やせ細った手に押し倒された敦子は見なれた顔を見上げる。
明かりを背に覆い被さってきた彼の顔は逆光で闇を纏っている。
「兄貴・・・・いったい何を・・・」
黒い男は表情が良く図れないが一寸口の端を笑わせて言った
「本当はずっと前から思っていたんだ、いつかお前をこうしてやりたいと・・幼い頃一緒にいた記憶が少ないからか僕はお前を妹だと思っていなかった。
否、思いたくなかったのか――」
言いながら覆い被さってくる男に敦子はできるかぎり抵抗した。
が、質量のなさそうに見える男は以外に力が強く、両腕を掴まれた敦子はただその場で身をよじることしかできない。
その姿は傍目にはなまめかしく、無常にも黒い男をその気にさせてしまった
「ほう、おてんばもこうやって見ると実にそそるものだな、鳥口くんにも見せてやりたいものだ。」
鳥口と言う名が出て敦子の目の色が変わった。羞恥心からだろうか。
「いやあ!やめて!千鶴子さぁん・・・・」
「おやおや、残念ながら千鶴子は京都だよ。誰を呼んでも誰も来ないさ」
男は叫ぶ敦子の唇をふさいだ。
「う・んんん・・・・」
強引に押し込まれた舌の動きでくちゅくちゅと卑猥な音が響く。
痩せた手は蛇のように敦子の腕からブラウスの前のボタンまで移動し、器用にその一つ一つをはずし始め、
最後の二つを残したところで服の中に進入を始めた。男は1枚の布に包まれた胸をレエスの上からゆっくりと揉み始めた。
「うんんんー・・」
口をふさがれた敦子は驚いて声をあげる。もちろんそれは声にならないのだが・・暫くレエスごしの感触を味わったあと、男は待ちきれないようにその中に進入し
貪るように柔らかい胸をその骨ばった手で揉みしだく、手のなかに納まりきれない胸は
敦子の普段のボーイッシュさからは想像できないくらいに卑猥だ。
男の加減のなさに敦子は顔をゆがめたが男は一向に力を緩める気配がない。
「いた!!やめてぇ・・・」
片手で掴んでいた両手首を離し、滑るように敦子を膝の上にのせ、後ろから羽交い締めにする形で脇の下から胸に両腕を差し入れ、ぐにぐにと形が変わるくらい揉みしだいた。
「やだぁぁ・・やだ・いたいよぅう!」
男の膝の上で子供がだだをこねるように足を振り乱す敦子の耳元で兄は意地悪に囁いた。
「全く、いつになってもおてんばだなぁ。もう少しおとなしくさせられたいのかい?」
男は敦子のたわわな胸の真中にある敏感な突起を探り当てるとそれをきゅっと摘んだ。
「ひゃっっ!!」
突然の快感に敦子は思わず悲鳴をあげた。
「ん?どうしたんだそんな声上げて」
男はまた意地悪に囁いて、その耳元から舌を這わせた。
「う・・・んあぁぁあぁ」
急に無抵抗になった敦子を認めて男はさらに突起を摘んだり転がしたりしてもて遊ぶ。
「ふ・ふぁぁぁ・・ひっ・んンっぁ・・やぁ」
妹の口から理解不能な喘ぎ声が上がると兄は珍しくくつくつと声を押し殺して笑いながら突起への刺激と首筋への愛撫を続けた。執拗に。
敦子は体の中が熱く滾るのを感じた『おかしい、私の体がどんどん・・』今はただ押し寄せる快感をせき止めるように切ない声を上げることしかできなかった。
「ひぁやあぁ・・う・・ん・」
「そんなにここが感じるのか?」
「いやぁ・そん・・な・・ことな・・っんああ!」
「兄の手で感じるなんぞ、なんて淫乱なんだ。いつもは気丈な顔をして働いているのになあ、もうこんなに硬くなっている」
「ちがう・ちが・・うのぉ・・」
「何が違うんだ。じゃあ何故こんなに硬くなっているんだい?」
もう自分の体が制御できなくなっていくのを感じた敦子は快楽で自分が小さくなってしまったように感じる。『私はいくつになっても兄にはかなわないのだ』その言葉が私の頭を駆け巡る。いつだって兄は自分の前いた、それが厭で、劣等感で、自分も女性記者になった。
しかし、兄にはやはり勝てないのだ。だが、そんな屈辱感も今は快楽の一つの要因になってしまっている。
男はそんな妹を尻目に音もなく右手を太腿に這わせる、そしてまるで男を寄せ付けぬように履いたズボンのボタンを器用にはずし、ファスナーを事もなげに下ろした。敦子はまだ快感に酔いしれて気付かないようだ。
男の手は布の上からでもわかるくらいびしょ濡れのそこを刺激した。
「もうこんなになっている。驚いたな・・・」
「あぁぁ!!そこは!」
さっきまでとは比べ物にならない熱さが体中にこみあげる。指は布の上からゆっくりと上下にすり始めた。
それを受けて敦子は、両太腿を閉じるような動きをしたがそれは拒否からくるものではないことは一目瞭然だった。それはむしろその刺激に絶えられない行動に見える。
「あぁ・・あぁ・ぁぁ」
敦子の口は閉じることなく喘ぎ声を漏らす、その口を男の口が塞ぐ。
「んん・・んーー」
そして頃合を見計らって男の手は布の中へ滑りこみ、一番敏感な突起を摘んだ。
「ん゛ー!!!」
とたん敦子の目は見開かれ声にならない叫びを上げた。その口を逃がすまいと覆われた兄の口からは唾液を多く含んだ舌が、敦子の舌と絡まりくちゃくちゃといやらしい声を出している。
また、舌の口も男によって大量の汁をあふれさせぐちゃぐちゃと音を立てている。
ふたつの音と敦子のくぐもった叫びが見事にアンサンブルとなって部屋に響いた。