女は窓辺に立ってルノアナ湖に映る星影を見下ろしていた。眼下に黒々と広がる湖面は  
あのときとなんら変わりはなかった。  
かつて女は、ここルノアナ湖の湖畔近くに館を構えていた。  
 
もう、500年近くも昔のことだ。  
 
 
胸元の大きく開いた薄紫のサテンのドレスを身に纏い、人が羨むような艶のある黒髪を  
後ろで束ねている。白く、すらりとした指には大小の石のついた指輪が嵌められている。  
前髪に隠れるように、額には2つの緑の石のついた額冠を嵌めている。  
 
レイリア。いや、今は“カーラ“である。  
 
カーラはしばらく湖面を見つめていた。かつてカーラがまだ、己の肉体を持っていた頃、  
共に語らい魔術を高めあった彼女の友人・知人は既にもうこの島にはいない。  
孤独には慣れてはいたが、こうして500年間変わらない風景を見ていると、自然と  
かつての偉大なカストゥール王国時代の出来事が思い出される。  
 
彼女は一人の偉大な魔術師のことを思い出していた。  
 
尊大な男だった。魔術の奥義を窮めんと、孤高を保っていた。  
 
魔法王ファーラムの再来とも言われ、カストゥール王国晩年の最盛期を築いた男だった。  
付与魔術の研究に打ち込み始めた少女時代、カーラはその孤高の天才魔術師に憧れと敬慕、  
そして密かな恋心を抱いていた。  
 
しかし男は他人を決して認めず、また他人から認められることも望んではいなかった。  
そのことが、彼と彼の王国に最後をもたらしたと言ってもいい。  
 
「…サルバーン…。」  
 
カーラはかつて尊敬し、敬愛を捧げた男の名を呟いた。  
 
彼女の想いは、ついに男に届くことはなかった。  
カーラに出来たことは、その男と彼の王国の最後を見届けることだけであった。  
 
カーラは窓辺から身を翻すと、ベッドに身を横たえた。  
 
静かに目を瞑ると、懐かしい青年時代の男の面影が浮かんでは、消えた。  
 
「…、ん…」  
 
気がつくと、自然とその右手はドレスの上から秘所を押さえていた。そこは熱を持ったように  
既に濡れ始めていた。カーラは静かにその上からゆっくりと、肉襞に沿って指を  
這わせる。敏感な肉芽に刺激が走る。  
もう片方の手も豊かな乳房に伸ばされ、円を描くように揉み始めている。胸の果実を  
こねまわすごとに、大きくあいたドレスの胸元から、豊かな胸の谷間がくっきりと浮かび上がる。  
 
「ん…、はぁ…」  
 
次第にその吐息は熱くなっていく。体の奥からゆっくりと身を焦がすような情欲を感じる。  
 
カーラは自らを愛撫する手を休め、身を起こした。  
部屋の入り口や窓には魔法による封がしてあるが、中の様子は窺い知ることはできる。  
カーラは指輪を嵌めた手を軽く動かすと、簡単な結界の呪文を唱えた。  
 
(意外な性癖ね………)  
 
と、カーラは思った。これまでカーラは男女を問わず、そのサークレットにより肉体を  
支配しては、取り替えてきた。その精神は額冠に秘められた強力な魔力で封じ込めることは  
できる。しかし食欲や性欲といった、肉体そのもののもつ欲望だけは、そのままカーラ自身  
にも影響を及ぼしてしまうのだった。  
 
今の肉体は敬虔なマーファの女性神官のものである。マーファに仕える以上、性について  
経験があるはずはなかった。しかし、この肉体の持ち主は高位のマーファ司祭でありながら、  
人並み以上の性に対する欲求を持っているようだった。  
 
(おかしなこともあるもの…)  
 
カーラはひとり呟きながら、ベッドの小脇にあるテーブルの引き出しから黒っぽい長さ30cm  
ほどの小杖を取り出した。軽くマナを流し込むと、その茶色い小杖は微かに生き物の様に  
グニャリと、うねって見せた。  
 
再びベッドに横たわったカーラは、服の上から小杖で肉芽を押さえつけ、擦り上げた。  
甘美な刺激が脊髄を走る。この肉体の求める性欲を満足させるには、自らの指だけでは  
物足りなかった。仕方なしにカーラは、古代魔法王国時代末期に禁制とされた魔法の淫具を  
使うようになっていた。  
 
「…あっ…!」  
 
思わず、カーラの声が漏れる。まだ肉体に慣れていないためか、この体の感度はとても  
よいようだ。カーラ自身も男性の肉体よりも女性のそれの方が、快楽のツボを心得ていた。  
透けるような薄手の下着の上から、小杖で肉襞を擦りながら再び胸の果実も弄ぶ。  
ドレスの胸元から手を差し入れ、そのシコリたった小さな蕾を指で摘む。  
固く充血したその先端は痛いほどに鋭敏になっていた。  
 
「……ク……んんッ……」  
 
秘所を擦り上げる小杖の動きが激しくなる。激しく擦りつけながら、軽くマナを流し込むと  
小杖は軟体動物のような不気味な動きをみせ、カーラの敏感な部分を刺激する。  
 
(もっと…、奥まで…)  
 
カーラは黒い薄手の下着を脱ぎ捨てると、小杖を直接自らの膣肉の中へと捻じ込んだ。  
 
「…んっ!いぃ!」  
 
痺れるような刺激に、思わず仰け反りながらカーラは叫んだ。結界を張っていなければ  
部屋の外にまで聞こえたであろう。しかし、部屋は今は2重に封じられており、思う存分  
楽しむことができた。  
 
「あぁ…、サルバーン…。もっと、もっと奥まで……」  
 
カーラは500年前には決して口に出来なかった欲情を吐き出していた。  
蜜壷からは大量の愛液が流れ出し、太腿を濡らしている。カーラは握り締めた小杖に、  
更に魔力を流し込む。小杖はその魔力を受け、カーラの肉壷の中をかき回すように妖しく蠢く。  
その絶妙な動きに、身も心も蕩けるように悶える。  
 
カーラは無意識のうちに、より深い快感を求めて小杖にマナを流し込んでいた  
この肉体のもたらす快楽に、もはや自制が利かないほどのめりこんでいく。  
 
これこそが、古代魔法王国期に禁制とされた、魔法の淫具の秘められた力なのである。  
カーラもまた、その快楽に溺れていく。しかし、それはこれまでのカーラの経験をもってしても  
異常とも思えるほどであった。  
 
更に肉体の命じるまま、秘所が壊れるのではないかと思うほどに、激しく小杖を女陰に突きたてる。  
 
(もっと!!もっと奥まで!!)  
 
カーラはいつの間にかはだけ落ちた乳房を鷲掴みにしながら、狂ったように自らを陵辱していた。  
 
(気持ちいい…。あぁ…)  
(もっと…!もっと…!)  
(……ソウ…、壊レルクライ…)  
(…ひとつになりたい…………)  
(……世界ノ終ワリマデモ……)  
 
 
自慰に夢中のカーラは気づかなかった。  
いつのまにかその脳裏に別の「声」が混じり始めていることに。  
 
髪を振り乱しながら自淫を続けるカーラの脳裏から、いつのまにか孤高の魔術師の姿が消え、  
それとは別の男性の姿が浮かぶ。それが誰なのか、その顔も姿も思い出すことができない。  
しかし、その男性のことを考えると、とにかく滅茶苦茶に愛したい、愛されたいという欲望が魂の奥底から  
燃え上がり、カーラ自身も驚くような狂乱と快楽に溺れるのが、この肉体の常であった。  
 
 
「…リア。レイリア!」  
 
後ろから呼びかけられ、レイリアは心臓が飛び出るのではないかと思うほど驚いた。  
あわててカラン、と持っていた小皿を落としてしまう。  
 
「あなた…!。もう、驚かさないでください」  
「すみません。それにしても、どうしたのですか?ぼぅっとして。」  
 
心配そうにスレインが尋ねる。夕べのことを気にしたスレインが様子を伺いにきたのだ。  
 
「な、なんでもありませんわ」  
「そうですか?心なし顔が赤いようですが…。熱でもあるのではないですか?」  
「大丈夫です。本当になんでもありませんから」  
 
慌てて先ほどまでの回想を悟られまいと、無理に笑顔を作る。スレインは納得した様子では  
なかったが、それ以上追求しようとはしなかった。  
 
 
「それでは、私は先に休みますから。あなたも無理をせず、休んでくださいね」  
そう言うと、スレインは寝室へ向かっていった。  
 
 
寝室へ戻るスレインの後姿を見送ったレイリアは、ほっと胸を撫で下ろした。  
 
カーラに支配されていた7年間について、レイリアはその全てを話したわけではない。  
今、全てを明らかにするには、それはあまりに生々しすぎた。それでもロードスの平和のために、  
できるだけの協力は惜しまないつもりではある。  
しかし、その7年間に魔女カーラとして重ねてきた退廃と背徳の夜については、自分ひとりの  
胸に収めておくつもりであった。  
 
あの小杖が再び目の前に、現れるまでは…。  
 
 
気がつくと全身が軽く火照っている。  
スレインは優れた賢者であり、いづれ小杖の正体にも気づいてしまうであろう。  
そのことを考えると、居た堪れないほどの羞恥を覚える。  
いや、レイリアが語ることのない秘密にしても、スレインは気づいていない  
わけではないのだ。  
 
夫婦であるレイリアとスレインは、体を重ねているのだから。  
 
スレインと初めて床を共にしたときには、レイリアは既に清い体ではなくなっていた。  
マーファに仕える者として、愛するものに純潔を捧げることができなかったことを、  
レイリアは深く、深く後悔している。  
 
しかし、スレインはそんなことは全く気にかけず、逆に傷ついたレイリアをいたわるように  
その全てを受け入れてくれているのである。レイリアはそんな夫にめぐり会えたことを感謝し、  
その全てを捧げることを誓っている。  
 
夕餉の洗物を終えると、レイリアはいつものようにマーファへの祈りを捧げる。  
しかし、一度火照りだした体は、なかなか収まる様子はなかった。  
 
(……あなた……)  
 
レイリアは軽く目を閉じて、しばし愛する夫に想いを馳せる。  
再び目を開いたレイリアは、スレインの後を追うように寝室へと向かった。  
 
寝室ではスレインが枕元で、まだ読書に耽っていた。  
レイリアは何も言わず、そのままいつもの質素な木綿の夜着ではなく、薄手の絹の  
夜着に着替えた。柔らかな素材が、レイリアの均整のとれた体の線をはっきりとさせる。  
スレインはその様子をチラリと横目で追っただけで、後は何も言わず何事もなかったかの  
ように読書を続けていた。  
 
レイリアはスレインのベットの枕元に腰をかけた。  
枕元に置かれた燭台の炎に照らし出されて、女性的なレイリアのシルエットが寝室に映し出される。  
パタン、と分厚い古代語の書物を閉じたスレインが尋ねる。  
「どうしたのですか。急に……?」  
 
もちろんスレインには、レイリアの態度から彼女が何を求めているのかは予想が出来た。  
仲睦まじい二人ではあったが、昨夜激しく愛し合ったばかりでもある。まして今日は  
ターバの大神殿の神官戦士の修行の日でもあり、レイリアも疲れているはずであった。  
にもかかわらず、今、燭台の灯りに照らされスレインを見下ろすレイリアの瞳は潤み、  
“女”としての艶を感じさせた。  
 
 
しかし、一方でその表情は、どこか思いつめたような熱っぽさをも帯びていた。  
 
 
「……スレイン…」  
レイリアは何かを言い出そうとして口ごもる。  
 
「…あの、例の小杖ですが……。」  
レイリアはそう言いかけて、再びベッドのシーツを握り締めて口ごもった。  
 
「無理をすることはないんですよ」  
 
慎重に言葉を選びながら、スレインはいつもと様子の違う妻を気遣った。  
原因ははっきりとは分からなかった。が、先ほどパーンたちが持ち込んできた小杖を  
目にしたときの、レイリアの表情を思い出していた。  
 
 
レイリアは何も言わず、ただ潤んだ目でスレインを見つめている。  
何かを訴えかけているように、スレインには思えた。しかし、それが何であるかは  
賢者と呼ばれるスレインをもってしても、この時、まだ理解できなかった。  
 
「…レイリア……」  
スレインがその白く繊細な拳の上に、そっと手のひらを重ねる。  
「……いいんです。あせることはないんです。ターバの神殿での誓いを憶えていますか?  
 貴女は私が守ります。だから、貴女も私を信じていてください……」  
スレインの言葉に胸が詰まるような気持ちになる。レイリアはホッと息を吐くと、  
固く握り締めていた両手を緩めた。  
 
「…あなた……」  
 
レイリアはスレインに寄り添うように体を重ねていく。そして目を閉じて、そっとスレインの  
胸元に顔をうずめる。  
 
「お願いです…。抱いてください、しっかりと」  
小声で呟くようなレイリアの声が聞こえる。  
 
スレインは何も聞き返さなかった。そのままレイリアの背に腕を回し、しっかりと抱きしめる。  
未だに過去の悪夢に苦しんでいる妻を思うと、スレインの胸は痛んだ。  
 
「もっと、もっと強く……」  
レイリアもまた、縋り付く様にスレインの首にその白い腕をまわす。  
顔を上げると、自分を気遣うように見下ろすスレインと目が合った。  
 
レイリアの頬は淡桃色の上気し、長い睫毛の瞳は熱を持ったように潤んでいた。  
 
「抱いて…、抱いてください。今夜だけは。」  
 
激しい口調でスレインに懇願するように言うと、レイリアは愛する夫の接吻を求めた。  
スレインの唇を割って入るように、レイリアの舌がスレインの中に滑り込む。まるでその口内  
を蹂躙するように、生暖かい舌が蠢き、スレインの舌に絡められる。レイリアの甘い吐息が  
冷静なスレインの理性を痺れさせた。  
いつもとは違う熱烈なレイリアの口付けに、スレインはなす術もなかった。  
 
普段のレイリアはスレインを労わるように、優しく抱擁していくのが常であった。  
 
しかし今夜のレイリアは違っていた。  
まるで“女”そのもののように激しく、自分からスレインの“男”を求めてきた。  
 
「ん…、んん……」  
重ねた唇を擦り合わせるように、全身をくねらせる様にしてスレインを押し倒す。  
 
スレインは激しいレイリアのキスに、息苦しさを憶えるほどであった。しかし、レイリアは  
そんなスレインを離そうとはせず、絡みつくようにして情熱的な接吻を求め続けている。  
スレインのの背中を、脇腹を、首筋を、白くしなやかな指が這い回る。  
 
レイリアから離れようと、スレインはその肩に手を置いた。しかしレイリアはその手をとると、  
服の上から自らその豊かな乳房の上にスレインの手を導く。レイリアはその上から重ね合わせるようにして  
しっかりとスレインの手を胸元に押し付け、離そうとはしなかった。  
 
「お願いです。今だけは…全てを忘れさせてください…」  
 
ようやく夫を情熱的な接吻から解放したレイリアは、スレインを真っ直ぐに見つめながら  
ただ、それだけを言った。  
乱れた呼吸を整えながら、スレインは黙ってコクリと頷いていた。  
 
(私にできるでしょうか?)  
 
そんなことを頭の片隅で思わないではなかったが、今夜はレイリアの気の済むようにしてやる  
つもりではあった。  
 
レイリアは再び横たわるスレインの上に覆いかぶさるようにして、体を重ねていく。  
夜着の上からでも、固く屹立した乳房の先端がはっきりと分かる。乱れてはだけた胸元から、  
深い胸の谷間が覗き見えた。間近でみると、白い肌の上を薄く走る血管までも見て取れる。  
スレインが夜着の上からゆっくりと揉みあげると、豊かな肉塊がひしゃげ、形を変える。  
 
「もっと…、もっと強く…」  
 
重ねた手に力を入れ、自分からスレインの手に豊かな乳肉を握らせる。  
服の上からでも薄手の絹の夜着は何もつけていないかのように、熱に浮かされたような  
レイリアの体温を伝えてくる。スレインは胸を揉む指はわざと中央の突起を避けて、柔らかな  
乳房全体をやわやわと揉みたてるそこに刺激を与えられたレイリアは、その指の動きに合わせて、  
身をよじらせて喘ぎ声をあげた。  
 
「あっ…んん…。…あなた…」  
 
スレインの男性も既に熱く脈打ち、レイリアの白く肉付きのよい太腿に押し付けられている。  
レイリアは体を起こすとスレインの下半身に顔を寄せ、その裾をたくしあげる。  
 
「ちょ、ちょっとレイリア……?」  
 
今までにない大胆なレイリアの行動に、スレインが羞恥と戸惑いで体を起こそうとする。  
 
それをレイリアは無言のまま、熱っぽい視線で制止する。  
 
「大丈夫です。私に任せてください…」  
 
微笑みながらスレインに答えると、レイリアは屹立するスレインの男根をぬぷり、と口に含んだ。  
 
「レ、レイリア……」  
 
スレインは予想外のレイリアの行動を、慌てて止めようとした。しかし直後に全身を襲った  
背筋を走る電流のような快感に思わずその手が止まる。  
 
レイリアは片手を添えながらスレインのペニスを咥えると、その先端を舌先でチロチロと舐め上げた。  
通常の性交とは違う快感が、セレインの尿道から脊髄を遡る。  
 
「あぁっ!!」  
堪らずスレインの口から喘ぎ声が漏れる。  
 
レイリアは男根を口から離すと、今度はそれを軽く手でしごきあげながら、舌先で亀頭を  
ゆっくりとじらすように愛撫する。スレインが見下ろすと、快楽に悶えるスレインの様子を  
楽しむかのように、妖艶な表情でその様子を見上げるレイリアの視線があった。  
 
「どうですか。気持ちいいですか……?」  
艶のある長い黒髪をかきあげながら、レイリアはスレインに問いかけた。  
 
その表情は、伝説にある淫魔を彷彿とさせた。これまでにも夜のレイリアは、しばしばスレインが  
驚くような変貌をみせることがあった。しかし今夜の妻の表情は、いつにもまして違って感じられた。  
 
「…だめですか?」  
気がつくと、返事に窮するスレインをレイリアが不安そうに見つめている。  
 
 
いつものレイリアであった。  
 
 
「いえ、初めての経験だったものですから…。それにしても、あなたの愛撫がこれほど  
 のものとは思いませんでした」  
 
スレインの答えを聞いて、レイリアは嬉しそうに微笑んだ。  
 
「嬉しい…!。貴方が喜んでくださって。  
 こんなことでよければ、わたくし、いくらでもして差し上げます」  
 
そういうと再びレイリアはスレインの男性を口に含む。今度は舌全体を使って円を描くように  
口内でスレインの亀頭を舐めまわす。口唇による愛撫を続けながら、更に手でも固く  
そそり立った男根をしごき上げる。  
 
「ん…、んぐ……。くちゅ…」  
 
前よりも情熱的に、頭全体を使うようにペニスを舐め上げる。そのたびにレイリアの乱れた  
黒髪が、蝋燭の明かりに映える。はだけ落ちた夜着の胸元から、柔らかそうな乳房が  
零れ落ちる。  
 
レイリアの口による愛撫に合わせて、その豊かな胸の果実がゆさゆさと揺れる様子が  
スレインの興奮を更に誘った。  
 
レイリアの激しく絶妙な舌による初めての愛撫に、スレインは堪らず音を上げた。  
 
「ちょ、ちょっと待ってください。このままでは、出てしまいます」  
我知らず声が上ずる。それを聞いたレイリアが残念そうに愛撫を中断した。  
 
「それでも構わないのですけれど……。でも今夜は私も楽しませてください…」  
 
上目遣いにそう言うと、レイリアは横になったスレインの上に馬乗りに跨った。  
片手添えてスレインの男性自身を自らの膣口へあてがうと、そのままゆっくりと腰を下ろしていく。  
スレインの肉棒がゆっくりとレイリアの中に飲み込まれていく。  
 
「…あっ……」  
 
自分自身の中のスレインの男根を確認するかのように、レイリアは目を閉じる。  
レイリアの口による愛撫もあって、女壷の中のスレインの男根は固く、熱く脈動している。  
レイリアの女性自身も既にじっとりと濡れそぼり、愛する夫をすんなり受け止めてる。  
 
しかし…。  
 
(…せめて、もう少し……)  
ふと、そんな思いがレイリアの脳裏をかすめる。  
 
 
スレインはレイリアにとって、かけがえのない愛する夫である。  
レイリアは夫に奉仕し、その愛に応える事が出来ることに満足している。  
 
ただ、レイリアはその夜の夫婦生活において、忘我にいたるような快楽に溺れたことはない。  
スレインの経験と男性自身では、経験豊富なレイリアの体を芯から熱くすることは出来ないのだ。  
それでも今までレイリアは、その生活に不満を感じたことはなかった。  
むしろ快楽に溺れる心配がないからこそ、スレインにその体を許しているとも言えた。  
 
 
だが、今夜は違う。  
 
 
あの小杖の一件が、レイリアに記憶のかなたの過去の体験を呼び覚ましていた。  
魔法の小杖のもたらす通常では考えられない快楽、カーラに支配されていた7年間に  
交わった男たち、数々の得体の知れない魔法の道具、そして湖畔の館で過ごしてきた非道徳で  
自堕落な荒淫の日々の記憶がレイリアの脳裏をよぎった  
 
(いけない。私としたことが、なんと言うことを…)  
 
ふと頭の中に沸き起こった雑念を、慌てて振り払う。  
愛し合う夫婦の営みは、マーファの司る神聖な行為でもある。レイリアはスレインに  
跨ったままの姿で、二人の愛の営みの最中にもかかわらず忌まわしく、そして甘美な過去の記憶に  
囚われた自分を恥じた。  
 
「どうかしましたか?」  
不意に交合の最中に動きを止めたレイリアへスレインが尋ねる。  
 
「なんでもありませんわ。それでは、動きますね」  
 
夫に気づかれまいと、レイリアは何事もないかのように笑顔を作ってみせる。  
そのまま膣腔にスレインの肉棒をヌプリと差込むと、肉付きのよい腰をゆっくりと前後に擦り付けて行く。  
 
どうしたことか、その交わりにいつにない欲情をレイリアは感じていた。  
 
自然と手が胸へと伸び、夜着の上からレイリアは自分から乳房を揉みこね回した。  
蝋燭の明かりが光沢のある絹の夜着を照らし出す。レイリアが片手に余る豊かな乳房を揉み上げると、  
柔らかな夜着の素材は何も身に着けていないかのように、レイリアにその快楽を伝えてくる。  
 
「…んん、…もっと……、あなた……」  
 
無意識のうちに、次第にレイリアの動きが激しくなっていく。レイリアはスレインに跨ったまま、  
自らの夜着の裾を捲り上げると、もう片方の手で充血した肉芽を弄り始める。  
2本の指で擦りあげると、痺れるような快感にレイリアは悦びの声を上げる。  
 
「あぁ、スレイン…」  
 
レイリアは愛する夫の小ぶりな男性を更に奥まで求めていく。より深い結合を求めて騎乗位の状態で  
大きく股を開くと、きゅっと女肉を締め上げた。  
 
「レ、レイリア。それではもちません」  
いつにないレイリアの熱烈な責めに、スレインが情けない声をあげる。  
 
「…もう少し、頑張れませんか?」  
 
今、二人は結合したばかりなのだ。いくらスレインが夜の営みに未熟だったとしても、  
今夜はもう少しレイリア自身も過去の記憶から逃れたかった。  
 
それでも必死に耐えているスレインのことを考え、レイリアは少しだけその腰の動きを緩めた。  
 
体の奥から沸き起こる欲情を抑えようと、自分自身を抱きしめるように乳房を  
掴む指に力をこめる。豊かな乳肉が押し上げられ、乱れた夜着の胸元から盛り上がる。  
 
足りない刺激を埋め合わせるかのように、そのまま掴んだ指が柔らかな肉塊に埋もれるほど  
強く強く揉みこんでいく。揉みながら固くなった乳房の先端を指先で摘み、押しつぶしては  
こね回した。  
 
肉芽を弄る指も無意識のうちに自然とその動きが激しくなる。濡れ、充血したクリトリスは  
程よい感度でレイリアの気分を更に高揚させた。  
 
 
しかし…。  
 
 
「ちょっと…、あっ!!」  
「あっ!あなた……」  
 
ほんの数十秒のことであった。  
レイリアがその肉付きのよい腰の動きを止めるまもなく、スレインはレイリアの中に熱く短い精を放っていた。  
 
 
レイリアはしばらく無言で横たわるスレインを見下ろした。  
 
(あっけない…せめてもう少し…)  
 
思わず心の中に、頼りない夫に対する失望の念が沸き起こる。  
 
「……いってしまわれたのですね…」  
 
残念そうにそうつぶやくレイリアの声音には、心なし落胆の色が滲んでいた。  
レイリアは自分の中に放たれたスレインの精の熱を感じてはいた。しかしそれは、レイリアの  
肉体の奥から沸き起こった女の疼きを鎮めるには、何の役にも立たなかった。  
 
満たされないレイリアの女壷からスレインの放った生ぬるい精液がトロリ、とこぼれ落ちた。  
 
「す、すみません。レイリア」  
 
押し倒されたそのままの姿で、スレインは申し訳なさそうに妻に謝った。  
レイリアはしばらく無言でスレインに跨ったまま、悲しげな表情でその男の姿を見下ろしていた。  
 
(仕方がありませんわね)  
 
苦笑するしかなかった。  
 
見れば愛する夫は、気の毒なほど恐縮している。  
レイリアはスレインに微笑みかけ、慰めた。  
 
「いいんです。貴方さえ満足していただければ。わたくしのことは気になさらずにいてください」  
「でも、レイリア…。今夜、貴方は全てを忘れたい、と言っていたのに」  
 
 
そんなことも確かに言った。  
しかし、これではどうしようもないではないか。  
 
そう、レイリアは思った。  
 
「いいんです。私は……」  
 
軽く首を振ってそう言うと、レイリアは寂しげに微笑んだ。  
 
「でも、それでは…。もし私に出来ることがあればなんでも言ってください」  
 
スレインはそう、妻に問いかけた。  
 
「そう、ですわね…」  
 
しばしの間、レイリアは考える。スレインはスレインなりに自分のことを愛してくれている。  
罪を背負った自分を共に支えてくれているのだ。  
そのことに何の不満があろうか。いや、不満などはあってはいけないのだ。  
 
レイリアはスレインの上から降り軽く乱れた夜着を整えると、その細い首に手を回し  
夫の横に添い寝をするかのように横たわった。そして、その頬、首筋と軽くキスをすると、  
親に甘える子供のようにしてそのまま抱きついていった。  
スレインの胸元に、甘く切ないレイリアの吐息が感じられる。  
 
「…それでは今夜はわたくしが眠りにつくまで、こうさせていてください…」  
 
そういうとレイリアは先ほどまでとは打って変わった、少女のような表情でスレインの顔を見上げた。  
レイリアは愛する夫としばし見つめあうと、再び目を伏せてその肩に額を乗せる。  
その長い睫毛には、小さな水滴が浮かんでいた。  
 
 
スレインにも分かっていた。  
 
 
先ほどまでの淫靡で激しい姿も、今の少女のような姿もレイリアそのものであることを。  
 
聖女と崇められるレイリアと“女”としてのレイリア。魔女カーラとしてのレイリアと敬虔なマーファの従者としてのレイリア。彼女は今までも、これからも二つに引き裂かれた自分に耐えていかなければならないのだ。  
 
「レイリア…」  
 
スレインは言葉にならない想いを伝えるかのように、寄り添う妻をしっかりと抱きしめてやった。  
 
 
 
再び横になったレイリアに腕枕をしてやりながら、スレインはその流れるような癖のない黒髪をゆっくりと撫でる。  
(スレイン…)  
レイリアはゆっくりと目をつぶり、夫の慰めを感じようとした。  
髪を撫でるその手の温もりから、スレインの労わるような思いやりと配慮を感じることが出来た。  
(これでいい。これで…)  
結局、女としての充足こそ得られなかったが、レイリアは自分を納得させることにした。  
その代わり今夜はこの夫に思いっきり甘えよう、そうレイリアは思った。  
 
火照った体を鎮めるように自分の肩をしっかりと抱きかかえながら、レイリアはスレインの腕の中でいつしか浅い眠りに落ちていった。  
 
 

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