「あっ、あぁぁっ! はんっ、やっ! ア、アキハル! 強いのじゃ!」  
「んきゅっ、はぁん! やぁぁぁぁ……っ! 擦れるよぅ!」  
 
 折り重なった二人の少女は同じリズムで嬌声を上げている。秋晴は自身の剛直をどちらの秘所に挿入するのでもなく、一つに溶け合ってしまうのではないかと錯覚させるほどに蜜の滴る花弁の間につきこむことを選んだのだ。  
 上下からレオタードと下着の布越しに愛液を吹き上げる少女の泉に挟まれ、両脇は広がった肉襞に包まれるそこの感触は少女達の膣内に劣らぬ快感を秋晴に与え、秋晴のピストン運動をますます加速させる。  
 
「んぶっ、ちゅ……きゃぅん! ……ふあ、ミミナよ……大丈夫か? あっはぁあ!」  
「……う、うん。なんとか。ぺちゃっ、くちゅ……あ、ダメ、そこぉ!」  
 
 自ら選んだこととはいえ、先ほどまでの攻勢とは打って変わりこちらからはほとんどなす術のない状況に少女達の肢体は余すところなく翻弄される。  
 互いを思いやって唇を交わし、辛くないよう体の位置を整えているときも、秋晴の体が圧し掛かるように押さえつけて自由は利かない。  
 しかも先ほどから秋晴の両手はピナの尻房を鷲掴みにして押し付け、秋晴自身にも二人の少女にもますますの快感を与えて思考がもはや定まらない。  
 二人の着ているコスプレ衣装も汗とも愛液とも精液ともつかない液体で濡れて、所々激しい交わりの最中にどこかに引っ掛けてしまったものか裂け目が出来て、その光景が秋晴をますます興奮させてしまっている。  
 
 性欲に思考を支配された秋晴は、目の前の二人の少女を蹂躙することしか考えられない。  
 レオタードの生地の隙間から覗くピナの白い肌は既にあらゆるところが秋晴の舌によって唾液を塗りつけられ、てらてらと卑猥な光を反射する。  
 みみなの衣装も前面が既に引き裂くように開かれて小ぶりな乳房をさらし、ピナの未発達な胸と乳首を擦りあわされてまた切ない悲鳴を上げさせられる。  
 
 だが、それだけのことをされていてなお少女達の体は不満を訴えていた。  
 荒れ狂うような愛撫で体中を攻め立てられていても、それは上辺だけのこと。  
 秋晴と同等、あるいはそれ以上に性欲の虜となった今の彼女達は、体内に秋晴の熱量を感じる時を今か遅しと待ちわびているのだった。  
 
「あ、秋晴くんっ、はん! ねえ、そろそろ……みみなの中にも……」  
「なっ、ミミナ! 抜け駆けはずるいぞ!」  
 
 先に耐え切れなくなったのは、みみなだった。  
 ピナが秋晴を誘い、はじめの口付けを独り占めする様も見せ付けられてしまった結果、三人の中で最も強い不満と期待を抱くに至った彼女が先手を取ったのは、ある種の必然だったろう。  
 自分から挿入をねだる羞恥と、それを上回る欲望に相貌を上気させて秋晴に頼み込むみみな。その姿は秋晴の中に最後に残った頚木を外すのに十分な威力を持って彼の理性を打ち据え、獣性を解き放った。  
 
「……おぉぉっ!!」  
「あ、入ってき……やっ、激し過ぎるうぅぅぅぅぅぅっ!」  
 
 想像以上の勢いで膣内へと侵入され、覆い被さるピナの体ごとがくがくと震えるみみな。  
 喉を逸らせて舌を突き出し、ずっと待ちかねていた刺激に呼吸もままならなくなる。  
 しかし見た目は幼くとも年齢的には成熟した体を持っているみみなの膣は秋晴の剛直を包み込み離そうとしない。いくつもの襞が全方位から吸い上げ嬲り、お互いをさらに高みへと押し上げる。  
 
「ア、 アキハルぅ……ミミナだけはずるいのじゃ。んっ、あ……わ、妾にもぉ……」  
 
 自分の体を挟んで行われている激しい交わりに、ピナの中の劣情が王女としてのプライドに勝った。  
 夢中で腰を振る秋晴の気を引こうと、高々と腰を掲げ、両手で自らの尻たぶを掴んでレオタードのクロッチをずらし、産毛も生えない恥丘と菊門を広げて秋晴の目にさらす。  
 すると、秋晴の腰の勢いが弱まった。ピナの顔に吹きかかるみみなの熱い吐息が長く細くこぼれるが、そんなものは気にもならない。  
 秋晴が、見ているのだ。はしたなくも自ら広げた秘部を。  
 ちりちりと焼けるように視線を感じる。体全体で感じた秋晴とみみなの交わりで興奮させられた体は今すぐにでも受け入れる準備が整っている。  
 秋晴の顔が股間へと近づく気配を感じて、せかすように陰唇がパクパクと開き、中から愛液の塊をこぽりと零した。  
 
「……ふぁ、あ、秋晴くん……抜いちゃやぁ」  
「はぁ……はぁ。ピナ……」  
「あぁ……アキハル、は、速く……っ!」  
 
 秋晴の次の狙いが自分に向いたと知って、ピナはもういても立ってもいられない。一国の王女という自らの立場も忘れ、尻を振って男を誘うその頭にはもはや一匹の雌としての快楽を求めることしかなかった。  
 
「アキハルの、入ってきて……んんっ、い、痛ッ! んはあぁぁぁぁ!」  
 
 みみなももちろんだが、年齢的にも幼いピナの膣内は例え愛液が溢れていようとも窮屈で狭い。普段ならばそれを気遣った挿入を心掛ける秋晴だったが、今はそんな余裕もない。  
 ピナ自身、普段から秋晴には強気に攻められているため、常にない三人での行為とさきほどまでの焦らしにも似た状況が極度の興奮状態を作り出し、ピナの体への負担を無視した秋晴の焼き付きを起こしそうなピストンの痛みすら快感に変わっていく。  
 そこからは、ひたすらに激しい交合の時が続いた。  
 
「秋晴くん、こっちもぉ」  
 
 ピナに奪われた秋晴を取り戻さんと、みみなはその股間を秋晴の太股にこすり付けて感心を引き、再び胎内へと剛直を受け入れる。  
 
「はぁっ……、アキハルよ、そろそろ妾の方もどうじゃ?」  
 
 ピナもまた、自分の下に組み敷かれたみみなの胸や首筋を秋晴の動きに合わせて攻め立てながらねだる。  
 
「あぁっ! あぁぁぁぁ!」  
 
 同時に二人を相手にしている秋晴の目に、理性の光を見出すことはもはや難しい。  
 ピナとみみなの膣内へと交互に肉棒を強く突き込んでいるが、自分が攻め立てているのか、あるいはこの小さな二人の少女に嬲られているのかもはや区別がつかなくなっている。  
 ただ請われるままに腰を打ちつけ、そこからもたらされる快感に酔いしれることしか出来なくなっていた。  
 
 そうして交わり続けてどれほどの時間が経ったか。ついに三人に限界が訪れる。もはや四肢を動かす力を失った少女二人は虚ろな目つきで快感に蕩けた顔を無防備に晒し、三人の接合部は誰の分泌したものとも知れぬ粘液でぬるぬると光っている。  
 
「あんっ! きゃふ……くぅぅ、ア、アキハル、ミミナ。妾はもう……」  
「んんんん! ……う、うん。私も……くはぁっ! お、奥までぇ!」  
「くあ、……はぁっ、はぁっ! ダメだ、もう、出るッ!」  
 
 秋晴のペニスがそれまでより一層震え上がり、二人の花弁の間から引き抜かれた瞬間に大量の精液を吹き上げた。  
 元は華美な装飾と丁寧な縫製によって彩られたコスプレ衣装も、いまはあちこちが破け、剥かれて惨憺たる有様を示して辛うじて少女達の肢体を覆っている。  
 秋晴の放った白濁液はそのまま少女達共々コスプレ衣装を白く汚し、決して消えない彼の匂いをしみこませていった。  
 
「……なあ、ピナ」  
「なんじゃ? アキハル」  
「……(ぶくぶくぶく)」  
 
 現在地、バスルーム。使用者、日野秋晴、ピナ・スフォル、桜沢みみなの三名。  
 行為後の体を洗い清めるため、三人で風呂に入ることになった。  
 いち早く体を洗ったみみなが浴槽から恨めしげな目線を向けてきているのに気付かないようにしつつ、秋晴は自分の精液があちこちにこびりついたピナの体を泡立てたスポンジで優しく拭いながら尋ねている。  
 ちなみに、ピナは普段から行為の後は秋晴に体を洗わせているが、みみなは当然自分で洗う。  
 三人での入浴を希望したピナに対して普段の習慣の違いから固辞したみみなではあったが、数々の二次元著作物によって屁理屈を鍛えられたピナの舌鋒とコスプレ衣装を気付かず着込んでしまう己の天然具合によって、見事丸め込まれて今に至る。  
 辛うじて自分の体は自分で洗うことに成功したが、みみなはそのまま湯船に浸かってしまった。  
 白麗稜クオリティで六畳間ほどの面積に並々と熱い湯を湛えた湯船によって、『ちょっと三人で入るには狭いよね』などという庶民的な回避手段もはじめから潰され、この後三人で風呂に入ることはもはや覆しようのない確定事項となった。  
 彼女の頭には早目に上がるという賢明な選択肢が浮上することはなく、一秒ごとにこみ上げる羞恥とやり場のない怒りを視線に込めて、先ほどまで交わっていた男子に向けるしかない。  
 
 閑話休題。  
 秋晴はピナに聞かなければいけないことがあった。  
 
「いや、あれだけしといてなんだけど、衣装大丈夫なのか?」  
「大丈夫とは、どういうことじゃ?」  
「……(うんうん)」  
 
 不思議そうに聞き返すピナと、湯船の中から小さな首肯で同様の疑問を持っていることを伝えるみみな。秋晴の心配事は、いずれ本番での着用が見込まれるマジカル・ディーバのコスプレ衣装の今後についてである。  
 先ほどまで行われた一連の激しい行為で、衣装はほつれ、破け、精液漬けと言ってもいいほどの惨状となり今は内部の様子が可能な限り分からないように隠蔽して三重の半透明ゴミ袋の中に収められている。  
 このままでは、同人誌製作がいつ始まるかはさておき、コスプレ売り子は不可能になってしまうのではないか。一目で高価と分かる生地に、精密な縫い目。きっと製造にはそれなり以上の労力と時間が必要なはずである。  
 その旨をピナに説明すると、同人誌の作成に関してはいまだ修行とアイディア確保の準備期間であるということを内股をつねられながら説明され、衣装についてはまったく問題ないと太鼓判を押された。  
 
「いや、問題ないってどういうことだ?」  
「簡単なことじゃコスプレ衣装は一着ではない。ただそれだけのこと」  
「……ぇ」  
 
 ピナは『我に抜かりなし』とばかりに堂々と平らな胸を張り、みみなは軽くショックを受けたように声を上げる。残念、どうやらコスプレ回避のイベントは発生しなかったらしい。  
 
「なんだ、まだ何着か作ってあったのか?」  
「無論じゃ。今回使用するマジカル・ディーバだけではなく、その他各種コスプレ衣装も天上院の系列服飾会社の協力で量産ラインも確保しておる」  
「……あぅぅ」  
 
 もはや先ほどからマトモなセリフを喋ることのできないみみな。  
 というか、いつのまにそんな商業レベルの話になっていたのだろうか。秋晴は脳裏に理事長兼事務員兼ピナの腐女子友達兼トラブルメーカーの顔を思い浮かべ、今度そのあたり「しつけ」てやろうと決心する。  
……まあ、深閑による数年来の指導で変わらない物が自分のアレで変われば深閑がかなり落ち込みそうな気もするが、それはそれ。  
 なんにせよ、大した問題はなさそうで秋晴は安心した。  
 そして、秋晴の場合安心は大抵油断を招く。  
 
「ところでピナ、なんでそんなにたくさん用意したんだ?」  
 
 この質問が迂闊である。  
 それまでのピナを含めた女性と自分との関係に思いを巡らることができ、健康な男子高校生としての性知識を持っていればたとえアニオタでなくとも考え付くであろう一つの可能性。秋晴はそれを失念していた。  
 
「決まっておる。アキハルとのコスプレえっち用じゃ」  
「なぁっ!?」  
「ふ、ふぇ!」  
 
 しれっと言ってのけるピナ。秋晴とみみなは寝耳に水の上に想像の埒外をいく使用方法があらかじめ予定されていたと知って驚きを隠せない。  
 だが、それだけで終わるピナではなかった。呆然としてガードの緩んだ二人の懐に、さらなる一撃を叩き込む。  
 
「ああいうのもたまにはいいかと思っての。他にも色々用意しておるから、今度は別のものも試してみるか」  
「なっ……!」  
「……あのぅ、別のって?」  
「おぉ、ミミナは乗り気か。……そうじゃのう」  
「……っ! ておいピナ!?」  
 
 湯気に曇った浴室の天井を見上げ、用意したコスプレ衣装ラインナップを思い浮かべるピナだったが、何故かその手は秋晴のペニスへと添えられていた。  
 さきほどまでの行為で力をなくしてはいるが、こんなところで弄られてはまた復活してしまうだろう。  
 
「王道なところでは、巫女服、メイド服、チャイナドレスにバニーガール。版権ものでは脇巫女服や陵桜学院やらなんやらの各種制服にヴォーカロイド服、CCさくらから白い冥王まで各種魔法少女ものの他に、ネコミミ、尻尾などアクセントも豊富に取り揃えておるぞ」  
 
 後半に続々と現れた固有名詞はほとんど理解不能だが、全てを並べることになれば錚々たる光景になるだろうことは疑いない。  
 ピナはそれらをそらんじている間もずっと秋晴の股間にその手を置いたままで、緩く掴んだまま特に動かそうとはしなかった。  
 しかし  
 
「……ふーむ、秋晴は妾のバニーガールが所望か。マニアックじゃの」  
 
 と、再び情欲色に染まった瞳を秋晴へと向ける。股間の手を動かさなかったのは、秋晴がどの衣装に反応するかを確かめるためのものだった。  
 そんな方法で自分の内心を探る目の前の幼女に戦慄を覚えつつも、今回のような行為を今度はバニーガール姿のピナやみみなともできるのかと考えると、健康な一男子として興奮を抑えることはできない。  
 
「んふ、期待してしまったようじゃの、アキハル。息子が疼いておるぞ。さすがにまだ衣装を用意はしておらんからの。今のところは妾の口で我慢するが良い。……ほれ、ミミナ。何をぼさっとしておる。お主もやるのじゃ」  
「あ、……うん」  
 
 体に纏う泡も流さないままに秋晴を壁に押し付けるピナと、ざぶりと湯から上がりもはやなんの躊躇もなく秋晴の前に跪くみみな。  
 らんらんと輝く二人の目が既に隠しようもなく膨張している自分のペニスに向けられているのを見て、秋晴は諦めにも似た覚悟を決めた。  
 どうやら、今夜も長い夜になりそうだ。  
 
 後日。バニーガール姿のピナとみみな両名といたしたのはもちろんのこと、前述の乙女協定の会議でコスプレえっちをしたことを大層好評だったことも含めて報告。  
 秋晴を巡る少女達の間にしばらくの間コスプレブームが巻き起こったという話もあるが、詳細は定かではない。  
 

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