「は………はぁ…んっ…や……やぁっ…ぁん……」
ユメは左胸を自らの右掌で揉みながら切ない声を上げていた。その左掌は自らのショーツに滑り込ませ、下着越しに小刻みに指を動かしている。
「………や……そこ…ぉ…いじらな…いで…っ……お…おねが…いっ…」
ユメは自分の脳裏に浮かぶ彼に懇願する。だが、自慰に耽るその声は明らかに快楽に溺れて色気を帯びていて、普段の彼女を知る者ならばその淫らさに驚かずにはいられまい。
『どうだい…ユメ』
「あぁっ………そ……そんな…ぁ……言えな…い……よぉ…」
ユメの頬は紅く染まり、吐息混じりの声は少し震えている。
『気持ち良いのかい?』
「………ん…いい…きもち…いい…のぉ…指が……すごい…よ…ぉっ……」
『乳首、勃ってるの?』
「……や…ぁ……言わない…でっ………よけい…に…感じちゃう……っ……」
ユメの右掌はいつしか捲り上げたシャツの中に潜り込み、親指と人差し指で自分の乳首を挟み込んで刺激していた。コリコリと硬くなったその感触に、ユメは更に快感を募らせてゆく。
「わた…しっ……やだ…こんなに……なってる…」
『ユメのここ、凄く濡れてる…』
ユメの恥部がくちゅっ、といやらしい音を立てる。
「ひゃ……んっ」
鼻に掛かった甘い声。紅色に染まったその表情は艶っぽさを増し、まだ処女である事を忘れる程だ。
『いい匂いだよ、ユメ…とても甘くて…』
想像の中の彼がユメの淫部に顔を近付け、指で弄びながらクンクンとその薫りを愉しむ。
「だめ…ぇ……そんなところ……恥ずかしい…っ…」
言葉とは裏腹にユメの指の動きはより淫らに激しくなり、くちゅくちゅと水音を立ててその白く細い指を愛液が濡らしてゆく。匂い立つようなその女の薫りはユメの頭を痺れさせて、理性を徐々に薄れさせているようだ。
――くちゅくちゅ……ちゅくっ……ぐちゅ…くちゅっ……………。
「わ…私っ……こんな…あっ…こんな音…させて……はぁん……嘘っ……やぁ……いいっ……いいの…っ………もっ…と…」
自ら快感を告げるユメの口元は涎で艶めかしく光り、薄く開かれた眸には恍惚の色が浮かぶ。
『……もっと…何?』
彼の心地よい声が尋ねる。
「……もっ…と……いじって…っ……かき回し…て………ぐちゅぐちゅさせ…て…ぇ……」
ユメは淫らな欲望を隠そうともせずに悶える。
ユメの恥部は既に指を三本も呑み込み、その太腿をぐっちょりと愛液が止めどなく流れている。
「好き……っ……好きな…のぉ…あんっ……好き…ぃ…大好…きっ……はぁ…っ……あん…あぁ…ぁ…」
ユメは脳裏に浮かぶ彼に想いをぶつける。
『…俺も好きだよ、ユメ……だから』
『いいよ……イッて』
ひと呼吸置いて囁く。
「……んっ……んんっ…私……もう…っ……」
『ユメ…愛してる』
彼が耳たぶを甘噛みながらユメに告げる。
「はぁっ……イ…イクぅ…イクッ…イッちゃ…う…のぉ……っ……」
『イッて、ユメ』
「イクっ……イクぅ、イッちゃうッ……イクッ…イクッ……!」
――そして、ユメは限界を迎えた。
「あああぁぁっ―――!!」
ビクッ!ビクンッ!!
全身を痙攣させて絶頂を表現する。両足がツンと張って小刻みに震えた。
(やだ…私…こんな……恥ずかし……っ……)
ユメは自らの痴態に改めて羞恥心を感じていた。しかしその一方で、尚身体の奥が火照っているのを抑えられない。
(……でも……もっと…あの人に……さわって…欲しい……)
ユメは再び左掌を股に伸ばした。そしてまだぐっしょりと湿った恥部を擦り出してしまう。
「はぁッ……ンッ」
切ない喘ぎ声が零れる。
『もっとなのかい?』
再び脳裏に彼の顔が浮かんできた。
「…うん…………もっと…して………」
ユメは目を閉じて彼に懇願する。
(もっと…いじって欲しい……)
膨れ上がった欲望にユメは抗えない。ユメの左掌の指は再び自らの膣内に潜り込み、粘膜を刺激して快感を高めていた。
「もっと……もっとイジメて…っ……めちゃくちゃ…に……して…」
『……じゃあ、これはどうだい…』
彼の掌はユメの尻を擦り、その菊門を刺激する。
「ひゃあ……ッ」
ユメは思わず高い声を上げてしまう。
(やだっ……私……お尻なんかに………でも…っ……………)
ユメは後ろに回した右掌で自分の尻を撫で回し、人差し指をゆっくりとその入り口に添えていた。
(……我慢…できない…)
一瞬は躊躇したものの、やがてゆっくりと挿入する。
「はァァンッ………」
『ほら…俺の指が入ってくの判るかい』
「あッ……う…ンッ……入って…くるの…ぉ……」
ユメの人差し指の第一関節は既に見えなくなり、更に奥へと侵入していく。
「あぁァッ……ダメぇ……こんな……お尻で……感じちゃ……ああッ……でもっ…い…イイの…ぉッ…」
ユメの指が自らの菊門の中で淫靡に蠢き、さらに快感を貪っていく。
(す…すごい……のっ……前と後ろで……こんなに……ッ………)
自分の膣で指が前後に擦れ合う様な感覚が、ユメの平常心を奪い去る。
「おかしく……あッ…おかしく…なっ……ちゃうよぉ……」
『目茶苦茶にして欲しいんでしょ?』
彼は柔らかい笑みを携えて静かに言う。その目の前で痴態を晒して喘ぎ続けるユメ。
「あ……また……イッちゃう……イッちゃ…う…の………ッ」
ユメは自分の中で激しく掻き回す指を止められない。それは彼の指だから……と無意識に自らの淫乱さを誤魔化している。
ぐちゅッ…ぐちゅッ……
じゅくッ…ぬちゅぬちゅ……
(あ……スゴく……エッチな音が……私の中で…っ……)
ユメの頭の中は昇り詰める快感に白く塗り尽くされて思考が朦朧とし、ただひたすらに性欲を貪る様に変貌していく。――そこには普段の清楚で純朴な少女の姿はなく、淫靡な欲望に溺れる牝の本能だけが残っていた。
ユメの両手の指は、自らの下腹部で互いの振動を意識させつつ、快楽のままに躍動し続ける。
「わ……私っ……イクッ……お尻と…あ…あそこを…イジられて……………イッ……ちゃうよ…ぉ…」
『いいよ…イッて』
彼の声が、僅かに残ったユメの抵抗心を奪う。
「…う……うん…ッ………イク…ッ……イクぅ……イッちゃう……ッ」
眸には涙。
全身から汗。
口元から涎。
そして、陰部からはぬめった愛液。
ユメは身体中を濡らして快感を示していた。
火照った身体から何かが駆け上がる感覚が募る。
「あっあっあッあッアッ」
まるで盛りの付いた雌犬のような高い声。
そして。
「はぁッ…あッ…ああぁぁぁぁぁ―――――――――!!!」
背中を仰け反らながら一際高い嬌声を上げ、ユメは再び果てた――――。
薄暗い部屋。
二度に及ぶ淫らな行為を終えて、ユメから溢れた甘い匂いがほのかに立ちこめていた……。