「静留!今すぐ会いにいくからな!」  
 
駆け足で静留の屋敷へ向かうなつき  
 
なつきは補習を受け、無事に進級が決まるとすぐ、  
春休みを利用して一人愛車のドカティで2週間ほど旅に出ていた。  
 
旅先で考えるのは静留のことばかり  
自分の事を愛してくれた彼女にどう接するべきか・・・  
その答えがようやく見つかった。  
 
なつき「性別なんて無問題! 百合姉妹にガールズラブ、そしてエェェ”恋姉妹”!! あぁ・・・なんて高尚なヒ・ビ・キ(*´д`*)ハアハア」  
 
颯爽と屋敷の前に現れたなつき。  
日はすでに暮れているにも関わらず  
無用心にも門は開いていたが、  
気持ちを抑えきれないなつきは  
躊躇することなく門をくぐり中へと入っていった。  
 
なつき「待っていろ静留っ! 今すぐお前の胸の中に飛び込んでやるからな!!」  
 
広い日本庭園を抜け、中庭にたどり着いたなつき。  
ゆっくりと庭に面した居間に進もうとしたが  
その部屋の中から女の子の笑い声が聞こえてきた  
一人は静留だが、他に誰かいるようだ。  
 
障子はわずかに開いていた。  
恐る恐る近付き中を覗いてみると  
そこには仲良くじゃれ合う  
静留と奈緒の姿があった。  
 
なつき「(・・・なんで奈緒が?)」  
 
信じられない光景になつきは目を疑った。  
 
静留「奈緒はホンマに可愛えーなあ。昔のなつきそっくりや」  
奈緒「静留お姉さまは、なつきが好きだったってホント?」  
静留「ホンマやけど、うちはもうフラレよったさかいなあ〜」  
 
静留の思いもよらない言葉に呆然とするなつき  
 
なつき「(゚Д゚)ハァ!?(いや・・確かにそういうニュアンスの事は言ったような気もするが・・・ってお姉さま〜〜???)」  
 
 
 
後悔先に立たず・・・か?  
 
確かになつきは同性である静留には  
性愛の対象にならないといった類のことを言ってしまっている。  
 
静留「もう、なつきとは親友ちゅうことになったさかい、うちの恋人は奈緒だけや」  
奈緒「ふ〜ん、ところで今日はなんで中等部の制服を着せられてるの? あたし春から高等部なんだけど」  
静留「ええやないの、うちの趣味や。奈緒にはその制服がよう似合うとりますえ」  
 
そう囁くと静留は奈緒を抱き寄せ、首筋に優しくキスをした  
 
奈緒「あっ・ん・・・お姉さまのエッチ・・」  
なつき「(`Д)ナニイ?」  
 
奈緒はなつきが見たこともないような恍惚とした表情のまま、  
まるで仔猫のように静留に甘える。  
 
静留「ほら、お姉さまやないでしょ?・・・ちゃんと”静留”って呼んでえな」  
 
そう言って静留は左手で奈緒の艶やかな髪を弄びながら  
その濡れた唇を耳元に這わせていった。  
 
 
 
【中略〜ハードな描写となつ静ONLY派の批判が怖いので、ここでは堪忍してください(汗】  
 
 
 
硬直状態のまま、行為に耽る二人を凝視していた  
なつきがハッっと我に返る  
 
なつき「(゚Д゚)ポカーン(・・・たった2週間の間に何が起こったというんだ!?)」  
 
衝撃の現場を目の当たりにして  
大きなショックを受けたようだが、  
なつきは静かにその場を後にした。  
 
そして、静留の屋敷を出た途端、なつきは全力で走り出した。  
 
なつき「えっと・・・えーっと! まっ・・負けるもんか〜〜〜〜〜!!」  
 
雄叫びを上げながら闇夜を一心不乱に駆け抜けるなつきの瞳にはチョッピリ涙が滲んでいた。  
 
 
第二夜続く  

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