「かぁずきクン」  
早朝、布団の上に何かが乗っかってきた。  
せっかくの睡眠を中断されて、思わず多量の魔力を放出させて、どっと疲れた。  
 
その時、白い霧かモヤのようなものが立ち込め、庭も、その霧に包まれた。  
が、式森和樹は気が付かない。すごく眠いだけだ。  
「何だよぉ」  
とりあえず返事をしたものの、まだ寝足りない。  
「和樹君、お友達が遊びに来たんだよ。起きてよ。」  
上に載っているモノがさらに付け加えて言うと、体を揺する。  
 
また、思わず、先ほどより多量の魔力を放出させて、さらに疲れと眠気を呼ぶ。  
白い霧かモヤのようなものが更に濃く、視界を悪くした。  
「うわぁ」「きゃぁ」「何?」と言う叫び声と同時に、ドタバタといくつもの、何かが倒れたか、落ちたか、ぶつかったか、している。  
 
仕方なく目を開けると視界が暗い。顔の上にも何か有るようだ。  
「ん?毛布?」  
そういえば重い。  
「おはよう、和樹君。お天気良いから遊びに行こうよ。」  
そういえば、今日は学校は休みだ。今日から3連休。  
顔の上から声が・・・。だれだっけ。  
「君」だと舞穂ちゃんだけど、違うし。  
 
「あ、入ってきちゃった」  
コレが舞穂ちゃんの声。  
「え?私。部屋の外にいたんだけど、誰かわからないけど私をテレポートさせたんだ。」  
だれえ?  
夕菜でもないし、玖理子さんでも凛ちゃんでもない。  
「舞穂も一緒に行って良い?」  
「いいよ。遠く離れると、二人の魔力で世界中が困るのでしょ?」  
「うん」  
 
「じゃあ舞穂ちゃん、私が起こすらお出かけの準備して来て。」  
「黙って先に行っちゃあ嫌だよ」  
「大丈夫」  
パタンとドアが開き閉めされた。  
 
「和樹君、相変わらずだね。休みの日は寝てるのって。」  
んー。だから誰?  
「ほら、舞穂ちゃんが来ちゃう前に起きないと。」  
更にユサユサ。いやに熱心だな。だけど誰だっけ?  
 
・・・・・・  
 
「おまたせぇ、あれ。まだ起きてないの?」  
「起きてこないの」  
「じゃあ、舞穂、脱いじゃう」  
なんかトンでもない発言が。  
「ダメだよ。。。ってもう遅いか。」  
「えへへぇ。和樹君、覚悟は良いかな。」  
と、布団の中に熱い何かが入ってくる。  
「あー舞穂ちゃんズルイんだ。じゃぁ、私も」  
布同士がこすれ合う音がしばらくする。 と  
「和樹君、起きない罰だよ」  
さっきより大きく、更に暑いモノが入ってくる。  
両側から挟まれて、熱いし、身動き取れないし、不快だ。  
「脱がしちゃおうか」「うん、剥いちゃおう」  
ゴソゴソ。  
「やめろ、ボタン外すな。  
 何腰を持ち上げてるんだ。ダメだよ、それ。うわ。パンツまで。  
 人を呼びますよ」  
ボクがいくら大騒ぎをしても、両腕、両足を押さえつけられているから自分が思う通りに身体が動かせない。  
両脇のモノに支配されている。  
「和樹君がさっき出した魔力で、千早さんと舞穂以外の寮生はみーんな、動けないの」  
ああ、そうか、もう一人の声は山瀬か。  
 
え?山瀬?京都にいるハズ。なぜ、ココに?  
それより、捕まったらマズイ。見つからない様に隠れないと。  
 
「和樹君、中学生の頃から、さらに、スベスベな肌になったね。」  
うわ、どこ触って、山・・・  
「眠り姫って口付けで起きるんだよ。私の、眠り姫も同じかな?。」  
舞穂ちゃ。。。ウグ  
いきなり唇が塞がれた。  
「あ!千早さん!ずるい。じゃあ、舞穂はコッチ」  
胸に何かが乗っかる。うわ、やめ!乳首を舐めないで。  
 
舌が入ってくるし、胸はくすぐったいし、手足は動かないし、でも眠いし、どうしちゃったんだろう。  
そういえば相変わらず周りも見えないし。  
何か変だ。ココまでされて、起きられないとは普通じゃない。  
起きなきゃ、でも、身体を動かせない。どうしちゃったんだろう?  
「あ?8時過ぎちゃったね。舞穂、食べ物持ってくる。」  
「私も手伝うよ。和樹君の冷蔵庫何が入ってるかな?」  
うわぁ。ろくな物入ってないから開けないで。  
って、ボク声も出ないし。どうしたんだろ?  
二人も出て行ったから起きられるハズだけど、手足は相変わらず動かない。  
「口移しで食べられるものが良いよね。和樹君には。」  
「そうだね。」  
え?なぜ口移し?  
その前に起きないと。脱がされたパンツと寝巻きで良いから着ないと。  
あ、そうか、身体動かせないんだ。どうしよう?  
 
「和樹君、何年ぶりかな?私と朝、一緒にいるの。  
 子どもの時は、よく私の家に泊まったよね。  
 一緒にお風呂に入って、同じ布団で寝たっけ?」  
そういえば、小学生くらいまで、何日間か連続で泊まったっけ?  
「結婚したみたいで嬉しかったんだよ?」  
なんだ?それ?そう思ってたのか?知らなかった。  
 
「できたよぉ」  
「できたね、ほら和樹君。寝てないで座って。」  
両脇を手で支えられて、上半身を起こす。  
でも相変わらず、周りは見えないし、手も動かない。それどころか支えられている。  
ボク、どうしちゃったんだろう?  
上だけ寝巻きを羽織らされた。  
 
「お口アーンして」  
舞穂ちゃんの声だ。  
唇が重なり、温かい、どろどろしたものが口の中に入ってくる。  
そう、コレは、塩?醤油?少し辛い。  
「和樹君、味は?おいしい?」  
舞穂ちゃんの声だから、これば山瀬の唇?  
唇が離れる。  
「もう一回、お口アーン」  
また舞穂ちゃんの声。  
山瀬からの口移し。夕菜に見つかったら、水びたしになるか?火あぶりになるか?  
「だめだよ、和樹君。いまは千春さんと舞穂の事だけ見て。他の人たちの事は考えないで良いよ。」  
舞穂ちゃん。そんな事言われても困るよ。  
 
あれ?今度はご飯か?粒粒が有る。  
 
そんな事が数回続く。  
 
「千早さん。和樹君のあいてだけしてると、食事できなくなるよ。」  
「大丈夫。和樹君と朝一緒にいられるだけで胸いっぱい。幸せいっぱい。」  
山瀬?  
 
「和樹君、トイレ大丈夫なのかな?それから歯磨きもしないとね。  
 ほら、立って。  
 パンツはトイレ終わってからで良いよね。さっき無理に脱がしちゃったし。」  
下半身丸出しなんて、しかも、女の子二人の前で。  
 
って?アレ。感覚がない?  
二人に手を引っ張られて、連れて行かれる。  
「ここに座って。出せるなら出してね。これから出かけるから」  
あれ?なぜ下に向かって出るのかな?  
「終ったみたいね。カブレないように良く拭こうね」  
山瀬の声だ。脚を広げられて、紙と手で覆われる。  
おかしい。絶対におかしい。  
「なんだ?どうなったんだ?」  
と言った。  
 
つもりなのに、声は出ていない。変だ。  
「和樹君。後でお話しするから。今は、ごめんね。先に歯磨きしようね。」  
舞穂ちゃん?  
なぜか床に寝かせられる。  
「和樹君。枕だよ。ちょっとだけ頭を上げて」  
枕は枕だけど、この感じは?  
手で触ってみる。二本の暖かく柔らかい棒?  
その奥は繋がっている?  
そこから一本の太い棒の様なモノが上に向かっている。少しでこぼこしてる。  
「お口アーンして。」  
舞穂ちゃんの声が上の方から聞こえる。  
 
するとブラシが口の中に入ってきて、規則的に上下、左右に動く。  
だんだん口をあけているのが辛くなってきた。  
 
「終ったよぉ」  
山瀬の声だ。  
「じゃぁ、うがいしようね。和樹君立てる?」  
舞穂ちゃん  
 
またも支えられて、歩かされる。  
「はい」  
といって、水の入ったコップを渡される。  
口に含んで、下を向こうとるすると。  
「ごめんね。こっちなんだよ」  
と頭の後ろを押さえられる。  
「口を開けて、口の中の水を出して。」  
絶対、今日のボクは変だ。  
 
・・・・・・・・  
 
「和樹君。着替えて手伝うね。」  
舞穂ちゃん?  
「和樹君、違和感有ると思うけど。コレ着られるかな」  
ランニングシャツ? にしては肩が紐みたいに細くって、背中の上半分くらいまで?  
胸の下までというか?  
 
パンツもいつものボクサー型やトランクスでなくて、ブリーフ?  
 
そして、両手を握られて、腕に服が  
手の大きさから、右は舞穂ちゃん、左が山瀬か?  
前がボタン止め、は良いのだけど、長さが長い気がする。腿くらい?  
 
そして靴下がなぜか膝上?  
 
その上、髪の毛にブラシと櫛が入って、右脇で「パチン」と音がして留められる?  
 
「わー、似合う。舞穂より格好良いかも」  
「和樹君、ばっちりだよ。素敵だよ」  
 
どこがだよぉ。まるっきり女装だよぉ。ボク男の子なのに。  
男の子?  
そういえば、さっきトイレで?  
あれぇ?  
 
「舞穂ちゃん。?私の服だから、少し短いかなぁ。10cmくらい背が違うし。  
 でもコレくらいの丈だと、制服に比べれば長いから、変では無いよね。」  
「そうだね、似合うよ和樹君。」  
 
いやだ、いくらなんでも女装で出かけたら笑いものだ。  
寮で、学校で、どういう扱いされるかわからない。  
 
「とりあえず、私に丁度良かった服が着られるのは運が良いよね、和樹君  
 玖理子さんの服なら、丈もぴったりだと思うよ。  
 そうそう、下着も私のを着られるから、あげるね」  
だから何で女装を・・・・  
「で、私、和樹君の服や下着を貰いたいけど良いかなぁ?  
 丈を詰めれば着られるはずだから」  
え?山瀬?  
「好きな男の子の服を着るのって、お泊りしたとき以来だから、和樹君良いでしょ?」  
「だったら、今日のお出かけは、舞穂のだけになるね。  
 そうだ。和樹君コレあげるね。大事にしてね。」  
髪の毛を小さい手がすくう。と、頭の右上と左上で髪の毛に何かが付く。  
??  
 
「千早さんと和樹君のように、お友達同士で良いなんてうらやましいなぁ」  
何を言ってるの舞穂ちゃん?  
「和樹君、勝手にクロゼット開けるね」  
え?クロゼットって何?   
「服を入れて有る、押入れのことよ」  
あ、ダメ勝手に開けないで。  
「全部出して、私が持ってきた服や下着入れておくね。  
 下着はどこに有るの?」  
だから、何荒らしてるの。止めてよ。  
 
相変わらず、身体が動かせないし声も出ない。  
「じゃあ、説明するね。  
 彩雲寮と朝霜寮とに住んでいる生徒は、全員、男女入れ替わったの。  
 だから、服も靴も下着もみんな、揃えないといけなくなったの。  
 だけど、和樹君と千早さんは入れ替えれば良いからしばらくは困らないよ。  
 それから、千早さんと舞穂はずっと起きていられたけど、和樹君は倒れちゃったから起こしたの。  
 それ以外のみんな、玖理子さん、夕菜さん、凛さん、や、他の生徒は、あと数時間から何日間かは起きてこられないの。」  
説明になっているのか、いないのか。とにかく舞穂ちゃんはそう言った。  
 
「和樹君のパンツ、ここに有るんだ。うん。石鹸の匂いだから洗濯はしてるのね。」  
 じゃぁ、早速、履いちゃう。」  
うわぁ、止めて、恥ずかしい、というか、他人の下着着るのって嫌じゃないの?  
と、いうか、もしかして裸?  
「それと服もね。ズボンのすそを少し上げれば、胴回りも、お尻も丁度良いな。  
 わー、嬉しいなぁ。高校生になっても和樹君の服が着られるのって。」  
「千早さん、ずるいー  
 舞穂も、和樹君の服や靴が着られたら良かったのになぁ」  
と二人ではしゃいでいる。  
 
男女の入れ替わり。誰かの魔法だろうけど。どうして寮生が?  
それから舞穂ちゃんと山瀬だけ倒れなかったって?他の生徒は倒れて起きて来られない?  
どうしちゃったのだ?  
 
起こされる前は何をしていたっけ?思い出そうとすると、激しい頭痛に襲われた。  
「ほらほら、和樹君。これからの事だけ考えて。昔のこと振り返っちゃダメ」  
と山瀬に窘められる。  
 
と、トンでもない事に気が付いた。そう、男女逆。  
今までは「出さなければ」遺伝子は、玖里子さんからも、凛ちゃんからも、夕菜からも守られてきた  
だけどコレからは  
「出される」「挿れられる」立場に変わる。  
玖里子さんに迫られ、生で差し込まれ中に出されたら?  
赤ちゃん産むのがボク?  
 
遺伝子目的でないのは、舞穂ちゃんと山瀬だけなんだけど?  
 
 
 

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