして指摘してみる。
オレにできることなら何でもするから！
とアメリカへ来て数日目に言われ、最初にお願いしたのは
"オレ"というのはやめてほしい。
ということだった。
晶の本質は女性であり、無理やり男の振りをしていただけなのだから。
無意識で行っているとか、癖であるとか、そういう理由で本人は苦痛に思っていないのかもしれないが、
できるなら自然に行動してほしかった。
女の子らしい晶を見てみたいという理由もなきにしもあらず。
「ごめん、ついな…」
「別にいいよ」
クスッと笑って答えると、晶も笑った。
「よし、シャワー浴びて寝よう」
「えっ、あ、あぁ、そうだな…」
「…んー、晶さん、何か勘違いしてませんか？」
「へっ、何がだよ？」
「別にシャワー浴びて寝るという事に他意はないよ」
本当に他意はなかったが、ここ数日シャワーを浴びると晶も入ってきてそれままベッドで…
というのが日常になっていたのも事実だ。
「なんだか、晶の身体だけを…その、ともかく、そういうのは良くないんじゃないかと」
「いや、それは…」
赤くなってうつむく。
「オレっ、ワタシは巧海と居ると決めたから…里へは戻れない
時々思いたくないのに、思うことがある。巧海が…もし…っ」
「僕の、せいだよね…」
「そんなんじゃない！ 決めたのはオレだ！ でも、怖いんだ。恐怖が消えなくて…。
巧海と、その…セックスしてると安心できて、温かくて」
晶をやさしく抱き留めるとめをつぶり体温を感じる。
「僕は、晶が少しでも幸せで、楽しくて、せめて辛くない…そうなってほしいし
そのための努力は惜しまないよ？」
「…あーっ、もうこれじゃ、ワタシはセックス大好きのヘンタイ女じゃねーかっ
どうしたら良いんだよっ」
「僕はヘンタイでも晶が好きだよ。でも、別に変態とは思わないけどね」
「はぁ…」
大きくため息をつく。
「じゃあ、シャワー浴びようか？ 裸で抱き合ったら体温で安心できるかもしれないし」
「…… そうだな。って一緒入って、するのか」
「昨日もそうじゃない。それに、あの時みたいに…」
「オレっワタシは後から入った…んだけど…あの時！？ いつだよ…」
怒ったり赤面したり、モジモジしながら巧海の後に付いていく晶だった。
〜〜〜
藤乃の友人の友人のなんだったかのツテで、特別に安い物件に住んでいる二人だったが、
さすがに遠い友人頼みばかりでうまくいくわけがない。
英語は勉強していたが、晶は持ち前の勢い(?)と必死の勉強で、身振り手振りで
大体のコミュニケイションは問題なかった。
あとは、生活に必至の家具を買ったりベッドを買ったり
(巧海が２段ベッドにしようか、と意見して大変怒られたりした。もちろんダブルベッドを買ったが…)
毎日の食事にも大方、不自由なくなった。
晶は巧海が入院している間、ほとんど付き添い病院では
ナンバーワンのカップルに認定されたりと話題は尽きなかった。
本人たちは隠れているつもりでも、濃厚なキスをしている瞬間を目撃されている事を、気がついていないだけかも知れない。
しかし、病院にいる、つまり巧海の体が完治した訳ではなく、
体調を崩したり、いざ手術となると(大きな手術はさすがに舞も駆けつけたが)待っているしかなく、
そんな時の無力さは、嫌と言うほどに感じていた。
ICUで巧海が過ごすときは夜中側にはいられない。
眠るために住居に戻ると、そのままベッドに倒れ込み巧海の無事をただ祈っていた。
別に特定の宗教を信仰しているわけではないが、どの神様でも良いから、というのが本音。
そんなつらい日々は徐々に少なくなり、体調の安定した巧海が病院の個室に移動したとき
医師から最初の注意点が、
「セックスは身体に負担がかかるから無理をしないように」だったのは晶だけの秘密だ。
その数日後、仲良くなった近くの部屋。
めずらしく巧海から離れて、子どもたちが大喜びするりんごのうさぎを作ったりして時間をつぶしていた。
「Oh, Akira! Takumi's been looking for you.」
「えっ…と、え？ …… I'm coming right away.」
体調が急に悪くなったという様子ではなさそうだが、
わざわざ自分を呼ぶために看護師の手を煩わせるというのは、巧海にしては珍しい。
不安に足が早く動く。
「巧海 どうしたんだ？」
「晶…ごめん、呼んだりして」
「で、どうしたんだ？」
「うん…その、、ちょっと聞いてくれるかな」
「あたりまえだ」
「言いにくいことなんだけど…」
巧海は赤面して言葉を詰まらせる。
「オレっ、、、ワタシにできることなら何でもするぞ」
「実は…あぁ、ちょっとこっちに来てくれる？」
耳元に移動するとぼそぼそと巧海がしゃべりかけてきた。
「(、、ずっとたったままなんだ)」
「(！？ 寝てるだろ？)」
「(ちがうよ…、その…そこ…)」
「(そこ？)」
「だから…」
「へっ！？」
声が大きいと言われながら事情を聞くと、
どうも元気になってここ数日、収まりがつかないことが多いらしかったが、
今日は時計の針を見つめること４時間くらい、まったく収まらないらしい。
右手に刺された点滴は次々と交換され、あと何時間もこのままで、
自由な左手は利き手ではない。
「そ、それって辛いのか？」
声を潜めて話す。
「これだけ長いのは初めてだけど、辛いし、もうすぐ看護師さんが来るし…」
「オレに何とかしろと…」
「こんなこと…嫌だよね…」
嫌なわけがない。
もちろん大好きな巧海だからこそなのは当然として、いままで果物を持ってくるとか
点滴が終わったら知らせに行く程度しか手伝えることはなかったのだから、
ある意味では、巧海からの初めてのお願いということになる。
「そんなわけないだろ…すぐに楽にするからな」
「う、うん…」
ベッドに潜り込むと、巧海のソレを探り出す。
すぐに見つかった。焼いた鉄のように熱く勃起している。
「ふうっ、、、」
パジャマと下着をずらすと、その全貌が目の前に。
「(すごい、、)」
熱く堅いと同時に、辛そうに見えた。
ゆっくり唇で触れ、その熱さに驚く。
さらに舌で先を舐める。
「あっ」
そのまま口の中にグラインドさせる。
強烈な存在感を口の中に感じながら、舌でその全体を刺激する。
さらにペニスが容積を増したような気がした。
口腔に巧海のペニスが、と思うと愛おしくて、同時にどうしようもないほどいやらしい気持ちにっている自分を恥じる。
「うぶっ、」
巧海が震え、さらに深く晶を苦しめた。
少しだけにじんだ涙を無視して、舌でもう一度存在を確かめる。
ちゅっ、ぢゅっつ
舌を動かすたび、巧海の口からわずかな空気が、時々声が漏れ、
それに共鳴するかのように晶の身体が熱くなる。
体内の奥の方がしびれただ、舐めているだけとは思えないほど、
一体感を感じた。
「あきら、っ」
何かを言おうとした巧海の言葉がとぎれ
舌先が感じる巧海のペニスが、びくりと震えた。
「！！」
突然のどを直撃する精液。
過去の経験と巧海の様子から、油断していた晶は思わず吐き出しそうになる。
「あっ、…あぁ…」
「ん゛っ、っ、」
なんとか咥え直すと口腔全体で巧海を締めつける。
「いっ」
巧海が小さく悲鳴を上げ、さらにビクッと大きく身体を反らす。
ぴゅっ、びゅっ、びゅっる
「んっ、んーー」
必死に口で受け止めるがその量はとても口内に収まるものではなく、
半ば直接のどから流れ込み、必死で飲み続けるしかない。
「うっ、うぅ」
ごくっ、ごくっ
苦しそうな声が漏れ、同時に巧海の出した大量の精液が飲み込まれていく。
徐々に収まるとぼーっとした表情の巧海が呆然と天井を見上げていた。
「ぁあ、……」
ようやく終わったと口から抜き、荒い呼吸を整える。
しかし、巧海のペニスはまだ堅さが残っているし、その先端からは白い粘液がまだこぼれようとしていた。
「……」
もう一度覚悟を決めると、先端を軽く舐めそのまま吸い付く。
「うっ！」
ちぅ、ちゅっ
吸い出された精液が口の中でからむ感覚に、快とも、不快ともいえない奇妙な感覚を覚えながら、
ティッシュを取り、残った汚れを拭き取った。
「はぁ…」
ゴミ箱に捨て、はぁっと大きく息をつく。
「…ごめん。すごく、よくて」
「はぁ、うう、だ、大丈夫だから、、気にするな」
呼吸を整えていくと同時に、何か違和感が強くなる。
「えっ、」「どう…したの？」
晶はあわてた様子で個室を出ると、トイレに走り去った。
「？ あれ」
晶が座っていたベッドの上に小さなシミを見つけた巧海が首をかしげる。
「なんで…こんなに」
トイレの個室でまだ少し荒い呼吸を整えながら自らの体の変化に驚く。
そこはぐっしょりと濡れ、身体は熱かった。
ゆっくり下着をずらして触れてみる。
「ひゃっ」
ぴくっと体が震え、甘い波が全身に広がる。
指先には、ねばっとした体液と、自分でも驚くほどの熱さを持ったその入り口。
「ぁ、ワタシ…なんで…んっ」
指をゆっくりと動かす。
また、甘いカンカク。
無意識に指が動かされ…。
ガチャ
「！？」
誰かがトイレに入ってきたのだろう。
その音に驚き、我に返った晶はティッシュで拭くと、急いでそこを出た。
病室に小さなノックの音がした後、晶が入ってくる。
「あの、巧海…」
「おかえり。大丈夫？ 僕が無茶な事させたから…」
「巧海…、その…」
「なに？」
晶が妙に離れた距離から、時々視線を合わせまたはずす。
「ワタシは…本当に、おかしいのかもしれない」
「？」
「たくみっ！ ワっ、ワタシのことを嫌いにならないか？」
顔を真っ赤にして叫ぶ。
「よく分からないけど、僕は晶が好きだよ。大丈夫？」
「…なら、して、いいか？」
「え？」
顔が真っ赤になっていくのを感じる。
こんなにもいやらしいことを…。
「も、もう問答無用だっ」
ベッドの上に上がり、巧海を跨ぐ。
下着を自からずらすと、少しだけ柔らかくなっていたペニスを自らの入り口に当てた。
先ほど拭いたはずが、驚くほどの愛液が垂れてくる。
「えっ、ちょっ、あきらっ」
一瞬の早業に首だけを向け、何事かとろうばいする。
ズッ
沈み込む
「あきらっ」
「いっ！」
巧海が晶の中の熱さを感じると一気に堅さを取り戻していく。
胎内が心棒で串刺しにされていく感覚！
一気に足りなかった何かが溢れ満たされる。
必死に声を殺すが耐えきれず、巧海の横に倒れ込む。
その衝撃で中のペニスが体内をグリっとかき回した。
「！！！！」
ベッドに顔を埋め悲鳴を上げる。
ほとんど外には漏れていない。
「あ、晶っ、無理しないで、もっとゆっくり！」
「…だ、っ、大丈夫。それに、速くしないとあと２０分弱で回診だぞ」
「もう、そんなじかっあっ」
晶はゆっくりと身体を引き起こす。
巧海の姿を見、ゆっくりと上下に動き始める。
じゅびゅ ぎゅびっ
「あっ」
思わず巧海が声を上げる。
口の中で味わう物とは違い、濡れた膣の全体が締め上げてくる。
晶も気が気ではない。
激しい動きがいつの間にかコントロール下を抜け出し、より深い快楽を求めて激しくねじりをくわえた動きになる。
「ひっ、あっ」
ジンジンとしていた膣に痺れが何度も走る。
「ううっ、」
何度目かの動きで衝撃が徐々に和らぎ、快感が急速に増さる。
鈍い痛みが消えると同時に、流れ出していた愛液のごとく快楽に背筋がやける。
「っ、巧海っ、痛く…っ ないか？」
「僕は、大丈夫だけど、晶…」
巧海もペニスがぬめりのある熱い粘膜に覆われ上下する刺激は
強烈に受けていたが、晶が突然始めた行為への驚きが思考を鈍らせる。
「ひっ、あっ」
乱暴なピストン運動がどんどん激しくなり、
晶は天井を見るように反り返り、巧海のペニスを深く味わう。
「た、くみっ、一人でっ」
「あきら！？」
絞り上げられるペニスは、先ほどの射精があったにしろ、
急激に高まってくる。
思わず、腰を打ち付ける。
先端が晶の深部を突き上げ、
「ぐぅっ」
「うあっ！ あっ」
一気に締め付けられた巧海が、２度目の限界を迎える。
どくどくと流れ込む感覚、力なく巧海の横に顔を埋める。
荒い息
「寂し…かったん、だから」
「あきら…」
いつの間にか涙がこぼれていた。
〜〜〜
「あのときの晶はかわいかったなぁ」
「そ、そんなこと…思い出すな」
「そういえば、もらった写真と、写真立て、置いてないよね」
「ば、ばかやろっ、あんなもの飾っとけるか！」
「婚約の記念なのに？」
「…そう、だが…あれは、後のことを思い出す、、から」
幸せに終わった式のあと、みんなからいろいろとプレゼントをもらい、
部屋に戻ったのは良いが、あけてびっくり、プレゼントの内容にまた赤くなり
初夜限定宿泊チケット(理事長)を使うべきか否か、結局その夜は…。
「そ、そんなに私はいやらしくないぞ！」
シャワーから出た二人は、柔らかいバスローブを身につけ、ベッドへ向かう。
「じゃあ、今日は僕が上になって晶が嘘つきじゃないか調べようか？」
「ちょ、ちょっとまて、体に負担が」
「大丈夫だよ、昨日も結構な運動だったと思うよ。」
そう言ってニッコリされると晶は返す言葉がない。
「なんだか…いつも晶が上だし」
「え？」
ベッドに座っていたが巧海が上から体重を少しかけ、押し倒してきた。
「あぁ…やだ、なんだか、恥ずかしい…」
「いつも、晶はすぐに僕のを惜しがるんだから…」
「そ、そんな事は、わたしはっ、巧海に気持ちよくっ、！ ひゃっ」
唇を塞ぐと同時に、巧海の手が胸の全体を優しくなでるように愛撫
先端に集中すると、そこをつまむように動かす。
「ぁ、っ、胸は…やだっ、」
「…少し大きくなった？」
「はっ、なっ、なに、っを」
唇は離れ、"少し"成長した胸の先端、ピンクの部分を晶がガードしようとする手の隙間をついて
舌先で舐める。
「ひゃっ」
思いの外身構えていた晶は、しごく敏感に舌先の動きに反応する。
ちゅ、ちゅーっ
唇で吸い上げるようにすると、抵抗していたはずの手は刺激にあわせて巧海を抱きしめるようになり
強弱を大きくするたびに指先が巧海の背中で踊る。
「はぅ、…あぁ…」
舌先でなめ回したり、唇で圧迫したり、
晶の反応を確かめると、軽く歯を立ててみる。
「！はぁ、、っ… だめっだめっ、……ぁ」
すぐに顔を上げ、晶の様子をうかがうと。
目をつぶり、…そこから涙がすこし流れ、顔は赤く、息も荒い
巧海の背中の上では、手がつかむ物無く握られ、快感の到達に耐えているかのようだ。
「あ、、巧海、な、なんだよ…」
「濡れた？」
わざと意地悪な質問をしてみる。
「なあっ、何を聞いてるんだおまえっ……そ、そんなこと…オレの口から…」
「オレ？」
そのまま晶の身体に軽くキスをしながら、秘められた部分へと近づく。
「あっ、……み、みるなよっ、見るなっ！」
そんな事を叫ぶが、見ないわけにも行かず、しっとりと濡れ…
いや、もうすでにぬめった光の反射がおしりの方まで垂れているのだろう、
様子が見えた。
「すごい…、こんなに」
「やぁぁっ、みるなっ、もっと乱暴にしろ！」
心底恥ずかしいのか、次第に言う事が意味不明になりつつある晶の瞳からは
もっとたくさん、たぶん恥ずかしさのせいで涙が流れ、
しかし、本人の意志がどうあれ、巧海を待ち望む下の口からは粘液が流れてベッドのシーツを汚していた。
「晶… ごめん、なんか、すごく興奮してきた…」
「えっ、やっ、、」
「いくよ…」
ピンク色の粘膜がより湿り気を帯びるその様子に、もっと長い前戯で晶を楽しませようと考えていた巧海の思考は本能に破れた。
これ以上ない堅さになっているペニスに手を添え、粘液をまとわりながらゆっくりと挿入する。
ビクリと、興奮した晶の体が震え、まだ狭い入り口にペニスが到達した事を現す。
「…そうだ、あきら…」
「ふぇっ？」
今か今かと覚悟していた晶はなさけない声。
「一度、後ろからしてみたかったんだけど…いいかな？」
「？？ うしろ？ だ、だ、だめだっ、おしりは」
「違うよ、ぐるっと横に一回転してくれないかな…」
しばらく何を言われているのか考えていた晶が
「まっ、松葉崩しかっ」
「え、……背後位だったと思うけど」
「……？」
「…？ と、ともかく」
巧海は浅く前に進み…
「ひゃっ、は、はいって…」
晶を横にひっくり返した。
「やっ、」
「晶…そのまま下向くように…そう」
怠いだろう体を押し上げて、下に向いた。
ズッしゅ
「ひっ、巧海っ！」
後ろから尽き込まれた反動に驚き、晶が声を上げる。
「アキラッ、一気に動かすよ」
「やっ、なんか、巧海がいない、！ いっ、あああっ」
じゅぷ、じゅく
粘液と空気が隙間からあふれ出し、音をあげる。
急激にピッチをあげると、晶の身体はあわせてガクガク震え、深く打ち込むたびに
声にならない悲鳴を上げ続ける。
「ひっ、！ ぃっ 、あっ」
「はぁ、はぁ…やっぱり、むね、おおきくなってる」
ふくよかなよりは、少しだけ成長した、その前後に揺れている胸をつかむと、少し乱暴に手の中で揉みほぐす。
「ヤッ、やだっ、やめろっ、あっあぁ、、」「くっ」
急にペニスが締め上げられ、わずかに動きが鈍る。
「あっ、くるっ、い、いぃ…」
晶はベッドのシーツを握りそのまま顔を枕に埋め込むと、ぐもった悲鳴を上げた。
「晶っっ！」
急激に収縮する膣に巧海が何度も震え
最後の力でペニスに体重をかけ、激しく打ち込んだ。
「がっ、あつぃ…」
精液が膣(ナカ)に飛び散る感覚。
その感覚で麻痺していた快楽の源が弾け散り、必死に耐えていた快感が限界を容易に突破した。
「っ、、ぅ…」
声を出す力もなく、そのままベッドに体重を預けて震える。
それでも次々に続く射精は、体内の奥の方にじんわりとした熱さを増していく。
「はいって、きて…る」
「、っ」
やがて巧海も力尽きたのかベッドに倒れ込んだ。
〜〜〜
「晶って、４８手とか、知ってるの？」
「ふぇ、、、あ…ああ、一応習ったぞ…良く覚えてないけど」
「そうなんだ…」
「って、私に何を言わせるんだ！」
「いや、ちょっと気になっただけだよ…」
気だるかったが、さっさとベッドを眠れる状態にして二人で潜り込む。
暗くなった部屋で、晶の瞳にわずかな光が反射して見える。
「私は…巧海が大変だったとき…何もできなくて…この部屋で一人で」
「……」
「巧海…もう…私は…」
「僕らはずっと……、僕は君のそばに居る」
「当たり前だ。私も巧海の側にいたい」
「ずっと一緒だね」
「ああ…もちろんだ」
「寝ようか…ちょっと疲れたな」
「私も…ねむい」
「次は違う手を、試してみようか」
「あぁ……、……嫌だ」
しばらくして本当に疲れたのだろう、二人の寝息が聞こえてきた。
暖かい体温を感じ幸せな時間は、ゆっくりと過ぎていった。
(終わり)