「わははははっ!美代子くん、見たまえッ!」
美由紀は目の前にある鏡で己の姿を確認する。
「わあっっ!なっ… 何なんですか!やめてください礼二郎さん!」
仁王立ちした榎木津礼二郎が、美由紀の頭にイチモツを載せて異様に興奮している。
「これはチョンマゲというのだ!君は今日からサムライだッ!」
美由紀は鏡越しに榎木津の表情を窺う。
―――とても嬉しそうだ。
でも。これはあんまりだ。
美由紀が一体どれほどの覚悟を持ってこの探偵社を訪れたのか
全く分かっていない。
「僕はサムライが好きなのだ!美奈子くん、恥ずかしがることはない!」
「少しは恥ずかしがってください、礼二郎さん」
鏡越しに見つめ合う二人。
真っ直ぐな美由紀の視線に、榎木津は思わず女学生のように頬を染める。
「全く、もう… 」
仕方が無い、といった表情で美由紀は榎木津に向かい合う。
「これじゃあどちらが子供なんだか分からないじゃないですか」
首に腕を回し、口づけをする。
既に一糸纏わぬ姿になっていた二人の肌が触れ合う。
「……っ、んっ」
榎木津もようやく男の本能を取り戻したように、美由紀と舌を絡めあう。
その手は控えめな美由紀の乳房をまさぐり、クリクリと突起を玩んでいる。
「礼二郎さん…そんなに触られると、何だか変な気持ちになります」
「うん?…ああ、もっと変になってもらわないと」
榎木津の手はウエストラインをなぞり、お尻へと降りる。
「やわらかくて、滑々しているね」
美由紀の白い臀部はしっとりと榎木津の手に吸い付いてくるようだ。
「私も触っていいですか」
「もちろんだ。君のしたいようにすれば良い」
榎木津の胸部を確かめるように触る。
「ずっと……こうしてみたかったんです」
あまりにも真っ直ぐな美由紀が愛しくて、榎木津は美由紀に頬擦りする。
その時。
―――ドンドンドンドン!ガンガンガン!
「おいコラ礼二郎!てめえが居るのは分かってんだ薄ら馬鹿!」
けたたましいノックと高音の濁声に、美由紀は吃驚する。
「さっき通りで和寅に会ったんだよ!
取り込み中って、何を気取ってやがる!とっととここを開けやがれ!」
榎木津はハァと小さくため息をつくと、美由紀に向かってシーと人差し指を立てた。
「(一斗缶が暴れているだけだ。気にしなくていいよ)」
「(でも…お客様…)」
美由紀の口を塞ぐようにキスをする。
それから首筋を辿り、鎖骨の下へと舌を這わせ、乳首を含んだ。
「…ァ…ッ」
美由紀は思わず声が漏れた口元を押さえる。
榎木津は悪戯っぽく微笑むと、舌先で先端を弾いた。
声を堪えた美由紀が小刻みに全身を震わせる。
薔薇十字探偵社の入り口では、ガチャガチャとドアノブを回す音が聞こえたが、
それもしばらくして静かになっていた。
そんな騒ぎには一向にお構いなく、榎木津は美由紀の体を愛撫する。
「……もう、声を出しても良いんだよ」
口を押さえていた手を解くと、美由紀の秘所に手を伸ばす。
思わず閉じる膝を許さない。
割れ目に中指を沿わせる。微かに湿っている。
「……ダメです……そんな…っあぁっ」
ぬるりと掻き分け撫で上げると、隠れていた陰核を探り当てた。
「あっ……んっ……ぁぁぁっ……!」
ビリビリとした刺激が未知の快楽を美由紀にもたらす。
体の奥からトロリとしたものが流れ出る。
榎木津の指がそれをすくい取り、さらに敏感な芽に擦り付ける。
「…!ああッ…んっ……んっ……はぁっ」
ピンと尖った乳首を口に含まれ、舌と指の動きが高速になると、
美由紀の体がピクンピクンと跳ねた。
「……ハァ……ハァ……」
充分に潤った事を確認すると、榎木津は自らのモノを押し当てた。
静かに前後しながら進めて行く。
痛さに顔を歪める美由紀を思いやりながらも、狭い内部を突き進む。
中ほどの抵抗に体重をかけると、榎木津の先端が行き止まりを感じた。
「……美由紀ちゃん、これで全部、入ったよ」
涙目の美由紀は、ジンジンとした痛みを堪えながら榎木津を見た。
―――痛い…けど、うれしい……名前、初めて―――…。
言葉にはならなかったが、榎木津には伝わったようだ。お互い微笑みあう。
「少し、動くけど、いいかい?」
榎木津の息が荒いことに気が付くと、美由紀はコクリと頷いた。
始めは遠慮がちに小さく動いていた榎津の腰が、大きく、激しくグラインドする。
「ン…あっ…!ぅんっっ!あぁッ…!!」
ヌルヌルと愛液があふれ、痛みが薄らいでくると、鈍痛にも似た快楽がもたらされる。
ほぐされた内壁が榎木津にからみつく。
突き上げられては揺さぶられる美由紀の体が、榎木津を追い詰めて行く。
「あっ…あんっ……んんッ…!」
美由紀の内部のモノが限界に硬くなっている。
二人の心拍が最大に上がる。
「うぅ…っ!」
美由紀の中で思い切り放った。
しばらくそのままの体勢で呼吸を整えると、榎木津は体重をかけないように美由紀を抱きしめる。
「美由紀ちゃん、君、僕の子供を産みなさい。男でも女でも、できるだけたくさん。」
朦朧とした美由紀はその言葉をただ聞いていた。
「僕はね、赤ん坊が大好きだ。何、和寅は子守りが得意だ。君はただ僕の側にいれば良い」
その他にも色々と喋っていたが、美由紀は幸せに満ちた榎木津の腕の中でいつしか眠りについていた。
おわり