お盆が間近に迫った夏休みのある日、最後の大会に向け大学の体育館で練習している縁。  
永禄はもうお盆休みに入っているので今日は普段使っていない女子部の横のスペース  
でやっている。普段は女子部の1年生が基礎練習で使っていて、今日は手持ちぶたさ  
の彼女たちが先輩の方を気遣いつつ珍しく来ている縁の方を見ている。  
「あら、麻生、今日はあっちじゃないの?」  
「永禄お盆に入っちゃって閉まったんだよ、独りだとちょっと緊張するな、やっぱ」  
「大丈夫、あんたのヘボな姿なんてデフォルトだからだれも気にしちゃいないわよ」  
「い゛の゛う゛え゛〜」  
「あっ、雪乃。遅かったわね、どうしたの、今日は?」  
「ちょっとね、おにいちゃんにつかまったの」  
「おにいちゃん? 菅原先輩!」  
「よぉ、麻生、相変わらずヘボだな」  
「久しぶりにあっていきなり『ヘボ』ですか…」  
「まあ気にするな」「き゛に゛し゛ま゛す゛!」  
「それはそうと今日はどうして?」  
「ほぉ、麻生、何か、お前可愛い後輩を見に先輩が貴重な時間を割くのが  
それほど嫌なのか」  
「誰もそんな事言ってませんって」  
「よし、麻生、腕立て100回」「そんな〜〜!!」  
 
「もぉ、お兄ちゃんったら、久しぶりに麻生君に会ったのにいきなりそれは無いでしょ」  
「いや、奴が望んだ」「そんなこと無いって」  
必至に腕立てをしている縁にやりとりを聞いている余裕は無い。  
 
「あ、なんか体が熱くなってきた、寒気する、帰るぞ、雪乃」  
「えー、今来たばっかりなんだけどー」「う、風邪だ、くらくらする」  
「もー、ごめんね、空美ちゃん、そういう訳でお兄ちゃん連れて帰りまーす」  
「雪乃ー、明日はちゃんと出てきてねー、大会までそんなにないんだからー」  
「うん、明日は出てくるー」  
 
「きゅうじゅぅうきゅゅう、ひゃーく! 菅原先輩ー、終わりましたよー  
って…先輩は?」  
「なんか風邪ひいたって雪乃に連れられて帰った」  
「ぞんなぁ゛〜 菅原さーん、俺もー」  
「いいからあんたも練習する!最後の大会でしょ」  
「でもーー」「そんな適当な奴が雪乃とつき合うの禁止」  
「なんで井上お前がそんな権利」「いいから!」「えぇー」「とっととする、グズ」  
「お前いのう゛え〜〜」  
しぶしぶ練習を再会する縁であった。  
−−−−−−−−−−  
夕方、部活も終わり井上とぐちぐちやりあう(一方的に責められるとも言う)  
すっきりしないままアパートに帰り  
「そうだ、文芸部の原稿も…駄目だ、疲れて眠い…   」  
いつしか夢の中に入り込んでいった。  
 
なぜか菅原兄弟の住むマンションにいる縁  
ふとんの上で菅原兄が雪乃にいろいろ言っている  
「雪乃ー、あちー、かきごおり作ってくれー」  
「彼女に作って貰えばいいじゃない」  
「あいつ、実家でみんなで旅行に行っていないんだー」  
「しょーがないなーもぉ」  
いいなー、先輩、菅原さんも先輩に甘くないか?でもあの二人仲いいんだよなー  
 
そうこうしているうちにかきごおりを食べ終わった菅原兄  
「雪乃ー、寒い…」  
「って今熱いからって言ってかきごうりたべたじゃない、もぉー」  
「雪乃ー、寒い… 一緒に寝てくれー」  
「ちょっとー、何それー」  
(そうだそうだー、彼女とでも寝たらいいんだー)  
「雪乃ー、寒い… おれは妹に見捨てられ死ぬんだ」  
「もぉーいいかげんにしてよ」  
(そうだそうだー、菅原さんもっと言え言えー!)  
「仕方ないねー」  
(そうだー、ってはぁーー??)  
「あったかい?お兄ちゃん」「まあな」「なにそれ。まあいいっか」  
「雪乃ー、相変わらず胸ちいちゃいなー」「もぉー、お兄ちゃんのエッチ」  
「麻生に揉まれたりしないのかー」「もぉー、そんなんじゃないって」  
一応この頃には二人は経験済みではある(例の3P)  
とはいえ縁の性格がああなので積極的に誘うこともできずあれっ切りでもある  
「お兄ちゃんが揉んで大きくしてやろう」  
 
(はぁあっ!!!)  
「ちょっと何考えてるのー、やーん、あっ… あぁっ… 」  
「いやぁん、もぉー、だめぇー、っや、あぁーん」  
(す、菅原さん!)  
「はぁーーん、あーーん、いや、ああーん、」  
「ぁあーん、おにいちゃーん、もぉだめぇぇー」  
(せ、先輩、そんな、ズボンを、きょ、兄弟なのに)  
 
 
「…かり、縁」  
「って先輩ーー!、って…汐里先輩!。何時此処に?」  
「お前が帰ってくる前から。布団でねてた」  
「寝てた…って行方不明になってまで人の家の鍵持ってないで下さいよー!」  
「で雪乃の胸はあいかわらず小さいままで揉むのか?」  
「…せ、せんぱいぃい〜〜〜」  
と堰を切ったようになだれ込んでくる先輩達  
「よ、麻生」「縁ちゃーん」「縁、元気か!」  
「先輩たちー、どうして俺の部屋に?」  
「それは決まっているだろ、こうしてみんなお前に会いに来たんだよ」  
「先輩…ってもう宴会始めてるしー、って渚先輩!しかももう出来てる!!」  
「雪乃に卵酒作って貰って一緒に飲んだら酔っぱらったー、  
なぁ円、雪乃は相変わらずAの65だぞーーー!」  
「雪乃は麻生にも…」  
「せ、先輩!飲みましょ、飲みましょ!!」  
 
こうして半年前までの日常がいきなり襲って来たのであった。  
嬉しくもあり勘弁してほしくもあった。  
 
 
ps  
「で、雪乃とはヤッたのか?」「菅原先輩と…」  
「ふーん、夢の中で…そういう願望なんだー」  
「あ゛゛ーーー!!!!」  
 
おしまいw  
 

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