「ルカ、もう…あふ、だめ…ああ...あ..ん……ル…カ….」  
ルカの執拗な舌と指との攻めに、ミチルは快楽の波に身を委ね絶頂を迎えた。  
息も絶え絶えのミチルをルカはそっと抱きしめる。  
汗ばんだ髪に瞼に頬にキスを落とす。  
ルカの唇が真っ白なミチルの胸に触れたか触れないかというところで、  
ミチルはベッドから起き上がってしまった。  
乱れた髪を軽く結わえ、バスタオルを纏うと、そのまま部屋を出て行こうとする。  
「ミチル!」ルカが不満そうな声を上げる。  
「…もうすこしいいだろ」とミチルの腕をつかんだ。  
「シャワー浴びてまた来るから。汗かいたし…それにあそこも…」と言って微笑いながら、あやすようにルカの髪に指を通した。  
 
ルカはなんだか自分が子供扱いされているみたいな気がした。  
もっと二人で余韻を楽しみたいのに。  
ルカはむっとしながら、部屋を出ていくミチルに「ったく、ムードのかけらもないな、ミチルの鈍感!」と毒づいた。  
それを聞くとミチルはくるりと向き直り、「ルカだって!」と少しムキになった。  
「ルカはいっつも服着てて、私だけ裸でいろいろされて、全然ムードとかないもん!」  
「!」ルカはハッとしてつかんでいたミチルの腕を離した。  
ルカが急に黙りこくってしまったので、ミチルは言い過ぎたと後悔した。  
「どうしたの?ルカ?怒っちゃった?」  
「…違うよ…」ルカが無表情に答える。  
ミチルは思い切ってルカに言ってみることにした。  
「ねぇルカ、今夜はいっしょにお風呂入ろ?髪もべとべとだよ。私が洗ってあげる、ね、いいでしょ」ミチルはルカに抱きつき、上目遣いで懇願した。  
結局押し切られる形でルカはミチルといっしょに風呂に入ることになった。  
ためらいながら服を脱いでいると、乳首が勃っているのが目に入る。おまけに下着は自身から出た愛液でぐっしょりと濡れている。  
「ルカ?早くぅ」とミチルが脱衣所へ出てきた。  
ルカの裸を見たミチルは「ルカ、きれい」とつぶやいた。  
は、はずかしい。やっぱ無理だ。いっしょに風呂なんて。  
ミチルは赤くなっているルカの手を握り、風呂場へと向かった。  
 
ミチルは自分の体をさっと洗い流すと、ルカの髪を洗おうとした。  
「いいよ、自分でするから」ルカはぶっきらぼうな声を出す。  
いつもベッドで見慣れているはずなのに、シャワーを浴びて濡れたミチルの体は艶かしい。ルカはまたスイッチがはいってしまったようだ。  
「ミチル」と名を呼び、口づける。ゆっくりと口内を味わう。  
と、ミチルがルカの腰に手をかけ、ゆっくりとその手を動かし始めた。  
ためらいがちに腰をひいたルカにミチルは  
「今夜はルカといっしょに気持ちよくなりたいの。  
だいじょうぶだよ、ルカ、ね、お願い」と熱っぽい声でささやいた。  
ミチルの指がルカの体を伝う。  
胸の頂に触れられ、ぞわぞわとした今までに経験したことのない感覚がルカを襲う。  
 
いつも自分がミチルにしているように、ミチルはルカの乳首に吸い付いた。  
「あ..ぁ..ミチル..」思わず声がうわずる。  
ミチルの指は下へと降りて行く。そして、そっとルカの花芯に触れた。  
触れられた瞬間、ルカはびくんとして、少しよろけてしまった。  
クリトリスへの刺激は生まれて初めてで、足ががくがくする。  
ミチルはルカを浴槽のふたの上に腰掛けさせた。  
そして、胸への愛撫を続けながらルカの襞の中にゆっくりと指を這わせていく。  
ルカの中は十分に濡れてはいたのだが、指とはいえ生まれて初めて他者を受け入れた違和感にルカは顔を顰めた。  
そんなルカの中でミチルはゆっくりと指を動かす。そして、ルカの手を取り、自らの秘所へと導いた。二人で互いの秘所を愛撫しながら、長くて深い口づけを交わす。「うっ」ミチルの指がルカの中のある場所を引っ掻くように刺激した。そこが何なのか、ルカにはわかっていた。  
女性の体でいること自体に違和感があるというのに、  
その自分の女性の部分がこんなにも感じて興奮しているなんて。  
普段なら我慢ができなかったかもしれない。でも、いまはこの初めての快感に身を委ねようと思った。  
 
風呂を上がった二人はタオルをまいたままの姿で、熱を帯びた視線をからませながら、ルカの部屋へと戻った。  
ミチルはベッドの上でまたひとしきりルカの中を愛撫していたが、やがて指を抜くとおもむろにベッドの下からあるものを取り出した。  
ディルドだ。  
実はこの間、ルカはウェブで偶然これの存在を知った。  
自分がとても淫らに思えたが、どうしても誘惑に勝てず、ミチルに内緒でこっそり通販で買ってしまったのだった。  
「なんで?」ルカはびっくりしてミチルに訊ねた。なんでわかっちゃったんだ。  
「ふふ、ルカ、こないだ使おうとしたでしょ、これ」  
そうだった。ミチルがどんな反応をするか見てみたかったんだ。  
でも、まるで男との行為での痴態を見せつけられるみたいでちょっとためらってしまった。でも、いまは。  
「挿れてみたいんだ、いい?」とルカはミチルにおねだりした。  
「だめ、ルカが先」とミチルがいじわるっぽく笑った。  
 
「え?」ルカはまるで子犬のようだ。  
ミチルはダブルディルドの小さい方の先をルカの入り口にあてがった。  
「痛っ!」指で慣らされたとはいえ、ルカにとっては大きすぎた。  
ルカは目をぎゅっと閉じた。  
「力抜いて」ミチルは少しずつだがルカの中へと進んで行く。  
「いっ…はぁ…はぁ…」ルカの息づかいが荒くなっていく。  
奥まで貫かれた感じがした後、そっと引き抜かれた。  
ディルドに血がついている。ミチルは出血しているルカのそこを優しく刺激した。ルカにはもうミチルを攻める余裕がない。  
ただミチルのなすがままになっていた。  
 
ミチルの指が抜き挿しされた後、またディルドをあてがわれる。  
「もうやだ」目を閉じたままルカが弱々しくつぶやいた。  
さっきほどではないにせよ、気持ちがいいなんてとても思えない。  
「ルカ、挿れていいよ」とミチルの声が聞こえた。  
目をそっとあけてみると、ディルドの一端は自分の中に入っていて、  
もう一端がまるでペニスのように屹立していた。  
ルカは鈍い痛みをこらえながらおそるおそる体を動かし、  
その一端をミチルにあてがった。  
 
そしてミチルの中へと入っていく。  
ミチルは一方的にルカに攻められるいつものミチルではなかった。  
指とは明らかに違う、男のそれを模したものを受け入れ、  
声にならない声をあげて喘いでいる。  
奥まで挿れたルカはミチルを抱きしめてじっとしていた。  
ミチルの中に挿れたという征服感もあるのだが、もう一端が自分の中にあるので、動く余裕がないというのもあった。  
「ルカ…」とミチルが切なそうな声で名前を呼んだ。  
「お願い、動いて…」と言いながら、腰が動き始めている。  
ミチルが動くとルカの秘所にもその振動が伝わってくる。  
そっと動かしてみるとミチルの顔がますます上気する。  
こんな顔、いままで見たことない!ルカは何かに嫉妬を覚えた。  
そしてミチルを逝かせるため、夢中で腰を動かした。  
 
そうこうしているうち、自分の秘所の違和感が少なくなり、ディルドから伝わる刺激が少しずつ快感に変わってきた。  
はじめは規則的にディルドを締め付けていたが、やがて中は不規則に蠢き始めた。「うっ」その瞬間、ルカは体を反りぐっと体に力を込めた。  
と同時にミチルの中のものも強くミチルを刺激した。  
ミチルは抱きついたルカの背中に爪を立て、絶頂に達した。  
二人はつながったまましばらく抱き合っていた。  
こうして抱き合いながら感じ合うのは初めての経験だった。  
そしてルカにとってはすべてが初めての経験だった。  
そっとディルドを抜く。  
ルカは不思議な感情にとらわれていた。  
自分の中はまだ少し出血していたが、それを見ても嫌悪感はわかなかった。  
ミチルといっしょに逝けたことの満足感が大きかったのかもしれない。  
ミチルは早くも寝息を立て始めている。  
それにしても、童貞くんを導くかのようなミチルの奔放さはどうだ。  
ルカはまた自分が子供扱いされたような気がして、少し悔しくなった。  
こうなったらとことん甘えてやる!とミチルに抱きつくとまるで子供のようにたやすく眠りに落ちた。  
 
 

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