深遠よりも深き暗闇の渦巻く地下空洞。  
この場所はかつて破壊の女神カーディス教団の聖地であり、大神殿であった。  
マーファ教団によってその機能の封印を試みられたこの場所は、数多の勇者の流した血を以って、今再びかつての姿を取り戻さんとしている。  
”この世界”を飲み込む、遥かなる終末を迎え入れんがために…  
 
 
「出ろ」  
 
男の声とともに、音も立てずにドアが開かれる。  
部屋―――――ひとつ魔法の明かりが灯されただけで薄暗く、じめりと湿った倉庫。  
その片隅で、大きな体躯を折り畳むようにして縮こまらせていた男がビクッと震えた。  
 
男の名をアルド・ノーバという。  
 
マーモ公国の宮廷魔術師の地位にあったが、今は邪神の教団の一虜囚に過ぎない。  
生来気弱なこの魔術師にとって、狭く暗い倉庫で過ごす時間は無限のようにも感じられた。  
ついついマイナスな思考ばかりが浮かんでしまうのだ。  
一日に一回運ばれてくる食事を除いては外部との?がりは一切なく、  
思考を巡らすほど精神的な困憊が激しくなった。  
 
仕方無しに、お気に入りの炎の魔法の基礎魔術理論を頭の中で復唱することで、自分の世界へと入り込んだ。  
顔に似合わず勤勉なこの大男にとっては、頭の中で論理を構築していく作業はなかなか楽しいものであった。  
突然の声が掛かったのは、その作業に没頭しているとき。  
その驚き様は、想像に難くない。  
 
「聞こえないのか?出ろと言っている」  
 
叱責が飛ぶ。アルド・ノーバは慌てて身体を起こし、のそのそと入り口に向かった。  
元々ストーンゴーレムのような容貌であったが、表情や顔色の悪さも相まって、  
まるでアンデッドのようである。  
 
「ついて来い」  
 
それだけ言うと、まだ若く精悍な面持ちの転生者はさっと踵を返す。  
アルド・ノーバは、黙ってそれに従う。  
この倉庫から出るのは捕えられてから初めてだった。今更何の用だというのだろうか?  
ただ、間違いなくロクなことは待っていまい。  
今できるのは、不安で堪らないこの心境を表情に出さないようにすることのみ…。  
 
得てして悪い予感とは当たるものだ。  
運の悪さではロードス全島を見回しても恐らく比類する者のないであろうスパーク。  
彼と行動するようになってからは、特にそれは顕著であった。  
無謀・無計画・無鉄砲と三拍子揃ったあの青年と一緒に旅をする間、何度肝を潰したことだろうか。  
 
それは彼がこの島の主となってからも同じである。  
公王と尊敬する公后、そしてこの王国のために知恵を揮えるのは光栄なのだが、  
実のところ、平穏を誰よりも待ち望んでいるのはこの魔術師であろう。  
 
「ここだ」  
 
さほど広くない神殿である。目的の場所にはすぐ辿り着いた。  
見覚えがある。侍祭であるニースを、この神殿に訪ねたときに通された、彼女の部屋だ。  
簡素な寝台と机、シェルフしかない、ある意味で彼女らしい部屋だったと記憶している。  
ここでいったい何をしようというのだろう?  
 
嫌な予感がぶわっと膨れ上がる。  
 
取り出した短剣の切っ先をアルド・ノーバの背中に押し付け、入れ、と転生者が無機質に告げる。  
 
覚悟をするほどの猶予も余裕もない。ただ言われた通りにするしかないのだ。  
嫌な予感が止まらない。早まる鼓動が警鐘を鳴らしているかのようだった。  
そして、部屋に入った途端、五感が感じていた悪寒を確信へと変えてゆく。  
 
アルド・ノーバは、目の前に広がる光景は、邪悪なる神の見せた幻なのではないかと思った。  
 
いや、そう思い込みたかった。  
 
屈強な男、対面して抱きかかえられる裸の少女。  
フィオニス、そして…ニース。  
 
「あっ…ぁぁ……はぁン……ふぁっ…」  
 
フィオニスは入ってきた男たちをチラリと一瞥したが、ニースは扉に背を向けているため気付いていないようだ。  
 
全裸の少女は、艶のある黒く美しい髪を振り乱し、男の為すがまま身体を跳ねさせていた。  
ゆうに少女の細い腕はあろうかという巨大な肉茎が、ぬぷぬぷと卑猥な音を立て、少女の中に消えていく。  
奥まで肉の棒が埋まると、男は掴んだ少女の柔尻を軽々と持ち上げ、  
気持ち腰を引いて、張ったエラで膣壁を擦りあげていく。  
引き抜かれるペニスの大きさに、驚嘆せずにいられなかった。  
 
亀頭が膣の外に僅かに顔を覗かせる。同時に尻を支える両腕からスっと力が抜かれ、  
重力に導かれるようにペニスをその膣深くへと飲み込んでゆく。  
少女は堪らないのか、その都度短く高い喘ぎ声を漏らす。  
 
ごくり。  
 
思わず唾を飲み込んでしまった。  
信じられなかった。  
胸が、引き裂かされるかのようにズキリと痛む。  
まるで、大切な宝物が嬲り壊されてゆくかのような衝撃だ。  
目の前で起こっている現実を、脳が受け入れることを必死に拒もうとした。  
 
しかし……それでいて、目が離せなかった……  
 
見ていいものではないのだ。  
恩師の愛娘。君主の妃。大地母神の聖女。この世に生を受けた女神。そして…その裸身、痴態。  
理性が、見てはいけない、止めなければいけない、そう働きかける。  
なのに、まるで魅了の魔法でもかけられたかのように、目の前に広がる光景に食い入ってしまう。  
汗がふつふつと沸いてくる。  
下半身に熱が篭もって行く。  
 
認めたくなかった。  
どうしようもなく、興奮してしまっていることを。  
 
「あっ…はぁン……いい…いいの…っ」  
 
フィオニスの作り出す波に、ニースは堪らないとでもいうかのような喘ぎ声を漏らす。  
 
連日連夜の陵辱で、ナニールの肉体の隅々まで極上の快感を叩き込んだ。  
責めには敏感に応じるようになったし、それどころか、感極まると自分から進んで快感を貪るようにすらなった。  
しかし、心はそう簡単に折れるものではない。  
フィオニスはよくわかっている積もりだ。ナニールの、そしてその魂を受け継ぐ少女の精神力の強さを。  
いくら責め苦を続けたところで、事態に進展があるとも思えなかった。  
残された時間は多くはない。  
なにか、”きっかけ”が必要であった……  
 
この場にあの魔術師を呼んだのは、ほんのきまぐれに過ぎない。  
そもそもフィオニスは、この二人の関係すらもよく知らないのだ。  
知った仲の者に不貞の現場を目撃させることで、如何ほどナニールの魂を揺さ振れるものなのか。  
興味はその一点に尽きた。  
 
 
 
アルド・ノーバは、その生真面目な正確が災いして、女性に対しては特に奥手である。  
元々色欲も薄く、女性の経験はもちろん、自慰すらも滅多にしない。  
彼にとって女性は劣情を抱く対象でなく、尊敬と畏怖を持って接すべき存在であった。  
 
そんなこの男が、男女の交わりを目に当たりにするのは勿論初めてのことである。  
知識だけは相応にある。しかし自分には縁のないもの、と割り切っていた。  
 
初めて見る、男性器と女性器の結合。  
初めて耳にする、女性の嬌声。  
しかも、霰もない姿を晒し淫らに喘いでいるのは、自分が最も尊敬し、同時に畏怖する存在である”女神”なのだ。  
 
心臓が、痛いくらいに脈動している。  
ペニスは岩のように硬くしこっている。こんなことは初めてなのではないか……  
まるで少年の頃に戻ったかのように、心は高鳴ることを止めようとしなかった。  
 
やがてフィオニスがフィニッシュに入る。ペニスの抜き差しされる早さがぐんと増す。  
頭をガクガクと振りながら、それによってニースは高みに押し上げられてゆく。  
 
「はぁ……。ひぃ……ぁぁン……い、いいの……気持ちいいのぉっ……!」  
 
自然と、漏れ出る声のトーンも上がってゆく。  
 
 
この異常な状況に、アルド・ノーバはある錯覚を覚えた。  
大地母神の聖女と交わっているのは自分。そんな、とんでもない錯覚を。  
高まる嬌声が思考をおかしくする。頭が真っ白になってゆく。  
誰にも触れられていないペニスが、短く痙攣するのを感じる。  
 
そして、アルド・ノーバは、ニースが大きく背を仰け反らせ歓喜の声を絞り上げた瞬間、一人果てた。  
 
 
「ハァ……ハァ………」  
 
幾度目か、それすらも最早わからない膣内射精がようやく終る。ペニスを抜き、フィオニスが離れる。  
黒髪の少女は静かに俯き、顔を手で覆った。  
豊穣の女神と対を成す存在である破壊の女神カーディス、その信徒は男女の交わりと生命の誕生とを切り離す、  
人体への究極の冒涜とも言える奇跡を行使できる。  
その為、子を孕む心配は無かった。しかし…交わった後感じる心の痛みは決して消えて無くなるものではない。  
 
だというのに、転生者たちの責めに身体は敏感に応じてしまい、心は何処かへ持っていかれそうになる。  
この異常ともいえる饗宴に、ニースは不思議と違和感を覚えなかった。そして、そんな自分がたまらなく怖かった。  
 
一つだけ、確実に言えることがあった。自分の中で、ある昏い衝動が蠢いているのだ。  
それは、自分の中の全てのものと向き合う覚悟を持った少女が、未だ唯一向き合えないでいるものでもあった……  
 
「ほう……。我等の営み、お気に召していただけたようだな、マーモ公国の宮廷魔術師よ」  
 
アルド・ノーバのローブの股間部分に薄っすらと広がる染みを見つけたフィオニスは、  
可笑しくて仕方ないとでもいうかのように口を開く。  
 
はっとなってニースは振り向いた。  
そこには、かつて苦難の旅を供にし、そして今公国と公王の為供に身を投げ打つ仲間の姿があった。  
しかし、その視線は虚空を彷徨い、口はだらしなく開き、肩は大きく上下している。  
軽く心神を喪失してしまっているようである。  
視線を下に落としたとき、聡明な少女は全てを把握した。  
 
(…見られて、しまったのね……)  
 
心臓が早鐘のように鼓動する。  
恐らく、自分が転生者の責め苦に歓喜している様も、膣内に射精された様も、一部始終を見られてしまったことだろう。  
言い訳の仕様のない、不貞の現場である。  
そしてその光景に、自分の淫らな姿に……アルド・ノーバは、達してしまったのだろう。  
沸々と、忘れかかっていた羞恥心、そして自分に対する深い嫌悪感が舞い起こった。  
 
心を押し殺して、少女は大地母神に覚醒の奇跡を願う。  
効果は忽ち現れる。アルド・ノーバの瞳に力が戻った。  
そして、自分を物憂げに見つめる少女の視線に気付く。  
勿論ニースは裸のままである。  
つい、実りつつある美しい双丘に目がいってしまった。  
 
慌てて目を逸らす。この場から逃げ出したい衝動に駆られるが、背後には転生者が控えている。  
目を瞑って、一つ深呼吸をした。  
…そして、自分の身体に起こった異変に気付く。  
数瞬ののち、その異変の意味するものに気付いた彼は、傍目からも分かるほど顔を青褪めさせた。  
冷静さの戻った思考が自身の醜態をフラッシュバックさせる。  
 
(わ…わ…私は……なんということをしてしまったのだ……)  
 
 ドンっ  
 
アルド・ノーバは振り向くと、突然のことで反応の遅れた転生者の手から短剣をひったくり、壁まで突き飛ばした。  
そして、ガタガタと震える手で、短剣の刃を自分の首筋に近付けた。  
 
「アルドっ……やめなさいっ…!」  
 
アルド・ノーバの意図するところに気付いたニースが叫ぶ。それと同時に短剣を握る手が止まる。  
僅かな静寂。  
少しの間をおいて、顔面蒼白のアルド・ノーバが口を開いた。  
 
「申し訳ありません、ニース様。私は、恩師の愛娘を……、君主の妃を……、そして、女神の遣わされた  
聖女を、浅はかな劣情で汚してしまった……。も、もはや、こうすることでしか、私は自分を保てないのです…」  
 
憚ることなく涙を流すアルド・ノーバは、聖女を汚したことへの懺悔を何度も繰り返す。  
潔癖過ぎるこの魔術師にとって、自分のしでかしたことから来るショックは異常ともいえるほどであった。  
接点が少ない分、女性をとかく神聖視しがちなこの男である。  
その象徴たるとも言える存在に対して劣情を抱いた自分を許すことなど出来るはずがなかった。  
 
「やめて……!」  
 
激しくかぶりを振って少女は悲愴に告げる。アルド・ノーバの言動が、行動が、少女に心を抉り取るような苦しみを与えてゆく。  
自身への嫌悪感がそれを増長させる。  
 
「わたしは、あなたが思っているような聖女などではないのよ。見たでしょう、わたしが浅ましく男を求める様を…。  
わたしは、抱かれて、責められて、それを気持ちいいと感じてしまう一人の女に過ぎないの……」  
 
掠れる声をなおも振り絞る。  
 
「ずっとわたしは、お飾りの人形のような聖女であろうとしてきた…。でも、わかったのよ、”自分らしく”  
生きてもいいのだと。わたしだって、怒りを覚えることもあるし、憎しみも抱くわ。戦場で敵を殺すことに  
躊躇いも感じない。清らかなだけじゃない、汚いところや、嫌なところを沢山抱えているの……」  
 
今にも崩れ出しそうな表情で、少女は心情を吐露してゆく。  
 
「私を聖女として見ないで。お願いだから、こんな私なんかのために死のうとしないで……!」  
 
ニースはそう言って天を仰いだ。つぅ、と涙が頬を伝う。  
 
突き飛ばされた怒りでアルド・ノーバに飛び掛らんとする転生者に、フィオニスは視線で待て、と指示を送る。  
これほど感情を露にするニースを見るのは初めてだった。男の短剣を奪うことなど何時でもできる。  
ここは、大人しく事の成り行きを見守るべきであろう。  
 
そして、フィオニスのこの判断は、間違っていなかったのである。  
 
「ですが……それでも、私は…無理なんです。こうしないと、駄目なんです…・・・!」  
 
震える巨漢の魔術師をその瞳に見据えて、静かに首を横に振る。  
 
「あなたが思っているほどの価値なんて、わたしにはない…。むしろ、軽蔑されてもおかしくないくらいだわ。  
お願い、死のうとだなんて考えないで。わたしに、これ以上辛い思いをさせないで……」  
 
少女の、心からの言葉であった。もはやそこに余裕はない。  
再び、僅かばかりの静寂。そして…  
 
「……駄目です。やっぱり、駄目です。なんと仰られようと、あなたは聖女なんです。私は許されてはならないんです…」  
 
溢れる涙で顔を歪ませた巨漢の男は、思いよらずも追い詰められたニースを”否定”することを、選んだのだ……  
 
黒髪の少女は、この期に及んでも聖女たることを強要された。  
連れ添った仲間に認めてもらうことのできない”自分らしさ”とは一体なんなのだろう?それにどんな意味があるというのだろう?  
心に、怒りにも見た悲しみが広がっていくのを感じた。  
 
そして。  
ふと思った。  
楽になりたい と。  
 
一度決壊した堤防は最早何の意味も為さない。  
その思いは、静かなさざ波のように、荒ぶるニースの心を包み蝕んでいった。  
奈落に沈んでいくその感じとは裏腹に、気持ちは次第と楽になる。  
あるいはこの場に居たのが彼女の全てを受け入れてくれる両親、そしてマーモ公王ならば、  
少女が自分の在り方を見失うことは無かったのだろうか…  
 
「アルド、武器を捨てなさい…。これは命令です」  
 
ニースが、ゆっくりとした、しかし抗うことを許さない強い口調で告げてくる。  
自分より歳も背丈も遥かに下の少女、しかしその少女から言い様のない強い威圧感を感じる…  
緊迫感に押し潰されそうになり、ひとときの沈黙ののち少女に従った。  
巨漢の魔術師の手から放たれた短剣は、乾いた音を立てて床を転がっていった。  
 
「そう。それでいいの…」  
 
少女は妖しく微笑みながらそう呟くと、アルド・ノーバに向かって一歩、二歩と歩みだす。  
ただならぬその雰囲気に、アルド・ノーバは狼狽する。  
 
「教えてあげるわ…ほんとうの、わたしを…」  
 
近づく黒髪の少女、その言葉の意味するところをアルド・ノーバは直感的に理解する。  
 
「い、いけません、いけませんニース様…!」  
 
アルド・ノーバの声は悲痛だ。  
 
「お黙りなさい」  
 
逆らうことは許さない。そう告げる少女の顔。  
アルド・ノーバはその迫力に圧倒された。  
まるで言霊である。この場から逃げ出したくてたまらないのに、足が動かない。  
ぶわっと体中に脂汗が滲んだ。  
 
アルド・ノーバの前に立った少女は、手を男の腰に回していく。  
抵抗できない魔術師のローブがはだけられ、腰布が顕わになる。  
腰布の中心には白い染みが楕円状に広がり、オスの臭いを辺りに漂わせた。  
 
ニースは鼻孔を駆け巡るその香りを胸いっぱいに吸い込む。  
 
(ぁ……この臭い……)  
 
恍惚の表情の少女は、軽く膝を落として、染みの中心へそっと舌を伸ばす。  
舌が腰布の中心に到達すると同時に、アルド・ノーバの巨躯がびくっと震える。  
ニースは啄ばむかのように布に口付けをし、染み込んだ精液を吸い上げた。  
布越しに感じる、柔らかい唇の感触。  
一度果てた肉茎に瞬く間に熱が戻ってゆく。  
布がペニスの形に膨れ上がると、少女はその形をなぞるように舌を這わせてゆく。  
 
「ひぃぅっ…」  
 
布越しとはいえ、経験したことのない快感が押し寄せてきて、アルド・ノーバは情けない声を漏らしてしまった。  
 
更に、腰に回されていた手が、性器を隠すための布を僅かに引き下げる。  
先走りの液と精液に濡れた亀頭が顔を覗かせる。  
獲物を見つけた蛇のように、ニースの舌が亀頭に伸ばされ、続いて口腔に捕らえられる。  
その動きに迷いはなかった。  
 
「………っ」  
 
初めての感触。再び情けない声が漏れそうになるのを、アルド・ノーバは必死で飲み込んだ。  
 
少女は舌先で亀頭を転がしながら、ゆっくりと腰布をずり下げてゆき、怒張したペニスを露わにする。  
くぷくぷっと音を立て、猛ったソレを口奥深くまで咥え込み、口腔に広がるオスの味を堪能する。  
 
(はぁ……すごい…びくびくと脈打って……熱い)  
 
(……それに、すごく、臭い…。おとこの人の、精液の匂い……)  
 
(……でも……イヤじゃ、ないの………)  
 
口内の亀頭を軽く吸い上げると、一端口を離す。  
離れてゆく半開きの口唇とペニスの間につぅーっと透明な糸が引かれる。  
 
(そうよ……。そうなんだわ………)  
 
葛藤は確信に変わる。  
 
(…私は、コレが…、熱く滾ったおチン○が、どうしようもなく……好き、なの…)  
 
スパークに抱かれたときから、気付いてはいた。  
認めたくなかった。  
愛し愛されている男のモノなのだからと思いたかった。  
そう独り人知れず悩みを抱えた。  
 
しかし……認めてしまえば、何と気持ちが楽になったことだろう。  
心を曇らせていた闇が何処かへ消え去り、視界が急速に開けてゆくような感銘を少女は受けた。  
 
ニースは不安げに視線を落とすアルド・ノーバを上目遣いに見上げると、誰からも愛されるその笑顔でにこりと微笑む。  
そして、再び、亀頭にちゅぅっと口付けした。  
愛おしくて堪らない、男の象徴へと。  
 
声が出ない。声が声にならない。  
止めさせなければいけないのに。身体が硬直してしまう。背筋が反りかえってしまう。  
追い討ちをかけるように、少女の滑った舌が血管の浮き出た裏筋を滑り、チロチロと微弱な刺激を送ってくる。  
その度甘い電流が身体を駆け抜け、思考を鈍らせていった。  
 
(なんなんだこれは……。気持ちいい。気持ちよすぎる……)  
 
舌がそのまますーっと睾丸に触れてくる。竿にひんやりと冷たい小さな手が絡みつき、上下に扱きたてる。  
睾丸が交互に口内に吸い込まれ、舌先でころころと転がされた。  
どこかむず痒いような、しかし凄まじい快感である……  
 
睾丸を嬲り尽くした舌先は、再び筋を舐めあげ、亀頭を優しく包み込んだ。  
男性器を頬張りながら、”聖女”が上目遣いに見上げてくる。その瞳は妖しく潤んでいる。  
ぬるついた頬裏の粘膜が敏感な亀頭を挟み込む。  
頭が前後にゆらゆらと揺れ、その度快感が押し寄せてくる。  
竿を優しく扱きたてる白い手が眩しい。  
 
(…女性にされるのが、こんなに気持ちいいのだなんて……)  
 
(駄目だ……。頭がおかしく、なりそうだ……)  
 
女性の免疫のないアルド・ノーバである。  
あっけなく、陥落した。  
 
 ドク、ドク、ドク…  
 
肉茎の膨張と同時に、少女の口内に精が放たれる。  
 
(んっ……)  
 
目を閉じ眉をピクリと動かしたニースは、しかし咥えた男性器を放すことなく、口内に吐き出される白い欲望を受け止めた。  
喉がゆっくりと上下してゆく。  
残滓も取り逃がさまいと、更にちゅるちゅると吸いたてた。  
 
 ちゅぽんっ。  
 
ようやく開放されたアルド・ノーバは、その場で尻餅をついてしまった。  
自然と、ニースを見上げる形になる。  
黒髪の少女は唇と膣から別々の男の精液を垂らしながら、悠然と佇んでいる。  
その表情からは、まごうことなく淫蕩な様が見え隠れした。  
しかしかといって、その身体から滲み出る持ち前の高潔さが失われることもなかった。  
 
ただただ、美しかった。  
視線が逸らせないほどに……  
 
ニースは、そんな心のうちを見透かしたのか、こちらに向けて、チロリと舌で口唇の周りの精液を舐め上げた。  
そして、微笑を浮かべながら、じぃっと瞳を見つめてくる。  
途端、背筋がゾクゾクした。  
下半身が熱を帯びる。果てたばかりだというのに、ペニスが鎌首をもたげてゆく。  
 
目の前の少女から感じる威圧感と恐怖、だがそれを物ともしないほど陶酔しきった自分の心。  
自分より遥か歳下の少女に見下ろされていることに、言いようのない幸福感を覚えた。  
そして、アルド・ノーバは漠然とながら理解した。  
もう、目の前の少女に、自分の心は完全に囚われているのだと……  
 
屹立してゆく男性器に少女は微笑みかける。  
跪いて手を伸ばす。亀頭に触れた親指が尿道をグリグリと圧迫する。  
 
「ここが気持ちいいのでしょう?さぁ、言ってみなさい…」  
 
囁きかけるようにニースは言う。  
 
「は……い、気持ち…いいです……」  
 
夢見心地で応えるアルド・ノーバ。  
くすっと笑いを漏らして、ニースは両手で自らのスリットを押し広げる。  
 
「ねぇ、アルド。ここに…入れてみたい…?」  
 
腰を持ち上げながら少女は言う。開かれたスリットは、少女の分泌する愛液でテラテラと濡れている。  
中心にある膣からは精液がちょろりと垂れ、太腿に線を引いてゆく。  
小さく、薄っすらと開いたその穴に、アルド・ノーバは深淵にまで引きずり込まれるような眩暈を起こした。  
そして、無意識のうちに、頷いていた、  
 
唇の端をにぃっと緩ませたニースは、軽くアルド・ノーバの胸を押して、仰向けに寝かせた。  
横になった身体を跨いで、屹立するペニスの上に腰を運ぶ。  
伸ばした手で上に向けさせると、自らの花唇に宛がった。  
そして、妖しい笑みを浮かべながら呟く。  
 
「さぁ、アルド。あなたを、オトコにしてあげるわ…。わたしのこと、よぉーく、わからせてあげるの…」  
 
次の瞬間、アルド・ノーバのペニスが少女の中に飲み込まれていった。  
 
 にゅぷっ。  
 
「ぁぁんっ……はいっ…た……わ…。ねぇ、アルド…。どうかしら?わたしの中は…」  
 
「はっ…ぁっ…ぃ……い…です、すごくいいです……!」  
 
アルド・ノーバは感激のあまり、歓喜の涙を流した。  
初めての女性。恩師の愛娘。冒涜。公后。罪悪感。マーファの聖女。自己嫌悪。  
そして、この異常な状況、空間。  
ありとあらゆるものが快楽のスパイスとなってアルド・ノーバの心を駆け巡った。  
ペニスを優しく包む暖かい膣壁がたまらなく心地良かった。  
 
黒髪の少女は満足げな表情をその顔に浮かべて、腰を揺すり始めた。  
いつも犯されてばかりであったから、男の上に乗って腰を振るのを初めてのことだ。  
しかし、それなのに手に取るようにわかった。  
どう動けば気持ち良いのか、感じさせられるのか。  
自分の中から響く声に導かれるように、ニースは前後に腰を揺さぶり、ペニスを締め上げていった。  
 
 
(まさか、あの魔術師がこんな形で役に立とうとはな…)  
 
傍観していたフィオニスは、事の顛末に驚かずにはいられなかった。  
自分たちだけでは越えさせることのできなかった一線を、少女は自ら飛び越えたのだ。  
 
(近い。近いぞ…。ナニールの真の覚醒は、もうそこまで来ている…)  
 
もう一人の転生者に目配せする。  
二人は、男に跨って喘ぐ少女を挟むようにして近づいた。  
そして、いきり立った肉茎を彼女の鼻っ面に晒した。  
 
「さぁ、ナニール。私たちのものも受け入れるのだ……」  
 
一瞬戸惑ったような表情を見せたが、ニースはすぐに微笑を浮かべて、左右から迫るペニスを両の手で掴んだ。  
 
「クス・・・いいわ…ぁん、わたしが、気持ちよくしてあげるの・・・はぁん…」  
 
ペニスを手で優しく扱きあげながら、交互にキスを降らせる  
滑る舌が男の弱点を的確に責め、快感を送り込む。  
前後する腰は、更にその早さを増した。  
 
 
最初に果てたのはアルド・ノーバであった。  
 
「あーっ、はぁ、ぁぁあ、だします、ニース様、だします……!」  
 
 ビュクっ、ビュクっ、ビュクっ…  
 
ペニスを締め上げ揺さぶる膣に耐え切れず、子宮の奥深くまで、この短い時間三度目とは思えないほどの量の精液をぶちまけた。  
 
(あっ……ぁ…あつい…。また、膣に出されてしまったのね……)  
 
しかし、膣内への射精に今までのような嫌悪感を持つことはなかった。  
むしろ膣を満たす温もりに慈しみすら覚えた。  
 
更に左右のペニスからも精を放出させようと、擦りあげる手のスピードを上げる。  
それに応え、ぶるぶると震えるニースに左右から×の字のように精液が降り注いだ。  
白い欲望はニースの顔を、髪を、余すことなく汚していった。  
 
(……ハァ…・・・ハァ……。精液が、こんなに…いっぱい……)  
 
ニースは、吐き出された精液にその身を細かく痙攣させ、ふっと意識が遠のいて行くのを感じた。  
 
光と闇以外、何もない空間。  
光は即ち大地母神の創造を、闇は即ち破壊の女神の虚無を象徴する。  
この光と闇は対であり、あるときは光が照らし、あるときは闇が飲み込み、その均衡はこの世の理を示しているかのようであった。  
 
ニースは一人そこにいた。  
 
水に浮かんでいるかのように、ゆらゆらと身体が揺れている。  
意識がはっきりとは定まらないのか、少し虚ろな目である。  
そんな少女を、どこからか呼ぶ声があった。  
 
(……!……呼ばれて…いる…?)  
 
(…だれ?わたしを呼ぶのは…だれなの?)  
 
ニースの問いに応えるかのように、視界に人の影が浮かび上がってくる。  
少女の影であった。  
 
(あなたは……まさか……)  
 
影は見る間に形を成す。  
 
(…そうよ、ナニール。わたしは、ナニール…。そして、あなた自身でもある……)  
 
ニースと瓜二つの、しかし燃えるような真紅の髪と瞳を持った少女が、そう語り掛けてきた。  
 
(ついにあなたは、心の奥底から、わたしを受け入れることを選んだ…)  
 
(転生した身体の持ち主の魂が弱ければ、わたしに飲み込まれ、わたしがそのまま表に出ることになる…。  
でもね、ニース。あなたほど強い魂の持ち主であれば、二人は同化して、同じ魂の共有者となるの…)  
 
ナニールはニースに近付き、その手を取る。  
 
(さあ、ひとつになりましょう…、ニース)  
 
刹那、ニースのイメージを具現化して、愛する両親、そしてスパークの姿が周囲に浮かび上がる。  
 
だがそれを掻き消すかのようにナニールはニースの唇を奪った。  
死を、終末を、そして転生を呼ぶ接吻。  
ナニールの身体がさらさらと崩れ、ニースの中に入り込んでゆく。  
 
(………っっ!)  
 
ニースは自分の意識が塗り替えられていくかのような印象を受けた。  
自分の何かが変わるわけではない、しかし入り込む意識が今までの価値観を押し潰し、新たな魂を導き出す。  
胸の仕えが全て取り払われていく。  
マーファの聖女としての自分、フレイム王国の宮廷魔術師の娘としての自分、そして、スパークの后としての自分…。  
自分を護り、助け、また、…縛っていたものから次々と解放されていく。  
 
代わりに、新たに形成される自己があった。  
 
 
 
 
 
(そう…)  
 
(わたしは、ニースであり、ナニール…。そして、……亡者の女王……)  
 
(我等が女神、カーディスに祈りを捧げ、この世界に終末をもたらすもの……)  
 
(転生を繰り返し、いつか神となることを誓ったもの……)  
 
(終末の門は開かれた…。もう、準備は整っている……)  
 
(この世界は、滅びるときがきたのだ……)  
 
(さあ、行かねば。フィオニスが、わたしを待っている……)  
 
ニースは、均衡が崩れ、闇が光を次々と飲み込み始めたこの世界から浮上していく。  
自らの使命を、責務を、そして約束を果たすために……  
 
そして、世界は虚無へと包まれていく…  
 

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