敗北は常に苦い…
それが非力な女の身であるならばなおさら辛い
傷ついた最愛の兄の身代わりとなって戦ったレイナ・ストールであってもそれは同様だった
「……っんくぁ、ふぅ、ハァーッハァーッ」
必死の思いで唇を割る喘ぎを噛み殺す
身も心も既に限界が近い
最初から敵の標的は自分であったのだろう
兄の代わりにのこのこと敵の大群の前に挑んでいったレイナは自らの半端な強さとそれを頼りにした未熟さのツケを嫌という程に払わされた
嵐のような攻撃を捌き切れず身体各所の装甲を打ち抜かれて四肢を串刺しにされた
鋼の塊の拳で幾度も腹部を殴られ、その箇所は蜘蛛の巣のような罅が走り激痛を生み出している
弱々しく抗う両腕は背後から捻り上げられて関節を破壊されてしまった
幾度頭を踏み詰られながらドリルとジェットが姿を現すのを期待しただろう?
幾度兄へと助けを泣き叫んで求めただろう?
折れた心に剣狼は応えず、助けが現れる事もまた無かった
暴虐の時間はどれ程に続いたのだろう?
気がつけば兄にジェット、ドリルは物言わぬ姿となって不恰好なジャンクで組まれた十字架に磔にされていた
その足元にはへし折られた剣狼、入るべき主を失い天に祈るように両膝を突いたボロボロのバイカンフー…
「ロ…ム、にい、さんっ…」
無敵と信じた兄、親しんだ仲間の無惨な姿にだらりと四肢を垂らして敵のごつい手で頭を鷲掴みにされ吊されたレイナは事の経緯を悟る
誘い出され捕らわれた自分を人質に兄達は拳士として戦う事すら許されず、ただひたすらに不屈な魂で逆転の刻を待ちながら処刑を甘んじて受けたのだ
妹であるレイナもまた同じように不屈の闘志で敵の隙をついて敵の手を逃れ逆襲のチャンスを作ってくれると信じ…
だがそれは幻想。現実のレイナは戦士の心を粉々にされただの無力な女となって敵に許しを乞い、無様に冷酷な支配者の足に可憐な舌を這わせ、ただひたすらに兄達の助けを望んでいたのだ
兄達が今まさに自分の助けを待ち望みながら処刑されようとするのも知らずに
(私が…、私の責でロム兄さん達は……っ、ごめんなさい私が一人でも戦えるなんて思ったばかりに!)
無敵の兄の側にいる事で自分もまたそうであると自惚れていた、どんな時にでも兄は助けてくれると愚かにも盲信した
そんな自分が一人先走った報いとしてはあまりにもこれは必然
後悔の涙が泥と埃と血に汚れた頬を伝わった…
「ぅあっ!だめ……、だめっ、だめぇっ!」
熱い溜め息を吐き、必死にかぶりを振る
兄達との永遠の別れから数時間を経てレイナは襲い来る快楽に耐え続けていた
身体の各所の性感帯にローターを貼り付けられ、二度と動く事のないバイカンフーの内部へと強引に放り込まれてしまった
動かぬバイカンフーの手足に身動きすら許されずに込み上げる快楽に曝されてレイナは死んだ兄達に報いる最後とばかりに耐え続けていた
兄達の命を奪った憎い相手からの責めに快楽を覚えるなど決して許される事ではない
だがしかし…
「あ…あ…もう…もう…止めて…止めて…わ、たし…もう…もう…」
止まぬ一番弱い箇所達への意志なき的確な責めにレイナは限界を迎えつつあった
途切れなく全身を包む心地良い快楽、そして心を崩していくバイカンフーの内部に今も漂う最愛の兄の残り香
「いや、いやぁ!イ、イ…クゥ、いっちゃう!」
今まさにレイナは脆くも最後の瞬間を迎えつつあった