雪が降っていた。  
季節は夏である。だが季節外れの雪は降り止むそぶりすら見せずに山々を白く染め上げていた。  
そんな中一人の少女が歩いている。薄い水色の髪。赤い瞳。白磁のような肌。  
少女の名は深優・グリーア。人間ではない。ある目的のためにつくられたアンドロイドであった。  
「もう少しの辛抱です、お嬢様。ここを越えれば麓の町にたどり着くはずです。」  
深優は抱きかかえている少女に優しく語りかける。  
抱きかかえられている少女の名はアリッサ・シアーズ。長い金色の髪が特徴的な愛らしい少女だ。だが今は痛痛しいほどに衰弱している。  
 
「・・・お・・・お水」  
深優の胸でアリッサが弱々しく訴えた。  
「!はい!お水ですね!ただいまお持ちいたします!」  
深優はアリッサを木の下に優しく横たわらせると、あわてて水を探しに行った。  
(アリッサお嬢様は私が必ずお守りする。してみせる)  
そう、それこそが深優が作られた目的なのだ。  
そのためにはどんなことだってする。たとえこの身が砕かれようともかまわない。  
(アリッサお嬢様に早くお水を・・・)  
その一心が深優の索敵能力を鈍らせていた。普段ならばありえないミス。  
そしてそれが悲劇を招くのであった・・・  
 
深優の想いが天に通じたのか、幸い小さな泉がすぐにみつかった。  
(これでお嬢様の喉を潤して差し上げられる)  
深優が安堵の息をつき、水を汲もうとしたそのときであった。  
「きゃあああ!!」  
「!!?お嬢様っ!?」  
深優は慌てて駆け出した。人を遥に凌駕するスピード、ものの数秒でアリッサのもとへと駆け戻る。  
だがそのときすでに金髪の少女はひとりの男に羽交い絞めにされていた。初老と呼ばれる年齢。銀色の髪。そして大きな傷のある顔には邪悪としか形容の仕様のない笑みが浮かんでいた。  
「きさま!ジョセフ・グリーア!お嬢様を離せ!」  
激昂する深優、しかし男は酷薄な笑みで応える。  
「おやおや、深優。父である私に向かってそんな乱暴な口の聞き方を・・・   
私はあなたをそんな風に創った覚えはありませんよ?」  
 
アリッサの首筋にはDの形をした注射器があてられていた。  
「ううっ・・・深優・・・」  
(く、これではうかつに手が出せない)  
深優の焦りを嘲笑うかのようにジョセフは余裕をもって続けた。  
「言葉づかいだけではありませんよ。あなたは以前から私の命令に反抗的でした。このあいだなんてこの私をパシリに使う始末・・・やはりあなたには再教育が必要のようですね。」  
そういってジョセフはポケットから何かを取り出し、深優に投げ渡した。  
(これは?)  
それは小型のICチップであった。  
「さあ、その中身をインストールするのです。アリッサを殺されたくなければね。」  
そういわれては、深優に拒否することはできなかった。  
 
深優はチップを耳の穴に挿入し、データを読み込んだ。  
「・・・インストール、完了しました。」  
(なんとか隙を見て、お嬢様をお助けしなくては)  
そんな深優の内心を知ってか知らずか、ジョセフはますます上機嫌になっていた。  
「そうですか!完了しましたか!ではさっそくそのプログラムを使わせていただきますね!」  
くくく、と暗い笑いを漏らしながらジョセフは命令を下した。  
「深優、プログラムナンバー072146を実行せよ!」  
 
「ぐうっ!?」  
そのとたん深優の身体に電撃が走った。そして自分の身体が自分のものでなくなった。  
(こ、これは?)  
深優の身体は勝手にしゃがみこむと脚を大きく開いた。そして両腕が脚の付け根へと伸びていく。そのまま履いていたショーツの中にもぐりこんで行く。  
(これは・・・まさか人間の少女たちがする自慰行為というものをさせようというのか?)  
深優は自慰行為というものは知識としては知っていた。だが自身が試したことは一度もない。試そうと思ったこともない。当然である。アンドロイドの自分が、そんなもので快感を得られるはずがない・・・  
 
「ふはあっ!?」  
だが突然股間から激感が駆け上ってきた。深優が今まで感じたことのない感覚だった。  
(な、なんだ・・・これは・・・?この感覚の正体は・・・)  
深優にその答えを見つけ出すことはできなかった。なぜなら次々と背骨を駆け上ってくる感覚が深優の頭脳の計算を妨害するからである。  
「くあっ!ぎぎぎっ・・・あがはぁあん!ウウア・・・こ、こんなはずは・・・」  
未知の感覚に翻弄される深優。彼女はそれに対してあまりにも無防備であった。  
深優の指は止まらない。右手で陰核をすりつぶしながら、左手の人差し指と中指を膣口のなかに突き刺す。そして中のざらざらとした、最も敏感な部分をこすりあげる。深優自身でさえ知らない快感のスポットを、しかし製作者であるジョセフは知っているのである。  
しかも驚いたことに深優の股間からはヌチョニチャと卑猥な音が聞こえてくる。  
 
「はううぅンっ!」  
たまらずに声をあげ髪を振り乱す深優。そしてその瞬間、アリッサと視線があってしまった。  
アリッサは熱のためか、それとも深優の痴態にあてられたのか、頬を真っ赤に染めながら深優を見ている。その視線のなんと悲しげなことか・・・  
(あああ・・・いけません、お嬢様・・・私を・・・私をそんな目で見ないで下さい・・・!)  
アリッサに見られているとわかったとたんに深優に羞恥の感情がわきおこった。そしてその感情もまた深優にとって初めてのものであった。だがタチの悪いことに、その感情をガソリンにして官能の炎はますます燃え上がってしまう。  
「お、お嬢様・・・見てはいけません・・・!ど、どうか見ないで下さい・・!」  
 
「うん?どうしたのです、深優?アリッサにも性教育を施してやらなければならないでしょう。それに彼女もまんざらではないようですし・・・」  
ジョセフはそう言ってアリッサのロングスカートをたくしあげていく。  
「・・・い、いやぁ・・・」  
か細い声で抵抗の意をしめすアリッサ。  
「!!や、やめろ!お嬢様にてを、くはぁっん!?」  
言葉が途中で途切れた。そんな深優の姿を満足げに眺めながら、ジョセフは深優に優しく話しかけた。  
「そうですか。あなたがそう言うのであれば、私は手を出すのはやめましょう。クククク、私はね・・・」  
 
「それでは深優、プログラムナンバー072146を中止。プログラムナンバー11729894を実行せよ!」  
「グハアッ!」  
快感の嵐から解放されたのもつかの間、再び深優の股間に異変が生じた。深優は戦闘時に腕を剣に換えて戦うが、それと同様のことが深優の陰核にも起こった。つまり陰核が突然巨大化し男根になったのだ。  
「ククク、どうです!深優!気に入っていただけましたか!これぞ対ワルキューレ用最終兵器、バージンブレイカー!!」  
(そ、そんな・・・ありえない・・・!)  
己の身に次々と起こる異常事態に深優の頭は混乱の極みであった。だが悲劇はまだ終わらない。深優の足が勝手に歩き出したのだ。  
アリッサに向かって。  
 
「み、深優・・・?」  
不安げにつぶやくアリッサ。  
「お、お逃げください!お嬢様!お早く!」  
切羽詰った声で叫ぶ深優。だが言葉とは裏腹に、深優の両腕はがっちりとアリッサを掴み拘束してしまった。  
「い、いやぁ・・・」  
「お、お嬢様・・・」  
そのまま深優はアリッサを雪の上に押し倒した。そして己の唇で少女の小さな唇をふさいだ。  
「んんんんっつっ!?」  
戸惑うアリッサの口内を深優の舌が蹂躙していく。  
(ああ、お嬢様・・・申し訳ありません・・・)  
 
左手でアリッサを地面に押し付けたまま、深優の右手はアリッサのショーツに伸びていった。そしてそれを剥ぎ取ってしまう。  
「・・・?」  
アリッサはこれから何をされるのか分からない。  
だがなにをさせられるか悟った深優はさけんでいた。  
「や、やめなさい!!それだけは!!それだけは!!!」  
だが本人の意思を無視して深優の巨根はアリッサの股間にあてがわれた。  
そして・・・  
 
「ぎいやあああぁぁぁああぁっあぁあっぁあぁあああっっあ!!?」  
真っ白な森に少女の絶叫が響き渡った。それはとても小柄な少女が出しているとはおもえない、獣じみた声だった。少女目を見開き、口を裂けんばかりに開いた凄まじい形相をしていた。そして実際に下の口は裂けていた。  
「お嬢様っ!?お嬢様!?ああああ、どうすれば・・・ああああああああああああああ」  
アリッサにそんな思いをさせているのが自分だ。その事実が深優の心をズタズタに切り裂いていた。  
(こ、こんなことなら、壊れてしまいたい!いますぐに壊れられれば、動けなくなってしまえばこれ以上お嬢様を苦しめなくてすむ!)  
だが深優の身体は再びその心を裏切って、腰を前後左右に動かし始めた。  
「ウギィッ!ウギャッ!ガハッ!」  
そのたびにアリッサの口から悲鳴が上がる。  
 
「ああ、そうそう。言い忘れていましたが、深優。あなたにはちゃんと射精機能がついていますよ。」  
突然ジョセフがそんなことを言い出した。  
「でも射精はしないほうがいいとおもいますよ。なぜならばあなたの精液はこの注射の中身と同じものでできているのですから。」  
「・・・え・・・?」  
深優はジョセフを仰ぎ見る。  
「驚くことはないでしょう。あなたは戦闘用アンドロイド。もともとその機能はワルキューレを倒すためのものなのだから。・・・私としてはあの生意気な玖我嬢に使っていただきたかったのですが・・・」  
「うあああああああああああああああああああああ」  
ジョセフの言葉も耳に届かない。このときすでに深優の腰のあたりである感覚が高まっていたのだ。  
 
それはもう抑えようのないものであった。  
(だめだ!絶対にだすわけにはいかない!ぜッ、絶対に・・・!)  
しかしアリッサの中は温かく、きつく、そして優しく深優のものを包み込んでくれていた。それはあまりにも・・・  
(気持ちいい・・・・・・・)  
そう考えたとき、もうだめであった。  
「アリッサお嬢さうあああぁああぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!?」  
深優は解き放っていた。  
 
「はあっ、はあっ、はあっ。」  
射精を終えたためか、深優の腰の動きはとまった。だがその顔は悲痛に歪んでいた。  
「お嬢様!しっかりしてください、アリッサお嬢様!」  
その声が聞こえたのかアリッサがうっすらと目を開けた。  
「・・・温かい・・・深優のこれ(精液)、すごく温かい・・・」  
そう言ったときうっすらとだが、確かにアリッサは笑みを浮かべていた。  
「深優・・・またいつか一緒に・・・スノーマンを・・・・・・」  
深優はその続きを待った。だがそれを聞くことは永遠にできなかったのである・・・  
 
深優は動かなくなったアリッサを抱えて雪化粧の森を彷徨っていた。  
あのあとジョセフはいつにまにか消えていた。だがそんなことはどうでもいい。  
一番許せないの自分自身だ。  
大切な人を守れなかった自分。  
大切な人を傷つけてしまった自分。  
愛液を垂れ流し、精液を撒き散らしながらも、涙を流せない自分。  
うつろな瞳、頼りない足取りで森を彷徨う深優。  
その後の彼女の消息は誰も知らない。  
 

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