日野秋晴は、極々普通の青年である。  
少しヤンキー顔で、そこそこのヘタレで、しかし優しい心を持つ点を除けば、となるが。  
誰かを支えられる人間になりたいという思いからお嬢様学校である白麗陵の従育科に編入したのは、もう数年前の事。  
今は二人の女性の御主人様として、平穏な日々を送っている。  
そして、彼を旦那様、御主人様と慕うのは四季鏡早苗と四季鏡早織。  
そう、白麗陵にて出会った、二人の美少女たちだった。  
 
 
たぷんたぷんと揺れる爆乳を隠そうともせずに、美姉妹の姉は四つん這いのまま秋晴の元へと進む。  
恥ずかしさが以前はあったが、今はもう慣れている――否、こうしていないと落ち着かない。  
首には人間用の首輪――きちんとSaori Hinoとドッグタグも着いている――が光っており、名実共に彼女が日野秋晴の奴隷であることを表している――――  
 
「旦那様」  
「早織さん?・・・・いやいや、なんで首輪なんかしてんだ」  
「え、ダメですか?こうすれば、もう私が旦那様のものだってすぐに解ると思ったんですけど〜」  
「ダメだ、アウト!っつーか、旦那様って何だよ。俺は早織さんの従者、兼恋人でしょうが」  
「・・秋晴さん、本当にダメかしら?」  
 
「旦那様」  
「早織さん?・・・・いやいや、なんで首輪なんかしてんだ」  
「え、ダメですか?こうすれば、もう私が旦那様のものだってすぐに解ると思ったんですけど〜」  
「ダメだ、アウト!っつーか、旦那様って何だよ。俺は早織さんの従者、兼恋人でしょうが」  
「・・秋晴さん、本当にダメかしら?」  
 
―――訳ではなく、秋晴はまだ学生だし、姉妹を奴隷にしているわけでもない。  
強いて言えば四季鏡姉の恋人である。  
まぁ当然と言えば当然だが、その魅力的な肢体は端から端まで全部満喫してはいるが。  
ついでに言えば、今は二泊三日で早織のグラビア写真集のための撮影に来ている。  
一度目に秋晴が撮影に随伴した時に取ったグラビアの出来が良く、しかも秋晴が来ない時と来ている時とでは、そもそもの早織の表情さえもが変わっている。  
ならばと早織は秋晴に毎回の随伴を、わざわざパートナーカードを利用したりして頼んでいた。  
 
こうなると、二人の距離は急速に近付いて行った。  
 
とは言えどもである。  
流石に首輪を付けてどうこうは秋晴の予想の外の事だった。  
秋晴が早織を諭すように言うと、まだ納得してはいないようだったが、彼女も小さく頷いた。  
早織とて知っている。  
秋晴がどれだけ優しく、どれだけ自分に尽くしてくれているかぐらい、知っている―だからこそ、自分の体を好きにしていいことで感謝の証にしたいのだ。  
 
「ほら、もうすぐ撮影が始まる時間だぜ?水着に着替えて、首輪なんか外してくれよ?」  
「うん・・・・」  
 
秋晴に柔らかな髪を撫でられながら首輪を外す早織の表情は、暗く。  
仕方ないとばかりに、秋晴は彼女に対する一番の文句を早織の耳元で囁いた。  
 
(今日で最後なんだろ?だったら、今晩から嫌ってぐらい抱いてやるから。前も後ろも、俺ので一杯になるぐらい出してやるから、な?)  
 
我ながら悪役な言い方だと秋晴は苦笑する。  
しかし早織はと言えば、ほぅっと頬を赤らめて、そして嬉しそうに呟いた。  
 
「約束ですよ、秋晴さん」  
「あぁ、約束だ。だから今日1日頑張れ、早織さん」  
 
秋晴の声に、早織は首を縦に振る。  
期待を豊満な胸に秘めて。  
主従―――その枠を超えた秋晴と早織の恋愛は、まだ始まったばかりなのだから。  
 
「それでさ、早織さん」  
「ふぁぁい?」  
「何でわざわざ首輪とか着けたんだ?」  
「・・・・・」  
 
白濁にまみれた体をだらしなく投げ出した早織に、秋晴は問い掛ける。  
朝にした約束をきっちりと守り、秋晴は早織を散々に犯してやったからか、声に疲労の色がありありと浮かんでいた。  
最も早織はもっと酷く、顔にも胸にも秋晴の精液がかかっているし、膣穴からも尻穴からさえも精液が溢れ出ている。  
最初は嬉々として奉仕し、犯されていた早織が、涙を流しながら、気が狂うと鳴きながら、実際に意識を喪失するまで犯し抜いたのだから、仕方はないが。  
呂律が回らない辺り、今し方意識を取り戻したとは言えまだ快楽の余韻は体中に残っているのだろう。  
 
「もしかしたら、と思うけど」  
「・・・私は秋晴さんのモノだって、身も心も未来も全て秋晴さんに捧げるって、そう周りに示したかったんです」  
「・・・そりゃあ、また・・」  
「だって、」  
 
きちんと喋りだした早織の邪魔をしないために、秋晴は備え付けの椅子に腰を下ろす。  
 
「早苗さんや彩京さんも、みんな秋晴さんの事が好きですから。だけど、私は欲張りで、だから、私が、私だけが、秋晴さんのそばにいるんだって、そう示したくて、首輪をしたんです・・・・」  
 
早織が訴えかけるように言った言葉に、秋晴は心当たりがないとは言わない。  
確かに自分は知っている。  
寄せられる好意の数を。  
意味は違えども、好意という名で括るのならば、それらは全て同じものである。  
 
「もしかしたら悪い女って思われるかも知れなかったから、ああいう風にふざけて、」  
「もういいぜ、早織さん。要は早織さんが俺の一番だって示したいんだよな?」  
 
早織の言葉を途切れさせた秋晴の声に、しかし早織は頷く。  
 
「だったら、そうだな。資金が貯まったら・・・・結婚しよう。式は無理でも、指輪ぐらいなら贈れると思うし、ならその指輪が俺の一番である何よりの証になる」  
「は、はいっ!」  
 
感極まったのか、早織はその瞳から涙の雫をこぼしだす。  
それが哀しみからくる涙でないことを知っているから、秋晴はそのまま早織を見守っていた。  
 
 

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