< じつは二人は > (SSS)
場所はまだ日本。皆が新しい生活を始めていた頃。
「はいいいい! アメリカ!? 行くの? 晶くんも」
「お姉ちゃん、晶"くん"は違うよ」
「あ、ごめんなさい」
「いや、それは、、ともかく。オレはついて行きます。そして巧海をこの命に代えても」
「ちょっと、勝手に晶の命をかけないでよ。僕はそんなこと望んでないよ」
「巧海…、でも、おれは、」
「晶…、」
こんな調子で決意を語る晶に、舞も、その他周りの面々も(一部?を除く)大変に困っていた。
舞はかえってそれも安心かと思う反面、この年頃の男女を2人だけで海外へというのは
かなり常識はずれである。しかも旅行などではないのだから。
誰に相談しようかと悩んでいると、隣にいた命が、
「だったら結婚だ! うん!」
と言い切るものの、さすがにそれはできないし。
などと考えているうちに、この結婚騒動?は学園中に広まっていくのだった。
時が流れること数時間、いつのまにか静留の一言、
「そんなん婚約しやはったらいいんとちゃいます?」
が 二人が婚約!! という内容に微妙とはいえない変化を遂げ、シスターは大喜びで、婚約式の準備を始めてしまった。
舞が「はいいいいい(省略)」と言ってしまったこともあったが…、その早さは本人たちが呆然とする時の無いほど。
気がつくと皆の歓声の中に巧海と晶は立っていた。
「あはは、どうしよう晶くん」
「こ、婚約… 結婚、ああっ、巧海っ、どうしたらいいんだ、そもそもこの服は…」
(続かない)