「殺せ。それとも犯してからか」
両手を縛り寝床に組み敷いた女ダ−クエルフ、ピロテースは怯まずに睨みつけてきた。
参謀のグローダーから評議会からの刺客が派遣されたらしいと報告を受けていたがまさか
気配一つ殺せない輩とは黒衣の騎士も想像だにしてはいなかった。
(俺も舐められたものだ・・・・)
彼――――黒衣の騎士アシュラムは腹の底で苦笑した。
今でこそこんな所で燻ってはいるがかつてはマーモ評議会の幹部として黒の導師バグナ
ードらと並ぶ地位にいた。そんな自分を消すのに素人よりはマシ程度の刺客を放つとは他
の幹部らのやる気を疑うというものである。
(しかしこの女をどうしたものか・・・・)
普通に考えれば処刑するのが常だろうが、それでは芸がない。次に放たれる刺客が彼女
より未熟とは限らない。
かといって解放してやる義理も無い。いやしくも黒衣の騎士たる自分を暗殺しにきたの
だ。それでは部下達に示しがつかない。
「大体予想できるが、誰に命じられた?」
「・・・・・・・・」
ピロテースは黙秘した。分かりきった反応ではある。
「そうか、では下の口に聞くとするとしよう」
「・・・・・・・・!?」
おもむろに下着に手をかけるアシュラムにピロテースは抵抗するが足を閉じる位の事し
かできない。下着を奪い取りあらわとなった秘肉は濃褐色の肌とは対称的に鮮やかな紅色
の輝きを放っていた。
「な・・・・破廉恥なマネを・・・・!」
両手を封じられては精霊魔法も使えず腕力では到底かなわずアシュラムのなすがままに
される。ピロテースの抗議を聞き流しアシュラムは秘肉をまじまじと眺め、ひと舐めする。
軽いアンモニア臭がした。
「フム、ダークエルフもここの色や味は変わらんのか」
「止めないか、汚らしい・・・・!」
嫌悪感を隠さないピロテースにアシュラムは処女の気配を感じ取った。
「ダークエルフの男にしてもらった事が無いのか? それとも初めてか?」
「・・・・!」
カマをかけてみたがドンピシャだ。沈黙がそれを証明している。
(そういえば最近忙しくて夜伽はご無沙汰であったな)
先帝ベルドに出会う以前、無頼の徒であった頃から女は両手の指で数えるのが面倒な位
抱いてきたがダークエルフの女は未経験だ。彼女は暗殺未遂事件の実行犯、問題は無いだ
ろう。黒衣の騎士の口元が残虐に歪んだがピロテースは欠片も気がつかなかった。
襟元のつなぎを解くと豊かな双丘があらわになった。彼女のマーモ軍服は胸部が大きく
開いた改造されているので予想はできたが生乳房はそれ以上の迫力がある。横になっても
崩れず張りのある乳房の頂上にはやや褐色の突起物が起立している。先ほど取っ組み合い
を演じた際に擦れたのであろう。
もうピロテースは抵抗を止めたが視線は相変わらず自分を犯そうとする黒衣の騎士に向
けられている。
(そうこなくてはな)
アシュラムの両手が伸びる。豊かな両乳房を軽く、撫でる様に掴み刺激していく。
ふとピロテースの表情を見る。その顔からは険が消え、恐怖と嫌悪、そして困惑が伺える。
そろそろだ、腰のベルトがカチャカチャ鳴り、怒張が鎌首をもたげ直立する。
怒張は丸出しの秘肉には目もくれず双丘を目指した。胸の谷間への侵入を完遂すると両手
によって乳房の間に挟まれる。そして両乳房に摺りつける様に抽挿運動を始めた。
「ふ、不浄な・・・・」
グロテクスは怒張に嫌悪感を隠さないピロテース。
「何をいうか、これは男にも女にもありがたきモノではないかな?」
怒張の先から半透明の液体が湧き出してきた。発射が近い事を現している。怒張の運動は
更に激しさを増し熱を帯びる。液体の量も増えてきた。
「イクぞ、まあ顔料だと思えばいい」
ビク ドクンドクン
白濁した精液が派手に舞った。
狙い違わずピロテースの眉間あたりを直撃し鼻を境に左右に流れを変える。
「よくもこんな汚らしい液を・・・・変態め!」
褐色の肌の女にかけられた精液――――白と黒のコントラストがピロテースを美しく演出
した。
ここで肝心な事を思い出した。これは暗殺の命令を出した人物を聞き出す尋問である。お
およそ予想できているとはいえ確かな情報を彼女本人の口から聞きたいのだ
「そうそう大事な事を忘れていた。お前に命令を出したのは誰だ?」
ふと思う。怒張を乳房に挟みながら尋問するのは客観的に見て結構間抜けかもしれない。
「フン、どの道粛清される貴様が知る必要は・・・・ウッ!」
いきなりピロテースの体がひっくり返された。
「今一度聞く、誰に命じられた?」
最後通告に鼻で笑うピロテース。もっとも予想範囲内の事象だ。
「くどいぞ、造反者・・・・ガアッ!」
いきなり下半身が引っ張られ股間を激痛が襲う。何の予告も無くアシュラムの怒張が挿入
されたのだ。両足を脇に抱え込んで力任せに抽挿運動を繰り返す。
「こっちの口は何時まで沈黙できるかな?」
怒張が奥へと突かれる度にピロテースの口から呻きが漏れる。大口を叩くだけあって悲鳴
を上げないのは流石というべきだろうか。
敷布を見下ろすと赤く染まっている。予想通り彼女は処女だった。
何物も通したことの無い秘肉の間が怒張を締めつける。苦痛に耐えようとする防衛本能が
余計にアシュラムの快楽を促進させているのに獲物は気がついていない。
(無理矢理、というのも悪くないな)
シャイニングヒルに詰めてからは時折カノン貴族の女を抱く事は度々あった。しかしたい
ていはまな板の上の鯉の如く瞳を閉じされるがままの、まるで人形を抱いている様な女ばか
りである。
自分を罵り屈しない女を強姦する、二十年近く前の無頼の徒だった時代を思い出させる。
「こん・・・・な、程度で・・・・屈すると、思うか・・・・」
もう彼女からは言葉以外の抵抗は見られない。言葉さえ途切れ途切れだ。
そろそろ怒張も限界が来ている。アシュラムは抽挿速度を速めた。
「出すぞ、受け止めろ」
「・・・・!!」
ピロテースは身をよじろうとしたが遅い。怒張が凝縮し膣内に出血以外の熱が走る。
ドクン ドクン ドクン
二度目の射精が膣内を溢れさせた。さっきまで処女だっただけあって膣圧は強く、力を失
った怒張は膣外へと押し出される。
二人の身を気だるさが覆う。射精後の脱力感と犯された事の衝撃と、それぞれ違えども。
先に起き上がったのはアシュラムだった。手拭いで汗を拭くとピロテースの手枷を外しそ
れを差し出した。ピロテースは手拭いを引ったくるとまず顔を、そして腹部を押して精液を
拭き取ろうとしている。
「無体な、孕んだらどうするつもりだ」
自分が何をしにきたのか忘れて精液を押し出す仕草にアシュラムの口元に笑みが浮かぶ。
「腹を蹴ってやるくらいの事はできるぞ。それとも・・・・」
もう一つの答えの前に一瞬、間を置いてピロテースの注意を引きつけた。
「囲ってやろうか?」
沈黙が訪れた。何の事だか分からない、ピロテースはあっけにとられたが顔を真っ赤にし
て目を吊り上げた。
「××××! ○○○○!! △△△△!!!」
エルフ語で何か叫ぶ。おおかた罵声であろう。
着衣の乱れを直すと窓際へと駆けアシュラムを振り向く。
「今日の事は忘れないぞ、黒衣の騎士!」
そう言い放つと窓から身を躍らせた。外を覗いた時にはすでに姿は無く、着地点の足跡の
みが辛うじて確認できるのみであった。
黒衣の騎士はそっと窓を閉め寝床へと向かった。破瓜の鮮血で染まっているのも気にせず
寝転がり明かりを消す。 警戒していない訳では無い。だがあの女も一晩に二度も襲撃する
程無謀でもあるまい
(次はどんな手を打ってくるか・・・・そしてどう仕置きしてやるか、)
サンドマンが誘っている――――瞼が重くなり彼の意識は深い場所へと沈んでいった。
それが後に漂流王を呼ばれる男とその忠実なる者との出会いであった。
THE END