僕は今、病院のベッドの上にいます。病院では夜九時を過ぎてしまうと病室は全室消灯となり、
活気のない物寂しい時間帯となるのですが、今日はいつもと少し雰囲気が違っていました。
夜も遅い時間帯だというのに、僕の部屋にお客が訪れたのです。
「ハァ〜イ、お見舞いに来てあげたわよ。鴇羽タ○ミ君」
見舞い客は赤毛のショートヘアに真新しい眼帯を着けた愛らしい女の子でした。
彼女の名は確か・・・・・・
「結城奈緒さん? どうして僕のお見舞いにぅぐッ!?」
思わず、僕は呻いていました。ベッドから半身を起こそうとした僕を見て、いきなり革靴の踵で
僕の睾丸を踏みつけたのです。
僕は苦しさのあまり彼女の細いふくらはぎに縋りましたが、彼女の足はお構いなく僕の股間を支配し、
じりじりと踵を押し付けながら肉棒の付け根から先端へと扱きあげていったのです。
痛いのに、彼女から与えられる刺激には言い知れぬ快感が付きまとい、いつしか僕の口からは
苦悶の声とともにはぁはぁと荒い息遣いが漏れ出していました。
その様を見て、結城さんは僕の男根を足で踏みしだきながら嘲ります。
「フフ、やだぁ。硬くしちゃってんじゃん。私に擦ってもらって気持ちよかったの?」
「ああ、結城さん。僕、そんなつもりじゃ」
「奈緒でいいわよ。でもそうね、気安く呼び捨てにされるとむかつくし、奈緒様と呼んでくれない?」
「え、そんな」
僕が躊躇を示すと彼女はすかさず容赦ない支配を行いました。僕の肉棹をゴリッと踏みつけたのです。
「ぐぁぁあッ!!」
「文句あるなら潰すよ?」
「ぐぅぅ、ああ、奈緒様、申し訳ありませんっ」
「クス、従順じゃない。これなら最期にちょっとくらい楽しませてあげてもいいかもね」
奈緒様が何事か呟かれましたが、僕は彼女の支配により気が乱れていて他のことまで頭が
回りませんでした。
そして何より、彼女の次の行動が僕にとって大きな衝撃だったのです。
この時、僕はまだ奈緒様の脚に縋ったままでいたのですが、彼女はおもむろに肢体を覆うスカートの裾
を持ち上げてみせたのです。
当然、彼女の秘されていた部分は薄布一枚の隔たりのみとなり、其処から薫る甘酸っぱい匂いに
クラクラと眩暈がするほどの陶酔感を覚えました。
太腿の付け根よりさらに奥、丘になった部分が薄布をふっくらと押し上げ、その柔らかそうな質感に
目は釘付けとなりました。いつしか僕は魅入られたように顔を近づけてたのです。
「ねえ、手ぇ退けてくれない」
「ああっ、申し訳ございません。奈緒様」
「ほら、もっと良く見たいんでしょう?」
そう仰られた奈緒様はベッドの上に乗り、僕の顔の真上に膝立ちになりました。
彼女の可愛らしい膝頭はシーツに沈み、なおかつ僕の頭は枕を敷いているため、やや高い位置にありま
した。
ですから彼女の柔らかな蕾は鼻の先がくっつきそうなほど、間近に迫っていたのです。
耳元でジーッと金属の擦れ合う音が聞こえました。チャリ、と止め具を外す音が続き、奈緒様の
腰を包むスカートが取り払われました。
奈緒様は制服のスカーフを取り、上着を躊躇いなく脱ぎさると無造作に床に落とし、
今、僕の目の前にある姿は白い裸身に張り付いた薄布と胸を包み込むブラだけになっていました。
「もう満足? それとももっと見たい?」
「もっと、もっと奈緒様のお姿を拝見させてくださいぃ」
僕がそうお願いすると奈緒様は胸を包むカップを外し、美しい乳房を露わになさいました。
「フフ、どう? 滅多に拝めるもんじゃないよ」
ああ、まさしく絶景です。月光に縁取られたボディラインのなんと美しいこと!
下から見上げる彼女の裸身は地平に聳える蒼い山脈を観ているが如き勇壮な気分に浸らせてくれます。
若く瑞々しい双房から滴る陰影は細い腰を流れ、お臍の溝にかけて一段と深くなっています。
僕は今、陰影の醸し出す至高の美を目にしているのです。僕はその美しさに魅了され、彼女に全てを
捧げると共に支配されたいという願望さえ芽生えていました。
「ああ、お願いです。奈緒様、僕に、僕を貴女の膨らみで支配してくださいぃっ」
「こぅお?」
僕の顔の上に跨った奈緒様がさらに脚を開き、せり出すように腰を落としました。
湿り気を含んだ柔らかな丘がぎゅむっと押し付けられ、布越しに熱い温もりを感じます。
僕は彼女の甘い匂いを嗅いでむせ返り、しかし塞がれてしまった口からはくぐもった声しか発せられず
彼女は愉快気に腰をぐいぐいと押し付け、僕を蹂躙したのです。
「んむぅ、むっー! まおまま、もふぅ!」
「アハッ、何言ってんの? はっきり言いなさい」
「むーむむっ、んもぉ!」
僕がなおも言い募ろうと息を吸い込むと、彼女は僕の髪を鷲掴みにし、擦り付けるように秘部で
揉みくちゃにしました。
行為はそれだけに終わらず、彼女の手が勃起した僕の下半身にも伸びて妙にデザインチックな
爪で僕のズボンを裂くと、破れた箇所から顔を覗かせた亀頭を温かな手のひらで包み込みました。
「アハハ、アンタのちっちゃいんだねぇ。可愛い〜♪」
「そ、そうですぅ、僕は矮小な男です。もっと、もっと僕を辱めてくださいぃ」
「変態ね、アンタって。虐められて興奮しちゃうんだ?」
奈緒様がしなやかな指先で僕の分身を弄びながら訊ねました。
「はいっ! 僕はド変態の性奴隷です。どうか奈緒様の便器に」
「便器ぃ? ひょっとして私のが欲しいってこと?」
驚かれたのか、僕のイチモツに這わされた手指がぎゅっと絞られ、愚息はあわや昇天する寸前です。
「ふぁい、奈緒様の麗しい秘所から注がれる聖水をどうか、どうか僕の顔面で受け止めさせてください」
僕は必死に懇願しました。自分でもなぜそうしたいと願ったのか分からないまま、
自ら奈緒様の肉便器になることを志願したのです。
「よく言えたわね。それじゃあ、特別にご褒美をあげるわ」
「あ、ありがとうございますッ!! 奈緒様」
奈緒様はそう仰ると、おもむろに御身をつつむ最後の一枚に手を掛けました。
「ああ……、ああ……、なんと美しい」
とうとう露わになった彼女の秘所からは淫臭が漂い、恥部を覆う茂みは艶々と濡れ光っておりました。
優美に盛り上がった丘の中央にある透き通るような淡い桃色のクレヴァスが、聖水の放出を控えて
プルプルと震えております。
「出るわよっ、零したらお仕置きだからね!」
奈緒様のご命令とほぼ同時に、潤んだアソコからは黄金の聖水が噴出致しました。
僕は自らの卑しい口腔を奈緒様の聖水を受け止めるグラスとして差出し、熱い液体が喉を潤しました。
辺りには芳しいアンモニア臭が漂い、黄金の飛沫が奈緒様の滑らかな太腿や僕の醜い顔に飛び散ります。
ああ、なんと素敵な洗礼でしょう。僕は今、奈緒様の排泄物を受け止める悦びを独占しているのです。
感動に溺れ、僕は下半身をビクビクと痙攣させました。陰茎に絡まった奈緒様の手指が
ぬちゃぬちゃと温かな滑りを帯び、奈緒様に注がれた聖水はむせてしまったために、奈緒様の脚を
汚してしまいました。こんな僕を奈緒様は蔑みながら僕を叱ってくださったのです。
「うわっ、最低! あたしの小便でイッちゃうなんて、死んじゃえよ!」
奈緒様が平手で僕の頬を打ち、それが済むと僕の男根に深く爪を立てました。
「ひぎぃ! うぎゃぁーー!」
「ッアハハハ! どう? 嬉しい?」
「ああ、ぐひぃ、最高です、奈緒様ぁっっ!」
僕の陰茎から熱い痛みと共に活力が失われ、尿道からは快感と共にゼリーの塊が噴出し続けました。
「ああ、殺してくださいっ、殺して、奈緒様ぁ」
刹那よ止まれとばかりに僕は雄たけびを上げました。
「はは、じゃあお望みどおり死にな! せっかくアンタを殺しに来てやったんだからさ!」
そう、奈緒様は初めから僕を天国へと、いいえ天国など望みません。変態の僕にとっての楽園、
地獄へと導いてくださるために遣わされた美しき悪魔だったのです。
僕は躊躇いなく懇願いたしました。どうか、どうか僕の臓腑を抉ってくださるように。
そして奈緒様は僕の願いに舌舐めずりをすると、その手を振り上げたのです。
ぶぢゅっという音に続いて、奈緒様の爪が深々と僕の体を貫きました。
処女花の散り際、けぶる血煙の向こうに垣間見えた奈緒様のお顔は、なんとも恍惚と輝いていました。
もはや思い残すことなどありませんでした。この瞬間、僕は奈緒様に命を捧げることにこそが、自分の
存在理由だと気付いたからです。
奈緒様が死をも支配してくださることこそ、僕にとって究極の悦びだったのですから!!
エピローグ
「嘘……でしょ、タ○ミ……」
少女の手の中から数枚に渡って綴られた手紙が床に落ちた。
力無く崩れ落ち、寄りかかった寝台には既に冷たくなった遺体が横たわっていた。
文面に記録された痴態が嘘のような安らかな死に顔。
舞には昨晩、そんなことが行われていたことが最愛の弟の死よりも受け入れがたかった。
「嘘ですよね、先生……やだなぁ、冗談キツイよ……」
虚ろな声を発しながら見上げた視線の先、担当の医師は少女の不幸を憐れみつつも首を横に振った。
「残念ですが」
「ひっ、いやぁぁぁーーーー!!!」
風華の地に響き渡った少女の絶叫。その声を聞き、赤毛の少女はクスリと微笑を浮かべたのだった。
END