人の姿もまばらになった最終電車の中で、吊り革を握った碧の身体は、  
「お?……おおッ!?とっとと……」  
 右に左にユラユラと柳のように揺れていた。一見しても相当酔っているのがわかる。  
 こういうときははシャンと立ってるよりも、酔拳をしているときのほうが楽なのを、碧はいままでの数々の失敗から学んでいた。  
 それに座ってしまったら夢魔の誘いを断れそうにもない。もっとも……  
“…………カクンッ”  
「はッ!?」  
 中々誘いに乗らない碧に夢魔も焦れてきたのか、立っているのもお構いなしに強引に夢の世界へと手を引こうとする。  
 いかんぞこれは……アタシも付き合いいいからなぁ…………  
 このままでは気持ちよく朝まで目を閉じてしまうと考えた碧は、とっておきの気付け薬を見る事にした。  
 出来る事ならばずっとず〜〜っと、一生でもとっておきたい強力なやつを。  
“チラッ……”  
「……うっぷ」  
 酔っている身には多少効能が強すぎるかもしれない。  
 シワシワの禿げ頭には、黒子なのかシミなのかわからない、判別不能の(知りたくもないが……)斑点が浮かんでいる。  
 車両の中はガラガラなのに、わざわざ碧の前の席に陣取ったオジサンの頭だ。いや、もうオジィサンと言ってもいいかもしれない。  
 そのオジィサンは座った直後から、ジィ〜〜ッと碧の身体を下から舐めるように見上げている。  
 不快なものが色々こみ上げてくるが、自分から移動するとなにか負けたような気がするのと、なにより面倒なので碧は放っておいた。  
 あまりしたくもないのだが、じっくりと観察してみるとオジィサンの身なりは相当いい。高価そうな着物をビシッと着こなしてる。  
 な〜〜んか悪い事でもやってんだろうな、このジィサン……  
 名称の前に“オ”がなくなったのは、別に安い給料で扱き使われる公務員のやっかみだけではない。  
 もう老境に差し掛かろうという歳で、上品そうな着物に身を包みながらも、どこかに欲まみれの厭らしさが臭うのだ。  
 
「お嬢さん」  
 気分爽快には程遠いが、バッチリ目の覚めた碧が目を逸らそうとするとジィサンが声を掛けてきた。声も想像通り粘ついている。  
「はい? なんですか?」  
 精いっぱいの営業スマイルで答える碧に、ジィサンはおそらく哂ってるんだろう、口元がニィーッと引きつったように歪んだ。  
「ほろ酔い気分の千鳥足で踊っているのは色っぽいんじゃが、フラフラしとって危なっかしいのぅ 座らんかね?」  
 にこやかな顔で両手を広げる。  
「はぁ……」  
 まいったなこりゃ……笑ったらこのジィサン…………気味悪さがパワーアップしてるよ……  
 美形であれブサイクであれ、人間は素で笑えば愛嬌といったものが出るのだが、このジィサンの表情にはそんな可愛げはない。  
 どこでジィサンが降りるつもりなのかは知らないが、碧の降りる駅はまだまだ先だ。  
 ここまで形式的に親切に声を掛けられれば、“じゅうななさい”とはいえ、大人の一般常識としては隣りに座るしかないだろう。  
 しかし、うっかり寝てしまおうものなら、このジィサンになにかされそうでちょっと怖い。  
「しこたま呑んでるんで、座ったらぐーすか寝ちゃいそうですから……」  
 失礼にならないように丁重に断ろうとした碧の手が、  
「だいじょうぶじゃよ…………気を失っても起こしてやるからのぅ」  
“グイッ……”  
 シミの浮いた節くれだった手に掴まれた。老人とは思えない強い力で引っ張られる。  
 碧はバランスを崩してたたらを踏むと、薄い胸元に倒れ込んでギュッと息が詰まるほど抱きしめられた。  
 不意の事に、口を大きく開けて碧は空気を欲する。  
 
「んンッ!?」  
 紅い舌がチロリと覗くと、当然のように老人は碧と唇を重ねた。  
 後頭部を掴んで逃げられないようにしながら、激しく貪りつくすように舌を絡め取り吸い上げる。  
 腰に廻されていた老人の右手は捏ねるよに碧のお尻を撫でながら、ジーンズスカートを一気に腰まで捲り上げてしまう。  
 随分と可愛らしい、白と青の縞々パンツが丸出しになる。  
「んむッ……ふぅ……んンッ……んぅ……」  
 必死になって碧は老人を押し返そうとするのだが、この細い身体のどこにそんな力があるのかびくともしない。  
 逆にオナニーを覚えたばかりのがっついた中学生のように、グイグイと股間を碧へと押し付けてくる。  
 老人のそこは歳を疑いたくなるように“ドックン・ドックン”と脈打ちながら、まるで自慢でもするように勃起の鼓動を碧の下腹部へと  
伝えていた。  
 
 ショーツに手が掛かると薄皮を剥くように簡単に腿までずり降ろされて、なめらかなお尻の丸みが剥き出しになる。  
 老人は露にされた双臀を鷲づかみにすると、  
“ギュイ……”  
 菊座を大きく割り開いて、少し赤みがかったピンクの腸内粘膜の奥にまで空気を触れさせた。  
「むぐッ、んんッ……ふぅッ……」  
 碧の目線が慌てて左右に配られる。車内はガラガラとはいっても、まったく誰も乗っていないわけではない。  
 いまのこの光景を見られでもしたら、まさか痴女と勘違いされる事はないだろうが、相手が男であればいい晒し者である。  
 左には優先席で寝こけている簾頭の疲れたオジサン、右にも若い新入社員のようなサラリーマンがいたが、こちらも幸い寝むっていた。  
 ほっとはしないが、とりあえずは『ジジィを殴り倒せば問題はなさそう』と思ったとき……目が合う。  
 ガラス越しに映る目はなんの感情も見せずにジ――ッと、碧のパックリと割られたお尻の辺りを見つめていた。  
「むぅッ!?……んぅッ……んンッ……んふッ!!」  
 老人に唇を塞がれたまま、くぐもった声で身体をジタバタさせて、慌てふためき両手でお尻を隠す美女の姿はなんとも滑稽である。  
「うん? ああ……ソイツは気にしなくてもいいよ、石になってろと言ってある」  
 後ろに気を取られる碧に、唇を離した老人はニヤケた顔で教えてやると、  
「まぁ、その男は前よりも後ろが好きでな、仕事熱心じゃからここはサービスしてやらんと」  
 対面にいる男に見せつけるように、さらにお尻を割り開いて菊座の奥の奥まで覗かせた。  
「ちょっ!? い、いいかげ……ひッ!?」  
 碧に最後まで言わせず、老人は耳たぶに歯を立てると、そのまま舌先を複雑な作りの耳朶の中へとねぶるように挿し込んでくる。  
 
「こ……の………ヤメ……あッ………くぅッ………んンッ……」  
 鼻に掛かった声が漏れる。思わず老人の肩に、碧はすがりつく様に顔を伏せてしまった。  
 老人はほくそ笑むと、男へと目配せする。男は立ち上がると、碧に悟られぬよう静かに背後に立った。  
 顔にこそ出てはいないが、よく見なくともはっきりと男の股間も盛り上がっている。手には丈夫そうなロープが握られていた。  
“グッ……ギュッ………ギュッ……”  
「痛ッ! ちょっと!? なにしてんの!!」  
「なにって……」  
 手が結ばれたのを確認して老人は碧の身体の向きをひっくり返すと、親が幼子にするように開いた膝の間に座らせた。  
「お手々が邪魔じゃろ?」  
“にゅむん……”  
 凄む碧を軽くあしらうと、老人の手がシャツの上から乳房を掴む。  
「あんッ」  
 碧も“じゅうななさい”とはいえ妙齢の女性だ。一人身の渇望を抑えきれず、自分で自分を慰めた夜もある。  
 しかし、その行為も軽く触れるだけのいたって淡白でデリケートなものだ。でも、老人の触り方はずっとねっちこくて荒々しい。  
 痛みすら感じる。それなのにその痛みが、いまの碧にはとても甘く感じられた。  
「ハッ……んッ、んッ………んぅッ……ああッ………」  
 浅ましい反応をする自分の身体がなんとも恨めしい。  
 ブラのカップに擦れただけなのはわかってはいる。それでも節操なく硬くなる乳首に碧は腹が立った。  
「あッ………くぅんッ………んンッ……」  
 うなじに顔をうずめる様にして、老人はクンクンッとまるで小動物のように鼻を引くつかせる。  
 後れ毛に息が当たってくすぐったい。そのまま老人は顔をスライドさせると、舌を伸ばして緑の首筋を舐め上げた。  
「んッ……ふぅん……ンンッ…………」  
 チロチロと舌が首筋をスベると、そのたびに碧の肌が粟立つ。  
 声を洩らすまいとしている憐れな獲物を目の端で見ながら、老人の指先が乳房の一番敏感な部分に触れた。  
 碧の頬がカァ――ッと赤くなる。間にシャツとブラジャーの二つがあっても、この老人は碧の身体の変化にすぐに気づくだろう。  
 
「娘さん、アンタ随分とアッチの方はご無沙汰じゃろ? こんな男好きする身体で可哀想にのぅ……」  
 余計なお世話だ!!  
 常日頃であれば問答無用でぶっ飛ばしてるセリフだが、こんな状況ではキッと睨みつけるのが精々である。  
 それも赤い顔では、老人の青臭さの抜け切らない欲求を刺激するだけだ。  
「あッ!?」  
 碧はお尻の谷間にスッポリと填まっている老人の勃起が、急速に一回り大きくなるのを感じて身体を堅くする。  
「元気じゃろワシのは…… バイアグラなんぞ使っているヤツの気が知れんよ」  
 確かにこの老人には薬に頼る必要はまだまだなさそうだ。  
 激しく隆起している硬い勃起が、ショーツを脱がされている素肌のお尻の碧にはとても熱く生々しい。  
 服を内側から突き上げるてくる恥ずかしい突起。それを老人はくるくると円を描くように指先でなぞる。  
 その指先を碧は怒りと、怯えを含んだ瞳で見つめていた。だが怖いのは老人ではない。…………怖いのは……。  
「ふぁッ!」  
 意識が完全に乳首にいっていたところに老人の舌が耳朶に突き入れられると、少し遅れて節くれだった指がなんの呵責もなく強く乳首を  
捻り上げた。碧は子供が怒られたときのように可愛く首をすくめる。  
 乳首から一瞬にして快楽パルスが全身へと広がり、引き結んでいた碧の唇からあっさりと官能の声を吐き出させた。  
「おおぅ 悪い悪い 痛かったじゃろ?」  
 老人はすぐに乳首を捉えていた指を離すと、こんどは親指の腹でさするように撫でまわす。  
 わかり易い“アメとムチ”  
 それでも優しくされたからか、疑う事を知らない単純な身体は、乳首を先程よりも硬くさせ、老人に興奮の度合いを素直に伝えていた。  
「満更でもないみたいじゃの……」  
 顔を伏せていても、老人のニタリとした顔が目に浮かぶ。  
 心の中で渦巻く気持ちは、『ぶん殴りたい』が『ぶっ殺したい』にまで昇華されているが、碧は説得力ある反論は出来そうもない。  
 欲情のバロメーターは老人の親指の腹の下で硬くしこっているのだから。  
「それとも……」  
 首筋に唇を這わせながら、碧の膝に置いた手をそろりそろりと見せつけるように動かしながら、後ろ半分は脱がされてもうお尻丸出し  
になっているスカートの中へと手を差し入れてくる。  
 
「こっちも触ったほうがいいかのぅ?」  
「くッ!!」  
 手が中途半端に脱がされているショーツに触れた。  
 別に碧もスカートの中へと忍んでくる厭らしい手を、ただ悠長に見ていたわけではない。  
 見ていたわけでもないのだが、派手に動くと見えてしまうのだ。対面にいる男に、下着で隠しておきたい女のなにからなにまでが。  
 前屈みになるのはいまも乳房を枯れた手がねちっこく這い回っているので無理だし、腰をモゾモゾ揺らしても、まるでストリップでも  
しているようで、あまり意味がない上に老人を喜ばせるだけだった。  
「若い娘は活きがいいのぅ……」  
 碧のまったく本意ではないサービスをニヤケた顔で見下ろしながら、揃えた二本の指先で秘裂を“スゥ――ッ”となぞりあげる。  
「んふぁ……」  
 ここまでの童貞少年のようながっついたような触り方から一転、羽毛のような優しいタッチに反応して鼻に掛かった声が洩れた。  
 身構えていた碧にはまったく想定外の、はっきり言ってしまえば好みの愛撫である。  
 やばいッ!!  
 まずは優しく、そして序々に激しさを増していくのがベッドに於ける 杉浦 碧 の攻略法だった。  
 それは本人も重々承知している。老人に悟られるわけにはいかなかった。  
「ん? 娘さん、アンタこういうのが好みかね?」  
 一発でズバリと言い当てられたが、そんな事はおくびにも出さず、  
「ジィサン、寝言はあの世で言ってよね」  
「ほぅ……」  
 目を細めながら、老人は必要に恥ずかしいふくらみを上へ下へ、執拗に撫で回しながら、虚勢を張る小娘を見て、その目はあきらかに  
愉しんでいた。  
 
「娘さんはエロビデオは見るかね?」  
「はぃいい!?」  
 いきなりの素っ頓狂な質問に、碧は己の置かれてる立場も忘れて、年下の友人の口癖が思わず出てしまう。  
「身体は正直……あれは本当じゃよ」  
 舌で薄い唇をズルリと舐めると、指がふたたび蠢きだした。  
「あッ!?」  
 柔らかな秘唇はゆっくりと優しく丁寧な揉みほぐしていくような愛撫に、ショーツの下では形を卑猥に変えながら少しずつ、  
認めたくはないが確実に湿り気を帯びてきて、うっすらとその姿を浮かび上がらせてきている。  
「はひッ!?」  
 突然、脳天から爪先へと快楽という名の雷が走り抜けた。。  
 反射的に"ピョン"と両足が跳ねて、ぬめりほころんでいる下付きの秘唇から菊座へと、恥ずかしい液が涙のように零れ落ちる。  
 対面の男は涙が電車のシートまで濡らすのをジ――ッと、表情こそ変わらないが瞬きすらせずに魅入っていた。  
「ヒッヒヒッこのスケベが…… いい主人を持って感謝せぇよ」  
 そう言って老人は気味の悪い声を上げながら碧の膝頭を掴む。  
「くッ」  
 老人の意図を察して碧は内腿に力を込めるが、両腕を縛られてるうえに、勃起の圧力から少しでも逃れるために腰だけが"ピョコン"と  
無理に前に出て、お尻だけで身体を支える不安定な体勢なので踏ん張るに踏ん張れない。  
「ほれほれ、もっと頑張らんとスケベに奥の奥まで見られてしまうぞ」  
 老人もわかっているのか、わざとゆっくりこじ開けていく。碧は力及ばず開かれていく足の狭間を悔しそうに見つめていた。  
「ああ……」  
 碧が諦めにも似た切ない声を洩らす。  
 ショーツのゴムが限界まで引き伸ばされて、まばらな恥毛をべったりと張り付かせているそこは新鮮なピンクの肉色を覗かせながら、  
男達の視線を浴びてひくひくと蠢いていた。  
 
 幼女がオシッコをさせられるような格好を取らされただけでも恥ずかしいのに、更に恥ずかしい事になっている秘所を視姦される。  
 碧とて永遠の"じゅうななさい"とはいえ小娘ではない。それなりの経験はしているが、しかしそれでもこんなのは初めてだ。  
 羞恥心の重さに耐え切れずに、顎が力無くガクリと下がる。  
「……ヒッヒヒヒ」  
 喉を引きつらせたような哂い声を上げながら、少しはみ出した左右非対称の陰唇に手を掛け無遠慮にくつろげた。  
「ふぁッ!」  
 膣内からは新たな蜜が溢れ出し、小さくひくりと震えると、老人の指を濡らして流れ落ちる。  
「いくら男日照りと言っても…………これは嫁入り前の娘さんがはしたなすぎるのぅ」  
「こ…の……エロ…ジ…ジ……ィ………」  
 もはや声でしか抵抗の意志を表す事の出来ない碧の横顔を老人は心底愉しそうに嘲笑い、花びらを想わせる陰唇をツツ――ッと  
なぞりながら、  
"ぬにゅ……"  
「ぅああッ!?」  
 いきなり、深く中指をぬかるんでいる粘膜の奥に突き挿した。  
 牝の本能なのか、蕩けるように柔らかな肉の感触が、"キュッ、キュッ"と収縮して招かれざる客まで出迎えてしまう。  
「見立て通りのふしだらな身体じゃのぅ ……よしよし」  
 自分の指をねっとりと熱く、まとわりつくように締めつけてくる膣壁に満足すると、人差し指も揃えて二本の指の出し入れさせた。  
 抽送を始めるとすぐに卑猥な水音が聴こえてくる。  
「はひッ……ひッ……あ、ンぁッ……はぁ……んぁッ……」  
 追いかけるように碧の唇からも声が紡ぎだされた。  
 愛液にまみれた指が根元まで呑みこまれるたびに、声のトーンがどんどん上がっていく。  
 羞恥心の鎖に縛られている碧の身体は、悦楽の沼にはまり込み、足掻き沈んでいきながら、いま心までも道連れにしようとしていた。  
 
 快感を溜め込んで肥大している包皮を被った真珠にも手が添えられる。  
「ンッ、ンッ……ふぅッ……はぁ……んぁッ……ぅああッ……あ!?……ああッ………ふぁッ!!」  
 被さるフードを“ちゅるん”と剥き上げられた。痛いくらいの刺激が碧の脊髄を立て続けに走る。  
「あッ、あッ……やめッ……うぁッ……ひッ…ぅああッ!!」  
 老人の指先は真珠をこねくりながら、包皮を剥いては戻してを繰り返す。  
 そのたびに碧の快感は倍返しで戻ってきて、靴の中では爪先が力いっぱいキュッと握られていた。  
「うぁッ…は……ああッ……あ……ぅああッ……ふぅ……うぅ…あ、ひッ……うあぁぁッ!!」  
 膣口から少し奥に入ったところを、老人が鉤に曲げた指先で引っ掻くと、碧は甲高い声を上げて身をよじる。  
 碧の目の奥が“チカチカ”してきた。  
 押し寄せる快楽の波に圧倒されて、後ろに倒れ込むように白い喉を晒して老人の肩にあられもなくもたれ掛かり喘ぐ。  
 それを目の端で見ながら、老人は耳朶に口元を寄せると笑みの形にして囁いた。  
「そろそろ…………こっちが欲しいくないかね」  
 言葉と一緒に碧のお尻を引き寄せると、強張りをピタリとまた谷間に擦りつける。さっきよりもずっと…………熱くて……硬い。  
 そして信じられない事が起こる。碧のお尻がもぞりと、老人の勃起に媚を売るようにくねっていた。  
 
 なに……しちゃてんの………私……………  
「ヒャヒャヒャ だから言ったじゃろ、身体は正直じゃて」  
“トン……”  
 老人は喜悦に顔を歪ませると、オシッコポーズのままの碧の背中を軽く突き飛ばす。  
「きゃぁッ!!」  
 ショーツが中途半端に引っかかっている所為もあり、ガニ股のようなコミカルな体勢でよちよちと頼りなく二、三歩前進すると、  
碧は電車の床に膝を突いた。両腕が使えないので、そのまま顔面から倒れ込みそうになるのを、咄嗟に内股になって堪える。  
 必然的になにもかも丸出しのお尻は、老人に向かって突き出す形になった。その上すぐ目の前、息が掛かるほど近さに、  
「………………はぁ」  
 そこに碧の視線は釘付けになる。ズボンの布地を突き破りそうなほど逞しく、男のそこは勃起していた。  
「ヒャヒャヒャ 破廉恥な娘さんじゃなぁ、そっちも欲しいか! ふむ…………よし特別に許す オマエのもくれてやれ」  
 主人のお許しが出ると、男は碧の視線を充分意識しながら、その硬くなっている強張りを取り出す。  
 赤黒く膨張した勃起は急激なカーブを描いてそそり立ち、顔の表情などよりもよほど饒舌に、男の獣性の昂ぶりを碧に教えていた。  
「うぶッ!? ううッ……」  
 男は手を伸ばすと碧の頭を掴み、唇を狙って強引に勃起を擦り付けてくる。  
 亀頭が刷くたびに、ぬるぬるとした先走りの液で唇だけに留まらず、碧は顔中に淫らな化粧を施されていった。  
 どうやら男の方もいきなり口内を征服しようとは考えてはいないらしく、顔を右に左に背ける碧を嬲るように先汁を塗りつけろ作業に  
没頭している。  
 そして老人は背後から、ニヤケ顔で碧を見下ろしながら“ズルリ”と唇を舐めまわす。  
 白いお尻がゆらゆらと老人を誘うように揺れていた。着物の裾をはだけると、下っ腹に付きそうな勢いの勃起を露出させる。  
 ポタポタと床に恥ずかしい液を垂れ流す秘唇を、親指を引っかけて外側に開いた。勃起を宛がって2、3度擦ってみる。  
 
「うッ…うッ…んあッ……あッ…はぁんッ……」   
 碧がビクリと身体を震わせた。意志とは関係なく、牝の粘膜が牡の勃起に吸いつく。  
 自身のぬめりと碧のぬめりが勃起で混ざり絡み合ったのを頃合に、“ぬちゅり”と先端を宛がった。  
 犯される!!  
 思ったときには、醜悪な勃起がゆっくりと膣口へとめり込んでくる。  
“ずにゅ――ッ!!”  
「ひッ、んぶッ!?」  
 嫌悪と歓喜。相反する二つの声を迸らせる為に大きく開いてしまった口唇にも、男の勃起が一気に根元近くまでねじ込まれた。  
「おお……娘さんの膣(なか)は温かいしワシのに絡み付いてくる、アンタ名器じゃよ」  
 老人は覆い被さるように圧し掛かると、碧が聞きたくもない賛辞の言葉を耳元に囁き、服の裾から手を差し入れると、四つん這いに  
なっている為にいつもよりも豊かに見える乳房を、ブラジャーもずり上げて鷲掴みにする。  
 硬くピンピンに勃起している乳首を、少しきつめに捻り上げた。  
「んンッ!?……はむッ……むぅッ……あ、ンぁッ……はぁ……んぁッ……ひぁッ!!」  
 それが合図だったのか、老人は始めから容赦なく腰を振りたくる。  
“じゅむッ……じゅちゅッ……じゅくッ……じゅむッ…………”  
 その年齢では考えられない強い打ち込みは、一撃目から碧の身体の最奥に重く響いた。  
 さして多いわけではないが、碧のこれまでの男性経験の誰と照らし合わせても、老人のもたらす圧迫感は比べ物にならない。  
 まだ見たわけではないが、あのお尻で感じたあの熱い塊を挿れられたのかと思うと、知らず牝の本能が疼き新たな愛液を溢れさせた。  
 雁首ぎりぎりまで勃起を後退させ、勢いをつけてしつこいくらい突き込まれると、碧の目の奥ではパチパチと電気が走る。  
「んむぅッ…ん――!?……んぁッ……んふ………はぁッ………ンもぅッ!?……んふぁッ……」  
 そんな碧の意識を繋ぎ止めてるのは皮肉にも、喉を子宮口に見立てて乱暴に突いてくる男の勃起だった。  
 
 規格の合わないモノを無理に押し込んでいるので、丸く尖った先端が喉の柔らかい部分を突くたびに碧はえずきそうになる。  
 頬にはくっきりと浮き出ている亀頭の形がなんとも卑猥だった。  
「アンタ達みたいな若い娘さんと本当に出来るのか眉唾もんじゃったが、これは優良サイトを見つけたのぅ……他の娘も愉しみじゃて」  
 老人の洩らした言葉も碧の耳にはすでに入っていない。碧のお尻がもじもじと蠢いている。  
 それは挿し入れられた勃起から逃れようとするかに見えて、その実より深くへの侵入を求めるものだった。  
「うぅッ!?」  
 驚愕で目を見開いた碧の口中に  
 唇を犯していた男が“ブルッ”と腰を震わせると、いきなり濃厚な白濁液が碧の口内でぶちまけられる。  
「ゴホッ!?……んむッ……ハァッ………エフッ………ゴクッ…………」  
 慌てて吐き出そうとするが、頭はガッチリと抑えられて逃げる事もできない。息苦しさに碧は白濁液を飲み込むしかなかった。  
 あらかた吐き出して力のなくなってきた勃起を、男が碧の唇から抜き取る。ヌラヌラと濡れ光る勃起を碧の顔前に持ってくると、  
“びゅッ・びちゅッ!”  
 避けようのない至近距離から、碧の顔に白濁液が容赦なく浴びせられた。  
 この女性の尊厳を無視したようなひどい仕打ちに、碧はきつく目を閉じて、ただ黙って耐え忍ぶ事しかできない。  
 そして碧は顔を白く汚されながら戸惑う。そう……ひどい事をされているのに……ドキドキと胸が高鳴り……身体が熱く火照っている。  
 なんでよ……ちょっと……なんでこんなに胸の鼓動が大きいわけ?……なんで身体が熱くなってるの?……  
 確実に頭の中が混乱している、碧はフリをした。答えが浮かび上がるのが……怖い。そしてこれを幸いと呼んでもいいのか、  
“じゅちゅッ……じゅむッ……じゅちゅッ……じゅちゅッ…………”  
 そこから先を考える余裕までは、老人は与えてはくれなかった。叩きつけるように腰使いが激しくなる。  
「はひッ……ひッ……あ、ンぁッ……はぁ……んぁッ……ひぁッ!!」  
 二人の腰がぶつかる音と、自分の出すはしたない悲鳴、そしてグチャグチャという、靴の中に水を入れたまま歩くような気持ち悪い音。  
 女を牝に変えて淫らに狂わす音。碧の頭の中には、もうそれしか響いてこない。  
 
「ヒャヒャヒャ まったくこのスケベ女、あまり大きな声を出すなはしたない 寝てる方々に迷惑じゃろうが」  
 犬のように背中に圧し掛かり、乳房を乱暴にこねて耳朶を舐めまわしながら老人は囁くが、碧にはそんな事はもうどうでもよかった。  
 それに寝ている者など、この車両にはとうにいない。気づいてないとでも思っているのかチラチラと、碧の身体へ視線を走らせている。  
「ふんッ……度胸のない、言えば混ぜてやらんでもないものを……」  
 そこで一拍おくと、勃起をエグいくらいに傘を広げた雁首のところまで引きずり出し、一気に子宮の奥にぶち込みながら、  
可愛くすぼまっていた菊座に親指を挿き刺した。  
「ンッ、ンッ……ふぅッ……はぁ……んぁッ……ぅああッ……あ!?……ああッ………ふぁッ!!」  
 子宮口にめり込んだ亀頭が“ブワッ”と風船のように膨れて弾ける。  
 碧は身体の最も深い場所に白濁液をぶちまけられ熱いほとばしりを感じながら、白い奔流に飲み込まれて意識を失った。  
「風華学園じゃったな? 朝まで愉しませてもらうんじゃ、遅刻せんように送り届けて差し上げ……クッ……ククッ……ヒャヒャヒャ」  
 電車の床に顔から突っ伏しながらも、碧の秘裂は老人の白濁液をポタポタと垂れ流して、まだひくひくと物欲しそうに引くついていた。  
 
                                         
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