もう何がなんやら。
周りの環境が急速に動きすぎて、僕にはもう理解できなくなっていた。
タチアナと関係を持ったあの砂漠での出来事から数日後。
僕はアリスティアさん達に無事に救出された。本当によかった。
でも僕たちの故郷が落とされたと聞いて心中穏やかじゃなかったし、
タチアナとの関係を艦内中で噂されるし。
いや、事実なんだけれども、今はそんな時じゃないから誰にも言ってない。
それに極めつけはラヴィ。タチアナと仲良くして欲しいだけなのに、
何故か怒って部屋に閉じこもってしまうし。
アレックスなんか特にムカツク。
あいつは昔父さんの仲間で僕とも会っていた筈なのに、それを今まで言わなかった。
なんなんだろう。世界は僕の事が嫌いなのだろうか。
けれど、いま僕にとって最も重要かつ重大な出来事は。
ソフィアさんが僕の唇を突然に奪ったという、そのことについてだった。
「キスは、初めて?」
「…いえ」
「そう、タチアナと?」
「…な、なんで…!?」
「あなた達の態度を見ていれば分かるわ。
艦内での噂も、別に根拠もなく流れいたわけじゃないの。
でも安心して、なんとなく感づいているのは女性だけで、
整備の男の人たちなんかは、ただそういう方向に持っていきたがっているだけだから」
「…分かりやすいですか? 僕たち」
「ええ、とても。少なくとも私にはね」
これじゃあ、何のために隠していたのか分からない。
女の人の感を侮るな。これは父さんの遺言だ。嘘だけど。
「私の部屋に行きましょうか」
唐突だった。まるで時間が加速しているかのように。
「いえ、それは…」
「駄目なの? タチアナとは出来ても、私とは出来ない?」
いつもと違って眼鏡を外して髪型が違うソフィアさんは、とても美人で可愛らしい。
最初に見たときは二十代かと思っていたのに、
まだ十代だと聞かされた時は耳を疑ったけれど、今はそれも納得できる。
そしてそんなソフィアさんが僕を誘ってくれている。
物語で言えば急展開というやつだ。急すぎだが。
「あの、その…よろしくお願いします」
快く誘いに乗った。これで乗らない奴は雄じゃない。
僕はソフィアさんに連れられるままに彼女の部屋へと向かった。
「ん…ふ…」
部屋に入るなり、僕たちは深く口付け合った。
そしてそのままベッドに倒れこみ、あっというまに服を脱ぐ。
僕もソフィアさんも、下半身を包む下着だけ残して、全裸になった。
「………」
絶句した。ソフィアさんって、着やせするタイプだったんだ。
「絶句した。ソフィアさんって、着やせするタイプだったんだ」
思った事を全部口にだしてしまった。
すると意外にも恥ずかしそうに、ソフィアさんはその大きな乳房を両手で覆う。
「あんまり見ないで…」
そんな上目使いで言われても。
僕は思わずソフィアさんを抱きしめてしめた。
「あ…」
そして手だけを動かし、そのたわわな胸に触れる。
柔らかい。溶けてしまいそうだ。
僕の手の中でたぽたぽと揺れ動く乳房。
悪いけど、タチアナとはケタが違った。
左の乳房に唇を寄せる。
ポツンと自己主張し始めている乳首を口に含んだ。
「あん…」
かわいい声。どんどんソフィアさんに対するイメージが崩れていく。
調子にのって僕は乳房にむしゃぶりついた。
愛撫する度に声を上げるソフィアさん。
まだ経験の浅い僕の技術では不満じゃないだろうか。
そう思った僕は、標的を下半身に移そうと試みた。
けれど彼女のパンツに手を伸ばした所で、
「あ、待って」
静止の声。ソフィアさんは艶っぽい顔で微笑むと、僕の股間に視線を落とした。
「その前に、あなたに、ね」
「はい」
もう即答するしかなかった。
ソフィアさんはさっき自分がされていたみたいに僕のパンツに手をかけた。
そして脱がされる。妙な興奮。
「…大きいのね」
そんな事を呟かれた。
「…大浴場にはいると、注目されます」
前にもこんなやりとりをした気がするが、気のせいだろう。
しばらく僕の性器を眺めていたソフィアさんは、いきなりそれをギュっと握った。
「あ、痛っ」
思わず声を上げてしまうが、コレが大人のテクなんだと思うと納得できた。
「ご、ごめんなさい」
謝られてしまった。
その後ソフィアさんは握ったまま動かなかったが、しばらくすると手を上下し始めた。
気持ちいいい。
「あの、すいません。舐めてもらえませんか?」
僕がそう言うと、
「…分かってるわ」
そう返された。
当然だ。大人のソフィアさんに意見し指図するなど、失礼にも程がある。
僕が深く反省していると、ソフィアさんはいきなり僕の性器を舐め上げた。
「ぅぁっ」
突然の刺激。もちろん口でしてもらうなんてのは始めてだから、
こんなに凄いものだなんて知らなかった。
「ご、ごめんなさい」
謝られてしまった。
「いや、大丈夫ですよ。気持ちよかったから思わず声が出ちゃっただけです」
「そ…そう」
ソフィアさんは少しだけ引きつった笑顔で答えると、
今度は性器の先端を口に含んだ。
「ん…」
声が出る。
ソフィアさんは構わずにもう少しだけ深く口に入れた。
潤った口内で僕の性器に舌が這っているのが分かる。
とんでもなかった。腰が痺れる。
これが大人のテクニックか、と感心している内に早くも限界が近づいてきた。
そしてある事を思いつく。
「ソフィアさん…胸貸してください」
「ふぇ…? ん…!」
僕はソフィアさんの大きな胸を掴み、僕の性器を挟みこんだ。
この体勢でこれが出来てしまうのだからすごい。
でも僕が一番驚いたのは、その感触だった。
柔らかくぽちゃぽちゃとした膨らみに包まれるこの感じ。
シルヴァーナに乗ってよかった。
「ん…ん…ん…」
「くぅ…」
口でしゃぶられ、舌で弄ばれ、胸で擦られる。
そしてなによりソフィアさんの色っぽい表情の所為で、
僕の射精感は限界まで達していた。
「く…ソフィアさん…出ます…」
「んん…? ! んふ…!」
堪えきれず、果てた。
ソフィアさんは僕の体液を口で受け止めきれず、咳き込んだ。
口の端から白濁した液体が零れ落ちる。
「だ、大丈夫ですか…?」
「ゴホ…ええ、大丈、夫…。でも、出しちゃったのね。じゃあ、今日はもう…」
何かを言おうとして、ソフィアさんは動きを止めた。
おまけに目を見開いている。
「なんですか?」
「一度だしたのに、なんでもう…」
言われて、僕は自分の股間に目を向けた。
確かに、一度出した後なのにもう復活している。
無理は無い。
この船に乗ってから密かに憧れていたソフィアさんに、口でしてもらったのだから。
一回果てたくらいではこの興奮は収まらない。
僕は未だに驚いたままのソフィアさんを抱きしめた。
キスを求めると、慌てたように止められる。
「きょ、今日はこれくらいにしない?」
「…は?」
「疲れたでしょう?」
「全然。少しも。未だかつて無い程に余裕です」
「…でも」
なんだかよく分からないが、OKと解釈していいだろう。
「脱がしますね」
僕はソフィアさんの下着に手をかける。
「だ、駄目!」
焦らされているのだろうか。だがそんな声も空しく、
ソフィアさんは僕の前にその濡れそぼった部分を晒してしまうのだった。
あれだけの愛撫でこんなに濡れるなんて。
感じやすいのか、それともこれが大人の魅力なのか。
だが何故か大慌てでそこを隠そうとするソフィアさん。
僕は少し強引に彼女を抱き寄せ、足を広げた。
「待って、待って!」
「…なんですか」
まさかここまで来てお預けを喰らうとは思わなかった僕は、少し不機嫌そうな声をだした。
「……」
俯いたまま答えない。
しょうがないので、僕はソフィアさんの足の間に体を入れて、腰を掴んだ。
「待って!」
「…なんなんですか」
もうあと数センチ腰を突き出せば…という所で、また止められてしまった。
「しょ…」
「しょ?」
「しょ、処女なの!」
「誰がですか?」
「私が…」
「はあ……………はあ!?」
こんなやりとり前にもやったような。しかし今度は驚きの度合いが違った。
「いや、それは嘘でしょう?」
「本当なの」
「あんな事までしておいて…」
「それは…ああすれば、満足してくれるかな、と思って」
「…出来るわけ無いでしょう」
「お願い…処女は…上げられないの」
「アレックスですか?」
僕の問いかけに彼女は微妙な顔をする。
「…彼に私の思いは届かないわ。
あの人には、永遠に思い続けている人がいるから。
でも、それでも、駄目なの…」
「僕は慰み者って分けですか」
「そんなつもりじゃないわ…けど」
「…分かりました」
そう言って、僕はソフィアさんの性器に自分の性器を擦りつけた。
「ひゃっ!」
ソフィアさんの表情が驚愕に染まる。
「無理ですね。もう、止まらないです」
僕はそう宣告して、腰を突き出した。
「いや、お願い、止めて…ああ!」
一気に突き入れる。十分に濡れていた所為か、あっという間に入った。
僕に押し広げられたその部分を覗いてみると、少しだけ血がでていた。
本当だったのか。
「そんな…そんな…」
ソフィアさんは口を戦慄かせて泣いていた。
僕は構わず腰を動かす。
「ふぁ…あっ…」
ソフィアさんの中は熱くて、狭かった。
当然だ。さっきまで処女だったんだから。
「んふ…ふぁぁ…」
気がつくと、ソフィアさんは声を押し殺して耐えていた。
どう見ても痛みに苦しんでいるようには思えない。
「…痛くないんですか?」
その言葉に、ソフィアさんの顔は真っ赤に染まる。
「…そうですか」
僕は勝手に納得すると、更に激しく腰を打ちつけた。
「んっあっ、やぁっ…!」
性懲りも無く逃れようとするが、僕は離さない。
一層強く突きこみ、揺れる乳房を揉みしだいた。
「あっあっあっ…!」
限界らしかった。僕の方も、もう我慢できない。
「く…出しますよ!」
「え、いや、あっぁあ…!」
果てる。ドクドクと膣内で脈打っているのが分かった。
思わず中で出してしまった。
ソフィアさんの顔を見ると、放心状態、といった感じだ。
ちょっとだけ罪悪感。
「あの…」
「………」
答えてくれない。ひょっとするととんでもないことをしたのか、僕は。
不安になって、顔を近づける。
すると、キスされた。
「……!?」
「…責任、とってね」
笑ってはいるが、その顔はとんでもない凶悪さを秘めているように思えた。
「…はい」
ひょっとしなくても、とんでもないことをしてしまったらしかった。
完
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