ユメ凌辱[終宴]  
 
 
天井に向かって揺らめく白煙。ユラユラと不安定な軌跡を描き、やがて拡散してその姿を留めなくなる。  
俺は自室のベットで仰向けに寝そべりながら何本目かの煙草に火を点けた。  
 
 
この前、奴と二人がかりで犯して以来、俺はユメに連絡を入れていない。何となく、気分が乗らずにいるのだ。咥えた煙草から立ち昇る煙の白と、首元の魔法石の鈍い黒とをぼんやりと見比べる。  
 
……どうしたんだ俺は。  
あの日以来、只でさえユメとの淫らな逢瀬の為にめっきりサボり癖が付いたバイトには殆ど出ていない。ただ日々を浪費し、買い溜めていた煙草のカートンを浪費している。  
煙草の灰を払うついでに部屋の中を見回す。幾度と無くユメを嬲り犯したこの部屋。このベットの上でも様々な趣向でユメを責め、その膣内にねじこんだ。  
だが、今は何故かあれ程に際限無く膨れ上がっていた欲望がすっかり姿を潜めている。  
 
不意にあの時のユメの顔が脳裏をよぎる。  
奴に後ろから貫かれ、縋る様な目をしたあの表情。  
「………チッ」  
舌打ちして、煙草を枕元の灰皿で消す。  
何だ。  
何故こんなにも気になるって言うんだ。  
苛立ちが抑えられず、俺は再び煙草を取り出すと、また火を灯した。  
 
 
その刹那。  
俺の携帯がメール受信を告げる短いメロディを鳴らした。  
ベットから体を起こし、携帯を握る。  
 
メールはユメからだった。時折、自分の予定が解り次第連絡するようにも命じてあったが、実際にメールが来たのはこれが数回目だ。  
 
『明日は先生たちは出掛けの仕事で次の昼迄は戻りません。』  
 
本文には簡潔に用件だけが記されていた。  
俺は意を決し、明日事務所に向かう事にした。その旨を伝える返信をして、携帯を充電機に戻す。  
何はともあれ、ユメを味わうのが先決だ。俺は再びベットに身を沈めた。  
 
 
 
そして次の日が来た。  
俺はTシャツに一枚薄手のカッターシャツを引っ掛けて自分のアパートを後にした。勿論、胸ポケットに避妊具をしまうのを忘れてはいなかった。  
 
 
事務所に着くと、ユメは俺を中へ通す。考えてみればここに来るのは初めてユメを襲ってフェラを強要したあの時以来だ。その日と同じく、ユメは魔法局研修の制服に身を包んでいる。  
 
「久しぶり…です」  
ユメは頭を下げる。これから嬲られようとしている相手に対して何を考えているんだ?その辺は遠目に見ていた頃と印象は変わっていない。  
「今日も愉しませて貰おうか」  
俺は敢えて淡々と言った。  
 
ユメは俺を上の階の自室へと連れてきた。小さな机と椅子が一組、そしてシングルベットがあるシンプルな間取りだ。窓際の小さな鉢植えに花が飾られている。  
ユメは部屋の照明は点けずに、机上のライトだけを灯してこちらを振り返る。  
「さて早速」  
俺は悶々とした思考を振り払うが如く、単刀直入に用件に入る。  
「まずは着ている物を全部脱いで貰おうか」  
「………」  
ユメは何も言わず、俺の目の前で服を脱ぎ始めた。  
パサ…パサ…。  
着衣が擦れる僅かな音だけが部屋を支配する。  
 
「全部…脱ぎました」  
ユメは右手で両胸を、左手で股下の秘所を隠して僅かに身体を震わせる。  
「手が邪魔だな」  
冷たい言葉を浴びせる。  
「………っ」  
ユメは唇を噛み締め、両手を外してその肢体を露にした。  
小振りながら形の良い胸。薄い恥毛の奥に陰唇が覗き見える。まだあどけなさを残す少女の身体に舐め回す様に視線を浴びせる。  
 
「次は俺の服を脱がせるんだ」  
俺は次の命令を飛ばす。  
「は…い…」  
ユメは俺の方にゆっくりと身を寄せた。  
上着を取り、Tシャツを脱がせる。そして俺の前に膝まづき、たどたどしい手つきでズボンを引き下ろす。最後に残された一枚に手を伸ばそうとして、ユメの動きが一度止まる。  
俺は無言で顎を動かし催促した。ユメは意を決してか俺の方に再び手を伸ばし、ゆっくりと最後の一枚を降ろした。ユメの眼前に俺の肉棒が曝される。  
 
「準備は済んだな…」  
そう言って俺はそのままユメをベットに押し倒した。「きゃっ…」  
ユメは驚いた様に小さく声を上げる。  
「さぁ、先ずは舐めて貰うぜ」  
 
 
ちゅく……くちゅっ……  
「んっ……ふぅっ……ん……んんっ……ぅん……」  
ユメは俺のモノを咥え、懸命に奉仕をする。俺の肉茎に添えられた柔らかい掌を上下に扱きつつ、淫靡な水音を奏でる。俺の分身はユメの口内で更に肥大を続けて行く。  
 
「いいぜ…次はお尻をこっちに向けるんだ」  
ユメに俺のモノを咥えさせたまま身体を反転させ、跨ぐ形にさせる。ちょうど俺の眼前にユメの湿り出した陰唇が差し出される。  
俺はユメの恥毛を手で掻き分け、露な恥部を舌で舐め回し始める。  
「ンッ……ひゃあッ……」  
「口を留守にするな…そのまま続けろ」  
一瞬口を離して声を洩らしたユメに、追い立てる様に告げる。その言葉にユメは再度俺自身を口に含んで行為を続ける。  
 
ぐちゅ……ぐちゃッ……くちゅ…ぐちゅっ………。  
ぬちゅっ……ちゅくッ…ちゅ……くちゅっ……。  
俺とユメが二つの口で奏でる淫らな水音が混じり合って耳に届く。俺は痺れる様な快感をじわじわと昂ぶらせて行った。  
「……ん……んんっ……ふぅ…ンッ………」  
ユメが洩らす艶めかしい声がやけにはっきりと響いて来る。  
 
何だ…この感覚は?  
 
込み上がる感情は性的な欲望だけでは無かった。胸の中心から締め付けられる様な、安堵にも似た思い。それは次第に性欲をも上回って行くように感じられていた。  
 
 
「よお…し…」  
俺はユメの甘い愛液に濡れた口元を舌で舐め取り、身体を起こした。  
「……ん……はぁん…」  
ユメは潤ませた眸を俺に向ける。その表情から、ユメの身体が熱く火照っているのは明白だった。  
「そろそろ挿入して欲しいんだろ?」  
俺は脱ぎ捨てられた自分の上着のポケットに或る避妊具を取ろうと手を伸ばす。  
「…ま…待って…」  
ユメがその手を掴んだ。  
大した力は無い筈だが、何故か俺はその手を振り払えなかった。  
「どうして……」  
ユメが独り言の様に呟く。  
「どうして…私なの」  
質問の意図が解らない。  
「……どうして…私にあんな事をしたんですか?」  
俺は多分、呆気に取られた顔をしたのだろう。  
「何言ってるんだ?只毎日かったるいし、やりたい事も無かったし。そんな時にお前を見掛けて、それで俺の物にしてやろうと、それだけだ!理由なんかねぇよ!」  
俺は一気にまくし立てた。理由が無い、と言いつつもそれに類する事が何故か口から出ていた。  
それを聞き、ユメは再度口を閉ざす。  
 
……何だ?何なんだ?  
ユメの不意の問い掛けに、俺は困惑していた。  
すると、ユメが俺のモノにそっと右手を添え、そのまま扱き始めた。  
「なっ……」  
俺が言い掛けると、ユメは右手を動かしつつ俺の上に覆い被さる姿勢になった。そして小さく口を開き、舌を俺の体に這わす。  
ちろちろとユメの赤い舌が俺の胸板辺りを丁寧に舐める。そしてその舌はやがて俺の乳首に辿り着き、普段俺がユメにする様に舐め回した。その間も右手は俺の肉棒を扱き続けている。  
 
予想外のユメの行為に戸惑いつつも、俺はその心地好さに抗えずに身を委ねる。  
「うッ」  
思わず声を洩らした。  
その声を聞いてか、ユメが上目遣いに俺の顔を伺う。  
「気持ち…いいですか…」  
自らの唾液で唇を艶めかしく濡らしたまま、ユメは思いも寄らない台詞を口にした。  
 
「何だ…何を考えてる!」  
俺の声は思いがけず上ずっていた。  
「あなたは…」  
ユメは右手を止めて添えるだけにして話し始めた。  
「何か……辛い何かを、抱えているんじゃ無いんですか…?…だから、それを埋めようとして、こんな…」  
再び右手で俺を刺激する。  
「こんな事をして、いるんじゃないですか…?」  
 
「ふ…ふざけんなッ!何を根拠にそんな寝言ほざきやがるんだ!俺はッ」  
俺は語気を荒げてまくし立てるが、ユメの右手の感触に俺の肉棒は硬さを増していく。肉体と精神のバランスが俺の中で揺らぎつつあった。  
 
「私……最初は分からなかったんです…。こういう事が…だから…」  
ユメは体の位置を下にずらし、頭を俺のそそり立つモノの辺りまで移動させながら言う。  
「…こんなにも…気持ちが高ぶるのが……不思議なんです…」  
そして俺のモノを両手で包みつつ、愛おしそうに丁寧に舐めていく。  
「…あなたが……その……気持ち良くなる時……何だか安らかな顔をしてるのを観てから……私……あなたの為に、してあげたいって思う様になったんです」  
ユメの舌が、俺の裏筋に触れた。背筋がゾクッとする様な感覚が俺を貫く。  
「だって、何だかんだ言っても…私の……その……中には、しなかったし」  
ユメは口を離し、掌での愛撫に集中し始める。右手で上下に肉棒を扱きながら、残る左掌で袋を優しく撫でていく。  
「な……にを…ッ…うッ」  
「だから……私、今日は……あなたに……」  
ユメが俺に顔を近付けてきた。息が触れる程の距離で俺の目を見つめ、ユメが真っすぐな眼差しで言う。  
「…ちゃんと、抱いて…欲しいんです……」  
 
ユメは一体何を言ってるんだ?  
俺は完全に狼狽していた。自分を襲い、汚した男に対して「抱いて」だなんて?それに、暫らく前から既に自ら望んで身体を差し出していた、だと?それじゃあこの間のあの表情は…。  
心臓を鷲掴みにされているかの様な感覚が、俺を支配していた。  
 
「お願い……します」  
そう告げるユメの唇に、俺は吸い込まれる様に自らの唇を重ねていた。  
「!?………」  
ユメは目を驚きに大きく見開いたが、すぐに瞼を閉じてそれを受け入れた。そして何回か軽く唇を離しては重ねる。  
「……ふぅ……ん……」  
ユメが小さく溜息を洩らしたのを聞き、俺は自分の舌をユメの口の中に潜り込ませた。ユメは最初は口を閉ざそうとしたが、やがて不器用にその舌を絡ませて来た。  
ぬちゅっ……ちゅく…ちゅくっ………くちゅっ……ぬちゅ……ちゅっ……  
俺とユメの舌が互いの口内で絡み合う。俺はユメの唾液を貪る様に更に奥へと舌を滑り込ませる。  
「…んんっ……んん…っ……ふぅっ……ふぅ…ん」  
ユメの口から、互いの絡み合う唾液と共に喘ぐ声が流れだす。俺は右掌でユメの乳房を愛撫しながら深い口づけを続ける。  
「ん………ふぁ…んっ」  
ユメの甘い声に、俺は痺れる様な感覚を一段と昂ぶらせる。  
 
既に、ユメの秘所は溢れ出した愛液で濡れそぼっている。ユメは両脚を開いたままベットに横たわる。  
「………入れるぞ」  
俺はユメの両肩を抱いて静かに宣言する。ユメは小さく頷いた。  
「…はい……入れて……下さ…い……」  
今まで強制して何度も言わせたユメの台詞。同じ台詞でも何故か全く別の言葉の様に俺の耳に届く。  
俺は自らのモノをユメの陰唇にあてがう。そして、俺はゆっくりとユメの中へその身を沈めていった。  
 
「はぁぁぁっ……あ…っ……熱いっ……」  
眸をギュッと閉じてユメが俺の下で悶える。その姿に俺の中の感情が更に膨れ上がる。俺は腰を使ってユメの身体を突き上げた。沈み込ませた男茎が膣内の奥の襞に当たる。  
「はぁッ……おく…に…あんっ……あたって……っ……あたって…るぅ…」  
ユメは喘ぎながら両腕を俺の背中に絡ませて来た。その汗ばんだ感触も俺の快感を更に募らせる。  
 
ぱん……ぱんっ……ぱん……っ……  
腰を打ち付ける音が、身体を通して伝わって来る。俺の動きに合わせてユメもその腰を振って快感を貪っていた。  
「あっ……きも…ちい…あんっ…いいの…ぉっ……もっと……はんっ……もっ………とぉ……っ…」  
口元から一筋涎を垂らしながら、ユメがはしたないその淫らな感情を吐露する。その言葉に応える様に、俺は腰の動きを加速させた。  
「ああ……凄い……気持ちいいぞ……」  
俺も臆面も無くその快感を言葉にしてユメに告げる。  
 
かつてない程の快感に俺は腰の動きを緩める事が出来ない。それはユメも同じ様子であった。両の乳房を俺の胸板に押し付けつつ、何度も俺に口づけをする。それに応えて俺も舌を絡ませて、唾液をユメの口内に流し込ませる。  
ぐちゅ、ぐちゅ……ぬちゅっ……ぐちゅっ……。くちゅくちゅっ……ちゅく…ちゅ…っ……。  
上下の口で淫靡な音色を奏でながら、俺達二人はお互いに昇り詰めてゆく。  
「あぁんっ……きもち…いいです…かっ……私…の……なか……っ」  
「うあ……いいぞっ……ヌルヌルで…ッ……」  
ユメの問い掛けに応えながら、俺の中で射精感が駆け上がり、最早我慢しきれない。だが、このままでは…ユメの…。  
「だ…だい…じょうぶ……で…すっ…」  
ユメは俺の心を読んだかの様に、途切れ途切れに言葉を発した。  
「きょう…は……だいじょ……ぶ……ですか…ら………だから…っ………」  
潤んだ眸を俺に向ける。  
「……だして……くださ……っ…い………あなた…のを……私…の……なか……に……っ」  
ユメの表情には安らぎすら浮かんでいる。そして、耳元で俺の名前を囁いた。初めて、その言葉を聞いたような気がした。射精感と共に愛おしさが込み上がって来る。  
「……ユメちゃん…っ……う…出すぞッ……ユ……ユメっ…ユメ…ッ……!」  
「あっあっ…あっ…あっ……あんっ……い……イク……イッちゃっ……イッちゃうッ…………!」  
 
―――一瞬、頭の中が真っ白になり、そして俺はユメの膣に全てを吐き出した。  
 
 
 
「……はぁ…はぁっ……はあっ……は…ん………」  
俺を受け止めて、ユメはぐったりと崩れ落ちた。その秘壺からは俺の精液が溢れ出している。……………俺は心地好い疲労感の中でユメを見つめていた。  
この華奢な身体で、俺を、俺の奥底の闇を受け止めたこの少女が堪らなく愛おしい。俺は自分自身に芽生えた感情に驚いていた。  
「ユメ……」  
その小さくて大きな身体を抱き寄せる。  
「………………有難う」  
知らずにそんな言葉が口から出ていた。ユメがゆっくりと肩に手を回して来る。  
不意に、その左手の中指の指輪から青白い光がほとばしった。  
 
―――心を込めて―――  
 
イルカの鳴き声が聞こえた気がした。俺はその光に包まれると、心が穏やかになっていくのを感じた。  
 
気が付くと、首から下げた魔法石が音も無く崩れ去っていた。  
 
 
 
「……それじゃあ、故郷に帰るんですか?」  
 
あれから一週間。俺は部屋を引き払い、田舎に帰る事にした。勿論、携帯やデジカメに残したユメの痴態は全て消去した。  
「色々、すまなかったな」  
俺はユメに頭を下げる。  
「いえ、気にしないで下さい」  
ユメは笑顔で答える。  
 
後で聞いた話だが、例の魔法石は「対象が拒絶した場合のみ魔法を無効化する」性質を持っていたそうだ。だからあの時、俺がユメを受け入れ、ユメが俺を受け入れた為にその効果が失われたらしい。  
更に、魔法石が破壊された場合にはそれまで蓄積された魔力が解放されて、その反作用が対象に働き掛けて様々な回復効果があるそうだ。その結果、ユメの体の変化は全て無効化されたのだった。  
 
「それじゃ研修頑張れよ…って、俺に言われたくはないか」  
「いえっ、そんな事ないです。立派な魔法遣いになれる様に頑張ります」  
ユメの瞳には迷いは無い。きっと、その願いは叶えられる筈だろう。俺はそう信じている。  
「じゃあな」  
俺はユメに背を向けて手を振り、そのまま改札へと歩き出した。  
 
 
夏の空は高く、遥か先まで青く澄み渡っている――。  
 
 
――完――  
 
 

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