「え、のッ…」
「敦っちゃん、れいじろう。」
敦子のささやきを逃す事無く、そして遮る。
敦子は目を精一杯に閉じ、息も絶え絶えになっているが、榎木津にしがみついて離れない。
名前で呼んで、と気持ちを込めて榎木津も囁き返したが、敦子に届いているかどうか。
榎木津は片手でチャックを下げ、自身をさらけ出し、片手は敦子の後頭部を支え、そして口付ける。
「入れるよ、」
瞬間。
さらに息を呑むような、悲鳴のような声が敦子から発せられる。
ぐちゅ、と水音がしてそれが中へねじ込まれると、敦子は今度こそ嬌声を上げた。
「ああッん、は…」
何か喋る暇も与えず、榎木津は動き始めた。一定のリズムで、彼女が好く思えるように位置を探る。
「ひぅ…んっ、あぁ…あん」
普段の彼女からは考えられないような声。
30をとうに過ぎたというのに、榎木津はそれだけで我慢がきかなくなる。
段々と、相手の事を考えるより先に自分のいいように動いてしまうことに戸惑いを感じるが、それで彼女も気持ち良くなっているようなので考えないことにした。
ぐちゅぐちゅという水音、二人の息遣い、汗の臭いが辺りにしているように思う。
その音に興奮していく自分が、やたらと女になっていく。
自分から接吻し、下を絡ませる。榎木津はすぐにそれに応え、さらに彼女を翻弄させた。
敦子が腰を動かしだしたのに気づき、榎木津は更に速度を速めた。
「…好きだ、敦っちゃん」
耳元でそう言うと、彼女が締まるのが分かった。
少しの優越感と、その後すぐの射精感と、
「れ、れいじろうさ…ん」
達する瞬間の、彼女の呟き。
彼はもう一度、彼女に口付けた。