ボロボロになったミチルは、腕の痣を隠してルカのいるシェアハウスに戻った。  
玄関を開けて、リビングに入る。ソファーにはルカが。  
「あっ、おかえりミチル!遅かったねどうしたの?」  
ミチルはさっきまでの記憶が蘇り、その場にしゃがみこみ泣いてしまう。  
 
「ミチル…なにがあったの?またアイツになにかされ…」  
 
「ううん何でもない何でもないよ、ごめんねルカ…心配させて」  
 
「でも…本当に大丈夫?」ルカはそういいミチルの手をとる。腕の痣に気付き  
 
「この痣どうしたの!なにかあったんだね。ミチル……私だったらミチルをこんな風に傷付けたりしないのに!大事にするのに…」  
 
「ルカ…ありがと…嬉しい凄く嬉しいよ…私も思うよ、宗佑じゃなくてルカだったら…」  
「ミチル…」  
 
ルカはミチルを抱きよせ、強く抱き締めた。しかしすぐに我に返り、体を離し  
「ごめん…ごめん…私…」  
 
「いいよ…ルカなら私いいよ」  
 
「え?」  
ルカがその言葉を理解出来ないまま、ルカの胸にミチルが飛び込んできた。  
 
「ミ…ミチル…?」  
 
「好き…ルカが好き…」  
 
「…ちょっと待って、…ミチ…」  
ルカの声はミチルの唇によって消された。  
頭が真っ白とはこの事だろう。状況が理解出来ない。  
戸惑うルカをよそに、ミチルは唇を離さない。  
ようやく長いキスが終わると、二人の唇の間に糸が出来て、すぐに切れた。  
 
「もっと早く……」  
ミチルはルカの胸に顔を埋めて呟く。  
「…え?」  
「もっと早く、ルカの気持ちに気付いてあげれば良かったね…」  
ルカの鼓動が高鳴る。  
「…は?わ、私の気持ち?なにそれ…」  
自分でも分かるくらいの裏返った声、高鳴る鼓動。  
自然とミチルの背中に腕が回る。離したくない、と身体が叫んでる。  
…身体は嘘を付けない、とルカは身を持って知った。  
「…ごめんね、ルカ。私分かってあげるの遅くて。  
 …ほら私、ちょっと鈍いから。知ってるでしょ?」  
えへへ…、と笑うミチル。昔から変わってない笑顔。  
その笑顔にどれだけ支えられ、励まされたか分からないくらい。  
 
「ミチル…」  
ルカはギュッとミチルを抱きしめる。  
「どうにもならないって思ってた。苦しくて…いつもミチルの側にいたいのに」  
ミチルはルカの腕の中で小さくうなずく。  
「だけど、やっぱり…私は、…私はミチルが好き。」  
 
好き。一度口に出してしまうと、もう止まらなくなった。  
そっとミチルの耳の後ろに唇を寄せる。今まで、嗅いだことのない香りがした。  
むせかえるようなミチルの香り。香水と、お日様と、汗と、そしてかすかな血の匂い。  
 
「…あっ」  
ソウスケにつけられた首筋の痣に、舌を這わせると、ミチルは小さく声をあげた。  
「ここ、まだ痛い?」「ううん、もう平気」  
 
まるでそれが始まりの合図のように、私はミチルを掻き抱いた。  
今まで、ふれられなかった何か。  
今まで言えなかった何か。  
それを、取り戻したくて、ミチルに口付けた。  
ミチルは、私を抱き返してくれた。優しく、慈愛に満ちたその両手で。  
いいの?本当にいいの?  
 
「いいよ、ルカなら」ううん、ルカがいいの。  
そうミチルの唇が動いた。  
「こ、ここでいいのかな。…ベッド、行く?」  
自分でも可笑しいくらい、声が震えた。ミチルがクスリ、と笑う。  
ああ、なんて愛しいんだろう。なんて、美しいんだろう。  
今、この人がこの腕の中にいるという奇跡に感謝した。  
 
ルカはみちるの言葉に答えず、また唇にキスをする。ミチルもまたそれに答えるように熱いキスをかえす。  
「みちる好きだよ。大好きだよ。」  
 
「好きなだけ?ルカは私の事愛してはいないの?」  
 
「愛してるよ…みちるのこと誰よりも…愛してる」  
 
「なら、抱いて。」  
ルカは戸惑いを隠せないでいる。  
「みちる…本当にいいの?」  
 
「うん」静かに頷く。  
「みちるの望むことはしてあげられないかもしれないよ。それでもいいの?」  
「いいの…ルカに私の全部を見てほしい。私もルカの全部がみたい。だから」  
 
「だから…ルカと…生まれたままの姿で…重なり合いたいの…私はもうあなたじゃないと駄目なの…」  
 
「ミチル…」  
ルカは、みちるの腕を掴み、自分の部屋に連れて行った。  
 
 
部屋に入りルカはベッドに腰掛けた。「ミチル...おいで。」そっと手をのばすとミチルはルカに抱きついてきた。  
「あのねルカ、私、いまとても幸せだよ..」  
ルカは力強くミチルを抱きしめ耳元で「私もだよ」と囁き、ミチルをベッドに倒した。そしてまた熱いキスをした。  
部屋には二人の甘い水音だけが響いた。唇を離すと糸が二人を結んでいた。ミチルの唇についた二人の唾液を見たルカはドキリとした。そしてミチルの服に手をかけながら、ミチルの耳を舐めた。  
「あっ..ん.」ミチルは自分の声に恥ずかしさがこみあげ口を手で塞いだ。  
「ミチル、声出していいよ。ミチルの声がもっと聞きたいんだ」  
ルカの舌が首筋を伝っているときにはもうミチルの服もブラジャーも脱がされていた。そして、ルカはミチルの胸に唇を寄せてキスをし、舌で胸の頂を舐めまわした。「あっ...るかぁ..あっ...」  
 
ミチルの声は私の中の何かを弾けさせた。  
これは夢じゃないの?あんなに恋い焦がれた女が今腕の中にいる。  
恋人に傷つけられて、私の名前を呼んだ。  
夢なら、もうそれでもいい。今、この瞬間に死んでしまってもかまわない。  
ミチルが手に入るのなら。  
 
あの男につけられた傷の一つ一つに口付けていった。大丈夫、あなたは汚れていないよ。  
癒すみたいに、浄めるみたいに、唇で愛撫すると、ミチルは仔猫のような鳴き声をあげた。  
「あ、ルカ…」  
「大丈夫、痛い?痛ければ言って。」  
誰かと肌を合わせるのが初めての私は、急に不安になる。私はあいつみたいにあなたを傷つけていない?  
 
 
ミチルは恥ずかしそうにうつむいた。  
「ちが…違う、気持ち、よくて」  
 
ミチルが私の愛撫に感じている。  
その事実は、私の全身の血を沸騰させた。  
もっと、もっと感じてほしい。あなたを、気持ちよくしてあげたい。  
あなたを、誰より幸せにしてあげたいよ、ミチル。  
 
 
そっと乳首を口に含んで吸いあげてみる。「あ、あんっ、ルカぁ…」  
初めて、なのにミチルの悦ぶ声が私を後押ししてくれる。  
ここだよね?このくらいの強さだよね?  
腰、背中、うなじ、耳たぶ。全て、あなたが気持ちいいところがわかるよ。  
もっと、解放して。全てを預けてほしい。  
私は、何年も前からこうしたかった、こうなりたかったんだよ。  
 
目も眩むほどの多幸感に、暫く恍惚となる。ミチル、あなたは私の全てだよ。  
あなたの肌は、とても眩しくて、いい匂いがする。  
乳房に顔を埋めて、息を吸い込む。また、ミチルが可愛らしく微笑った。  
「赤ちゃんみたい、ルカ」  
照れ臭くなって、少し強めに胸の頂を吸い上げる。  
「やっ、ルカっ…」  
「ん、美味しい」思わず声に出してしまうと、薄闇の中でも分かるくらい、ミチルの顔が真っ赤になった。  
可愛い、可愛い私のミチル。  
舌先で丁寧に乳首を愛撫しながら、右手をそっと下へと滑らせていく。  
脇腹、お臍、腰骨。吸い付いてくる肌の感触。  
自分の心臓の音が煩い。さっきから頭はクラクラなりっぱなし。  
だけど。間違いない、今が人生で一番幸せだ。  
私が、舌を動かす度に、切ない声をあげるミチル。  
「や、どうしよう、ルカ、私、おかしいよ、すごく、すごく…」  
泣きそうな声。熱い吐息。  
ミチル、私はもうとっくにおかしいよ。  
あなたの腰、自然に動き出してるね。  
もっと、欲しいんだね。あげるよ。全部、あげる。  
二人で、もう戻れないとこまで、行こう?  
 
「っ!…」  
びっくりした顔でミチルがルカを見た。  
すでにルカの指はやわらかなミチルの、一番柔らかい部分をショーツの上からゆっくり  
なぞっている。  
「ん…んんん…」  
ミチルは手に顔をうずめて、声を押し殺しているようだ。  
薄い布越しでも、ミチルの潤みを感じることが出来た。…敏感な突起はすでに大きく  
膨らんでいる。  
「気持ちいい…?」  
「っや…」  
羞恥でミチルは真っ赤になっている。  
「ここ…気持ちよくない…?」  
ルカの指はショーツの上から敏感な突起をやわやわと撫で上げる。  
「ぁあ、あん…」  
ミチルの唇からは甘い吐息が漏れる。  
ルカは空いた手でミチルの頭を自分に引き寄せ、口付ける。下唇も上唇も、存分に  
味わうと今度は舌を咥内に割りいれ、歯列をなぞる。  
与えられる感覚に思わず身をよじるミチルを逃さず、ルカの舌はミチルの咥内を  
蹂躙していく。唾液を飲み干し舌を絡めとる。  
「んんん、ううんんっ…」  
ルカに出口を奪われた声は、くぐもったあえぎだけを発していた。  
 
ミチルの咥内を味わいながらルカの指は絶え間なくミチルの敏感な突起を刺激してる。  
円を描くように、すくいあげるように…ショーツの上から、ゆっくりゆっくりと  
愛撫を続けていた。  
すでにその部分は、溢れた潤みを受けていて、熱く、ひくついている。  
与えられる快感に息を荒くしているミチルの様子を伺いながら、ルカの指が  
ゆっくりと…ショーツの隙間からミチル自身に触れた。  
「ひゃ!」  
思わず、ミチルの唇から小さな声があがる。  
「…嫌…?」  
ミチルは、小さく首を横に振った。  
くちゅ……  
ルカの指が襞の間を動くと水音が漏れる。  
「…気持ち、いい?」  
「……うん」  
恥ずかしさで耳まで赤くなって小さくミチルは答えた。  
 
ルカの指は、襞をやわやわともてあそんでいたが、ミチルの入り口の蜜をすくいとると  
敏感な突起になでつけるように愛撫を始める。  
「ゃ…あ、あああ…あっ…」  
ルカの指が突起を撫で上げ、刺激するたびにミチルの唇から甘いあえぎがもれる。  
ルカはその声に煽られるように、執拗に愛撫を繰り返す。  
「ゃ、もう…ルカ…もう・・・わたし、おかしくなっちゃうよ…もう…だめ…」  
消え入りそうな喘ぎ声が漏れた。  
「ミチル…」  
 
ルカの親指の付け根にはこりこりとした陰核が触れ、ふっくらとした恥丘ごと揉み込むように  
してやると、膣奥がぎゅっと狭くなる。  
そして奥からまたとろりとした蜜が溢れ、ルカの指にまとわりついてくる。  
「ねぇ……もう、中までとろとろだよ、ミチル…」  
「いやぁん……あぁ」  
抑えきれない声を何とか押し殺して小さくとどまらせ、ミチルはさらにルカへしがみついてきた。  
柔らかい粘膜はまるで生き物のようにうごめいて、ミチルのいいところにヒットするたびに  
肉壁がきゅっと奥へ引き込まれる。  
切ないときに胸がきゅっとするとよく言うが、この「きゅっ」はそれに似ている気がする。  
感じているときのミチルの顔は、切なそうに見える。だからだろうか。  
「ここ……わかる?」  
ミチルの中のぷっくり膨らんだスポットを執拗に指の腹で押し、撫で、  
耳元でゆっくり囁きながら何度も耳朶を甘噛みする。  
吹きかかる温かい息はまるで皮膚の内部へ入り込んで体中に回っていくようだ。  
ぞくぞくとした感覚が、耳から首筋を通り、背筋を走っていく。  
「あ……だめぇ」  
甘くねだるような声を漏らしてぷるぷると震え始めたミチルの、半開きの唇に舌をねじ込みながら、  
ルカは指のスイングを強めた。  
浮いた腰は悩ましげに前後し、唇をふさがれて鼻に抜けていく吐息は甘ったるい。  
ミチルの中は規則的だった動きを乱し、奥と入り口が互い違いに激しく蠢きはじめた。  
「あっ、やっ、やっ!」  
控えめに何度か飛沫が飛び、それをもかき混ぜるようなルカの指戯に耐えきれず、  
ミチルは快楽の高みへ上り詰めていく。  
「あっ、ああ……っ!!やっ、あぁあん!!」  
一瞬ゆるまった膣内が一際きつくなった後、ぴくぴくと蠢きながら今までよりも強くきゅっと、  
何度も指を締め付けて  
ミチルは意識を手放した。  
 
ルカは意識を手放したミチルを今まで何年も想った愛しさを込めて強く抱きしめた。  
 
「ミチル…愛してる」  
そう言ってミチルのおでこに唇をおとした。  
 
ミチル?私はね…今とても幸せだよ。今まであなたを想ってきたけど、ずっとこの想いは届かないし叶わないと思って生きてきた。  
でもいまあなたは私の腕のなかにいる…涙がでそうだよミチル。  
 
ルカはいとしげにミチルを見つめながら瞼をとじた。  
 
 
ん…そうだ、私、ルカと…。  
とっても幸せだったよ。瞼を開くとすぐそばにあなたがいるなんて……。  
 
ミチルは瞼を開けた。  
自分の体にルカの腕が回されている、しっかりと抱きしめられている…  
ルカ、とても愛しいよ…。  
 
 
「…子供みたいだよルカ」。そう囁いてスヤスヤと眠っているルカを抱きしめて、仔犬のようなフワフワのルカの頭を優しくなでた。  
するとモゾモゾとフワフワな頭がうごき、  
ミチルはルカの顔をのぞいた。  
 
 
規則的な寝息がするルカの口元が「み…ち…る」と微かに動いて抱きしめられている力がさらに強くなる。そして閉じられた瞼からは涙が流れた。「どこにも行かないよ、ルカ。ずっとルカのそばにいる。」  
ミチルは優しくルカを抱きしめた  
 
 
ミチル独白  
 
ルカごめんね、あなたの本当の気持ちも知らずに今までいたこと。  
一番の親友だと思っていた・・・一番信頼出来る人だと思っていた・・・  
そして大事な大切な存在だったルカ・・・  
あなたの気持ちを知ってから、ずっとずっと考えていた。  
私にとってのルカ。。。あなたの隣にいると安心した。  
あなたの隣にいると勇気が出た。あなたの隣にいると恋人も友人も  
必要なくなってしまう・・・そんな存在って・・・わたしも・・・  
知らずにルカを求めていたんだと・・・  
ルカが親友だから、同じ女性だから、と気持ちを無理矢理、異性に  
向けていたこと。  
ルカ、私、今気づいたの、あなたのことをはじめて会った時から  
好きだったことを。ルカ、私もあなたのことが好き・・愛しています。  
 
 
ミチルはルカの頭を胸に引き寄せる。「ん…」ルカが小さく呻き目を開いた。  
「ルカ?起こしちゃった?」  
「…ミチル?」  
まだ完全に頭が覚めていない様子のルカだったが、徐々にルカの耳が赤くなっている。  
「ミチル!?」  
「ふふ。ルカってば耳が赤いよ」  
「赤くないよ!!」  
「照れない照れない」  
そう言ってルカの頭をなでていると、ルカは体をずらしミチルを強く抱きしめた。すると  
 
「ルカ。あのね、寝てるときにルカ泣いてたよ。」  
 
「……夢を見たんだ…あの日の、ミチルがいなくなった日の」  
ミチルはポツリ、ポツリと話しているルカの胸に顔をうずめて聞いている。  
 
「学校に行くとさ、いつもいるミチルがいなかった…。私は寂しくない、ミチルに出会うまで一人だったからまた一人になっても大丈夫。そう自分に言い聞かせて生きてきた。…でも、本当は寂しかったんだ。寂しくて恋しくてしかたがなかった…」  
だんだんと悲しそうに声が小さくなっていった。  
 
「ごめんね、ルカ…。もうどこにも行かないよ、ずっとルカのそばにいる」ミチルはルカの寂しさを埋めるように言った。  
 
 
「ミチル…愛してる」  
ルカが囁いた。  
「私もだよルカ。」  
 
 
end  
 
 

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