火傷しそうなくらい熱いお湯が業火のように柔肌をきつく責める。
(恋なんて知りたくなかった。誰も恋することが悪いことだなんて教えてくれなかった)
あかねの心身は後悔に苛まれ、さらに熱くなるシャワーの温度は息をするのも苦しいくらい
バスルームの温度を上昇させていた。
我が身を責めるように、今あかねの肌は熱く火照り、手で触るだけでヒリヒリとした痛みを感じる。
キュッ、
シャワーを止め、感情の欠落した表情で天井を見つめる。
「・・・・・・うん、もうすぐあがるね。かず君」
半透明なドアの向こう側に届くように大きな声で返事をする。
脱衣室のドアが開き、中からバスタオル一枚のあかねが姿を現す。
いつもは一つにまとめられている髪も今は解かれ、普段の彼女よりもいくらか幼さが消えている。
だが、それは大きな悲しみを背負ったことに起因しているのかもしれない。
明るく、人懐こく、純真だったころの彼女はそこにはない。
瞳に暗い影を宿し、誰もいない空間に向かって虚ろな笑顔を向ける。
「ごめんね。かず君、身体冷えちゃった?」
あかねはベッドのシーツに細い腕を伸ばした。
「あ、やっぱり冷えちゃってるね。ごめんね、今すぐ温めてあげるから」
そう呟くとあかねは身体に巻いていたバスタオルを床に落とし、瑞々しい肢体をピンと張られたシーツに
横たえた。
熱湯で紅く火照った肌は痛々しくも美しい艶を醸し出している。
ベッドに沈んだあかねの手が何もないシーツの上を這う。
しかし、彼女は何かを探り当てたかのようにその手は虚空を掴み、淫靡な仕草でそれをなぞった。
「やだ、かず君てばエッチだなぁ、アハハ・・・・・・」
涙が頬を伝い、声が震えた。抑えきれなくなった感情が悲鳴となって部屋中に響き渡り、
あかねは後悔に瞳を戦慄かせながら頭に手を当ててベッドにうずくまった。
「ごめんね、ごめんねかず君、エッチなこともしてあげられなかったね」
ようやく絞り出した声。あかねは形の整った中指を口に咥え、深くキスを交わすように舌を絡めた。
チュパ、チュプ、チュポンッ、
「んふぁ、だめぇ、はぁはぁ・・・・・・ねぇかず君、私のここ触ってもいいよ」
自分の指を口から離すと今度はその指を自らの秘部に添えた。
「んん、さわって欲しいの、私かず君のことが大好きだから、私エッチな娘だから」
そう言ってあかねは躊躇うことなく、その中指を自分の中に沈めた。
ちゅく、細い中指はぬかるんだ音を立てて膣口の中に埋まっていく。
指の第二関節まで導きいれ、股間に挿し込んだ異物を感じながら、あかねは苦しそうな吐息を漏らす。
「んっはぁ、もっと、もっと掻きまわして、悪いの、全部、私だからっぁぁ」
さらに深く咥え込みながら、あかねは懺悔の言葉を繰り返す。
それが『好き』という言葉と同義であるかのごとく『ごめんね』と。
あかねは高まった感情に突き動かされながら激しく悶え、膣口に挿し込む指の数を増やした。
人差し指、中指、薬指、処女の夢を抉り出すかのごとく、挿入した指を締め付ける膣口の中で広げていく。
ギチ、
深く差し入れた指が限界まで膣口を広げ、指先は処女膜を捕らえた。
あかねはその痛みに歓喜の声をあげ、空いた左手で強引に右手を押し込む。
限界まで達したあかねは、ついに自らの指で処女を散らした。
気がつけば秘部に挿入した指は四本になっていた。手のひら半分以上があかねの中に埋まり、
引き抜くと同時に膣口からは破瓜の血が溢れ出した。
白く引き締まった太腿を伝う鮮血は色鮮やかで美しく、悲惨だった。
恋人の幻影に処女を捧げ、あかねは胸中で呟く。
(―――恋なんて、知りたくなかった)