久しぶりに、一人になる事が出来て、あてもなくぶらぶらしてたら、  
道端でどこか見覚えのある人が、ぶっ倒れてた。  
 
     教えて伊庭先生!!  
 
 
厄介ごとのにおいがビンビンにしたけど、ここは我等が主人公、  
平均以上の勇気と正義心で厄介ごとに自ら突っ込んでいく。  
なんだこの女性はぁ!?  
とかなんとか言ったかは知らないけど、せっかくだからと、  
近づいて行く。  
「こんな所で寝てたら風邪ひいちゃいますよ。伊庭先生。」  
・・・?  
返事が無い、いや意識が無い。それもそうか、意識があったら、こんな所で寝てないか。  
「とりあえず、どこか公園にでも、よいしょっと。」  
凛ちゃんに鍛えられたおかげで、難なく背負う事が出来た。  
そして意識しなくても背中にあたる、柔らかな、ふたつの山が、  
(うわぁー、背中にあたってるよぉー、しかも夕菜より大きい・・・)  
と青少年の妄想を刺激してやまないが、こんな世間の目がある所じゃ襲いませんよ。  
 
ちょっとぐらいいいだろという本能と、  
そんな事いけないという理性とが葛藤してそろそろ、  
決着がつきそうになった時、ちょうど公園に着いた。  
まだ意識の無い先生を背中の感触をちょっと名残惜しみながらそのへんのベンチ  
に寝かせる。  
2,3分ほどしてから。  
「ぅうーん」  
「あ!先生起きましたか?」  
グゥゥゥ!!  
「っへ?」  
「腹減ったぁー!!」  
と飛び上がるように、起き上がると、ギラギラした目で、こっちを見る。  
ヤバイ、あれは、怒った時の夕菜の目(つまりは野獣の目)だ・・・。  
「あれ、式森?」  
「ごめんなさい!!」  
あの目を見ると脊髄反射のごとく謝ってしまう、自分が悲しい。  
「なんで謝るんだ?」  
「っあ、いや、なんでもないです。」  
「っまあ、いいや、そん事より式森、飯おごっちくり」  
「なんですかいきなり。」  
「いやゲーム買ったらお金が尽きちゃってさぁー。  
 それに、本当のシュミレーションRPGの何たるかを教えてもらってたら、  
 72時間不眠不休でやりこんじゃって、  
 いやぁー、怖いね日本○ソフト。」  
そう言うと、からからと笑い出す。  
このひとほんとに社会人なのか?  
いつか死ぬんじゃないか?(汗)。  
「先生そんなんじゃいつか死んじゃいますよ。  
 もっと自分の体大事にしないと。」  
「おぉ、式森は優しいねぇー、私の教育の賜物だね、こいつは。」  
 
グゥゥゥゥゥ!!  
まるで自己主張するかのようにまた先生の腹の虫がなる。  
「あぁ駄目だ、腹が減りすぎて目が回る。式森なんでも良いから食料・・を・・・」  
そう言うとまた、ベンチに寝転がる。  
このまま、放置しようかと。一瞬思ったがそれは、流石に、かわいそうだし、  
ほんとに顔色が悪い。  
ひとっ走りしてとりあえず、おにぎり数個と野菜ジュースを買ってくる。  
いよ、まさにパシリの鏡。  
公園に戻って、先生の寝ているベンチに近寄ると、  
「食い物ぉーー!!」  
と叫びながら、僕に飛びかかると持っていた、ビニール袋をひったくる、  
そして悟空もビックリな、もの凄い勢いで、食べていく。  
ガツガツ、むしゃむしゃ、ごきゅごきゅ、  
3分もたたずに全滅だと!?  
結構量はあったはずなのにもう無くなってるよ・・・。  
「ふぅー生き返ったぁー!!じゃあ、ラーメン食べに行こう。  
 もちろん式森のおごりで。」  
何言ってるんだこの人は?今、食べたばっかりでしょ、  
えっ?もしかしてこの年でボケですか?  
しかも、おごりって。  
「ほら、式森、行くぞ、置いてくぞぉー」  
いつのまにか先生はベンチから立ち上がると。  
こっちを向いてそんなことを言う。  
「生徒から、たかるつもりですか?  
 それに今食べたでしょ。」  
僕はムっとして言ったんだけど。  
「あんなのつなぎだよ。  
 それに、今、全財産32円なんだぞ、  
 まさか、式森は、レディに金払わせるつもりなのか?」  
とか言いながら、ないたふりをする、やはり我がクラスの担任なだけわある。  
「あぁー、もう分かりましたよ。」  
「流石は、私の生徒だね、よししゅっぱーつ。」  
そう言って笑うと僕の手をとり、歩きはじめる。  
こんなとこ夕菜に見られたら、殺られる。  
と思い、手を、勢いよく振り解く。  
それを見て、先生は、  
何か思いついたように、ニヤッと、悪戯っ子のような笑みを浮かべ、  
今度は振り解けないように、がっちりと腕を組んで自分の胸を押し付けてくる。  
「ちょっ、先生?!」  
「GO♪GO♪」  
抵抗するだけ無駄無駄無駄ぁー!!、って感じで強引に連行されていく。  
あぁーこんな所夕菜に見られたら確実に明日の朝日は拝めないな・・・。  
なんてことを考え、腕の感触を密かに楽しみつつ、  
最近のゲームはどうだとか、  
レトロなゲームのほうが楽しめるとかなんとか話しながら歩いていく。  
 
そんなこんなで目的のラーメン屋に着いたらしい。  
ラーメン屋の看板には、  
「ジャンボ餃子一人で食べ切れたら2万円」  
と書いてあった。  
「ここねぇ、最近じゃ珍しく大食いチャレンジやってるの」  
と説明してくれた。  
中に入ると、ラーメン屋のあのにおいと妙に滑る床と無愛想な店主が迎えてくれ  
た。  
客は、何故か誰もいない。  
先生はテーブル席に座ると、「ジャンボ餃子一つ」と客が来たのに動こうとしな  
い店主に言った。  
店主はピクリと眉を動かすと「あいよ」と短く返事をして、  
そのジャンボ餃子の調理へと、取り掛かった。  
「先生、大丈夫なんですか?  
 さっきおにぎりあんなに食べたでしょ。」  
「大丈夫、大丈夫ジャンボて、いったって、  
 そんな、人が食えないようなの出す訳無いじゃない。  
 それに食べ切れなくても式森が払ってくれるしね。」  
と、まるで他人事のように言っちゃってくれましたよこの人。  
「僕だって、そんなに持ち合わせないんですよ!!  
 食べ切れなかったらどうするんですか!?」  
「そんときゃ、魔法使って逃げるさ。」  
なんて人だよこの人、ほんとに教師なのか?  
いや実際教師じゃないんだけど、それでも、やっぱ仮にも教える立場なのだか  
ら、  
そういうことはいけないでしょ。  
なんて悩んでるのに、この人はまだ見ぬジャンボ餃子を夢見て、鼻歌歌ってる  
し。  
僕は最悪の事態を想定して、ジャンボ餃子の値段を確かめる。  
値段は0が右から1,2,3,4?  
0が4こってなんだよそれ、しかも一番左の5番目が5って、  
なんだよそれ!?ボッタクリじゃないか!!  
これは真剣に逃げる手段考えないと・・・。  
 
と僕のB組的思考で考えて、12通りの手段を考えついた時、  
「お待ち」と無愛想な店主が目の前に馬鹿みたいにでかい餃子を置く、  
ちょうど海水浴なんかに持ってくイルカくらいはあるよこれ。  
「これ頼むなんて、兄ちゃん度胸あるねぇー。」  
なんて言いながら「食えるもんなら食ってみろ」  
的な挑戦的な目で、僕を見る。  
「違う違う、これは私が食べるんだよ。」  
と先生が横から言う。  
「は?あんたが?」  
「そうよ、私が。」  
店主は、「こりゃ5万はいただきだな」、と小さく呟いた。  
「制限時間は1時間、1時間以内に食い切れなかったら、5万払ってもらう  
よ。」  
「1時間だって!?そんな無茶な!!こんなでかいの5人がかりでも無理だ  
よ!!」  
「くっくっく、それなら兄ちゃんも、手貸していいぜ、まぁ無理だろうがな。」  
「いいぜ、親父さっさと始めてくれ。」  
驚いて先生を見ると。先生の目はさっきの野獣の目に変わっていた。  
「威勢がいいねおじょうちゃん、じゃあ始めるぜ。」  
「フゥードファイト、レディーー、  
 GOOOO!!!!」  
始まると僕は醤油にもつけず巨大餃子の一部を切り取りバクバクと急いで食べ始  
める。  
先生はそんな僕より3倍は早く、ただ黙  
 
 
 

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