番外編  
「悪魔は忘れたころに」の巻  
 
季節は3月・・太陽の日差しも暖かく昼寝などもさぞ気持ちいいだろうこの季節・・  
「式森様・・申し訳ございません・・自分の体調管理も出来ない・・メイドで・・」  
「いいって・・別にリーラが悪いわけじゃない」  
そう、物事は忘れたころに再び・・とか言うように今更ながら風邪を患ってしまったのである  
話は多少時間を遡る  
「お早うございます・・式森様・・ごほん!」  
「ん?どうかした?何時もと違うね・・」  
メイドに気を掛けるのも彼の特性だと思う、普通ならば余り気など掛けはしない  
「いえ・・なんでも・・ありません・・ごほ!ごほ!」  
口元を手で押さえ苦しそうに咳をする  
「ひょっとして・・風邪・・かい?何か変だと思ったけど・・声が変なんだ」  
「この程度・・問題・・ゲッホ!ありません・・それに式森様にご心配をお掛けする訳には・・」  
彼女らしく無事を装う格好をしているが・・病気には勝てないのだろう、所々で咳をしたりするし、いつもなら直立不動で微動だにしないのだが今日は何だかふらついている  
「リーラ・・無理はよくないよ・・風邪は万病の元だって言うでしょ?ほっとくと重症になる例だってある事だし」  
そう言って、彼女に近づく  
「ですが・・他の者に・・示しが・・ごっほ!ごほ!つきませ・・」  
彼女がそう言いかけて止まった何故ならば・・  
「リーラ・・僕は君に元気で居て欲しい・・君が辛いと僕も辛いんだ・・だからさ・・今は休んでおこうよ」  
真正面から抱きつかれて、耳元で囁かれた  
「式森様・・風邪が・・うつってしまいます・・」  
体感であるが普段より彼女の体が熱い気がする・・当然気がする程度だ  
「やっぱり風邪じゃん・・さ・・もう横になって・・」  
「式森様・・申し訳ありません・・し!式森様!?」  
彼女が動揺したのも無理は無い・・何故なら彼は無謀にもお姫様抱っこを敢行しようとしたのだ・・  
「よいしょっと!と言うほどでもないな・・あーなんかいいなぁ・・新鮮で・・」  
彼女の・・リーラの体が色々な部分と密着している・・毎夜の中であるが・・これはこれで新しいものである  
「し・・式森様・・いけません・・このような・・事」  
必死に反論しようとするが、風邪を患っているせいか、いつもの正常な思考に事欠いているようである  
「リーラは病人でしょ?気にしない・・気にしない・・さぁ、横になって・・寝てれば良くなるって」  
「でもこれは・・式森様専用の・・」  
それは、何時も和樹が寝ているベットである・・行為をする用のは別にある・・別に用意しなければベトベトで寝れもしない  
「構わないさ・・なんかさ・・こうやると・・普通の恋人みたいだろ?」  
「え!?それは・・その・・そうかも・・しれません・・」  
一瞬茹蛸の様に顔が染まった気がしたが構わないだろう  
「じゃ学校行って来るから・・安静にしてるんだよ・・うん!命令だ!」  
「はぁ・・はい・・」  
そう言って彼は部屋を出て行った  
 
一人部屋に残されベットに寝ているリーラ・・  
「式森様・・ご勝手過ぎます・・いくら、命令でも・・聞けない命令も・・ごほ!ごほ!」  
無理に仕事に戻ろうと体を起そうとするが、一度寝てしまうと病人はなかなか立ち上がれない、体が休んでいたいと反抗するからだ  
「やっぱり・・安静にしていた方が・・」  
手の甲をおでこのあたりに乗せそう呟く・・熱い・・やはり風邪だろう・・  
「はぁ・・無理は出来ない・・あれ・・そう言えば・・まだ・・温かい・・」  
それも当然ついさっきまで彼が布団に入って寝ていたからである  
「なんだか・・不思議な温かさ・・体中が・・暖まるみたいで(当然風邪の影響もあります)安心できる」  
これも部下を気遣う主人あっての事だと再認識  
「あ・・それに・・式森様の・・匂いも・・」  
毎日彼が使っている寝具だから当然と言えば当然である  
 
「隊長・・風邪だって言ったのに・・なんか笑顔で寝てません?」  
「まぁ・・アレだご主人に「恋人みたいだろ?」とか言われて、主人の香りつきのベットに寝れば顔も緩むんじゃないのか?」  
いつもどうり隙間からはその様子を一部始終見ようとメイド二人が観察していた  
 
(注これより先はリーラの夢の中・・のお話)  
ある日晴れた日の昼・・大きな木下で二人の男女が居る・・和樹とリーラであろう  
「式森様?美味しいですか?」  
「当然だよ・・今日は格段に美味しいと思う」  
彼女の作った特製の弁当を美味しそうにほおばる・・周囲には誰もいない・・二人だけの時間だ  
「式森様・・よろしいのでしょうか・・大切な土日を・・このように使って?」  
「当たり前、土日はこういう風に使うようにあるものだろう?」  
先日、和樹に土日に出かけないかと誘われ二つ返事で了承した彼女・・しかし二人だけでだとは思わなかった  
寛大に見ればお出かけであるが、どう見てもデートにしか見えない  
「ふぅ・・食べた食べた・・」  
「ご満足でしょうか?式森様?」  
「うん・・こうやって・・二人で居るのもいいね」  
今二人は向かい合って座っている形になっている・・そこで彼は行動に出た  
「リーラ・・そんなところに居ないでさ・・おいでよ」  
彼は自分のすぐ右を指差す・・これは誰がどう考えてもカップルのような行動である  
「よ・・よろしいのでしょうか?」  
「あはは・・僕が誘ってるんだよ?ダメな訳無いじゃないか」  
彼女は低姿勢のまま彼の横に移動する  
「もうちょっと・・寄りなって」  
「あ!?え?式森・・様?」  
彼は半ば強引に彼女を手で引き肩が触れ合う距離まで引いた  
「あ・・式森様・・い・・いけません」  
「何が?別に良いんじゃないの?」  
彼は笑顔でそう答えている・・嬉しいのであろう  
「こうしてるとさ・・やっぱり・・恋人みたいだろ?」  
「え………」  
「それは・・えぇと・・」  
「普通の格好の男と、メイドじゃ恋人に・・見えないかな?」  
彼女を虐めるように問いかける  
「それは・・そんなこと無いと・・思います」  
「じゃあいいじゃん・・じゃぁさ」  
そこで彼は彼女に耳打ちする  
「え!?式森様!何を?」  
「違う、そうじゃないだろ?」  
「で・・ですが・・それと・・これとは・・」  
何を耳元で言われたかと言えば「僕の事・・和樹・・って呼ばない?」  
「いいじゃん・・これなら、恋人に見えるだろ?」  
「し・・しき・・えぇと・・か・・和樹様が・・そう言われるのなら・・」  
和樹様・・その程度が限度だろう・・それは和樹自身判っていた事でもある  
「んーやっぱりしっくりこないなぁ・・別に誰も居ないんだしさ」  
その時、彼女はこう思った・・「誰も居ない?ならば・・今だけでも・・式森様に・・」でも・・いいのだろうか?  
「式森様・・やはり・・和樹様が・・限度・・です・・」  
「そう・・御免・・無理言ったね」  
やっぱり自分の我が儘だったと、謝る  
「式森様!そんな・・いけません!主人がメイドに対して謝るなど・・」  
「なんでさ・・僕が悪いなぁと思ったから、謝ったんだろう?」  
「ですが・・式森様の威厳に関ります」  
つまり、主人がメイドに頭下げてはどっちが上か判らなくなるからである  
「そんなの・・今は関係ない」  
そう先ほども言ったがここは二人だけの空間である  
「しかし!いえ・・すいません・・一メイドが主人に意見をするなど・・失礼しました」  
「それが、ダメなんだって・・仕事に忠実なのもいいけど、仕事一筋だと愛想付かれるぞぉ・・そんな事無いけど」  
そうだった・・自分はいつも仕事だのメイドの決まりだと自分の考え方であった、ある意味他人を否定する所が多かったのだ  
「式森様・・いえ・・和樹様・・では・・私は・・私はどうしたらよろしいのでしょう?」  
「簡単だよ・・リーラはリーラ・・つまり自分に素直になればイイと思う・・それに多少なら・・」  
「多少なら・・なんでしょうか?」  
一瞬和樹が言葉に詰まる・・言い辛い事だろう  
「えと・・僕で良かったら・・相談にも乗るし・・主人に甘えるメイドが居ても・・良いんじゃないかな?」  
「え……式森・・様」  
言った和樹も和樹であるが聞いたリーラもリーラであった・・一瞬の静寂があたりを支配する  
「ぷっ!やっぱダメだなぁ・・僕こういうの!さて・・帰ろうか?」  
「え?まだ・・お昼が終ったばかりですが?」  
確かに出かけたのに昼の2時、3時に帰るのは勿体無いだろう  
「そう言えば・・そうだったなぁ・・じゃぁ折角だし・・」  
*選択肢です(笑  
○「Hしよっか?」  
●「昼寝でもしようかな?」  
 
 
○編  
「そう言えば・・そうだったなぁ・・じゃぁ折角だし・・」  
天気もいいし、幸い人もいない・・ココは一つ・・  
「あの・・式森様?その・・寮に帰ってからなら・・お気の召すまま・・なさられても構いませんが・・」  
どうやら筒抜けである  
「あれ?判った!?どうしてかなぁ・・」  
「それは・・式森様が・・いつもの視線で・・見ていたからです・・」  
やっぱりどうしても鼻が伸びたり、目が獲物を見る目になるのだろう・・  
「じゃ・・じゃぁ」●編に続く  
 
●編  
「昼寝でもしようかな?」  
「昼寝・・ですか?確かに日差しもいいですし・・昼寝にはもってこいの時季だと思いますが・・」  
少し言葉に元気が無い気がする  
「あれ?どうしたの?やっぱり動いてる方が良かった?」(この場合スポーツでもしようか?とHしないか?の二つの意味合いを出せたりします[笑])  
「折角・・出かけましたので・・寝ると言うのも・・」  
「だってさぁ・・その・・」  
和樹は頬を左の人差し指でかく仕草をする  
「あ・・ハイ、式森様・・どうぞ」  
言うのが恥ずかしかったのを察し、彼が何をしたいか一瞬で検討をつけるリーラ  
「そうそう・・これ・・やってなかったね・・まだ」  
当然膝枕である・・今まで何度か耳掃除の時この場所に世話になったが本当に寝た事は無かった  
「あぁ・・やっぱり・・いいなぁ・・コレ」  
「式森様・・なんだか・・私も・・眠くなって参りました・・」  
「丁度いいじゃん・・寝ようよ・・いい夢・・ひょっとしたら同じ様な夢見られるかもね」  
「では・・式森様・・お休みなさいませ」  
大木の木漏れ日の元で昼寝・・どっかの絵本にも出てこないような展開であるが・・  
「式森様・・本当に・・か・・ずき・・様・・」  
そのまま二人は眠りに入っていった  
 
「たっだいまぁ・・おっと!リーラが寝てるんだけ・・静かにしないと・・」  
「式森様・・隊長風邪で休んでおられるのに・・笑顔で寝てましたよ?苦しいのか嬉しいのか・・忙しいですねぇ?」  
「さぁ・・なんかいい夢見てたんじゃない?」  
さり気なくそんな事を言っているのは当然訳ありである  
「式森様・・寝ていては授業の内容が頭に入りませんよ?もぅ」  
「あれ!?ばれた!?あちゃぁ・・誤魔化したつもりなんだけどなぁ・・」  
「はぁ・・ではこれから式森様の夕食の食材を買いに出かけますので・・失礼します」  
「あぁ・・行ってらっしゃい」  
多分朝まだ無理して動いている内に「今日はお前が行ってくれ」とでも頼まれたのであろう  
「さて・・とは言うものの・・リーラの事だ・・ひょっとすると無理して動いてるかも・・」  
と自分の部屋に戻る  
「あ・・寝てる寝てる・・だけど・・本当に・・笑顔・・って言うか・・安心した表情って言うか・・」  
そんな顔を見ていれば自分も眠たくなってしまうので早々に部屋から出ることにした  
「よいしょっと・・」  
「ん・・かずき・・さま・・」  
「ん?リーラ?まさか・・まさかねぇ」  
彼と彼女が同じ夢?そんなことあるに決まっている何故なら?  
「本当鈍いよなぁ・・ご主人ってば・・」  
金髪メイドセレンの悪知恵だろう  
 

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