リラの杜、プロローグ 初秋
残暑もそろそろ抜け、幾ばくか過ごしやすくなった9月半ば
接近中の台風のかなり強い風が吹いている中
「うっ、風強ー、楓ちゃん、早く帰ろうよ」
「あー、りら、そんな走っちゃ…」
よそ見をして走るりら、案の定学生服と衝突し
「い、いてて…、こう言うときはだいたい…」
央司がぶつかった方を見ると案の定いつもの…
但し今日は少し普段と違っていた、スカートがはだけてしまっていたのだ
りららしい可愛らしいくまちゃんのプリントのパンツがしっかりと見えてしまった
慌てて顔をそむけるが…
「いったぁー、きゃっ、スカート…、…あぁーー!バカ央司ぃ、見たわねぇ!」
「…っ、だ、誰がそんなモン見たいってんだ!小野さんのならお金を出してでも見た… …はっ!」
無論楓もそこにいる、変な事を言った後ろめたさか、視線が冷たいように感じるが
党の本人は実の所何も思ってはいない
「あーやっぱ見たいんだー、えっちぃー、さ、楓ちゃん、ヘンタイは放っておいて帰ろ」
言い訳をするにできず立ちすくむ央司、
「お、小野さぁーーん」
空しくこだまする秋晴れの一コマであった。