「ふひゅー、ふひゅー、ふひゅー」  
夜の校舎に壊れかけた笛から漏れるかのような不気味な呼吸音が響く。  
ぽたっ、ぽたっ、ぽたっ・・・  
続いて水滴が垂れるような音がした。  
月を覆っていた雲が晴れて、光が校舎の中に射し込んでくる。  
月明りに照らされて、音の主の姿が露になる。  
軽くウェーブのかかったロングヘアー、ちょっとぽっちゃりめな顔立ち。  
美人と言うよりもかわいらしいというという表現が似合う少女。  
だがその格好は普通ではなかった。  
材質は皮であろうか。極端に露出の多い服がその身を包んでいる。  
体を隠すためと言うより、その淫猥さを引き立てるためのような服だった。  
そのために、少女が隠しておきたいと思っているであろう場所がすべてさらされてしまっている。  
見事としか言いようのないほど巨大な乳房は、さらに強調され大きく張り出している。  
人より大きめのお尻、その肛門には犬の尻尾のようなふさふさのついたバイブが突っ込まれ、少女を責め苛む。  
口にはポールギャグが噛まされており、口端から涎がぽたぽたと垂れている。  
首には隷属を示す首輪がはめられている。  
そして少女はその格好に相応しい、四つん這いの姿勢で夜の校舎を「散歩」させられていた。  
 
「遥ちゃん、今日もかわいいよ。」  
少女―――――珠洲城遥の白桃のような臀部を撫で回しながら、菊川雪之は満足げに微笑んだ。  
クセっ毛のようなショートヘアに、鼻にはちょこんと小さなめがね。  
いつもは遥の後ろにくっついておどおどしている少女だが、今は随分と雰囲気が違う。  
遥の首輪に付いている手綱を引き、堂々とした自信が感じられた。  
「ふふふふ・・・」  
妖しい笑みを浮かべる雪之。遥のお尻を撫で回す指が徐々にきわどい部分に近づいていく。  
「んひゅ!?」  
思わず声を上げてしまう遥。雪之の指が遥の最も敏感で、最もプライベートな場所に触れる。  
「ほら、遥ちゃん?声はだしてもいいんだよ?」  
雪之の指は遥の厚めの肉唇を割りさく。露になった粘膜部はまだ潤ってはいない。  
だが冷たい外気にさらされて、ビクビクと収縮をはじめる。  
そこに容赦なく指を突きたて、肉壁をなで上げる。  
「――――――っ!」  
遥は漏れそうになる嬌声を必死で堪えながら、腰をふって雪之の指から逃れようとする。  
「遥ちゃんたら、そんなにうれしそうにお尻ふってくれるのに、どうして声を出してくれないの?」  
雪之は悲しそうに呟く。  
遥にしてみれば雪之に声を上げさせられるということだけはどうしても我慢ができないのであった。  
(雪之・・・どうして・・・こんなことをするの・・・?)  
いくら考えても遥にはその答えがみつからなかった。  
 
そもそもの発端は些細なことであった。遥の執行部予算の流用である。  
といっても、ポワティエのスペシャルマロンケーキを買っただけだが。  
遥がこの超レアケーキと遭遇したときに持ち合わせがなく、つい魔が差したのだ。  
普通の人ならなんでもないことだが、執行部長として他の生徒に模範となるよう心がけてきた遥にとっては誰にもいえない大悪事であった。  
それをよりによって藤乃静留に知られてしまった。  
「執行部費の流用、生徒会長として見過ごすわけにもいきまへん。これは珠洲城さん、お仕置きが必要どすなぁ。」  
そしてお仕置きと称した、静留の歪んだ性欲を満たす調教がはじまった。  
それがいつのまにか菊川雪之の知るところになった。  
雪之に知られてしまったのは恥ずかしかったが、遥は少し安心した。  
雪之なら自分を擁護してくれる、そう思ったからだ。  
だがなぜか雪之は静留側につき、静留以上に執拗に遥を陵辱したのだった。  
 
「ほら、遥ちゃん。着いたよ。」  
雪之に引っ張られ、ある場所に到着する。何の変哲もない廊下、目の前には消火器が一本設置してある。  
だが遥にとっては大きな意味のある場所のひとつであった。  
「ほらほら遥ちゃん、ちゃんとマーキングしないと。今日は来てないみたいだけど・・・巧海くんと晶くんに縄張りを取られちゃうよ?」  
そういって雪之は遥の下腹を強く押す。  
「くうっ!!」  
思わずくぐもった悲鳴をあげてしまう。ここに来る前に、遥は大量の水を飲まされているのだ。  
それはすでに小腸で吸収され、遥の膀胱をパンパンに膨らましていた。  
「早くしてよ、遥ちゃん。」  
催促するように指で遥の尿道口をグリグリする。  
「・・・・・・ううっ・・・」  
遥は観念したようにゆっくりとした動作で片足を高く上げ、下半身の緊張を解いた。  
(は、恥ずかしい・・・!この私が・・・!!この珠洲城遥がこんなこと・・・!)  
シャ――――― びちゃびちゃびちゃ  
長い間我慢してきたものを解き放った生理的快感、こんな場所で放尿しているという事実、その羞恥。  
(・・・ああっ・・・)  
いろいろな快感が交じり合って遥の脊髄を駆け上ってくる。頭では否定していても、その感覚に逆らえない。  
「だめだよ、遥ちゃん。」  
雪之の声で遥は我にかえる。  
「ほかにもマーキングしないといけない場所がほかに何ヶ所もあるんだから。  
ここでそんなに出しちゃだめじゃない。」  
雪之にそういわれ、慌てて尿道にきゅっと力をこめる。  
遥は強烈な残尿感を味わいながら、雪之に首輪をひかれて再び四つん這いで歩き出した。  
 
それから六ヶ所を回り遥は自分の臭いをつけてきた。  
ギャグのために呼吸が困難なうえに不自然な姿勢で長時間歩き回ったために体は疲れきっている。  
その色白の顔は羞恥と疲労と興奮で真っ赤になっていた。  
「さ、遥ちゃん。ここが最後だよ。」  
最後のマーキングポイント、三階男子トイレ前に着いた。  
遥は従順に足を上げる。だが・・・  
(で、出ない・・・)  
最初に出しすぎたのか、もう遥の膀胱は空になっていた。  
いくら下半身に力をこめても、尿道口がヒクつくだけであった。  
「どうしたの、遥ちゃん?ひょっとしてもうでないの?」  
遥は顔を赤らめながら許しを請うように雪之を上目使いに見上げる。  
「だからいったのに・・・もう、遥ちゃんこれはおしおきだね。」  
そういってポケットに手を入れる。そしてあるものを取り出す。  
「―――――――――――――――ふひゅっ!」  
それを目にして、遥は顔色を変えて小さく悲鳴をあげた。  
「ほーら、遥ちゃんの大好きなタバスコだよ。」  
雪之はうれしそうにいう。確かに遥は辛いものが好きだった。  
だがおしおきと称して性器の中にその中身をぶちまけられて以来、見るのも嫌になった。  
あの性器が焼け付くような感覚は二度と味わいたくない。遥は泣きそうになりながら雪之の足にしがみつく。  
これ以上ないほど健全で高潔だった遥の精神は、静留と雪之の苛烈な調教によってすっかり卑屈に歪められていた。  
 
「タバスコは嫌なの?」  
あくまで優しく語りかける雪之。遥は必死に頷く。  
「じゃあ早くマーキングして。」  
そう言われてもどうすることもできずに、遥はただオロオロするばかりだ。  
そんな遥の様子を心底愛しそうに見つめながら雪之はつづける。  
「別におしっこじゃなくてもいいんだよ。遥ちゃんの臭いがつくものなら、ね。」  
遥は雪之の機嫌を損ねないような方法を必死で考える。そしてある方法を思いつく。  
(そんなこと、絶対にしたくない・・・でもやらないとタバスコが・・・)  
真っ赤に腫れあがる自分の性器を想像して、遥は身震いをした。  
そして観念したかのように再び足を高く上げる、そのまま片手を下半身に伸ばす。  
恥丘を覆う何の手入れもされていない剛毛をかき分け、指がクリトリスに伸びる。  
中指と人差し指でその包皮をちゅるんとめくり、性神経の凝り固まった部分を剥き出しにする。  
遥は無防備になったその女の急所を人差し指でグリグリと円を描くようにすりつぶし始めた。  
「ふひゅっ・・・・うううっ・・・ふひー・・・」  
ギャグを噛まされた口から早くも熱い吐息が漏れ始める。  
雪之はそんな遥の自慰が見やすいように後ろに回り込み、しゃがみこんだ。  
「あ――、そっか。おしっこが出ないから愛液で臭いをつけようっていうんだね。  
確かにこれなら物凄い臭いがつくかな。でも・・・」  
雪之は侮蔑をこめて言葉を紡ぐ。  
「こんなとこでオナニーするなんて、人として恥ずかしくないの?遥ちゃん?」  
 
(は、恥ずかしいわよ・・・でも、これはあなたが命令したんじゃない、雪之・・・)  
恨めしそうに雪之を見つめる遥。だが雪之はわずかに肩をすくめるだけだ。  
「言っとくけど遥ちゃん。私はオナニーしろなんて一言も言ってないよ?ただ臭いをつけろって言っただけだよ。  
オナニーを始めたのは、間違いなく遥ちゃんの意思なんだから。」  
(そ、そんな・・・)  
心では抗議の声を上げながらも指は止まらずに、クリトリスから姫貝へといじる場所を移していく。  
膣穴に指を深く侵入させる。すでに潤っているそこはなんの抵抗もなく指を受け入れる。  
「んひゅう!!」  
その指がゆっくりと出し入れされるされるたびに、遥の中でじわじわと快楽のうねりがおおきくなっていく。  
「すごいなぁ。遥ちゃんのアソコ、おいしそうに指を食べちゃってるよ。涎もいっぱい出ちゃってるし。すごいいやらしい。」  
そんな露骨な感想をいわれ、遥の羞恥心はさらに煽られる。  
(そ、そんなこと言わないで・・・雪之・・・)  
だが恥ずかしいと思えば思うほど遥の性感は燃え上がってしまい、愛液をかき出す二本の指の動きもヒートアップしていく。  
「あれ?指の動きが速くなったよ?ひょっとして遥ちゃんって見られて興奮しちゃう変態さんなの?」  
年下で、格下だと思ってきた相手になじられることに強烈な被虐の愉悦を感じてしまう。  
(ああ・・・そうなの?私・・・変態なの・・・?)  
「さっき人として、なんていっちゃったけど、遥ちゃんはサカリのついた牝犬なんだね。ううん、牝豚かな?」  
密集して生えている陰毛は飛び散った愛液でテカテカと光っている。太腿にも幾筋か光る道ができている。  
床にはすでに水溜りができていた。  
「ほら、自分で聞こえるでしょ?ヌチョッ、ヌチョッてやらしい音がしてるよ」  
指摘どおり遥の耳にもその音は届いている。  
(はしたない・・・!なんて・・・!なんてはしたない牝豚なのかしら・・・!!)  
 
遥はますます自慰に没頭していく。  
肉花びらを指で大きく広げ、そのピンク色の中身を見せ付けるようにしながら膣壁をなぞり上げる。  
「うわっ、丸見えだよ遥ちゃん?一番奥まで見えちゃいそう。」  
(ああ・・・見て・・・!私の浅ましい姿を見て・・・!)  
今までは常に人の模範になるようにと清く正しく、肩肘を張って生きてきた。  
そんな遥は全てを忘れ本能の赴くままに快楽をむさぼることに、たまらない解放のカタルシスを感じていた。  
「物凄いにおい。遥ちゃんちょっと臭いよ?遥ちゃんのアソコ、腐っちゃってるんじゃない?」  
(雪之に見られて・・・聞かれて・・・臭いまで嗅がれてる・・・!)  
自分の全てが雪之に支配されている。  
それは恥辱、被虐、快楽、そして妙な安心感を伴った。  
いつのまにか左手はその巨乳を揉みしだき、その頂点の突起に跡がつくくらい強く爪を立てている。  
「・・・遥ちゃん、それひょっとして私へのあてつけ?それとも牝豚じゃなくて牝牛だっていいたいの?」  
(気持ちいいっ・・・!おっぱいも!アソコも!)  
遥の呼吸がどんどん荒くなっていく。  
「ふひゅ!うひゅ!ふひゅ!ぶひゅう!ぶひゅう!ぶひゅ!ぶひゅう!ぶひゅう!!」  
豚のような吐息を漏らしながら快感が加速度的に膨れ上がっていく。  
「イキそうなの、遥ちゃん?いいよ。見ててあげるからイッていいよ?無様なアヘ顔さらしてイキなよ!!」  
雪之の許可を得て、遥は心置きなく法悦へと飛翔する。  
「んぶひゅううぅう〜〜〜〜〜〜〜!!!」  
一際高く鳴いてからまるで失禁したかと見まごうほど大量の白濁愛液を撒き散らす。  
今まで感じたことのないほどの快感が遥の脳を焼き尽くした。  
 
「ふふ、ちゃんとマーキングができて良かったね、遥ちゃん。」  
力尽き、ときおりビクッ、ビクッと体を震わせる遥を見下ろす雪之。  
「遥ちゃん、これからも私がかわいがってあげるからね・・・」  
雪之はそういって遥を抱きしめる。  
「次はどんなことをしてもらおうかな・・・  
今度の朝礼の時にお漏らししてもらうとか・・・あ、バイブを付けたままの生徒会長立候補演説なんてのもいいよね。」  
雪之の邪な考えは際限なく膨らんでいく。  
そんなことは露知らず、遥は雪之に抱きしめられながら幸せそうな寝息を立てているのであった。  
 
 

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