ぴしりと 敦子は頬に弾かれたような熱い痛みを感じて目を覚ました。  
「うぅ・・ん」  
ぼんやりと視界が滲む  
「気がつきましたか」  
それは知った声だった   
声の方向に視線を泳がすと其処にはサディスッチックな笑みを浮かべた益田が立っていた。  
益田の長い前髪の間から三白眼の目が哂っている。  
「やっぱり着物には荒縄ですねぇ」  
徐々にはっきりとする意識に敦子は体に食い込むように巻かれている荒縄を見た  
そして締め付ける痛み  
「な・・益田さん・・どうしてっ!?これは一体!」  
敦子は見たことの無い広い和室の部屋で太く丸い柱に括り付けられているのだった。  
両の手は柱の後ろへ そして胸をはさんで上下に縄は柱と敦子をつなげている。  
「まさか巫女服の敦子さんに出会えるとは思いませんでしたよ、やっぱり神社なんですねえ」  
益田は敦子を攫ったのだった。  
 
 
3日、自分は初詣をしていないと思い立った益田は興味本意で武蔵清明神社に向かった。  
普段宮司らしい姿を見せない中禅寺が正月ぐらい他の神社と同じように初詣客の相手をしているのかと。  
日が沈もうという時刻だった ふと鳥居から箒を持った巫女が出てきた。敦子だった。どうやら境内の掃除をしている  
ようだった。  
その姿を見たとき益田は体が熱くなるのを感じた。湧き上がる欲望を抑えようともしなかった。  
車を徐々に近づける そして益田に気がついた敦子が首を少し傾げ、微笑んだ。  
まったく警戒の色を見せずにあいさつする敦子に近づき薬品を嗅がせた。そして箒もろとも車に乗せ  
ここまで運んだのだ。  
 今だ状況が飲み込めず疑問を投げかけるような目で益田を見つめている敦子に益田は問うた。  
「敦子さんって処女ですか?」  
「えっ!?」  
「巫女さんの格好してるし感じからしてそうなのかなって・・  
 まぁこれから確かめますけどね」  
「え・・何て・・・」  
敦子は大きく目を見開き益田をみた。敦子の目からは益田への信頼の色は失われ  
顔からは血が引いてゆく。  
   
「やっと自分の置かれた状況が判って来たようですね」  
ケケケと哂いながら益田は手にした乗馬用のムチをしならせた。  
「僕はねシュチュエーションフェチなんですよ。」  
益田は口の端を吊り上げた  
「この和室良いでしょう?梁も柱もまるで何かを吊るしてくれと云わんばかりじゃないですか  
 実際首吊りがあったんですけどね。ま、其の話は後です。因みに洋間も地下室もあるんですよう」  
 敦子は黙っている。この状況を理解しようと、そしてまだ底に残る益田への  
信頼がいつかは安堵できる言葉を聞けるのではないかとじっと耳を傾けている。目は益田を見つめている。  
そんな敦子を見下ろし益田はさらに口の端を吊り上げる。  
「いろいろ 用意しましたよ貴方のために。僕はね妄想も大好きなんですよ状況を用意してそして機具も  
揃えます。それに囲まれて妄想するんですよ色々と・・・・・」  
益田は腰を屈め敦子に顔を近づけた。そして悦に浸ったような顔で言った  
「貴方を凌辱する妄想をね・・・」  
敦子は一瞬 呼吸するのを忘れた。  
 
「女性を辱める道具ってのはいろいろあるもんなんですよ、ソレ専用に作られる物もあれば、  
医療器具や・・普段使ってる日用品だって使いようにようによっては・・ねぇ・・」  
尖った顎を宙に上げ満足げに語る。  
目だけを此方に向け敦子に問うた。  
「どうです僕の趣味は?」  
「・・・だれにでも・・・・人に言えない趣味とかは有ると・・思います・・・」  
「なんですその優等生な答えは、変態とか言われたいなぁ」  
益田はハサミを取り出した。じょり・・と音を立て合わされたえり元に切り込みを入れた  
「まったく そんな言葉が聞きたいんじゃないんですよ そこいら女みたいにきゃあとかイヤとか  
聞きたいんですよ・・もっとじっくり前ふりを楽しみたかったんですけどしかたありませんね・・」  
じょりじょりと音を立て胸の前で合わされた布が切られていく。  
敦子は唇をわななかせ身を竦めた。  
「ま 益田さん 今なら 冗談で済みます だ だから・・・だから・・・」  
「今さら冗談で済みますか。 あの人と目を合わせたら終わりじゃないですか。それとも貴方の目でも潰します?  
 そんな趣味は無いなぁ。僕自身驚いてますよ自分の行動力に。もう妄想じゃないんです。  
 アノ人たちがココを見つけるまで楽しむだけです。」  
益田は一気に白い羽織を引きちぎった 布は激しい音をたてて裂けた。  
 
羽織を引き千切っても敦子の胸は白い布で覆われていた。  
益田は敦子の顔に目を移した。恐怖の色は見えるもののその大きな瞳は光を失わず  
ジッと益田を擬視している。  
益田は手にした布を放り投げると袴に覆われた敦子の股の間に手をの伸ばし握るように  
手を動かした。  
「いっ・・・やぁ・・」  
唯一自由なってる足をすり合わせ敦子は必死にその手を拒んだ。  
「やっとその声が聞けた・・貴方はいつもそうだ。目の前で何が起ころうと逃げもせず  
理性で考え行動して、自虐的とも思える行動をする・・・  
貴方はマゾですか・・・?」  
「うっ・・んっ」  
呻きを漏らして敦子の体が跳ねた  
「ああ ここですか・・」  
益田の指が陰核をとらえた。指で敦子の股間をにじる  
「痛い・・・やめてください・・うう」  
 
益田は股間から手をはなし袴の帯に手をかけ帯をほどいた。  
しかし足を閉じ合わせているため袴は敦子の腰を離れなかった。  
益田は右手を振り上げ敦子の腿にムチを振りおろした。  
痛みに竦み上がった体はその後緩急し袴は足を露にした。  
敦子は恥ずかしげに顔を背けた  
その様子を満足げに見つめながら益田は問う  
「最初の問いに戻りますよ 貴方は処女ですか?貴方が条山房に攫われたとき心配したん  
ですよとっても。きっと男たちに蹂躙されたんじゃないかって。」  
言いながら益田は白足袋に覆われた足首に縄を巻きつけ梁からつるし上げた。  
「あ・・ああ・・嫌・・」  
足を持ち上げられ羽織がはだけ白い下ばきを益田の眼前にさらす。  
益田は再び指を股の合わせ目に這わせる  
「どうなんです?人に言えないようなことをされてしまったんですか?」  
「何も・・何もされてませんっ!・・だから止めてください・・処女です・・だから」  
「それは嬉しいです。貴方の初めての男になれるわけですね」  
 
益田はムチを手放すと襦袢と下着を引き千切り敦子の胸をあらわにした。  
羽織の裾を開き下穿きも千切った。  
敦子の胸と局部が外気にさらされる  
「きれいですね まるで少女です。」  
両手を伸ばし手の平ですくいあげるように胸を握った。  
敦子は顔を背け目をかたく閉じた。肌が粟立つような感覚が  
理性を保とうとする敦子を苛む。  
益田は指の間に乳首を挟みねぶっている。  
敦子は考えをめぐらしていた。どうすれば、どうすれば良いのかと。  
この後されることはただ一つ。なのだろう。  
敦子はこんな時でも冷静な自分がイヤだと思った。  
益田はそれを見透かしたように哂うと、胸から手をはなした。  
益田はゆっくり指を下半身に這わせ下腹部に向かって行く。  
ああ 触れられてしまうのだ私の・・  
 
「うっ・・・・あっ・・・あっ・・・」  
しかし敦子の予想した場所に益田の指は来なかった  
指は敦子の肛門につきたてられたのだ。  
「あっ・・なっ・・ああああ」  
敦子は未知の感覚にのけぞった。肛門が熱い。ひりつく様に熱い。  
局部をつつむ筋肉がびくびくと痙攣する。  
「さすがの貴方もこれにはビックリですか?」  
益田の指が肉を巻き取るように敦子の肛門を出入りした。  
そのたびに敦子は情けない声をあげてのけぞった。  
 
「いやぁ やめて・・・うう・・」  
益田は指を抜き取ると一歩引いて敦子を眺めた  
敦子は頭を垂れ肩で息をしている。  
全身に汗がにじみ茂みの下の裂け目の肉は赤く充血し  
陰核が顔を見せている。  
 
「敦子さんって好きな人います?」  
唐突な問いにうつむいたままの敦子は答えない。  
 
「ずばり 関口さんでしょう?」  
その言葉に敦子はゆっくりと益田をみた。  
瞬きを忘れた敦子の目を益田は狂人じみた目で見つめ返す。  
「そうなんでしょう?その顔は図星だ。  
それでは関口さんも呼びましょう アノ人だったら簡単に連れ出せそうですし  
あの人は私と同類です。  
ただ面倒くさがりで行動力が無い。ちょっと背中を押してあげれば  
それこそサルみたいに快楽に溺れてくれますよ。」  
敦子は自分の胸が苦しくなり体温が下がるのを感じた。  
ケケケと狂人は哂っている。  
 
「良いことを思いついた。  
関口さんを連続婦女暴行魔かなんかにしてあげて2人でそれを眺めませんか?」  
「なっ 止めて下さい!そんな事っ!」  
「やっぱり好きなんですねえ ちょっとジェラシーってやつです。  
そんなに好きだったら壊して自分のものにしてしまえば良いんですよ。  
簡単じゃないですかあんな人」  
 
好き なのか アノ人が ・・  
敦子は欲しいという感覚が良く判らない。預けられていた幼少から得るものはすべて  
自分の意思と関係なく他人が置いていくものだった。自分の収入を得た今でも必要なもの  
以外はほとんど買わない。身の回りの全てのものに装飾品は無い。  
恋という感覚も判らない。しかし  
自分に初恋というものがあるならそれは関口だと思っている。  
ある日兄が家に連れてきた男 関口巽。自分の存在を隠すように身を竦め  
黒目がちな虚ろな視線。何も外に発しようしない男。いつしか敦子は関口に会うのを楽しみにするようになった。  
敦子は現状を忘れその頃の感覚を思い浮かべた。他では感じることの出来ない淡く甘い感覚。  
しかしその切ない回想は肉を裂くような痛みで現実に引き戻された。益田の肉棒が敦子の  
局部にねじ込まれたのだ。  
 
「あっあああ・・・」  
敦子は短く悲鳴を上げた  
胸の下に覗く茂みの下へ益田の肉棒がつき立てられている  
「ああ 硬い。なかなか入りませんよ敦子さん・・」  
それでもじわじわと肉をえぐるように進んで行く  
ただ一点を擬視している敦子の顎をつかみ自分の顔を寄せた  
「いいんですよ関口さんのこと考えてれば・・でも貴方を犯しているのは私です。  
 自分に心が無い女を犯すのは楽しい。」  
益田は敦子にくちづけた。  
敦子は体をゆすり虚しく抵抗した。局部はじわりと血が滲んだ。  
痛みと内臓を掻き回されるような感覚が苦しく渦巻く。  
「すごいですよ。狭いくて この弾力はその辺の娼婦では味わえない・・」  
敦子とは逆に益田は総毛立つような快感を味わっている。  
敦子の肉は益田を圧迫し熱く、ぬめっている。  
益田は嬉々として腰をうごかした。  
 
敦子の意識は飛んでしまった。益田が見えなくなった。しかし頭だけはぐるぐると働いた。  
さまざまなものがうかんだ。近しい人たちの顔。自分の過去。現在。  
事件の悲しい人々。  
今まで考えないようにしてきたものがうかんだ。見ないようにしていたものがうかんだ。  
兄も義姉も関口も雪絵もこんなことをしているのだ。  
そして男は皆 コレをもっているのだ。榎木津も木場も鳥口も・・・・  
 
 
こんなこと 気持ち良いとか判らない   
でも男の人は気持ち良いようだ  
関口先生の気持ちよい顔が見たい  
雪絵さんとの情事も見たい  
兄さんと千鶴子さんの情事も見たい  
敦子はぼんやりと思った。  
 

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