ルナティック雑技団  

昼下がりの保健室 

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「まったく…なんで怪我しちゃうのかしら」  
足を引きずりながらまっすぐと保健室へ向かう薫子。  
体育の授業で思わず転んでしまったのだ。  
だが黒川はただ見てるだけではははと笑っていた。  
茂吉はついていこうかと話しかけたが薫子は黒川の態度が気に入らず、怒って一人で保健室に向かっていたのだ。  
「はぁ〜…黒川は何を考えているのかしら…」  
足を引きずりながらもようやく保健室へ辿り着いた。  
「先生…ってあれ?」  
ドアをあけてみたら保健室は誰もいない。  
薫子は中に入り辺りを見渡すが、先生はいないようだ。  

「はぁ…仕方ないわね…自分でしよう」  

薫子はあきらめて薬を物色する。  
だがいつまでたっても消毒液が見つからない。  
「あーもぉ!!どこにあるのよぉ〜!」  
薫子は苛立ちながらも消毒液を探していた。  
苛立ちがピークに達しようとしたその時――  
「…うるせぇな…誰かいるのか?」  
後ろから聞き覚えのある声――  

薫子は後ろを振り向き、キョロキョロと辺りを見渡した。  
「…どこ見てんだよ?ここだよ」  
保健室に備え付けのベッドの方に向くと見覚えのある顔――  
「あ…あんた確か…愛咲ルイ!!」  
「あのなぁ…フルネームで呼ぶのやめてくれ」  
ルイは眠たそうな顔をしてベッドから降りる。  
「な…なんでここに!?」  
「俺?…サボってんの」  
ルイは伸びをしながら唖然としている薫子に平然と答える。  
「で…何?あんた…怪我したの?」  
「う…うるさいわね…」  
「あんまモタモタしてると悪化するぜ」  
「べ…別にモタモタしてるわけじゃっ…」  
薫子はルイの発言にカッとなり何か言いかけようとしたがルイはそれに構わず椅子へと座らせる。  
「な…何よ」  
「…ちょっと見せてみろ」  
そういうとルイは薫子の脚を掴んだ。  

「い…いいわよ!ちょっと…」  
「ちゃんと大人しくしてろ!」  
ルイの鋭い声に薫子はビクっとした。  

傷の具合を見たルイはスッと立ち上がり消毒液とガーゼ、そして包帯を手際よく手に取った。  
「…ったく…消毒液の場所くらい覚えてけっての」  
「よ…余計なお世話よ」  
すっかりむくれてしまった薫子にルイは一言つぶやいた。  
「…可愛くねぇ…」  
「…何か言った?」  
「別に」  

少々ピリピリした雰囲気ではあるがそれに構わずルイは怪我の治療をテキパキとこなしていく。  
いつもよりも真剣な顔をしたルイを見て薫子は少しドキッとした。  

(…こいつでもこんな顔するんだ…)  

その時薫子の心が一瞬揺れ動いた。  

(な…何であたしがこいつ見てドキドキしてるの!?)  

私は天湖さまが好き――  

誰よりも…―――  

なのに―――  

薫子はルイの不思議な色を湛えた瞳にくぎづけだった。  

(あぁ…どうしたらいいの?私…)  

高鳴る心音――  

脚に指が触れる度に上がる体温――  

(もぉ…早く終わってっ…)  

「…おい」  
ルイの呼びかけで薫子はハッと我にかえった。  
「終わったよ…」  
「え?い…いつ?」  
「とっくに…」  
気がついたら目の前にルイが立っていた。  
薫子がいろいろと考えているうちに怪我の治療は既に終わっていたようである。  
短いようで、長い時間のように感じた。  

「…どうしたんだ?顔が赤いぜ…熱でもあるのか?」  
ルイの手が不意に薫子の額に触れた。  
「キャッ」  

―パンッ  

思わずルイの手を振り払ってしまった。  
それが気に入らなかったのかルイは怪訝そうな表情になっていった。  
「…何だよ…」  
「あ…ごめ…」  
「もういい…」  
薫子は謝ろうとしたがルイは冷たく撥ね退けた。  
普段ならそこから口喧嘩になるはずだが今回はいつもと違う雰囲気だった。  
自分に冷たくあしらうルイの真意が何となく理解できた。  
(私…バカだ…あんなに親身になってくれたのに…)  
人がせっかく心配しているのに―そんな言葉が伝わってきそうだ。  
薫子は自分のしたことを後悔した。  
不意に流れる涙。  
どうしたらいいかわからなかった。  
「……あ…お、おい。ちょ…待てよ!な…何か気に入らなかったら言えよ…」  
「…違う…これは…」  
ルイは突然の出来事で状況が飲み込めなかった。  
何とか落ち着いて平静を取り戻そうと深呼吸した。  
ルイは目線を合わせるためにふたたびしゃがみこんだ。  
「…もういいよ…わかったから。…俺が…悪いん…だよな」  
ルイは指でそっと涙を拭う。  
「…ごめん」  
一言謝ったあと、ルイの唇が不意に薫子の唇に触れ合う。  
薫子は突然のキスに戸惑ってしまう。  

(い…いきなり…何!?)  

最初は優しくキスしていたが徐々に激しくなり、お互いの舌を絡ませていく。  
ルイは唇を離し、薫子を軽々と持ち上げてベッドの方へと向かった。  
「や…何!?」  
薫子をベッドに寝かせてすぐにルイが上に覆い被さる形になった。  
「悪い…もう限界だ」  
「え…ちょっ…ちょっと…んっ」  
いまだに状況が飲み込めない薫子にルイは構わずキスをした。  
薫子は何とか撥ね退けようとしても男の力には敵わない。  
ようやく唇を離してくれたかと思うとすぐに薫子の耳に移動してそこへキスをする。  

「ん…や…やだ…私…初めてなのに…(な…何言ってるの…私)」  
「俺だって初めてだよ…(何言ってんだ…俺)」  
「で…でも…こんなとこじゃ…(だ…だから…一体何を)」  
「しょうがないだろ…我慢できないんだから(いや…だから…俺は一体…)」  
「で…でも…私胸小さいから…(ば…馬鹿!何言ってるのよ!)」  
「別に…構わないよ(そんなこといちいち気にするな!…って何考えてんだ!俺は…)」  
「そ…そんな…あっ…(キャー!何で反応しちゃうのよ)」  

ルイの手がいつの間にか薫子の胸を愛撫していた。  
最初は体操着の上から触っていたがエスカレートしてきたのか、体操着を上へとずらしていく。  

「や…見ないで…(あぁ〜もう…どうにでもなればいいわ!)」  
「俺…小さいほうが好きなんだ…(っかぁ〜!言っちゃったよっ!)」  

ルイはブラを上にずらしてそこにある突起を口に含む。  
「うん…あ…はぁ…あぁ…やだ!」  
薫子は初めての感覚に戸惑い、思わずルイをはねのけてしまう。  

「な…なんだよ…」  
「だって…ここ…学校なのに…(あぁ…私ってばさっきから何なの!?…もういいわ)」  
「だからって今さら止めるのか?(俺は一体なんなんだ…まぁいいか…)」  
「そ…それは…こんなとこで…初体験はいや…(やっぱいやよ!初体験が保健室なんて…って何考えてるのよ〜!)」  
「じゃあどこがいいの?(そりゃ学校だからなぁ…)」  

ルイはどさくさにまぎれて体操着の短パンへ手を入れる。  
「や…やだ!どこ触ってんのよ!」  
「悪い…やっぱ止まらないよ…」  
「ちょ…ちょっと…あ…はぁん!」  
侵入された指が音を立てながら動かされていく。  
「や…やめ…あ…あぅ…」  
「ん?聞こえないよ」  
薫子はやめてほしいと言いたかったが快感が勝ってしまう。  
その間にも短パンを引きずり下ろされていった。  

「や…やだ…ちょっと…(み…見られてる!?)」  
「脚…開いて…(ふーん…こうなってたのか…)」  

ルイは薫子の脚を無理やり開いて自身の身体を割り込ませる。  

――カチャ…  

ベルトを外す音が薫子の耳に響く。  

「な…何するの?(ま…まさか)」  
「身体の力を抜いて…(そのまさかだっつーの)」  
大きくなったルイの分身が薫子の中に入ろうとする。  

「や…やめて!そんなの入らない!(キャー!見ちゃった!)」  
「大丈夫だよ…(お前も見るな…)」  

ルイの物が中へと入っていく。  
だが薫子はあまりの痛覚に言葉を失った。  

「うぅぅ…ああぁ…い…痛ぁ〜〜!」  
「あ…あまりでかい声出すなよ!(耳壊れるかと思った…なんて声だよ…)」  
「だ…だってぇ〜…(い…痛いもんは痛いのよ!)」  
「わかったから…ゆっくり動かすから…(鼓膜破れちゃあたまんねぇよ…)」  

ルイはゆっくりと腰を動かしていく。  
最初は痛がっていた薫子でもやがて快感が上り詰めていく。  

「はぁ…あ…んぅ…あぁ…(あぁ…何か変な感じ…)」  

ようやく薫子が感じはじめたその時―――  

「…うっ!…うあっ!……はぁ」  

先にルイが果ててしまい、薫子の上にのしかかった。  
一瞬の出来事に薫子はボーゼンとするしかなかった。  

 
 

――終業ベルが学校中に響いた。  

2人はベッドを椅子代わりにして座っていた。  
「…悪かった…」  
事が終わってから薫子は終始無口だった。  
「だから悪かったって。……やっぱ怒ってんの?」  
薫子は無言のまま立ち上がり、扉の方へスタスタと歩き出した。  
「お…おい!」  
ルイは慌てて薫子の後を追いかけた。  

――廊下を歩く2人。  

ルイは謝りながらついていったが当の薫子は無反応。  
ついにカッとなって薫子の腕を掴んだ。  

「…何とか言えよ…」  
「……」  
「そりゃあ…無理やりしちゃったことは悪いよ。…でも何か言ったっていいだろ?」  
「…離して…」  
「は?」  
「服…着替えなきゃ…」  

薫子の言葉に反応してルイは手の力を緩めた。  
薫子は後ろを振り返らずにそのまま更衣室へと向かった。  

――よっぽどショックだったんだな  

ルイは自分のした事を後悔した。  

 
 

――下校時刻  

ルイは浮かない顔をして玄関に立っていた。  
その時、不意に後ろから背中を叩く感触を感じた。  
「…ん?」  
後ろを振り向くとそこに薫子が立っていた。  
「…何だよ…」  
「…話があるの。ちょっといい?」  
「あ…あぁ」  
ルイは言われるがままに薫子についていった。  

行き着いた場所は人気のない校舎裏だった。  
「で…話って?」  
「…あの…保健室でのことだけど…」  
ルイはうっと言葉を呑んだ。  
やはりショックだったんだ…とルイはそう思って責められる覚悟をした。  

「…怪我…手当てしてくれてありがとう…」  
「え?…あ、あぁ」  
責められると思いきや薫子の意外な言葉に呆気に取られた。  
(そ…そんだけかよ)  
けれどそれで終わるはずはなかった。  
「それとさ…」  
「ん?」  
薫子はスカートのポケットの中からひとつの箱を取り出した。  
ルイにも見覚えがあった。それはよく見かける箱だった。  

「…もう一回…してくれる?」  
「は?…どういうこと?」  
「あんたばっかり気持ちよくなってずるいじゃない!…それにね、ちゃんとこれ使って!」  
薫子はルイに箱を乱暴に手渡した。  
次々とでてくる意外な発言にルイは戸惑うしかなかった。  

 

「ちょ…待てよ!今ここでやれってか!?」  
「んなわけないでしょ!…あそこよ」  
薫子が指を指した方向―そこは体育用具の倉庫だった。  
「そこなら誰も来ないわ。さっ、行きましょ!」  
「あ…おい!ちょっと待て…」  
ルイは薫子に腕を引っ張られて倉庫へと向かった。  

その頃―茂吉と黒川は薫子を探して学校中をうろついていた。  
「お嬢様ー!どこへ行かれたのですかー!?」  
茂吉がどんなに呼んでも返事はしない。  
「はぁ…どこへ行かれたのでしょう…。…黒川さん?」  
「なんでしょう?」  
黒川が持っているもの―それはビデオカメラのテープだった。  
「それ…なんですか?」  
「…私の楽しみですよ」  
「はぁ…」  
「お前は反対側を探してきなさい。私はこの辺を探しています」  
「は…はい」  
茂吉は黒川の指示通り反対方向へと走っていった。  
1人になった黒川はポケットから箱を取り出した。  
「…お嬢様の情事を邪魔させるわけにはいきませんからな」  
黒川はポツリと言った後、その箱をふたたびポケットの中に入れた。  
事情を知った黒川は茂吉を2人から離すようにわざと反対方向へと促したのだ。  
「しかしまぁ…お嬢様も大胆なことをおっしゃる…。まぁ…これは秘密にしておきましょう…」  
黒川は内ポケットから煙草を取り出して口にくわえ、火をつけた。  
その後ひと吹かしして窓から空を眺めていた。  
「それにしても愛咲ルイはかわいそうですな…。あのワガママ女としたばっかりに…」  
―黒川はルイに同情の言葉を送るように言った。  

 

end  

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