麗らかな昼下がり。木漏れ日が学園の芝生の上にも優しく降りそそいでいる。  
 しかしそこに座り込んでいる二人、舞衣となつきには、まったりとした雰囲気はまったくなかった。  
「あれから……電車には乗ったか?」  
 舞衣の顔も見ずに、そうなつきが話しかける。たったこれだけを言うのに、二人の間にはずいぶんと時間が流れていた。  
「……うぅうん…………なつきは…………」  
「私は元々バイク通学だ」  
「前から思ってたんだけどさ、バイク通学ってありなの?」  
「しらん」  
 会ったときからは考えられないが、いまの二人は心を隠さず気安く話しが出来る間柄である。  
 皮肉にも電車内での一件が、急速に二人の心を近づけていた。  
「バイクの免許って取るの難しいの?」  
「いや、私は一発合格だった、それよりも金のほうが問題だな」  
 それを聞くと舞衣は、“ペチッ”と軽く自分の額を叩く。  
「あじゃっ! 私にはそれが一番の大問題だわ、しゃあない原付でガマンするかな…………電車乗るよりは……マシだもんね」  
「……泣き寝入りってやつかな…………このまま」  
「悪いの? 私はもう……ヤダよ、電車乗るの……」  
 なつきも顔を伏せてしまった舞衣にまったく同感だった。だから本当はこんな情報は、舞衣の耳に入れるべきではないのかもしれない。  
「静瑠に聞いたんだが」  
「………………………」  
 舞衣からはなんの返事もないが、ちゃんと聞いているのはわかっている。  
「あの路線ではウチの学園の生徒もずいぶん痴漢に遭ってるらしい、それも集中的にな」  
「……それで…………私たちHiMEが正義の味方にでもなるの?」  
 顔を伏せたままでそう言う舞衣は、セリフとは裏腹にとても苦しそうだ。  
 でもこういった話題ほど広まるのは早い。それも尾びれ背びれが付いた状態で。  
 いずれは舞衣も知ることになるのなら、せめてその前に正確に教えてやるのが友人としての義務だろう。辛いことだが……。  
 
「私たちの知っている顔も何人かいるらしい」  
「だって……」  
 顔を上げて舞衣はなつきを見た。  
「怖いんだもん……なつきは怖くないの?」  
「さぁな……」  
 怖くないわけがない。あれは、あの屈辱は女性にとって本能的な恐怖だ。  
 だからなつきも、これ以上この一件に関わるつもりはない。  
 それに言い方は悪いが、痴漢が風華学園の生徒に手を出してくれたのは返って好都合だ。  
 いつまでも続くようならば、HiMEになにかあっては困るだろう一番地が、きっと調査に乗り出してくる。  
 そうなれば痴漢もジ・エンドだ。なんとも気の長い他人任せのやり方だが、舞衣の言った通りHiMEは正義の味方ではない。  
「知り合いには電車には乗らないように言って、後は警察に任せよう」  
「……うん」  
 釈然とはしないが、二人の少女にはこれが精一杯である。それからはまた……二人の間を沈黙が支配した。破ったのは、  
「お姉ちゃん」  
 その声に舞衣は弾かれたように振り向いた。  
 舞衣にとっては常日頃から、それこそ何年も何年も馴れ親しんだ声。そばにいるのが当たり前の声。  
 大したもので声の主を心配させまいと、さっきまでの沈んだ表情はいったいどこにいったのか、しっかり笑顔である。  
「拓海、どうし…………あれ?」  
 舞衣は拓海をジッ――と見ながら、頭の上にいくつもクエスチョンマークを浮かべた。最近似たようなことがあったような?  
「お姉ちゃん……?」  
 拓海が首を傾げながら舞衣を見つめ返す。  
 気のせいかな? 思い出せないや  
 まぁいいかと舞衣は思い直すと、改めて弟に問いかけた。  
「うぅん なんでもないの、拓海こそどうしたの? お姉ちゃんになにか用?」  
 用が例えあろうがなかろうが、拓海が自分に会いに来てくれるのは嬉しいのだが、この辺りは高等部のエリアである。  
 放課後一緒に帰るとき以外では、あまり拓海はこちらのエリアには来ない。  
 
「さっき校門で男の人から、お姉ちゃんにこれを渡してくれって」  
 拓海はそう言って薄いピンクの、ハートマークでも付いていれば、古式ゆかしいラブレターにも見えそうな封筒を舞衣の前に差し出す。  
「私に? どんな人?」  
「オジサンだったけど?」  
 舞衣となつきは思わず顔を見合わせた。そしてすぐに封筒に二人は目を向ける。  
 ただの封筒だったものが、舞衣となつきには、突然禍々しいものに映った。手に持つ舞衣にはずっしりと重く感じられる。  
「お姉ちゃん……どう………したの?」  
 難しい顔をして封筒を見下ろす舞衣とその友人に、拓海の表情が少しだけ曇っていた。  
「ん、なんでもないなんでもない 慣れないもん貰ったからびっくりしてさ」  
「世の中物好きが多いなと驚いただけだ」  
 取り繕うような笑顔の舞衣に、なつきが(ちょっと納得いかない)フォローを入れる。  
「そ、じゃあボク、晶くんと約束してるからもう行くけど……ほんとになにもない?」  
「なんにもないって、それよりも友達を大事にしなさい、晶くん待たせたら悪いでしょ、早く行きなさい」  
 舞衣は拓海の背中をそっと押す。この場から早く去ってくれというように。弟の前で笑顔の嘘を作っているのが苦しい。  
「うん……………………ごめんなさい」  
「え!? あ?、は、早く行って上げなさい」  
「それじゃ……」  
 拓海は姉にニッコリ笑いかけると、その友人に軽く頭を下げてその場を去っていった。  
 ほんとになんだろう?  
 舞衣は先程から、もっと言えば拓海と話している間中ずっと、妙な既視感に襲われていた。  
「その中身、多分私にも見る権利があると思うぞ」  
 小さくなっていく弟の背中を見送りながら、思考の底に沈み込みそうになった舞衣を表層に引き上げたのは、硬いなつきの声。  
 舞衣の隣に立ってジ――ッと、親の仇のような目で封筒を見ている。  
「……開けてみろ」  
「……うん」  
 促されて舞衣は封筒に手を掛けた。  
 心中には悪い予感ばかりが駆け巡る。そしてこういうときだけ、人間の第六感とは発揮されるのだ。いいときは大抵当たらない。  
 
「こんなに中年のラブレターだったらと思うことはないな…………」  
 指が震えて中身を取り出すのに手間取る舞衣に、なつきは冗談めかしたことを言うが、そこにユーモラスの響きはなかった。  
 本当にそうであってほしい。  
“カサ……”  
「あ、ああ……」  
「………………」  
 中身は二人の予想通りの物、そして少女たちの希望を根こそぎ奪い取る物だった。  
 舞衣となつきの写真。  
 二人の目の前が暗くなる。撮影はどれも電車内のものだった。  
 乳房をいいように嬲られている舞衣や、唇を奪われているなつきが写ってる。  
「くッ……ううッ…………」  
 目を背けたい、破り捨てたい衝動を抑えながら、それでも確認の為に一枚一枚見ていた舞衣の手が止まった。  
 その写真は二人がツーショットで写っているのだが、他の写真よりも内容は更に屈辱的である。  
 痴漢たちに囲まれながら抱き合うような格好の二人の表情は、あきらかに快感に喘ぐオンナのものだった。  
 言い訳のしようもないほどに、舞衣もなつきもだらしのない顔である。  
「……あ、ご、ごめん」  
 めまいを覚えて舞衣はよろけてしまった。なつきはそれを支えてやりながら、  
「メモが入ってる」  
 写真と一緒に入っていたメモ用紙を抜き取る。封筒とは違ってメモ用紙には飾り気も何もない。ただ簡潔に内容だけが書かれていた。  
 
“八時に風華ホテルロビーで待ってます”  
 最後にどこかのサイトのアドレスが書いてある。  
 たったこれだけの文章なのに、なつきはそこに痴漢たちの悪意と嘲笑を感じて、顔からは“サ――ッ”と血が引いた。  
 自分の無力さは思い知らされている。気丈であってもなつきとて女の子、怒りよりも恐怖がまず先に立ってしまうのは仕方がない。  
「…………どうなっちゃんだろう、私たち……」  
 なつきには、そして言っている舞衣にも容易に想像がついた。  
 でも、それを言葉にはしたくない。自分の死刑宣告を高らかとする囚人など、どこにもいよう筈はなかった。  
 
 
 まるで自分の身体ではないかのように、中々前へは進もうとしない重い足を引きずるようにして歩いていた舞衣となつきが、  
俯かせていた顔を力なくゆっくりと上げる。  
 時刻は八時ぴったり。風華ホテルの玄関前だ。  
「アドレスのサイト……見てみたんだがな…………」  
 あの写真を見てから二人は一言も話さず別れて、それから携帯で待ち合わせをした以外はなにもしゃべってない。  
 舞衣は部屋に戻ると膝を抱えて、しばらくはただうずくまっていたのだが、バイトがあるのを思い出して、さっきまでウエイトレスを  
していた。  
 こんなときにも妙に律儀な自分が舞衣は可笑しくなる。だが部屋の隅っこで鬱々としているよりは遥かにマシに思えた。  
 短い間でもイヤなことを忘れられるし……  
 でも舞衣がそんなふうに現実逃避している間も、なつきは目を逸らさなかったようである。  
 その努力が実を結ぶかどうか、それはまったくの別問題ではあるが……。  
「どうだった?」  
 微かな希望に縋るように舞衣はなつきを見た。心のどこかでは、聞いたところで事態が好転しないのはわかっているのだが。  
 なつきの声が硬いことも、それを図らずも証明している。  
「風華学園関係者、これは女生徒に限らない、その顔写真が商品のように並べられていて…………私たちは売約済みとなっていた」  
 他にも碧や命、遥、雪乃、紫子、志帆、それに奈緒などの欄にも“売約済み”のチェックが入っていたのだがそれは黙っておく。  
 舞衣の恐怖心を煽ったところで仕方がない。もっとも、  
 すでに充分以上に怖がらせてしまったかな……舞衣の精神は脆い………いや……繊細だからな…………  
 なつきは“チラッ”と舞衣を窺う。予想通りというべきか、舞衣の身体はぶるぶると震えていた。  
 
 今更ながら、少しなつきは後悔する。  
 舞衣をここに連れて来るべきではなかった、自分一人を贄にしてヤツらを納得させるべきだった、そう思ったのだが、  
「他の娘は………その中に………命もいたりした?……」  
 搾り出すような舞衣の声には、なつきの案に反して力があった。真っ直ぐ見つめる瞳には、炎のように燃える光が宿っている。  
 その光を見てなつきは安堵した。  
 まだ……負けてはいないな  
 打開策が出たわけでもなんでもないが、まだ舞衣も、そして自分も心は折れてない。  
 怒りで恐怖を誤魔化しているだけなのだが、いまはそれでも構わなかった。使い古された陳腐なセリフだが、  
「心までは穢されない、そして身体も……………これ以上好きにされて堪るか!!」  
「はぃいいいい!?」  
 いきなり怒号を放つ相方に、舞衣はこんなときでも素っ頓狂な声を出してしまう。  
「いくぞっ!!」  
 なつきは決心が鈍らないうちにとばかり、舞衣の手を引っ掴むとホテルのロビーへと勢いをつけて飛び込んだ。  
 この先には鬼が出るのか蛇が出るのか…………どちらにしても二人の少女の未来には、いまだ光明が見えそうにもない…………。  
 
 
 外観を眺めていたときからわかってはいたが、風華ホテルは豪華でありながら上品で、あきらかに舞衣の普段生活している空間とは  
別世界だ。  
 ロビーにいるのも一目見て中流以上と思わせる人達ばかりで、なんだか舞衣はそれだけで気後れしてしまう。  
 自分の手をしっかりと握ってくれるなつきがいなければ、ここに来た目的も忘れて回れ右で帰ってしまったかもしれない。  
 ただいくらもせずに、  
「やぁ二人とも時間ぴったりだね、感心感心」  
 ホテルの印象を一声で下品なものに塗り変えたのは、舞衣を弄び、なつきの唇を奪ったオトコだ。  
 二人の身体を舐めるように見ながら“ニヤニヤ”と、上品とは縁遠い厭らしく下卑た笑みをその顔に張り付かせている。  
「どういうつもりだ……こんなところに呼び出して………」  
 オトコを見るなつきの顔からは、表情が消えていた。  
 だが隠しているのが殺意であることは、想像力が少しでもあるなら誰にでも簡単にわかることだ。  
「ははっ わかってるくせにぃ」  
 からかうようにおどけてみせるオトコを、なつきの隣りにいる舞衣は感情を隠そうともせずに睨みつけている。  
 そんな舞衣にオトコは下手くそなウインクをすると、  
「立ち話もなんだし、皆も待ってるから部屋に行こうか」  
 そう言ってオトコは背を向けて、すたすたとエレベーターへと歩き出した。  
 二人がついて来るのをまったく疑ってないのか、後ろを窺う様子すらみせようとしない。  
 そしてそれを舞衣となつきの二人は、悔しそうに下唇を噛みながらも証明しなくてはならなかった。  
 先を歩くオトコを小走りで追いかける。  
 
 エレベーターに二人が乗り込むと、オトコは十三階のボタンを押した。扉が閉まると、  
「あッ!?」  
 二人の肩を抱いて強引に自分のほうへと引き寄せる。  
 不意を衝かれたこともあり、なんの抵抗も出来ずに二人はオトコの胸元に倒れ込んだ。  
 オトコが顔を寄せるとアルコール臭い吐息が、舞衣となつきの唇に掛かる。オトコは二人の唇を品定めでもするように見てから、  
「ふぅ〜〜〜〜ん なつきちゃんとはもうしてるし…………」  
 そう言ってニヤケた顔を寄せると、  
「ンッ!?」  
 早業で唇を奪った。それが長いのか短いのかも舞衣にはわからない。オトコはそっと唇を離すと“ニッ”と歯を剥いて笑いかける。  
「あ………」  
 舞衣の瞳は潤み涙が零れそうになった。  
 そんな舞衣の耳朶に、オトコは熱い息を吹きかけるように囁く。  
「舞衣ちゃんのファーストキスまで貰っちゃったことは、皆には内緒にしてね」  
「んむッ!?」  
 ショックから抜け出せてない舞衣の唇をオトコは再び奪った。  
 白い綺麗な歯並びを押し割って舞衣の口中にオトコのヌメヌメする舌がスルリッと侵入する。  
 柔らかな頬の内側をゆっくりとなぞりながら、口腔の奥で怯えた様に縮こまる舞衣の舌を絡め捕り、本能の赴くまま貪るように嬲り  
吸い上げた。  
 
「んむッ……ふぅ……んンッ……んぅ……」  
 荒々しいキスに経験の乏しい(命との人工呼吸しかない)舞衣は成す術もなく翻弄されてしまう。  
「やめろっキサマ!!」  
“チュルン……”  
 なつきが舞衣の唇から引き剥がそうとすると、オトコは素直に従い凶暴な舌を抜き取った。  
 だがもちろん言うことを聞いたからには、欲望にのみ忠実なケモノにはご褒美を与えなくてはならない。  
「妬かなくてもいいのに」  
 なつきの神経を軽く逆撫ですると、  
「ほざ……んンッ!?」  
 こんどは間髪入れずになつきの唇を奪う。  
「ん……んぁッ……んふ………はぁッ………ン……んふぁッ……」  
 結局は助けようとしたはずのなつきも、エレベーターの扉が開くまでの間、オトコのオモチャになるしかなかった。  
 
 
 エレベーターから降りて十三階を歩いている舞衣となつきの息遣いはもう荒くなっていて、肩を“ハァハァ”緩やかに上下させていた。  
 オトコはその前を意気揚々と歩いている。1313のプレートの入ったドアの前に立ち止まると、  
「はい着いたよ、ここ」  
 ノックするために手を振り上げるが、途中で止めるとニヤリと二人を見た。  
「あ、それと間違ったアクションを取られる前に渡しておこうかな」  
 まるでいま思い出したとでもいうように“パチンッ”と指を鳴らすと、スーツのポケットを探る。  
 すぐに目的の物は二人の少女の目の前に出てきた。それは何の変哲もない、ただの携帯ストラップである。  
 だがそれを見て、舞衣の表情からは“サァ――ッ”血の気が引いた。  
 見覚えがある。自分が買ってやったものだ。どこにでもありそうなストラップだが、誰の物かは舞衣には確信めいたものがある。  
 慌てて自分の制服のポケットから携帯を出すと、慣れた手つきで名前欄の一番上にある人物をコールした。  
“プルル〜〜〜〜ル……プルル〜〜〜〜ル……プルル〜〜〜〜ル…………”  
 出ない。何度コールしても出ない。普段なら自分の電話を待ってくれてたのかと、嬉しくなるくらいに早く出る“あの子”が出ない。  
「拓海くんなら心配いらない」  
 オトコの口から最愛の弟の名が出た瞬間、  
“ガッ!”  
 舞衣は胸倉に掴み掛かっていた。  
「まあまあ」  
 オトコは怒りに震える舞衣の手に、優しくそっと自分の手を重ねる。  
「ちゃんと向こうは向こうで愉しんでるから、何も心配いらないよ舞衣ちゃん」  
 ネコがネズミをいたぶるように、その声には絶対的強者が弱者に対するときの、上から見下ろすからかうような響きが込められていた。  
 
「だからね、舞衣ちゃんはオジサン達と一緒に愉しんでくれればそれでいいから…………友達想いのなつきちゃんもね……」  
 拳が強く握りすぎて白くなっているなつきにも、やはり優しく、それこそ猫撫で声で立場を教えてやる。  
 相変わらず瞳には殺意を湛えているがそれだけではない。絶望という名の彩りも、色濃く表に滲み出してきている。  
 もう、二人にはそれを隠すことすらままならない。  
「それじゃあ二人とも理解してくれたところで、今夜はとことん盛り上がろうか」  
 舞衣の手を握りながら、  
“コンッコンッ”  
 今度こそオトコはドアをノックした。  
“ガチャッ……”  
 すぐにドアが開かれる。舞衣たちを望みもしないのに出迎えてくれたのは、満面の笑顔を浮かべた甘ったれ顔。  
 ドアを開けたときの勢いそのままに、舞衣に抱きつく。  
「待ってたよぉ舞衣ちゃん、あ、もちろんなつきちゃんも待ってたからね」  
 嫌がる舞衣には構わずほっぺたをすりすりとさせる甘ったれは、その後ろにいるなつきにも声を掛けるのを忘れない。  
 こんなものでこのオトコは、自分が女心がわかっているとでも思っているのだろう。  
「さぁ、遠慮せずに入って入って、オレたち他人じゃないんだかさ」  
 なつきはその言葉に刹那で血液が沸騰するのを感じたが、舞衣を甘ったれに譲ったオトコが、当たり前のように肩に手を廻して囁いた。  
「今日はどんなパンツ穿いて来てくれたの? 期待しちゃうなぁ、なつきちゃんの趣味は下着集めなんでしょ?」  
「え!?」  
 一瞬、なつきは怒りを忘れる。  
 なぜそんな、余程親しくなければ知らない自分の趣味を痴漢如きが知っているのか? 自慢ではないがなつきには、親しい友人はあまり  
多くない。  
 
 私たちに近い人間に……こいつらに情報をリークしているヤツでもいる……!?  
 その核心に触れたかもしれないなつきの思考を遮ったのは、  
“パサッ……”  
「ふ〜〜ん 黒かぁ 大人っぽくてオシャレだね」  
 オトコが制服のスカートを腰よりも高く捲り上げていた。なつきを除いた人間全員の、熱すぎる視線が一点に集まる。  
 わざわざ確認なぞせずとも状況はわかっているのだが、なつきはゆっくりと顎を引いて下を見た。  
「キャァッ!?」  
 自分自身も重々自覚している、キャラクターに合わない女の子らしい悲鳴を上げて、慌ててなつきはスカートの裾を押さえる。  
 その意外に乙女チックな反応に、オトコたちは笑みを深くし、舞衣はちょっと驚いた顔をした。  
 とうのなつきはというと、自分でも聞いたことのない可愛らしい黄色い悲鳴に、“カァ――ッ”とリンゴのように顔を真っ赤にする。  
「クッ……ククック………」  
 肩を抱いているオトコはまったく忍んでいない、あきらかにわざとなつきに聞こえるように意図している忍び笑いを洩らしながら、  
“チュッ……”  
 火照った頬に軽くキスをした。  
「なつきちゃんのそのカワイイ女の子の声…………もっともっと聞かせて欲しいな」  
 それが聞こえたのか、舞衣と肩を組んでいる甘ったれは顔だけ振り向かせると、  
「やっぱり女の子の悲鳴は『キャァッ』にかぎるよねぇ」  
 そんなことをのたまう。  
 舞衣やなつきとは勿論比べられないが、それでも甘ったれはオジサンと呼ばれるにはまだ早い。  
 なのにオジサン連中に混じっても違和感がないのは、精神年齢、というよりもオッサン特有のねちっこさを持っているからだろう。  
 オッサン二人はそれぞれご満悦で女子高生の肩を抱きながら、部屋の奥へと連れ立って入っていく。  
 広く豪奢な部屋。歩くと絨毯に足首まで埋まりそうだ。  
 舞衣のこれまでの人生では、チェックインした記憶などよく考えなくともありえない“スィート”の名を冠した部屋である。  
 ただそれを楽しむ気もなければ、その余裕も舞衣にはなかった。  
 
「おお、よく来てくれたね二人とも」  
「イヤッ!?」  
 今度は舞衣が女の子の声を上げて顔を背ける。  
 姿を現したのは唾棄したくなる痴漢達の中でも、舞衣がもっとも生理的に苦手なオトコ、成金だ。  
 しかし普通に姿を現しただけなら、いくらなんでも舞衣は悲鳴を上げたりはしなかったろう。普通に姿を現しただけなら……。  
 辛うじて腰にタオルを巻いてはいるが、それは内側から押し上げられていて、成金はそれ一枚のあとは全裸である。  
 頭の方は淋しくなってきているが、胸には上の方に分けてやれと言いたくなるほど毛が生えていて、チラッと見ただけで吐き気がした。  
「いやぁ待ってたよ……こんな格好ですまんねぇ、汗臭いと嫌われちゃうからお風呂に入ろうと思ってたんだ」  
 惚けた顔で冗談なのか本気なのかわからないことを言う。  
 でもその後にはもっと『冗談でしょ?』と、聞き返したくなるセリフを成金は口走った。  
「丁度いい、二人ともまだ今日はお風呂には入ってないじゃろ? オジサンと一緒に洗いっこでもしようか」  
 舞衣の腕を掴むと強引に、おそらく奥にはバスルームがあるんだろう、引っ張って行こうとする。  
「ちょっ!? ヤッ……やめてよッ!!」  
 運動など車の乗り降りしかしてなさそうな肥満した身体だが、パワーは当然ながら女の子の舞衣とは比較にもならない。  
 駄々っ子のように首を振り、舞衣は足を踏ん張って抵抗したが、ずるずると引きずられていく。  
 その様子を不承不承、甘ったれは子供みたいに口を尖がらせて見送った。  
「クッソゥ……オレにもっと財力があればなぁ…………みすみすあんなオッサンにいいとこ取りさせねぇのに」  
 未練がましくブツブツ文句を言いながら、チラッとなつきを見る。  
「はぁ……なつきちゃんも獲られちゃったし………これだから日本のオッサンは……」  
 無理矢理に連れて行かれる友人をなつきとて、ただ虚しく見送るつもりなどはなかった。でも、なにも出来なかった。  
「んむッ……んッ…ふぅ………んンッ!!」  
 唇を塞がれて床に押し倒された状態では、正直自分の身体を守るだけで精一杯である。  
 そしてそれすらも…………なつきは出来そうもない。  
 オトコは腹ばいになってなつきの上に乗っかると、両手首を掴んでバンザイのような格好を取らせる。  
 
「ちょっと手を押さえててくれる」  
 オトコはなつきの唇を解放すると、まだブツブツと文句を言っている甘ったれに目配せした。  
「ハイハイ」  
 口調はともかく、甘ったれは素直にオトコの言葉に従う。手首を掴むとなつきが下から“キッ”と睨みつけてくるが、  
「なんかいいよねぇ……その視線ゾクッとするよ 舞衣ちゃん派かなつきちゃん派か迷うなぁ」  
 エロ本と同じ効果しかない。牡の性衝動を煽るだけだ。  
 甘ったれも、そしてオトコも、なつきに向ける視線は、小学生が裏の空き地で捨てられたエロ本を見つけたときと変わらない。  
 純粋に己の欲望を満たすことしか考えられない目だった。  
「やめろっ! この離せ!!」  
 いまの自分はこんな月並みなセリフで、足をジタバタさせることくらいしか出来ないのかと思うと、なつきは情けなくて泣きたくなる。  
 そしてなつきの泣き顔を余程見たいのか、  
「足の方は私が押さえましょうか?」  
 あの神経質そうな教師風のオトコが姿を現した。  
「ん? もうテストの採点は終わったの?」  
「粗方は……」  
 このやり取りからして、教師“風”ではなく本当に教師のようである。  
 顔は電車のときと同様の無表情ではあるが、下から見上げているなつきには、ズボンが勃起の形に膨らんでいるのがわかった。  
 こんなときにこんなところで採点したテストを、なに食わぬ顔でこの教師は生徒に返すのだろうか?  
「それじゃね、ガバァ〜〜〜〜ッと大きく足を開いて押さえてくれる」  
 睨むなつきを充分意識しながらジェスチャー付きで指示するオトコに、教師は真顔で頷くとジタバタする足を事も無げに捕まえる。  
「あッ!?」  
 膝頭に手が掛けられた。  
“グッ……ググッ………ググッ………”  
「うぅッ……」  
 なつきは太股に力を込めたが、そんなものは教師に、あの気味の悪い爬虫類めいた笑みを浮かべさせるだけである。  
 しかし予想外のところから、なつきに救いの手が差し延べられた。  
 
 部屋に入る前のときのように“パチンッ”と指を鳴らすと、  
「ごめん、ストップ」  
 教師の隣りに立ってなつきをニヤニヤと、ベストポジションで見下ろしていたオトコは、なにかを思い出したように制止する。  
 オトコは無論、自分に情けを掛けたわけではなく、どうせろくでもないことを言い出すだろうことはわかってはいるのだが、  
それでもなつきは目前の危機が回避されて“ホッ”と胸を撫で下ろそうとした。  
「足開かれたらさぁ、パンツ脱がすのが面倒だよね」  
 根拠はない。あるはずがない。それなのに一瞬でも救われた気がした自分になつきは腹が立った。  
「全裸も好きだけどさ、どうせ制服を着てもらってるならそのままで愉しみたいじゃない」  
 言うとオトコは閉じられたなつきの太股を撫でながら、スカートに手を侵入させて腰の両端、ショーツの脇を掴む。  
 なつきの目を見ながら“ズゥ……”オトコはほんの少しショーツを下げた。  
「脱がされたくなかったらね、足をガバ〜〜ッと広げるといいよ オジサンのアドバイス」  
 下手くそなウインクをすると、なつきの怒りなのか羞恥なのか、どちらで染まっているのかわからない顔を見ながら、ショーツを掴んだ  
手をゆっくりとオトコは下ろしていく。  
 白い肌を滑る黒い下着のコントラストは、なんとも艶かしく美しかった。  
 
“スルッ……”  
 足首から抜き取ると、手の中で小さく丸まっている黒いショーツを、オトコはシゲシゲと見る。  
 両手で引き伸ばすと照明に翳して、なにやら細かい部分までチェックしていた。  
「……盗むヤツの気持ちがわからなくはないね、下着集めっていうのは以外に高尚な趣味かも」  
 オトコは独り語ちると、そのままなつきのショーツを自分のスーツのポケットに仕舞い込む。  
 これでなつきの下半身を守るものは、ヒラヒラと頼りない短いスカートだけである。  
 ここまでくれば後は簡単だ。スカートをチョイと摘み上げて捲るだけで、なつきの“女の子”の部位が中年の目に晒される。  
「うぅ〜〜〜〜ん」  
 だがオトコは親指と人差し指で顎を支えて、考え込むようなポーズを取ると低く唸った。  
「どしたの?」  
 手を押さえながらジ――ッと、なつきの紅潮した顔を視姦していた甘ったれが声を掛ける。  
 舞衣もなつきも知りえないことではあるが、年の功か単純に財力の差か、甘ったれが二人の“お相手”をする順番は一番最後なのだ。  
 こんなところでモタモタされていては適わない。  
「いやね、大の男が三人でか弱い女の子を押さえつけてって、これじゃレイプだなぁと思ってね」  
「……はぁ」  
 甘ったれのオトコを見る目は『なに言ってんだこの人?』と語っていた。  
 嬉しくもなんともないが、初めてなつきは痴漢と意見が合ってしまう。まったく同意見だった。  
 さっきまであれだけ嬉々として自分に襲い掛かっていた人間の言うことではない。ただなつきの心中はと言えば、  
 そうやってずっと悩んでろ……  
 というのが本音である。  
 
 しかし、またしてもオトコは“パチンッ”と指を鳴らした。  
 おそらくこれは、オトコの本当のクセではないだろう。自分たちを苛立たせる為に、怯えさせる為にワザとやってるとなつきは思った。  
「そうだこうしよう、いまからなつきちゃんを自由にさせて、一番最初に捕まえた人が好きにできる ……どう?」  
 オトコは甘ったれと教師の顔を交互に見た。  
 なつきの身体の上では、本人の意志をまったく無視した相談がなされている。  
「いいかげん……」  
 無意味だとわかってはいても、怒りを爆発させずにはいられないなつきを遮ったのは、  
「乗った!」  
「わかりました……」  
 賛意の表し方は対照的ではあるが、声には粘つくほどの濃い欲望が込められているのは同じだった。  
「そんじゃ離してあげて」  
 オトコの声に“パッ”となつきを押さえていた二人は手を離し解放する。コロコロと転がるとなつきは距離を取って立ち上がった  
 それぞれの位置を確認する。なつきを半円に取り囲む形だ。  
「これはゲームだから逃げられるなら逃げていいよ そしたらなつきちゃんの勝ちだし、別にそれでどうこうしようとは思わないから」  
 女の子だと高をくくっているのか、それとも数を頼みにしているのか、とにかくオトコは余裕の笑みを浮かべている。  
 しかしそれは癇にはさわるが、舐めてくれるのならなつきにとってありがたい。  
「オマエらを殴り倒して舞衣と一緒に逃げるのは?」  
「もちろんOKだよ 出来るんな……」  
“ヒョイッ……”  
 いきなりなつきは、横でボ――ッと立っている甘ったれの胸元に軽く携帯を放った。  
「おっ!?とととッ」  
 反射的に慌てて甘ったれは携帯を受け取ろうとする。そのときを見逃さずになつきは動いた。床を蹴る。  
“ゴズッ!!”  
 真下から体重を乗せた掌底が、無警戒の甘ったれの顎に炸裂した。頭が反り返った甘ったれは白目を剥いている。  
 
 そのままなつきは真後ろ、呆気に取られている教師に肘鉄を叩き込む。  
“ドズンッ!!”  
「カァ……ヘ………」  
 妙な声を上げながら、教師も腹を押さえて膝から前のめりに倒れた。ここまでは……、  
“ゴトンッ”  
 携帯が床に落ちるまでの僅かな時間である。なつきは残ったオトコを、“フンッ”と鼻を鳴らして睨む。  
「ありゃりゃ? なつきちゃんて強いんだねぇ ……これで終わっちゃったらこの二人はなにしに来たんだろう?」  
「安心しろ、まだ終わらん……」  
 再度なつきは床を蹴った。あっという間に射程距離に入る。ゲームの勝利を確信して、なつきは拳をオトコの顔面に突き出した  
 だが、  
“ブゥンッ……”  
「え!?」  
 そこにあった空気を掻き乱しただけで、拳にはなんの感触もない。  
「なつきちゃんのお尻はカワイイねぇ」  
 オトコはすぐ後ろにいた。スカートを捲ってニヤニヤと覗いている。  
「こっ……のぅッ!!………」  
“ブゥンッ……ブゥンッ……ブゥンッ……ブンッブンッ………ブゥンッ”  
 なつきは一発一発に怒りを込めて拳を振るっているのだが、それで返って大振りになってしまってか、とにかく当たらない。  
 それがなつきを増々意地にさせ、逃げようとすれば逃げられるのに、ニヤニヤした顔を執拗に追いかける。  
「くぅッ……」  
 ここでなつきは勝負に出た。開き直ったとも言う。  
 踏み込みをさっきまでより深くすると、なにも穿いてないスカートを翻して足を大きく振りかぶった。  
 多分おそらく絶対見えてしまうが、背に腹は変えられない。ほんの少しの間羞恥心を忘れれば済むことだ。  
 そんな乙女の心の葛藤などはまったく意にも返さないオトコは、ニヤついた顔のままで、赤い顔のなつき会心の蹴りを、  
“パシッ”  
 あっさり受け止める。こうなるとなつきを待っているのは、  
“ピョンピョン……”  
「うぅッ……」  
 片足で跳ねるマヌケな姿と、無理をして忘れたふりをした羞恥心だけだった。  
 必死に女の子の部位を隠そうとするのだが、それは恥の上塗りにしかなっておらず、より一層なつきの姿を滑稽に見せてしまう。  
 
「捕まえた」  
 そのままオトコはなつきの片足を掴んだままで、器用にうずくまる甘ったれ達を避けながら部屋の奥へと歩いていく。  
 なつきの目にそこで待っているものが映った。大人が三人寝っ転がってもまだ余りそうな、キングサイズのベッドである。  
「勝てると思ったでしょ、ゲーム? オジサンこれでも小っちゃい頃はワンパクだったんだよ」  
 なにがワンパクだ、このエロオヤジ!!  
 いまどき誰も言わない『ワンパク』などという言葉をオトコは使っているが、あの身のこなしはそういった生半可なレベルではない。  
「でも舞衣ちゃんもそうだけど、若い娘は反応がわかり易くていいよねぇ 勝ち誇って“フンッ”だもん ほんとカワイイよ」  
 これは偽らざる本心だろう。オトコから見ればなつきは、さぞカワイイくらいのバカに映ったはずだ。  
 そんなことを一人で勝手に考えて“カッカ・カッカ”と頭に血を上らせていたなつきに、オトコは意味ありげに微笑むと、  
「こういうのオジサンは憧れるんだよね……」  
“パシッ”  
 不安定な片足立ちのなつきにいきなり足払いすると、横抱きの、俗に言うお姫様抱っこをする。  
 これが憎からず想っている相手ならば、なつきとて年頃の女の子、表面上はともかく底の部分では喜べたかもしれない。  
 でも痴漢相手にそんな感情が湧いてくるはずもなかった。  
「離……!?」  
“ポイッ”  
 なつきが最後まで言い終る前にオトコは離してくれた。物を捨てるようにベッドに放り投げる。  
 スプリングが心地よく弾んでなつきの身体を受け止めた。  
 その際にスカートが捲くれて、チラチラとなつきの肌の色と同じ“女の子の部位”が覗いて、オトコの劣情を否が上でも煽る。  
 なつきもそれに気づき、慌ててスカート引っ張り内股になると、もはや効果などないのはわかってはいるが“キッ”とオトコを睨んだ。  
「なんかさぁ、なつきちゃんの視線って厳しいんだけど……オジサンには『苛めて……』って言ってるようにしか思えないんだなぁ」  
 そんなことを言いながら、オトコはホクホク顔でなつきの足首を掴む。  
「だからね、こんなことをしちゃうのは……なつきちゃんにも責任があるんだよ」  
“グイッ”  
 なつきのモデルばりに均整の取れた長くて白い綺麗な足を、オトコは腹部を中心にして180度ひっくり返す。  
 
「あ!?」  
 スカートの裾は当然だが重力に従って、隠すもののない“クリンッ”としたお尻の丸みから、チョボチョボと産毛と見間違うほどしか  
生えてない秘唇、その下で息づく小さな窄まりまで、余すところなくオトコの餓えた視線に晒された。  
「み!? 見るなぁキサマ!!」  
 少女の羞恥心とは尽きることがないのか、またなつきは思い出したようにジタバタし出す。  
 しかしそんなものは気にした風もなく、ジ――ッと愛でるように鑑賞し視姦していたオトコは、無理な体勢の所為かほころんで、  
ピンクの粘膜を見せているなつきの秘裂に、  
“ふぅっ〜〜”  
「ひゃんッ!?」  
 軽く息を吹きかけた。これぞ“女の子”という可愛らしい声とともになつきの頭が仰け反る。  
「本当になつきちゃんはカワイイねぇ 食べちゃいたいくらいだよ……こんなふうに」  
“パクッ”  
「きゃうッ!!」  
 有限実行。言葉に嘘はなく、オトコはなつきの秘唇にむしゃぶりついた。いや、吸いついたと言った方が正しいかもしれない。  
 なんにせよ、舌はなんの抵抗もなく柔らかな秘肉の中に沈み込んだ。  
 
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル