久藤摩琴。  
彼女は葵学園2年B組に所属する女生徒である。  
大きなリボンがチャームポイントの可愛らしい女の子だが、その容姿とは裏腹に実にB組らしい性格の少女である。  
「女の涙には魔力がある」を持論とし、それを実際に実践しているのである。その容姿と相まって、騙された男子生徒は数知れない。  
しかしながらそんな彼女の涙も、2Bの級友たちには通じる事がなかった。  
他人を見ればまず病的なまでに疑う彼らの前には、たとえ常に可愛らしい泣き方を研究している摩琴といえど、あっさりその本心を見破られてしまっていた。  
 
「う〜ん……どうしよう」  
中庭。そこで摩琴は悩んでいた。悩みの種は、彼女の級友たちである。  
2Bの面々は非常に心が狭い。幸福を得るためにはまず他人を蹴落とし、不幸にしなければならないという考えを真面目に考えているような連中である。もちろん摩琴もその例に漏れない。  
つまり、蹴落とすターゲットとして最初に級友が挙げられるのだ。しかしその点に於いて彼女は不利だった。  
なぜなら、彼女の唯一にして最大の武器である涙が、級友たちには通じないのだから。  
無論、疑り深いのは彼女に対してだけではない。だが、だからといってこの状況はあまり面白いものではない。  
彼女としては対策のために、級友たちにも彼女の涙が通じるように更なる研究を続けるか、さもなくば、絶対に裏切らない味方を得るか、どちらかだ。  
とはいえ、これまでも研究を続けてきたのに効果がなかった以上、そう簡単に上手くいくとは思えない。だからといって、後者は論外だ。裏切らない人間など居るわけが無い。  
悩んでもまるで答えが出ない。次第に気分が憂鬱になってきた。  
その時、そんな彼女に声がかけられた。  
「――久藤さん?」  
 
式森和樹は、彼の事を見上げる少女の驚いたような顔を見る。やはりクラスメイトの久藤摩琴だ。  
普段はクラスメイトに進んで関わろうとしない和樹だが、さすがにその少女が中庭で座り込んでうんうんと唸り、そして最後には憂鬱そうにため息を吐いているのを見たときにはつい声をかけてしまった。  
驚いたように見上げる彼女を見ながら、和樹は内心で自分の軽率な行動を後悔しているとき、彼はぎょっとした。  
目の前の少女の瞳から、突然大粒の涙が零れ落ちたのだ。  
 
「ちょ、ちょっと、どうしたの、久藤さん!?」  
突然泣き出した少女の様子に慌てる和樹。そこで初めて摩琴は溢れた涙に気付いたように、濡れた頬に手を当てた。  
「あ、式森くんの顔を見たら、なんだか安心しちゃって……」  
「え……安心?」  
「うちのクラスの人たちの事考えて嫌な気分になってたんだけど、式森くん見たら……うちのクラスもそんな人たちばっかりじゃないんだなって気付いて……」  
戸惑っていた和樹だったが、思わずその言葉に納得してしまう。もっとも、彼にしてみれば摩琴も充分そのクラスの一員といえる人間だったが。  
そんな和樹へ、摩琴は続ける。  
「でも、あたしが泣いちゃったのは――それだけじゃないみたい」  
「……?」  
そして摩琴は恥ずかしげに、顔を赤らめて言った。  
「あたし、式森くんのことが……好きなんだと思う」  
「…………………………え!?」  
思わず和樹は硬直した。  
 
「ねえ、式森くん……あたしじゃ、ダメ?」  
「ぼ、僕は……」  
戸惑う和樹の様子を見て、摩琴はふっと寂しげに微笑んだ。  
「そうだよね、式森くんには宮間さんがいるもんね……」  
「ごめん……」  
摩琴は謝る和樹の瞳をじっと見つめる。彼女の涙に濡れた瞳を見て、思わず和樹は動揺してしまう。  
「式森くんがあたしを好きでなくて構わない。だけど……」  
摩琴は和樹に近づいて、和樹の首にその両腕をまわす。  
「お願い。抱いてくれない……?」  
そして摩琴は和樹の首を抱き、その唇を和樹の唇へと触れ合わせた。  
 
摩琴は和樹の唇の隙間から、自分の舌を滑り込ませ、和樹の舌と絡め合わせる。  
摩琴の突然の行動に驚いて硬直しているのか、和樹からの反応は無い。それに摩琴は不満気に感じたのか、彼女は一方的に和樹の口内を陵辱する。もっとも、慣れていないのか、その動きはどこかぎこちない。  
二人はそのまま――和樹の力が抜けたのだろう――芝生に倒れこむ。それでも摩琴は和樹の口を貪る事をやめない。次第に慣れてきたのか、その動きがスムーズになってきた。  
「ぷはっ」  
息をする事も忘れてキスをしていたのか、摩琴は和樹を離すと外の空気を吸い込む。  
その口が離れた時に、二人の口から唾液の橋がかかっていた。彼女にはそれが酷く蟲惑的に感じた。  
「ちょ、ちょっと久藤さん、いきなり何を――!?」  
真っ赤になった和樹が慌てて叫ぶ。摩琴はその和樹の瞳を見つめる。  
「お願い……」  
摩琴の、涙ではなく欲情に濡れた瞳を見ると、和樹は思わず何も言えなくなった。  
硬直する和樹を尻目に、摩琴は制服の胸元をはだける。  
はだけた制服の隙間から現れた小さめの胸と、それを覆い隠す水色のブラを見たとき、和樹の耳にごくりという音が聞こえた。自分が思わず唾を飲み込んだ音だ。  
まだ躊躇している和樹の手を取り、自分の胸に触れさせる。  
和樹はそれでも戸惑っていたが、その手の感触が引き金になったのか、彼女の胸に触れた手を、わずかに撫でるように動かした。  
手に返ってくる感触に惹かれ、和樹は更にその手を動かす。始めは撫でるような動きだったのが、だんだん大胆になっていった。  
制服を脱がせ、ブラを上に押し上げた。そこから現れた白い肌に浮かぶ桃色の突起が目に映り、興奮する。そのまま口を彼女の乳首に触れ、もう片方の胸を片手で弄る。  
「はぁ……んっ……」  
なんとも言えない感覚があるのか、摩琴は声を漏らす。その声に反応して、和樹の動きは更に大きくなっていく。  
 
次第に胸だけでは我慢が出来なくなっていったのか、和樹の手は摩琴の下半身を隠すスカートのほうへ伸びていった。  
その手がスカートの隙間から潜り込み、下着の上から大事な部分に触れる。  
「きゃん!」  
不意打ちだったのか、思わず摩琴は声をあげる。その反応に彼女に触れていた手を咄嗟に引っ込めてしまう。  
しかし摩琴は真っ赤な顔で和樹を見つめると、和樹の手を受け入れるようにその足を少し開いた。  
その反応に、和樹は彼女のスカートへ手を伸ばす。  
その制服のスカートに和樹は少し戸惑ったが、そのスカートをたくし上げるようにしてずらす。  
和樹の目に、ブラとお揃いの水色の下着が映る。そして先程触れたあたりの部分が少し湿っているのか、そこだけ濃い青になっていた。  
和樹は下着の上から摩琴のその場所を弄る。経験が無いため最初は触れていただけだったが、その動きはだんだん大胆になっていく。  
「あっ、くぅっ……いいっ……」  
和樹の手の動きに、幼げな顔を真っ赤に染め、口からは妖艶な声を漏らす。それに合わせて下着の色はどんどん濃くなっていった。  
和樹はその声に後押しされるように、彼女の下着を抜き取った。彼女の大切な部分が露わになり、目がそこに釘付けにされる。  
「く、久藤さん……えっと……いい?」  
和樹はズボンのジッパーを下ろして硬くなった自分のモノを取り出し、訊ねた。  
快楽に脳を溶かされていた摩琴はそれを見ると一瞬我に返ったように硬直するが、しばし迷った後頷いた。  
「うん、いいよ……」  
許しを得て摩琴の秘部に自分の逸物を押し当てる。そしてゆっくりと彼女の膣に侵入していった。  
 
「くぅっ……」  
キツい。それでもゆっくりと自分のモノを押し入れていく。そしてその途中で、なにかを引き裂くような感触があった。  
「…………!?」  
摩琴は声にならない絶叫をあげる。二人の結合部からは破瓜の血が流れていた。しかし彼女と同じく初めての和樹はそのことに気を回す余裕も無く、必死に自分のものを押し入れていった。  
そしてようやく自分のモノが全部収まって、一息つく。そしてようやく摩琴の様子に気付いた。  
「……! 久藤さん、大丈夫?」  
しかしその声で、苦痛に顔を歪めていた摩琴は、健気に和樹に微笑みかけた。  
「……うん、大丈夫。いいから、動いていいわよ」  
その言葉に和樹はしばし困惑するが、しばらくするとその言葉に従って動き出した。  
「あっ、やぁっ……痛っ……!」  
その瞳に苦痛による涙を浮かべながらも、摩琴は必死に痛みを耐えていた。  
和樹はそんな彼女を見下ろしながら、ゆっくりと自分のモノを抜き差しする。  
結合部からは和樹のモノが出入りする様子がはっきり見えるほどにゆっくりとした動き。  
そんな動きを続けていると、慣れてきたのか摩琴の様子がだんだん変わっていった。  
「きゃん、あっ、くぅっ……はぁっ……あっ、いいっ……!」  
もともと感じやすかったのだろう、摩琴の口から漏れる声の中に、快感の叫びが混じるようになっていた。  
それに気を良くした和樹は腰をだんだん速く動かす。それに比例して摩琴の声も大きくなっていった。  
「あぁん、いい、いいよぅ、式森くん、いいっ!」  
その声を封じるために和樹は動きながら摩琴の口を自分の口でふさぐ。  
そのまま激しく腰を動かす。  
「んっ、うんっ、んん――」  
絶頂が近づいてきて、和樹はふさいでいた口を離して言った。  
「久、久藤さん、もう、僕……!」  
「あんっ、あたしも、もう――」  
摩琴は足を和樹の腰に絡める。少し動きづらくなったが、それでも和樹は更に激しく動く。  
「うっ、久藤さん!」  
和樹は少女の名を叫び、その中へと放出した。それを感じて一瞬遅れで摩琴も果てる。  
「あぁっ、イクっ――!」  
力尽きた二人はそのまましばらく重なり合っていた。  
 
「ひっく、えっぐ……」  
「ち、ちょっと久藤さん、どうしたの?」  
行為の後、しばらくして突然摩琴が泣き出したのだ。和樹は動揺する。  
彼に心当たりはさっきの行為しかない。しかし何故――  
「ひどい、式森くん、あたしにあんな事するなんて……しかも膣に出して」  
「いっ!?」  
声が裏返る。記憶が確かなら今の行為は摩琴から誘ったはずだ。  
「……責任、取ってよね」  
涙に濡れた瞳に見据えられて、思わず硬直する。  
「で、でも、さっきのは久藤さんが――」  
「言い逃れするんなら、式森くんに犯されたって言いふらすわ」  
その言葉に蒼白になる。もしそんなことになれば夕菜に殺されるだろう。他の少女たちにも何をされるか分からない。  
呆然としている和樹をちらりと見て、摩琴はぺろりと舌を出した。  
(……あたしの処女と引き換えだけど、これで奴隷をゲットぉ☆)  
これで絶対に裏切らない味方を得ることができた。正確に言うと裏切る事の「出来ない」味方だが。  
涙などまるで浮かんでいない彼女の瞳には、崩れ落ちた和樹の姿が写っていた。  
 
 

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